百合注意! 苦手な方はラストのスペースが空いているところから先は読まない方がいいです!
新メンバー
ーーーーーーーーアリスのラボーーーーーーーー
「私の仕事を手伝う?」
夏世が目を覚ましてから数日後。
アリスのラボで夏世の精密な検査や様々な測定などを行われている最中に夏世は「アリスの仕事を手伝う」と言ってきたのだった。
「はい。私も何か出来ることがしたいので。…………ダメですか?」
「ダメ」
躊躇なき即答であった。
「…………ダメ…………ですか?」
夏世の攻撃!
上目遣い+涙目+不安そうな声色!
「うっ…………だ、ダメ」
アリスは(ギリギリ)耐えた!
「…………何でですか?」
「…………逆に聞くけど何で私の仕事を手伝おうとする訳? 私の仕事の内容は『殺人』『暗殺』人間の汚い部分を凝縮したようなものだよ」
アリスは痛々しげに話すが、
「それでもです。それに何より…………その…………
「…………」ゴクリ
アリスの自制心に9999のダメージ!
しかし、アリスは(ギリギリ)理性を保った!
「あのー、アリスさん?」
「はっ!? だ、大丈夫だよ!(ヤバイぞ、何だよ今の! 誘ってんのか!? もういいの!? 据え膳なの!? 頂いちゃっていいの!?)」
激しく葛藤し、必死に理性を保つアリスだった。
「お願いします!」
そう言って夏世はアリスに頭を下げた。
「…………私の仕事を手伝うって事は人殺しもするって事だよ」
「分かってます」
アリスは暫く夏世と睨みあっていたが、夏世の目に強い意思を感じ、何を言っても考えを曲げないだろうと思い、
「分かったよ。但し無理はしないこと。嫌だ、辛いと思ってまでやって欲しいとは私も思って無いからね」
「はい!」
夏世の満面の笑みを見たアリスは、ため息をつき、携帯を懐から取りだし(アリスのラボは地下にあるが、電波は通じるように改造されている)何処かへと電話をかけ始めるのだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「よし、じゃあ出発!」
「ちょっと! 何処行くんですかアリスさん!」
アリスはあれから電話をかけ終わると、夏世を居住区(アリスのラボにはちゃんと寝泊まりできる設備があるスペースが完備されているが、アリス本人は余り使っていない)置いてある私服を私に着せて自分も同じものを着た。
今の格好は白っぽいフード付きのパーカーとズボンといったよく言えばシンプルな、ハッキリ言えば適当に選んだ様なものだ。
「あのー、この服は?」
「んー? だって夏世は表向き死んだことになってるんだから顔隠さなきゃだし、私もこの髪の色凄い目立つからさー」
そう言いながらアリスは自身の長い白髪を後ろで纏めながら答えた。
「あ、後これだけは手離さない方が良いよ」
そう言ってアリスは夏世に小さな箱の様な物を渡した。
「何ですか? これ」
「カラーコンタクトだよ。目の色は隠さなきゃ私の髪の色より目立ちかねないからね」
すると夏世は蓋を開けて中の黒のカラーコンタクトをじっと見つめ始め、恐る恐ると言った様子で手に取った。
「…………」
「…………」
「…………」
「…………もしかして怖いの?」
「そっ、そんなわけ無いじゃないですか!」
と、夏世は否定するがどっからどう見てもビビってるのが丸わかりである。
「ふーん、じゃあ最初だし私がいれてあげるよ」
「…………はい、お願いします」
にやにやしながらアリスが言うと、夏世は恥ずかしそうに顔を赤らめながら頼んだ。
「あの…………」
「ん? 何?」
「痛く…………しないでくださいね?」(涙目+不安そうな声色+上目遣い)
「…………ゴクリ(…………ゴクリ)」
そこからアリスの記憶は途絶えていた。
気づくとラボの出口の付近で二人でフードをしっかりと被った状態で立っていた。
ちなみにカラーコンタクトは二人ともちゃんと出来ていた。
ーーーーーーーーー喫茶店ーーーーーーーーーー
「お前、呼んでおきながら一番遅くに到着するってどういう事だよ」
アリスが目的の場所ーーとある喫茶店についたとき、そこには呼び出していた三人が既にこの店での定位置である窓際の角のボックスに集まっていた。
「いやー、何か色々あって…………ね?」
「いや、『ね?』って言われても」
アリスの返答に反応したのは巳継悠河だった。
「でー? 用事って何なの?」
そう聞いて来たのは『ハミングバード』こと久留米 リカだった。
最初にアリスに話しかけてきた『ソードテール』こと鹿嶽 十五も同じような考えをしていたのか、同調するようにアリスに視線を向けてきた。
この五翔会の中のチームーー通称『アリスチーム』は基本的にプライベートでも仲は良い。
とは言っても、このチームが結成された頃。つまりはアリスが五翔会に入ったときの頃はとても仲が悪かった…………と言うか殺意を向けあう事すらある程だった。
それをアリス皆を集めて説得(物理)によってリーダーの座を奪い取り、皆を纏めていき、ここまでのなかにしたのだった。
喧嘩もないではないが、『喧嘩するほど仲が良い』の範疇に収まる程度だ。
このメンバーは基本的には五翔会での仕事がない限りフリーである事が多いため、このような急な集合をかけられても大体は集まるのだった。
「用件? ああ、それなら…………夏世、何時までも私の後ろにいないで出てきなよ」
「うぅ…………はい」
そう言って夏世がアリスの後ろから出ていくと、
「「…………どっから拐ってきたんだ(の)?」」
「何で拐ってきた前提なんだよ!」
綺麗にハモらせてリカと十五がアリスに言ってきた。
「ははは…………で? その子は結局どうしたの?」
「新しい仲間(仮)」
「「「…………はっ?」」」
アリスの予想外の発言に三人とも綺麗にハモった間の抜けた声を出した。
「あー、最初に言っておくと、私は散々止めたし仕事の内容も知って尚、手伝いたいっていってるんだからね」
「お願いします! ここで働きたいんです!」
どこの神隠しの台詞だとツッコミが入りそうな事を夏世が言うと、
「…………本人が入りたいって言うんだったら別にいいんじゃないのか?」
「ちょっと十五!? あんた本気で言ってるの!?」
十五が肯定的な答えをだし、それにリカが噛みついた。
「俺たちだって人には話せない様な事情から五翔会にいるんだから、こいつだってそんなもんだろ。見る限り覚悟も出来てるみたいだし、何よりアリスの推薦だ。入れてみる価値はあると思うが?」
「それは…………そうだけど」
「まあ、僕もどちらかと言えば賛成ですね。最悪、実戦で使い物にならなくてもバックアップ要員としてなら十分入れる理由になるとおもいますけど」
「でもこんな小さい子どもを…………」
「それでいったらアリスも同じ位だし、君もあまり変わらないじゃないか」
最終的にリカだけが反対するようになり、どう納得させようかとアリスが考えていると、
「ダメ…………ですか?」(涙目+不安そうな声色+上目遣い)
「…………」キュン
「ん? おーいどうした? 急に固まって」
「ぜ…………」
「「「ぜ?」」」
「ぜっっっったいに入れるわよ! こんな貴重な癒し要員を逃す訳には行かない!」
突然態度を急変させたリカに、男二人組が気圧されているなかでアリスは確かに見たのだった。
ニヤリと笑う夏世を。
「(夏世…………恐ろしい子っ!)」
そしてその日はそのままいくらか雑談をしてから解散となったのだった。
ーーーーーーー東京エリア某所ーーーーーーーー
「…………まさか影胤が負けるとは思っていなかったわね」
「母さん?」
ある場所に二つの人影があった。
一つは20を過ぎた程度背の高いの女性、もう一つはそれよりもずっと小さな10歳いっているかいないか程度の子ども。
「華鈴いくわよ」
「うんっ」
二人は人混みに紛れていく。
「アリス…………か調べてみようかしらね」
ーーーーーーーーアリスのラボーーーーーーーー
「ふぅ、今日はなんか疲れたな」
「大丈夫ですか? アリスさん」
アリスと夏世はアリスのラボの居住区にいた。
普段は居住区ではなく、デスクの横に備え付けてある一つのベッドにねているのだが今日からは夏世も居住区に寝ることになった(いままでは検査や暴走などの危険を考え見てちょっとした隔離室の様な場所で寝かせていた)ので、一緒に寝ようと提案してきた夏世に特に反対する理由もないので一緒に寝ることになったのだが、
「一緒に寝るって、ベッドもかよ」
「ダメですか?」
「まあ、いいけどさ」
そう、ベッドまで一緒だったのである。
驚いたような嬉しいような複雑な心境のアリスだった。
そして就寝。
「アリスさん」
「何?」
「私はちゃんとアリスさんの役に立てるでしょうか」
「別にそこまで役に立とうと無理しなくて良いよ」
「…………私はアリスさんに命を救われました。だからその分アリスに尽くしたいんです」
夏世がアリスに抱きつきながら言うと、
「…………ブツン」
「…………へっ?」
アリスは急に起き上がるとそのまま夏世の上に馬乗りになり、
「夏世さぁ」
「は、はい? 何ですか?」
「ずっと今日一日誘ってんの?」
「へっ!? いや、そんなこと!」
「だからさぁ、これは夏世が悪いんだよ」
「ちょっ、あ、アリスさ…………うむぐぅ!?」
夏世が戸惑い、焦っているとアリスは夏世の顔に近づき、そのまま唇をうばった。
「んっ」
そのまま滅茶苦茶に暴れる夏世を無理矢理押さえつけ、そのまま舌をねじ込み、暫く堪能してから顔を離した。
「ふふふふふ♪」
「ちょっ、アリスさぁん、もうこれいじょうはダm」
このあと 滅茶苦茶 ゴソゴソした!
第二章に続く
お気づきの方もいるとおもいますが、オリキャラ結局出すことになりました。すいません。
今のところ4人程出す予定です。
アンケートに協力して頂いた皆さんすいませんでした。