本当に遅れて申し訳ない…………
全然モチベーションがでなくてこうなってしまったでござる。後、オンラインゲームも忙しかったんだ←おい
次の話はもう半分以上出来上がってるから一週間以内に更新してみせる!(フラグ )
「はぁ、はぁ、…………えらい目にあった」
しばらく子ども達にもて遊ばれてから開放された蓮太郎は壊れていたチャックを延珠と木更に外してもらいようやく自由の身となったのだった。
「あれ? 蓮太郎居たんだー?」
「おいこらアリス、面貸せやこの野郎」
もっともアリスを恨めしそうに睨んでいたが。
当のアリスはアホ毛をピョコピョコとうごかし、コロコロと笑っていたが、
「はぁ…………で、こいつ等はなんなんだよ?」
「捕獲対象」
「へぇー、朱里ちゃんって言うんだ。私はアリス、よろしくね」
「捕獲対象? 政府筋の依頼なのか?」
「は、はいよろしくお願いします」
「いいえ、依頼人は民警よ」
「ふふ、ふふふふふ♪ 朱里ちゃんは可愛いねぇ」
「民警が民警を雇うなんてこと、あるのか?」
「やっ! ちょ、ちょっと…………そんなこと触られたら…………んっ、ひゃうっ」
「ま、珍しい事じゃ無いわね」
「…………て言うかアリス! さっきから何してんだ!」
蓮太郎が木更と状況の確認をしていると、朱里を膝の上に乗せてベンチに座りながらアリスは朱里に対してセクハラを働いていた。
「可愛い娘がいたからにゃんにゃんした」
「空気! 空気読めよ!」
蓮太郎が思わず突っ込むと、アリスの後ろからフードを被っていて顔が見えない少女がアリスの方に歩いてきて、何処からともなく取り出したハリセンで、
スパァーン!
「痛ッ!」
物凄くいい音を出してアリスの頭を叩いた。
そのまま、少女は蓮太郎の方に頭を下げてアリスを引きずって後ろに下がっていった。
「「「「「……………………」」」」」
あまりの展開に誰もフードの少女の正体なんて気にすることさえ出来なかったのであった。
「…………で、お前らなにやったんだ?」
(((((あ、無かったことにしようとしてるな)))))
一連の出来事を無かったことにしようとした蓮太郎のお蔭でようやく話しが進んだのだった。
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それから蓮太郎達は常広の話す理由を聞いたのだった。
借金のかたにヤクザに連れていかれてそのまま未踏査領域で盗掘しているバラニウム鉱山で強制労働をさせられていたこと。鉱山守護の為に連れてこられてるろくでもない民警に仲間の労働者がリンチにあって殺されたこと。朱里と出会い、逃走し今に至ると。
「…………天童木更さん、いくら金に困っていても仕事は最低限選ぶべきだと私は思うのですが、そこのとこどうなのでしょうか?」
「いきなり丁寧な口調にならないで! 知らなかったの! 信じて!」
アリスにゴミを見るような目で見られ、木更は必死に弁解するが、アリスの絶対零度のごとき視線は木更を貫き続け、最終的には半分ほど涙目になっていた。
年下に常識を説かれ、なおかつ反論のしようがないとなればそれも当然だろう。
しかし、その状態は唐突に終わりを告げる。
「おぅ、見つけたぞガキどもッ!」
そこに現れたのはバラニウム製のボウガンを持った先程の話にでた『ろくでもない民警』の筆頭、羽賀だった。
常弘と朱里が身を寄せあい、さりげなくアリスが庇うように二人の前に立った。
そこで蓮太郎はあることに気付き羽賀に問い掛けた。
「おい待てよ、オッサン。お前が依頼した民警か? イニシエーターはどうしたんだ?」
「あとで報酬はやるから野良犬は黙ってろよ」
「イニシエーターはどうしたっつってんだよ」
蓮太郎の気迫に気圧され、先に目を反らしたのは羽賀だった。
「チッ。あーあーそういやいたなそんなの、ギャアギャアうるさくわめくからぶっ殺しちまったけど任務中の殉職ってことにしておいたから、もう少……しぃ!?」
瞬間、その場にいた全員が心臓を鷲掴みされたような悪寒と猛烈な殺気を感じた。
一瞬の内にそれはなくなったが、なまじ実力がある者ばかりなので、その一瞬で悟ってしまったのだった
ーーこいつと敵対してはいけないーーと、
一瞬だけなので発生源が誰なのかは最初から心当たりがあった蓮太郎以外は気づく事が出来なかった。
回りにばれない様に殺気の発生源ーーアリスの方を見ると先程までの豊かな表情は消え去っており、まるで能面の様な無表情が顔に張り付いていた。
「ッ!」
そこで蓮太郎は聖天子に言われた、『呪われた子供たちに危害を加えた者達をなんの躊躇いもなく皆殺しにした』、その言葉を思い出したのだった。
「…………オラァ!」
「な!? グホァ!」
思い出した事を吹っ切ろうとするように羽賀を殴り飛ばす蓮太郎。
「…………二度と民警として俺達の前に立つな。万が一、もう一度あった時にまだお前が民警だったら…………ぶっ殺してやるからな」
半分は怒りで、もう半分はアリスの行動が気がかりで、喉から絞り出すような声で羽賀を睨めつけて蓮太郎は言った。
そして、殺気に気づいていなかった朱里と常弘はその姿を見て民警ーと言うより蓮太郎ーに憧れを持ち、いつか民警になるのを夢見たのはまた別の話。
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「ハァハァ…………くそったれが! あの餓鬼どもめがぁぁ!!」
蓮太郎に殴り飛ばされた羽賀は歩いて、拠点まで悪態をつきながら帰っていて、丁度人通りがほとんどない道にかかった所だった。
「あぁぁぁ!! このままじゃ気が収まらねえ! 外周区の餓鬼でもぶっ殺してストレス発散してやろうか…………」
羽賀本人は特に意図した訳でもなく、いつもやっているストレス発散方法を何気なく口にしただけだったのだろう。だが、タイミングが悪かった、場所が悪かった、発言が悪かった、そして…………相手が悪かった。
「へぇ、まだ懲りも反省もせずにそう言うこと言うんだ」
「…………まぁ、運が悪かったと思ってください」
「ッ!?!?」
早く反応しなければ、即、死に至る。そう直感が働き、羽賀は後ろにいるなにかから逃げるように前に転がった。
ズバァ!
「ッ!」
ほんの一瞬前まで自分が立っていた場所に斬撃の後がうっすらと残っているのを見て、羽賀は背筋を冷や汗が落ちていくのを感じた。
「私はあの娘達を愛してる。だからあの娘達を害するあなたは害悪にしかならない。だから…………死・ん・で♪」
「私もあなたは気に入らないですし、そもそもここまで怒ってるアリスさんを止める事は私には出来ません。あまり苦しまないように潔く避けない方が賢明ですよ」
白い髪に赤い目の少女の手に収まっているマチェットを目にしたとき、先程の斬撃が少女の手によるものだと理解し、その瞬間ーー
「ぅ、うわぁぁぁ!?!?」
本能に従って恥も外聞も捨てて逃げだしたのだった。
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「…………見逃してあげるんですか? さっきまであんなに怒ってたのに」
「ふふふ、まあ、あれだけ怖がらせればもうあの娘達をどうこうしようなんて思わないだろうね」
「じゃあ…………」
「でぇもぉ見逃してあぁげなぁい♪ だってだって…………私は怒ってるんだよ?」
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どれ程走っただろうか、外周区に近いあの場所から走ってきたのだ。相当な距離だろう。
現に、走り始めた時は沈みかけだった夕日もいまでは完全に沈み、夜の帳が降りている。
「ハァハァ…………カヒュー…………あ、あぁ?」
対に町の光りが手に取るように見える距離まで自分がたどり着いた事を自覚し、安堵したと同時に疑問が頭をよぎった。
(何故…………俺は逃げられた? あいつが餓鬼だからか? いや、あいつは目が赤かった。つまりイニシエーターだ。身体能力でプロモーターが勝てる訳がねぇ)
一度考え始めると止めどなく沸き上がる数々の疑問。しかし、もうすぐ町に入ることが出来るところまで来ると、次第にどうでもよくなってきた。
(まあ、いい。逃げきれたならそれに越したことはない。それに俺は生き残れたのだから…………)
『みぃつけたぁ』
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『続いてのニュースです。本日早朝、xx区の町の外れで、頭部のない男性の遺体が発見されました。警察の発表によると、死因は頭を吹き飛ばされた事による即死とのことです。検察の調べによると死体にそれ以外の傷はなく、死体の身元も犯人の検討も未だについていないそうです。続きましてのニュースは…………』
今回の話でアリスにアホ毛があると言われていますが、ぶっちゃけこれは書き忘れてた設定で、いまから全話に修正をいれていきます。