『G』の日記   作:アゴン

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今回で時獄篇の日記は最後になる予定です。


その101

 

 

 

ネオ・ジオンとの最後の戦い、アマルガムの襲撃を回避し、無事Z-BLUEは宇宙へと進出。アクシズで待ち構えていたネオ・ジオンとその総帥、シャア=アズナブルの決戦が開始された。

 

アムロの機転によりシャアが特異点である事を知り、彼を退ける事に成功した一行はシャアの思惑を知り、共にエタニティ・フラット────時の牢獄を打ち破る事を提案する。

 

しかし、シャアは自身への負い目と搭乗している機体の損傷が激しい為に、一時戦域から離脱していった。アムロが待てと追いかけようとした所に現れたのは、もう一人の赤い彗星として知られるフル=フロンタルの強襲だった。

 

更にそこへ現れるジェミニスのトップ、ガドライト=メオンサムと彼の持つスフィア“いがみ合う双子”の力によって、アクシズは地球への落下速度を速める。

 

既に地球圏付近、地球にぶつかるまで目と鼻の先にまで接近してきているアクシズ、こんなモノが地球に落ちれば地球は永遠に明けない核の冬に包まれ、命の芽吹かない死の星へと成る事だろう。

 

既にエタニティ・フラット完成のカウントダウンは進んでいる。追い詰められた状況、嘗てない緊迫とした戦場の中で、Z-BULEの面々はネオ・ジオンとの最後の戦いに挑むのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

閃光が迸り、光が瞬く。様々な思惑が交差する戦場の真っ只中で、シュウジ=シラカワは目の前に立つガドライト=メオンサムとその愛機を静かに見据えていた。

 

『どうよ。折角これまで色々画策してきたのに全てが台無しになっていく感覚は? 怒りに打ち振るえているか? 絶望に沈み泣き叫びそうか? 同情はするぜ、だがこれが現実だ。いい加減自覚しようぜ、なぁ、蒼のカリスマさんよ』

 

声しか伝わってこないガドライトの挑発的な台詞、明らかに此方を見下している奴の言葉にシュウジは反応を見せず、ただ静かにガドライトを注視していた。

 

ハマーンを初めとしたネオ・ジオン側からの戦力導入と、まさかのアンチスパイラルから無数のムガンとハスタグライ級とパダ級を導入してきており、地球圏近海はまさに大混乱と呼ぶに相応しい状況の中となっている。

 

そんな混沌とした戦場の中、次元力を扱うガドライトの存在は非常に厄介なモノだ。奴がその気になればアクシズの落下速度を更に速める事も可能だろうし、次元力の力によりエタニティ・フラットに影響を多く及ぼしてしまう可能性も出てくる。そうなってはいよいよ地球に後がなくなってしまう。

 

無論、そんな次元力の力に対抗出来るだけの力はグランゾンにも備わっている。万全の状態であるならばそれこそアンチスパイラルの戦力ごとガドライトの相手をする事も可能な程に。

 

だが、それは今は叶わぬ芸当、彼の者から受けた呪いによって、実力の半分も出せないでいる今のシュウジとグランゾンではその力を揮うことは出来はしない。精々、こうして牽制としてガドライトの前に立つのが精一杯だった。

 

そして、その事を知っているが故にガドライトは愉快そうに饒舌に語る。

 

『アンタも大変だろうになぁ、中途半端に力を持っているが為に余計なイザコザに巻き込まれ、目を付けられる。哀れなもんだ。幾ら魔人と恐れられようが天意に逆らえばこの様……ホント、可哀相ったらないぜ』

 

『だったら、その哀れな魔人など放っておいてとっとと高見の見物に戻ればいいではありませんか』

 

『そうしたいのは山々だが、生憎それは出来ねぇな。万が一時の牢獄が破れたとありゃあ、それは俺の失態に成りかねないからな』

 

酒気を帯びた顔でガドライトはほくそ笑む。パラダイムシティにて良いようにボコボコにされた事を根に持つ彼は、ここぞとばかりに目の前の魔人を煽りだす。

 

無様だと、滑稽だと、続く限りの罵倒を浴びせるガドライトに対し、シュウジは仮面の奥で冷ややかにそれを見つめ続けた。シュウジの沈黙を怒りを堪えているモノだと思い込んだガドライトは更に言葉を続ける。

 

そんな時、シュウジは徐に口を開いて、思った事を口にする。

 

『────まるで、構ってちゃんだな』

 

『…………あぁ?』

 

ポロリと無意識に零したその一言にガドライトは表情を強張せる。対してシュウジは言い返した事に対する優越感に浸ってはおらず、自然とこぼれてしまったその一言に寧ろやっちまったと言うように仮面の口元を片手で抑えていた。

 

だが、一度言ってしまった事は取り消す事は出来ない。シュウジは今まで考えていた事をポツリ、ポツリと語る事で誤魔化そうとした。

 

『いやね、お前のこれまでの言動を基にちょっとした推理を考えてたんだ。度々姿を現しては挑発を繰り返し、Z-BLUEの反応を見て楽しみ、悦を得ている。何故こんな事をするのか、単に挑発する為だけにしてはやりすぎている気がする。そこでお前の心中には二つの感情が渦巻いていると考えた』

 

『………っ!』

 

『お前の胸中で蠢く感情、それは希望と絶望によるモノだと俺は考えた。絶望しているからお前は彼等と遭遇し自分の力が如何に強大か見せつけて、また希望を持つが故にお前はヒビキ君達に対して自らトドメを刺そうとしない』

 

この推論に根拠を得られる様になったのはNERV本部での戦闘の時だ。奴は自分達を叩き潰そうとしてもトドメを刺そうとはしなかった。確かにその時はZ-BLUEの底力の事もあって退けたと考えられるが、それは奴が此方を格下であると大きな慢心を抱いた事が大きい。

 

『矛盾――成る程、それがいがみ合う双子のスフィアの本質か。絶望の中に沈もうと僅かな希望を抱いている限り諦める事はない。お前が酒を呑んで酔っているのはそういう所を誤魔化す為のモノでもあるという訳か』

 

『……黙れよ』

 

シュウジの言葉から聞かされるガドライト=メオンサムの本質、それが事実である事を裏付ける様に、ガドライトは震えた声でシュウジに黙れと口にする。

 

『大方、お前の星も俺達の様に危機に瀕していたんだろ。話を聞く限りお前のその機体はジェミニスの誇りの象徴でもあるらしいからな』

 

『黙れ!』

 

『けれど、お前は負けた。負けた事により絶望に叩き落とされたお前は自分を負かした連中の駒になるしかなかった。残された数少ない同胞を守る為に……』

 

『黙れ!!』

 

『けど、差し向けられたこの星でお前は魅せられてしまった。自分の星以上に窮地に晒されながら、それでも足掻き続ける人々が発する光に……それが羨ましくて、妬ましくて、眩しくて、嘗ての祖国を思いだしたお前はそれに縋る様にZ-BLUEに手を出した。────何だ。マジで構ってちゃんなんだな、お前』

 

『黙れってんだよぉぉぉっ!!!』

 

これまで余裕の表情から一変、鬼気迫る勢いでガドライトは愛機と共にグランゾンに切りかかる。この反応を予め予測していたシュウジは淡々と対処する様にワームホールから剣を取り出し、ガドライトの愛機ジェミニアと肉薄する。

 

せめぎ合う剣と刃、スフィアの更なる力に目覚めつつあるガドライトとどうにか互角に持って行かせているシュウジ、競り合う二つの力が行き場を無くして周囲に散らばる中、ガドライトは胸中に沈んだ思いの丈をぶちまけた。

 

『テメェに何が分かる! 住まう星を壊され、多くの同胞の命が奪われた俺の気持ちが! 与えられてきたばかりのテメェに何が分かるってんだ!』

 

『知らねぇし知るつもりもねぇよ。けどな、それを理由にした所でお前がこれまでしてきた事は許される事じゃねぇ。それだけは確かだ』

 

『はっ、だったら俺にどうすればいいって言うんだ? 俺が事情を説明すればテメェ等は受け入れるって言うのかよ? 助けを求めれば必ず助けてくれるって言えるのかよ!?』

 

それはまるで懺悔の様だった。助けを求める子供の様だった。どうすれば良いか分からず、闇雲に戦禍をまき散らす事しか出来ないガドライトが初めて漏らした感情に、シュウジはただ静かに聞き入った。

 

そして心のどこかでシュウジはガドライトに共感した。もし彼の者が自分を従わせる為ではなく、見せしめとしてシオ達を殺したならば、恐らく自分はその時に戻れない所にまで落ちてしまっていたのだろうから。

 

故にシュウジは思った。どこかで一歩でも道を踏み外してしまっていたら、自分もこの男の様に戦禍をまき散らすだけの存在に成り下がっていたのではないかと。

 

そして同時に感謝する。この世界に来てから関わってきた全ての人達に、彼等がいたお陰で自分はこうしてここに要られるのだから。

 

せめぎ合っていた力をシュウジがグランゾンを操る事によって崩させる。鍔競り合いの状態から弾き飛ばされた両者は睨み合う様に向かい合う。

 

『シュウジさん!』

 

『ヒビキ君、ここは私達に任せて君達は君達のやるべき事をやりなさい。背後の憂いは私が払いましょう』

 

『……分かりました。お願いします!』

 

『負けんじゃねぇぞシュウジ!』

 

救援に駆けつけようとしたヒビキをシュウジはやんわりと断り、ネオ・ジオンとの決戦に集中させる。他のZ-BLUEも、自分の今の通信を聞いて邪魔をするつもりはなかったのだろう。最後に届いて来たキタンからの一方的な激励に笑みを浮かべながら、シュウジは手にした操縦桿に力を込める。

 

『ガドライト=メオンサム、あぁは言ったが、やっぱり俺はお前を許せそうにない。友人の娘(マリーメイア)を巻き込んだり、弟分を痛めつけるお前の言動はどう解釈しても不快しか感じない』

 

『それはこっちも同じ事だ。魔人? 蒼のカリスマ? すかした名前で正義の味方を気取り、誰も彼も守れた気になっているテメェを見ていると、堪らなくムカつくんだよぉぉぉ!』

 

別に正義の味方を気取った覚えはないし、誰かを守るだなんて自惚れたつもりもない。しかし、今のガドライトにはその言葉は届く筈もなく、シュウジはグランゾンを加速させ、再び真っ正面からジェミニアの剣戟を受け止めるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

∵月⊕日

 

ネオ・ジオン、そしてガドライト達との決戦から数日、世界はエタニティ・フラットを破り、一時の平穏の日々を過ごしていた。

 

Z-BLUEの奮闘、並びにシャアさんの奇策とトライア博士の用意周到さのお陰で成った時空修復。アクシズの大特異点やシャアさんとフロンタルの二つの特異点の事など結構なドタバタ感はあったものの、皆の協力のお陰で時空修復は完成し、時の牢獄を破る事も成功した。

 

その最中、地球圏に落ちそうになったアクシズを止めようと、Z-BLUEだけでなくネオ・ジオンの人達まで一緒に受け止めようとした事には正直驚いた。これまで憎み合い、争い続けてきた人達が協力して一つの事に立ち向かうのは再世戦争の頃、月が落ちてきた時以来の光景だったので、ちょっと感動した。

 

本当なら自分もその輪の中に入りたかったが、ガドライトの相手をしていたからその事も出来ず、時空修復が完成するその時まで、自分は離れた所で見守る事しか出来なかった。

 

時空修復が完成した事で砕け散ったアクシズ、これからネオ・ジオンはどうなるのか、そしてシャアさんはこれからどうするのかと思っていた頃に奴等が現れた。

 

地球至上主義、クロノの手先であるサイガスがここぞとばかりに艦隊を引き連れ、ネオ・ジオンの残党に向けて一方的に攻撃してきやがった。……まぁ、自分とグランゾンが割って入った事によって、一撃たりとも通しはしなかったけどね。サイガスと奴に付き従う地球至上主義の連中も、後からやってきたガドライトによって全滅させられていたけどね。

 

つーか、ガドライトの奴更にスフィアの力を覚醒させやがった。何でも、自分と戦った事でガドライトの意識に変化が生じ、その影響を受けて強くなったのだとか。

 

おかげで時の牢獄が破られた事に対してさほど狼狽せず、余裕を持ちながら自分達と最後の戦いに挑んで来やがった。

 

それだけで厄介だというのに、ガドライトは更にスフィアの次元力を使い巨大インベーダーや宇宙怪獣の群を呼び出し、自分とZ-BLUEにけしかけてきたのだ。

 

戦力、並びに精神力が時空修復の完成によって消耗したZ-BLUEでは厳しい状況となった時、地球から意外な援軍が駆けつけてくれた。

 

ダヤッカさんとリーロンさん、アークグレンと共に馳せ参じた彼等のお陰で、次元の狭間に仕舞い込んでいたカテドラル・テラ改め超銀河ダイグレンを呼び出す事に成功、これだけでも凄いというのに、シモン君は更なるトンでもをやらかしてくれた。

 

“超銀河グレンラガン”アークグレンとグレンラガン、超銀河ダイグレンが合体した星をも越える大きさとなったスーパーロボットの登場により、部隊の士気は一気に跳ね上がり、ガドライト率いるジェミニスを押し始める様になった。

 

けど、向こうも相当な覚悟を持っていたのか、ガドライトの奴が副官らしき機体を逃がすと、自分に更に機体の出力を上げて自分達に殴り込んできたのだ。

 

ジェミニスとガドライトの決戦、戦場の空気も最高潮に達した時、アイツが……例の喜びクソ野郎が現れた。

 

奴がガドライトに対し挑発的な言葉を口にするとガドライトは激昂、怒りのままに奴の乗る機体を破壊し、喜びクソ野郎ごと爆発させた。

 

恐らくはガドライトの母星が滅んだ事に関係しているのだろう。いや、あの様子だともしかしたらあの喜びクソ野郎こそが、ガドライトの故郷を壊した張本人かもしれない。

 

その張本人と出会った事によりガドライトのスフィア、いがみ合う双子のスフィアはその均衡を崩し、ジェニオンにスフィアを奪われる事になる。

 

何故ジェニオンに他者のスフィアを奪う機能が搭載しているのか、幾つか推論が挙げれるが、今はその時ではないので控えておく。

 

で、ヒビキ君達によってスフィアを奪われたガドライトは喜びクソ野郎を殺された事による怒りと悲しみに満ちたヒビキ君の一撃により撃破、ガドライトはこれまで自分が起こしてきた事を精算するかの如く、宇宙の中で爆散していった。

 

……喜びクソ野郎の事を知っている身では非常に複雑な心境だ。あの野郎、自分だけでなくヒビキ君達にも何かしやがったな。あの盲信的に奴の言葉を信用するヒビキ君の姿、自覚こそはないにしても相当入れ込んでいた事が分かる。

 

あのときは自分も必死に感情を押し殺していたが、正直自分も奴にBHCをぶち込みたくて仕方がなかった。ガドライトの奴が取り乱していなければ、もしかしたら自分が先に手を出していたのかもしれない。

 

だからという訳ではないが、ここで一つ誓いを立てていこうと思う。そしてこれが恐らくタイミング的に日記に記す最後の機会になりそうだから……。

 

次はいよいよアンチスパイラルとの決戦が控えている。それを乗り越えば恐らく多元世界に関わる最後の戦いが待ち受けている事だろう。

 

だから記しておく。奴の呪いを受けていない状態で日記を書く最後のタイミングで自分のやるべき事を書いておこうと思う。

 

 

 

 

 

 

 ─────喜びクソ野郎、これから先お前がどれだけの企みを企てていようとも、そして自分の野望が成就しても。

 

俺の、白河修司の全てを以てして、貴様だけは必ず倒す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アンナロッタ様、我々は一体これからどうしたら……」

 

「分からない。だが、生き延びねばならない。ジェミニスの、我々の命を紡ぐ為にも、私達は立ち止まる訳にはいかんのだ」

 

人気のない地球の某所、夜空に浮かぶ星々を見上げながらアンナロッタ=ストールスは口ずさむ。戦いに敗れ、居場所も行く場所もない自分達に未来はない。

 

けれど諦めてはならない。この身に宿している命を守る為にも自分達はここで死ぬ訳にはいかないのだ。気落ちしつつある護衛の部下達を叱責しながらアンナロッタが前に進もうとした時───。

 

「残念だが、それは叶わない」

 

“死”が彼女の前に現れた。サングラスを掛け、白のスーツを身に纏うその男にアンナロッタは、目の前に虚ろな大穴が自分を呑み込もうとする様な錯覚を覚えた。

 

「アンナロッタ様、お逃げ下さい!」

 

「ここは我々が!」

 

そんな男を前に部下の二人が立ちふさがる。自分達の未来は渡さないと、文字通り命を懸けて飛び出す彼等にアンナロッタは待ったを掛けようとした。

 

だが、それよりも速く男の手が剣の様に煌めき、瞬いた。発する声よりも速く手刀を抜いた男は、護衛二人を切り払う。

 

鮮血が舞い、部下二人は地に落ちる。成す術なく崩れ落ちる部下達にアンナロッタは小さな悲鳴を上げる。

 

「殺してはいない。少しばかり眠って貰っただけだ。尤も、暫くは貧血で動けそうにないが、な」

 

「お、お前は……」

 

「天意によって遣わされた死神……の、様なモノだ。────アンナロッタ=ストールス、お前の命を刈る為だけの、な」

 

淡々と、感情のない冷たい男の一言に、アンナロッタは恐怖に竦む前に逃げ出した。無様であろうと、醜かろうと、この身に宿した命を守る為に決して屈してはならない。ただその一念でアンナロッタは目の前の死から逃げ出そうとした。

 

しかし────。

 

「残念ながら、鬼ごっこは終わりです」

 

目の前に唐突に現れた一人の影、それを認識した瞬間アンナロッタの体に衝撃が走る。何だと思い視線を下げると心臓近くに腕が深々と突き刺さっているのが見えた。

 

(ガドライト……ごめん、ね)

 

薄れゆく意識の中、最愛の人に別れを告げながらアンナロッタは胸元から吹き出す血と共に倒れ、息を引き取った。その様子を追いながら見ていたサングラスの男は警戒心を抱きながら近付き、アンナロッタの首に指を置いた。

 

……確かに脈はない。横たわる亡骸となったアンナロッタから視線を外した男は、突然現れた男に視線を向ける。

 

コイツは何者だ? いや、自分は知っている。目の前にいる青年は報告で聞かされた魔人と呼ばれる者、何故そんな奴が自分の前に立つ? 疑惑と警戒の色を濃くしたサングラスの男は、青年に言葉を投げ掛けた。

 

「────何故、貴様がここにいる。いや、何故こんな真似をする。……シュウジ=シラカワ」

 

サングラスの奥に感情を隠しながら、そう問いかけてくる男に対し。

 

「なに、私も天意に従う身、後輩として貴方の手助けに来ただけですよ」

 

白のコートに身を包んだ魔人は手に付いた血を払いながら、不敵に嗤うのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回からアンスパ戦に突入!

アンスパとZ-BLUE、そしてボッチの決戦編となります。


それでは次回もまた見てボッチノシ

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