巫女なボクと化身使いなオレ   作:支倉貢

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最近の悩みは、なかなか話が進まないこと。どうも、座右の銘です。
話数が多いだけって……(泣。
それではどうぞ!



第16話 恋愛感情とは

剣城side

静かな病院の廊下に、コツコツと俺の足音が響く。俺は兄さんの病室の前で足を止めて、2回ほどノックし、入室した。

 

「今日も来てくれたのか」

 

ベッドの上で上半身を起こし、本を読んでいた兄さんは俺に微笑みかけた。俺も兄さんに笑いかけ、近くに置いてあった椅子に座った。

 

「今日、雷門中の入学式だったんだろ? おめでとう」

「……ああ」

 

思わず、目をそらす。兄さんのためとはいえ、俺は兄さんの大好きなサッカーを穢してしまっている。それを知って、兄さんに悲しんでほしくないんだ。

 

「? どうしたんだ、京介。…………! まさか……」

「‼︎」

 

もしかして……バレた⁉︎ 息を呑んで兄さんの言葉を待ったが、返ってきた言葉は……。

 

「入学早々……恋しちゃったとか⁉︎」

 

何故そうなる。俺は思いっきり、椅子から落ちてしまった。

 

「何でそうなるんだよ……」

「えっ、違うのか? だって京介、顔赤いぞ……」

「ええっ⁈」

 

パッと自分の手で顔を触ると、頬がとても熱かった。心当たりが全くない。何で俺が真っ赤になって……? ……もしかしたらある……かも。

 

「……そうかもしれない」

「えっ、本当か? 京介にもようやく春が来たのか……」

 

おめでとう、と言って兄さんが頭を撫でてくれた。

 

「で、どんな子なんだ? 可愛い子か?」

「……まぁ、可愛いって言ったら可愛い……かな」

「告白したのか?」

「はぁっ⁈」

 

何言ってんだ兄さん‼︎ 何故そうなる⁉︎ 告白したのかって……俺の兄さんはいつこんな乙女になったんだ……?

 

「してるワケないだろ? あいつかなり鈍感だし、言っても分からないだろ……」

「ふーん……」

 

……俺は、あのキツネ女が好きなのか? よく分かんねぇ……。確かにあいつは可愛いと言える女だけど……好きになんの早過ぎんだろ俺。ま、そんなことはどうでもいいか……。

 

 

 

 

 

 

神童side

「はぁ……」

 

俺はピアノの鍵盤に手を置き、ため息をついた。まさか、紅葉に会えるとは思ってなかった。小さい頃、恋い焦がれたあの子が……。紅葉は俺のことを覚えてくれた……。それだけでもすごく嬉しい……。なでなでもできたもんな……。だが……。

 

「紅葉に告白なんてできるのか?」

 

あの様子だと、よく分かんないと言われるだろう。鈍感だからな……。好きな人に告白できないって、辛いんだな……。

 

 

 

 

思えば、紅葉を好きになったのはいつだろうーーーー。

 

 

「拓人っ、サッカーやろうよ‼︎」

 

いつも、そう言って走ってきた紅葉。動きにくそうな巫女服の袖をばさばさといわせ、綺麗な金色の目を俺に向けていた。俺はもちろん紅葉の誘いを快諾した。

 

数十分後、流石に疲れて俺達は神社の賽銭箱の前の階段で座っていた。しばらく他愛のない会話をしていたが、突然紅葉が俺に寄りかかってきた。

 

「……寝てる……?」

 

すやすやと気持ち良さそうに眠る紅葉。綺麗な赤髪が俺の肩にかかる。長い睫毛、桜色の唇……。

その全てが、俺を虜にした。自然と頬が熱くなる。

この時、俺は10歳。俺の初恋の瞬間だった。

 




進まなかった……(泣。
でも、ちょっと恋愛ものっぽくなった‼︎ うしっ‼︎
まさか剣城が紅葉ちゃんに恋⁉︎ そして、優一さんがかなり乙女だった。前から気があった神童も…。
この恋愛展開にもご注目下さい!

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