今回は紅葉ちゃんの過去についてのお話です。
このお話で楓の存在が明らかになります。
それではどうぞ。
……ボクは今、蹴球神社で一人暮らしをしている。別に望んで一人暮らしをしている訳じゃないんだ……。
ボクには、双子の兄がいる。名前は楓っていうんだ。小さい頃から、ずっと二人暮らしをしていた。父さんと母さんの顔は覚えてない。うんと小さいときに2人共死んじゃったらしい。
お互い成長していくにつれ、ボクらは別々の毎日を送った。
ボクは掟のため、ずっと神社の中。
楓は神社の外で、トモダチと遊ぶ。小学校に通ったりもした。
別々の毎日を送っていたボクらだけど、特に仲が悪い訳でもなく、何処にでもいる普通の兄妹だ。楓が用事がないときはサッカーしたりサッカーしたりサッカーしたり……。でも楓がトモダチと遊びに行っちゃった時はさみしかったなぁ。
そんなときに、神社に遊びに来てくれたのが拓人と蘭丸だった。拓人と蘭丸はボクの事情を知った後も、一緒にいてくれた。2人はボクにとって、初めてのトモダチとなった。
でもそんな楽しい時間は、少し前に終わってしまった。
それは3ヶ月くらい前。その日、フィフスセクターが蹴球神社にやって来た。
当時、フィフスセクターは今と同じように、少年サッカー界を完全に支配していた。彼らがやって来た理由は、ボクが目的だからだ。
蹴球神社巫女一族の人間は、代々サッカーの才能があった。その才能は桁外れで、どんなに強いサッカー選手でも、於野一族の人間には勝てなかった。その末裔であるボクの力はそれよりも並外れていて、フィフスセクターはその力を狙ったのだ。
でもボクは、フィフスセクターに連れて行かれることはなかった。何故なら、楓がボクの代わりにフィフスセクターに行くことになったからだ。楓は自分の身を犠牲にし、ボクを守ってくれたんだ。
それから、楓とは連絡を取り合うだけの関係になってしまった。楓は何処か遠い場所に連れて行かれたらしく、たまにしか連絡が取れない。今まで感じたことのない孤独に、ボクは慣れずしばらくは怯えながら暮らした。
でもその連絡も、最近途絶えてしまった。楓から何も連絡がない。ボクから連絡を取っても、出ない。不安になっているときに、雷門への転校が決まった。
「……………………」
「紅葉?」
「うわっ⁉︎」
突然背後からの声に、驚いてしまった。声の主は拓人だった。振り返ると、拓人が心配そうな顔で覗き込んできた。
「どうしたんだ? さっきからずっと呼んでいたのに……」
「あ……ご、ごめんなさい……」
「もう今日の練習は終わりだ。みんなもう着替え始めてる。紅葉も早く着替えろ」
「はい」
ガッ
「待て」
突然、腕を掴まれた。
でもその人物は、拓人じゃなかった。
「剣城くん……」
「……話がある。ちょっと顔貸せ」
「え……でも……」
「早く来い」
剣城くんがボクの腕を無理矢理引いてきたので、ボクはされるがままに剣城くんについていった。
……何か全然シリアスじゃないよね、コレ。
楓「お前が書いたんだろバカが」
楓がいる⁉︎ え、何で⁉︎
楓「何だよ、いたら悪いか」
え、だってあんた確かs……ぎゃぁぁぁ⁉︎←しばかれた
楓「ネタバレ‼︎ とりあえず黙ってろ。あ、これからもこの駄作をよろしくな‼︎」