魔法少女リリカルなのはStrikerS~紅き英雄の行方~   作:秋風

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こんにちは、秋風です
今回は結構早めに続きが投稿できました。出来ればこれくらいのペースで投稿できればいいなぁとか思ったり

今後も感想、評価お待ちしております
ロックマンゼロ×FGOについてはまた近いうちに活動報告にて試作品を呼んでいただく読者の方を募集予定です
では、20話です。どうぞ!


20「X」

『エックスって……あれが!?』

 

「馬鹿な、そんなはずが……」

 

 ゼロたちの前に現れた蒼い装甲を身に纏った『エックス』と名乗るレプリロイド。そのレプリロイドの名前を、クロワール、そしてリインフォースは容姿こそ知らないものの、その名前を知っている。ゼロの世界に置いて、人間の理想郷であるネオ・アルカディアを作り上げた本物の英雄。9年前、ゼロの話を聞いたリインフォースはエックスがどのようなレプリロイドかを知っている。かつてはゼロと肩を並べて戦い、そしてダークエルフをその体に封印してサイバーエルフとなってしまった。そして、その肉体は砕かれ、そのサイバーエルフとしての存在も、今はもうないことも……故に、目の前にいる者がエックスと名乗るのには、無理がある。

 

「あまり驚いてはくれないんだね。ゼロ」

 

「俺の知っているエックスはもういない。何より……お前はエックスとは違い過ぎだ」

 

 ゼロが驚いている様子が無いことに「ふむ」と首を傾げるエックスと名乗るレプリロイド。違いすぎる、という言葉に、エックスと名乗るレプリロイドはゼロに問う。

 

「君の知るエックスとはどう違うんだい?」

 

「……エックスは戦場では決して油断をするような男ではない。お前のように、余裕ぶって出てくるような真似はしない。何より、今の不意打ちで撃ったバスター……弱すぎる。例え記憶を失っても、俺の体は覚えている……“エックスはもっと強かった”」

 

 かつて忘却の研究所で封印され、百年という月日を眠った故に多くの記憶を失ったゼロ。しかし、その魂に染みついた戦いの記憶。それだけはゼロの中に無意識に残っていた。かつては共に肩を並べ、戦ったからこそ知っている。エックスの実力を

 

「そして何より……エックスの瞳は翠色だ。紅と翠のオッドアイではない」

 

「なるほど流石はA級イレギュラーハンター……伊達に元々の僕と共にシグマは倒してはいないか。いや、この場合は“経験”かな。その通り。僕“達”は『エックス』ではない」

 

「……僕達? どういう意味だ」

 

「そのままの意味さ……久しぶりだネ、ゼロ。こうしテ、君とマタ会えルとハ思ってモみなかったヨ」

 

 突然、そのエックスの喋り方……この場合は声の重さと言えるだろうか。それが変わっていた。ゼロ自身の記憶を辿る限り、その目の前にいるレプリロイドの声はかつてのエックスと似ている。だが、今の言葉は、かつてゼロが聞いたことのある声。そして、その緑と赤のオッドアイは両目とも赤に染まっていた。その瞳に、ゼロは覚えがあった。

 

「お前……コピーエックスか」

 

「コピーエックス……!? ネオ・アルカディアを統治し、レプリロイドを不当処分していたという、あのコピーエックスですか!? ゼロ!」

 

 コピーエックス。かつてエックスがダークエルフを封印するために失踪したことから天才科学者シエルが作り上げたエックスのコピーである。見た目はエックスをモデルとしている為エックスとは瓜二つだが、その性格は全くと言っていいほど違う。レプリロイドにとって異質であった『悩む』という思考回路を持たず、高慢で独善的。そして自らを『英雄』と言い切る。挙句の果てにはゼロに『弱い』と言われて激昴するなど、幼稚な部分が見られていた。ゼロがネオ・アルカディアに混乱を起こすべく一度は打倒したものの、ドクターバイルによってコピーエックスMk-2として復活。しかし、バイルの改造によって罠を仕掛けられており、「シャイニング・トランスフォーム」の作動がスイッチとなり、爆散して死んだはずである。

 

「やれやれ、酷イ言われようダ。ボクは人間たちノためヲ思っテ行っタ事サ。道具の整理をスルのに何ノ問題があるのやラ……」

 

「外道め……レプリロイドも人間と同じ、思考し、意志を持って生きている。そんな者たちを殺してきたお前こそが本当のイレギュラーだろうに!」

 

『シエルが作ったっていうのが信じられないくらい酷い奴ね。どこで間違ったのかしら』

 

 かつては自身を道具と呼んだリインフォースだが、今でこそ、自身はユニゾンデバイスという1つの存在であることを認識しているが故に、そうコピーエックスに声を上げる。そして、ついでにクロワールが煽るような言葉をいうと、コピーエックスの表情が変わって怒りを露わになってバスターを構えようとする。しかし、それはコピーエックス自身の左腕によって押さえつけられた。

 

「コピーエックス。気持ちは分かるけど、“まだ駄目だ”。まったく、君を出すのはこれだから嫌だったんだ。引っ込んでいなよ。ふざけルな! ボクがゼロを…………ふぅ、わるかったねゼロ。だけどどうやら、さっきよりは驚いてくれたようだ」

 

 怒りを露わにしていた表情は消え、目も先程の赤と翠色の目に戻っていた。

 

「……ますます、お前がエックスではないという確信が持てたがな」

 

「その通り。僕達はエックスでありエックスじゃないもの。この体は彼……コピーエックスのものが“4割”ほど使われている。残りの6割はもう知っていると思うけど、僕の生みの親であるジェイル・スカリエッティの作品。伝説の地の遺物から発見された物を基盤に作り上げられたものだ」

 

 偽エックスの言葉に驚く一同。だがその言葉に驚く一方で、1つの仮説がゼロの中に生まれていた。

 

「伝説の地……それは、俺達の世界の事を言っているのか」

 

「その通り。元々の僕や、君たちがいた世界がこの世界では何て呼ばれているか知っているかい? 名前は『伝説の地“アルハザード”』というんだ」

 

「!」

 

「はは、どうやらこれには驚いてくれたみたいだね」

 

 そう愉快そうに笑う声に、ゼロは答えない。しかし、驚くのは当たり前だ。アルハザードとは、かつては「PT事件」を起こしたプレシアが目指した、失われた秘術が数多に存在すると言われている世界の事だ。だというのに、それがゼロたちの世界の事とは誰が思うだろうか。だが、そこからゼロには新たな疑問が生まれていた。

 

「コピーエックスが元であるというのなら、何故お前は俺がイレギュラーハンターだったことを知っている? シエルの話では、コピーエックスはエックスの事は熱心に調べていたらしいが、俺の事はエックスの仲間だった程度の認識しかない。シグマ……その名は、俺も思い出したが、それこそ妖精戦争よりも前のイレギュラーの名前だ」

 

「それは簡単な話だよ。僕の記憶の大本はVAVAの記録のエックスを参考に作り出された人格だからだ」

 

「なんだと……」

 

「『エックス』という個人になるために、今まで彼がどんな歴史を歩んできたのかを知る必要がある。彼の記憶を元に、僕という人格が生み出された。コピーエックスでは問題があると判断したらしい……まあ、彼のせいか、完全に彼の性格がコピーできているわけじゃないけどね。彼も、僕を追い出そうと隙あらば顔を出す」

 

 納得だ、とリインフォースはその話を聞いて思う。たった今、数度言葉を交わしただけではあるものの、コピーエックスはまるで子供のようだった。あれでは制御は難しい。故に、コピーエックスに代わる新たな人格が必要だったのだ。まるで、かつてのオメガとゼロの関係のように。もっとも、オメガがゼロのボディに入る代わりに、ゼロは別のコピーボディに移されたが。

 

 

結論を言えば、彼はエックスでもコピーエックスでもない、第3の偽エックスということになる。

 

「お前の目的は何だ。もし、レリックが狙いだというのなら、こんなに長々と喋ったりしないだろう」

 

「さすがはゼロ。その通りだ。まあ、レリックは確かに必要だけどそれはあくまでもオマケ。僕の今の任務は彼女たちを守ることだ。けどもう一つ。ドクターから受けた命令があってね……ゼロ、こちら側に来ないかい?」

 

『「「「「「「なっ!?」」」」」」』

 

 偽エックスがそういって手を差し伸べたことに、クロワール達が驚きの声を上げた。

 

「君はレプリロイドだろう? 僕達と来れば、君の失った記憶を更に甦らせることができるだろう。なにより、君の力……人間たちの手に置いておくのはあまりにも惜しい」

 

しかし、ゼロの答えは決まっている。

 

「断る」

 

「……だろうね」

 

「お前がエックスの記憶を持っているというのならば……俺がこう答えるのもわかっていただろう」

 

「その通り。初めから期待なんてしちゃいない。ここまで話したんだ……口封じの意味でも、君たちには死んでもらうよ」

 

 その言葉と共に、偽エックスが右腕を変形させてエックスバスターを出現させる。さらにはかつてコピーエックスが戦闘形態として使用していたアーマーが展開された。

 

「先程は手加減したけど、今度は容赦しない。君を倒しテ、ボク達ガ、今度こソ英雄二なるンだ!」

 

「全員下がれ! どうやら、撤退は奴を倒さなければ難しそうだ。クロワール、最初から全力で行くぞ」

 

『ええ、わかったわ! 行きましょう!』

 

 そう言ってゼロはZセイバーを抜刀して翡翠に輝く剣を出現させる。クロワールも同じくゼロの中でゼロの力を引き出すために力を解放した。そして、それを合図にしてか、ゼロが地面を蹴って走り始める。それを見て偽エックスはバスターをチャージと通常の2パターンを使い分けてゼロへ撃ち放った。

 

「はあああああああああああっ!!!」

 

 しかし、そのエネルギー弾をゼロはやすやすと避け、接近して偽エックスへ一撃を入れるべくZセイバーを振り下ろす。しかし、それは偽エックスのバスターによって防がれてしまう。

 

「チッ……」

 

「流石はゼロだ。僕の攻撃をこうも易々と」

 

「何度も言ったはずだ。エックスはもっと強かった。お前程度では足元にも及ばない」

 

「そうか。ならここからは君に任せるよ……いイだロウ! これハどうダ!!!」

 

 その言葉と共に偽エックスが左腕を突き出す。それは瞬時にバスターへと変形し、チャージが施されていた。そしてゼロ目掛けてバスターが発射されてゼロに直撃。ゼロはそのまま吹き飛ばされてしまう。

 

「ゼロ!」

 

「ゼロ兄ぃ!」

 

「「「「ゼロさん!」」」」

 

 リインフォース、そしてフォワードやギンガが悲鳴を上げる。そのエネルギー弾は先程不意打ちで離れていた威力以上のものであると、地面を抉っていることで威力を物語っていた。

 

「……」

 

「流石はゼロ。咄嗟にZセイバーを盾にしてアレを防ぐとは」

 

 吹き飛ばされて壁に激突した衝撃で舞った埃が晴れると、そこには未だ健在で立つゼロの姿があった。しかし、咄嗟にZセイバーで防いだせいもあってか、その刃がボロボロになってしまっていた。エックスよりは弱い、とゼロはいうものの、決して弱いというわけではないのだ。ゼロは素早く立ち上がると、再びZセイバーを構えて偽エックスと相対する。

 

「けど、次はどうだい! クラエ!」

 

 今度は両手のバスターから発射されたエネルギー弾がゼロを襲う。しかし、そのバスターは避けることはできるものの、後ろにフォワードメンバーたちがいることで避けることが出来ない。

 

「チィッ……!」

 

 おそらくシールドでは防ぐことが出来ない。そう判断したゼロはクロワールが能力をフルに使って修復したZセイバーでチャージショットを叩き斬った。しかし、そのチャージショットを叩き斬ったのも束の間。偽エックスはその羽を生かした高速のダッシュから、ゼロへと急接近。かつてコピーエックスがゼロとの戦いで使っていた『ノヴァストライク』を発動し、ゼロの腹部へとバスターをゼロ距離で叩き込んだ。

 

「がっ……」

 

 その衝撃で吹き飛ばされ、またしても水路の柱に叩きつけられるゼロ。辛うじてクロワールが防御系スキルで防御をしたことで大事には至らなかったものの、その体からはスパークが起き、ゼロの体を流れるオイルが頭や傷口から垂れていた。

 

「この程度かイ? ゼロ。ボクの攻撃ニ防戦一方ジャなイか」

 

「……」

 

 愉快そうに笑うコピーエックスの言葉に、ゼロは答えず立ち上がる。ゼロが反撃を行わないのではない、行えないのだ。ゼロが戦う位置は常にリインフォースやフォワード、そしてギンガが立っているため、無理な反撃をした場合流れ弾が彼女たちに当たってしまう恐れがある。もしも、レリックに当たってしまえば、大惨事は免れず下手をすればここにいる全員が死ぬ可能性がある。コピーエックスは分からないが、偽エックスの方はそれを計算した戦い方をしている印象をゼロは受けていた。戦っているのはコピーエックスのようだが、その今の戦いを操っているのはもう一人の偽エックスのほうなのだ。

 

「……やはり、俺の知るエックスとはえらく違う戦い方だ。奴は真正面から戦うタイプ。お前のように策を考えて戦うタイプではない」

 

「何も、VAVAからは僕の記録ばかりを見たわけじゃない。彼の戦い方も学習しているのさ」

 

「……そのVAVAはどうした。ジェイル・スカリエッティの仲間としているのなら、この場に現れないのは何故だ?」

 

 ゼロが無闇に反撃をしない第二の理由。それは、VAVAの乱入だ。仮に、隙が生じる技を放とうものならば、そこにVAVAが攻撃をしてくる可能性を考えていた。VAVAが偽エックスと協力して戦うとは考えられないが、その隙を伺って自分を殺しに来る可能性をゼロは捨てきれない。しかし、偽エックスの答えはゼロの予測と違う答えだった。

 

「僕が倒した……ドクターが言うにはもう彼は用済みのようなのでね」

 

「……」

 

「あのVAVAを……」

 

「倒したって……」

 

 偽エックスの言葉に、絶句するフォワードメンバー。あの男の殺意をすぐ近くで感じ取っていたスバルやティアナたちにとって、その言葉は衝撃的だった。そんな彼らの戦いを見る一方で、リインフォースは念話でティアナたちに指示を出す。

 

『ティアナ、キャロ』

 

『リインフォース部隊長補佐?』

 

『今のうちに、レリックの封印をしておけ。ゼロが戦えないのには我々と、そのレリックが近くにあるのが原因でもある。少しでも、安全性を上げておくんだ。あそこにいる少女たちが動かないところを見るに、レリックを奪取する機会を伺っているのだろう』

 

 もし、レリックを封印することでゼロが反撃するリスクを少しでも減らせるなら、とリインフォースは思う。すると、ティアナからは意外な言葉が帰ってくる。

 

『部隊長補佐、あの……私に考えがあるんです。それは……』

 

『…………なるほどな、面白い。お前の作戦に任せよう。頼んだぞ、ティアナ、キャロ』

 

『『はい!』』

 

 ティアナの作戦を聞き、リインフォースはその許可を出すとともに次の行動へ移った。

 

『ゼロ、聞こえていますか? もし可能ならば……』

 

「……了解した」

 

 リインフォースの通信に、ゼロは偽エックスに聞こえない範囲で答えて立ち上がる。その立ち上がった姿を見て、偽エックスは再びチャージをしながらコピーエックスの技である『スライディング』をかけながらその右腕のバスターをチャージする。

 

「コれデ終わリだ! ゼロ!」

 

「せああっ!」

 

「!?」

 

 そのスライディングで偽エックスが迫る直前、ゼロは自身の立っていた場所にチャージしたセイバーを叩きつけ、煙幕を引き起こす。その砂埃が消えるとそこにゼロの姿はなく、ゼロは跳躍してリインフォース達がいる場所へと移動していた。

 

「ナンダ、たダの目くらマしか……この期ニ及んデ逃げルつもリかイ?」

 

「……リインフォース。言われた通り、お前たちの所まで戻って来た。どうするつもりだ」

 

 コピーエックスの言葉を無視し、ゼロはリインフォースにそう問う。リインフォースの指示は『私の所まで一度下がってください』というものだった。意味もなく、彼女がこんな指示を出すわけもないとゼロは思い、彼女の指示に従って戻ってきたのである。

 

「ゼロ、あのエックスはおそらく、本当に貴方の戦闘パターンの殆どを把握しているのでしょう」

 

「そのようだ」

 

 ゼロの有利な近接戦に持ち込ませないようにする攻撃の数々、接近しても行ってくるカウンター……すべてがゼロの攻撃を戦闘パターンを把握した行動だ。故に、リインフォースはゼロに1つの切り札を使うことを提案した。

 

「ゼロ、1つ……奴に対する切り札があります」

 

「何?」

 

「私とのユニゾン(・・・・)です」

 

「なんだと?」

 

『ええ!?』

 

 リインフォースの言葉に驚くゼロとクロワール。それもそのはず。リインフォースははやてのユニゾンデバイスではあるが、その闇の書のバグを排除した代償に本来の主であるはやてとのユニゾン率が著しく低下してしまっていたのだ。無論、それを改善するための研究も10年間で行ってきているが、未だ良い成果は得られていないのだ。

 

「元々、我が主とのユニゾン率を上げるための研究から生まれた副産物です。ユニゾン時にクロワールと同調(シンクロ)することで融合する……ゼロの中で、私がクロワールと同じサイバーエルフのような役割をすることで融合をします」

 

「それは、本当に可能なのか?」

 

「あくまでも机上の空論……実際、この理論を思いついたのは数年前。ゼロがいない時期に考えたものです。試していない以上、ぶっつけの本番になります」

 

 つまり、成功する保証はないということである。実際、ユニゾンデバイスというのは融合者との融合率という物が存在する。融合者には適性が必要で、おいそれと誰でも使えるわけではなく、さらに事故が起きる可能性も高い。しかし、ゼロの答えは決まっていた。

 

「……わかった、やるぞ。リインフォース」

 

「いいのですか? 失敗すれば……」

 

「……俺を信じてその案を出したんだろう。なら、俺もお前を信じよう」

 

「っ! はい!」

 

 お前を信じる。その言葉を受けて嬉しさがこみ上げるリインフォースだが、今は戦闘中。それをぐっと堪え、ゼロの後ろへと立った。

 

「お喋リは済んダのかイ? どうセ僕らノ勝ちダ」

 

「それは“俺達”に勝ってからにするんだな……行くぞ、リインフォース、クロワール」

 

『オッケー!』

 

「はいっ!」

 

「「『ユニゾン・イン!!』」」

 

 眩い光が、周囲を包み込む。それと同時にリインフォースの姿は消え、ゼロの中へと溶けていく。

 

「ぐっ……ぐううううっ!」

 

『うぐぐぐぐっ……リインフォース!』

 

『ああっ! わかっている!』

 

 その初めてのユニゾンに苦しむ3人。その隙をコピーエックスが見逃すはずはなく、その右腕のバスターのチャージを完了させていた。

 

「何ヲしようト、隙だラけダ! 死ネェ!」

 

 言葉と共に放たれるチャージショット。そのチャージショットを食らう直前にゼロがZセイバーを振るう。それと同時に爆発が起きて周囲が煙に包まれる。

 

「僕らノ勝ちダ! ……いや」

 

 勝利を確信するコピーエックスだが、偽エックスの方はそうではないらしい。その戻した緑色の眼光で、その煙の先を見据えていた。そして、その煙を突き破って飛んでくる無数の赤い短剣がエックスへと迫る。咄嗟に回避しようとするも、そのアーマーの翼に命中して爆発を起こす。

 

「ぐああっ!? な、何だ!?」

 

 煙が晴れ、そこではゼロは健在であった。しかし、その燃えるような紅いボディはまるで夜天のように黒くも輝きを放つ色に。黄金に靡く髪は星のような輝きを放つ白銀へと変化し、その手に持つZセイバーの刃は黄金へと変化する。そして極めつけにそのゼロの背中にはまるでコピーエックスがシャイニング・トランスフォームをしたときのように、4枚の漆黒の翼が出現していた。

 

「なんだ、その姿は……データにないゾ!? なンなンダお前ハ!」

 

「……ユニゾンゼロ、Verリインフォース……俺達の新しい姿だ」

 

 コピーエックスの叫びに、ゼロはそう静かに答えるのだった。

 

 




というわけでようやくかけました。ゼロとリインフォースのユニゾン
そして、今回エックスが登場しましたが、まあぶっちゃけコピーエックスがだしたかったというのもあったので、こんな形に。そして、本来のエックスの瞳は翠。コピーエックスは紅……これを見て思いついたネタもあったりなかったり
今回は結構こんがらがることも多いので、一応下にキャラ解説を追記しておきます。では、また次回!

NEXT 21『夜天のゼロ』


キャラクター解説

コピーエックス
 かつてシエルによって作り上げられ、ネオ・アルカディアを本物のエックスに代わって統治していたレプリロイド。人間至上主義者であり、不当なイレギュラー認定によるレプリロイドの大量虐殺を行った。その裏には人間たちの過剰なレプリロイドへの畏怖と、枯渇したエネルギー問題故の行動でもあった。
 オリジナルのエックスとは対照的に悩む事を知らず、高慢で独善的な性格を持ち、自身を英雄と言い切る。自らの行いを批判されるとすぐに激昂するなど、どこか幼稚な部分も垣間見られた。
 ゼロに打倒されて一度はドクターバイルの手でMk2として甦るもバイルの仕掛けられた罠によって自爆するという最後を遂げる。
 そしてその彼の爆散したボディはスカリエッティにより回収され、新たなるエックスのボディとして甦ることとなる……
Mk2のボディが元になっているせいか、それともバイルの調整の名残なのか、喋り方に若干のノイズが入る。
 スカリエッティとエックスの関係とは果たして……?

偽エックス
 スカリエッティによって生み出されたエックス。上記のコピーエックスのボディを4割使用し、残りの6割をスカリエッティが作り出して誕生したミッドチルダ産のレプリロイド。見た目はエックス(イレギュラーハンター時代)とそっくりだが、その瞳の色は翠と紅のオッドアイである。
その理由は二つの人格を1つのボディで共有していることと、元はコピーエックスのボディが故にそうなっている。コピーエックスの人格が完全に表に出ると、両目は紅く染まり、喋り方もコピーエックスのものとなる。
 性格は最初こそエックスと似たような性格だったが、コピーエックスの影響や、VAVAの戦闘データ閲覧、またスカリエッティ一味の教育の影響から本来のエックスとは違う性格へと変貌してしまった。スカリエッティとその仲間、そして任務に忠実であり、エックスとは違いどこか余裕がある。
ただ、彼の中にも”悩む”ことについては存在しているらしく、どうしてこのような機能が付いているのかということには疑問を持っているらしい

というわけで、以上がコピーエックスと偽エックスの紹介でした
もしよろしければ、偽エックスの今後の名前を考えてくれれば幸いです
もしかしたら採用するかもしれません

ではでは!

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