魔法少女リリカルなのはStrikerS~紅き英雄の行方~ 作:秋風
昨年はほとんど更新できませんでしたが、今年こそは、今年こそは完結まで持っていければと思う所存でございますので、どうぞよろしくお願いいたします(汗
今回は皆さんへお年玉ということで……3時頃書き始め、完成したので投稿しました(-∀-`; )
先日投稿してから、評価にて「読みみくかった」と0話の時点で1点の評価を頂いたのですが、この小説、他の読者の方も読みにくいと思っている方は多いのでしょうか……?
だとしたら、書き方を変えないといけないかな?と思っております
同じく投稿している遊戯王小説と違う形で書いている自覚はあるのですが、やはり○○視点とかの方がわかりやすいんですかね?
ただ、ゼロとかが地の文章で喋ったりするのはやっぱり違和感があるので、一応このまま小説を続けていく予定です。それでも読みにくいというご意見が増えた場合はまた検討しようと思うので、宜しくお願いいたします
さて、今回は機動六課休暇編です。今回もまた前編からになってしまいました。やはり再編して文字を増やすとこうなるんだなぁ、と。
ではでは、どうぞ……!
ホテル・アグスタでの事件を経ていくらかの日が流れた。機動六課では変わらぬ日常が流れてはいるものの、今日も訓練に勤しむフォワードメンバーはゼロの言葉で気持ちを改めたなのはの教導から確実に力を付けていた。そして、現在はというと……
「リボルバー……シューット!!」
「甘い」
『シールドブーメラン展開』
訓練場にてスバルの声が響く。その訓練場にいるのはフォワードメンバー、そして機動六課に協力しているゼロの姿だった。
「クロスファイア……シューット!」
「……!」
スバルからの一撃を避けて距離を取ったゼロだが、そこへティアナの魔力弾が降り注ぐ。しかし、ゼロはこれもシールドブーメランからバスターショットへと武器を切り替えることでトリガーを引いて相殺する。しかし、フォワードメンバーの攻撃は終わらない。
「でりゃああああっ!」
「きゅくー!」
背後から迫るのはエリオ。更にそのエリオの背後からキャロのフリードの火球が飛んできていた。その火球を避けながらもZセイバーでエリオの一撃を受け止めるゼロ。しかし、その瞬間に鍔迫り合いをしていたストラーダとエリオのパワーが上がっていく。
(……キャロのブーストか。ならば)
「クロワール」
『エネルギー充填率78%、いけるよ!』
「はあっ!」
「うわっ!?」
鍔迫り合いの状態からゼロはZセイバーにエネルギーをチャージし、そのまま力づくでエリオを跳ね除け、Zセイバーを地面へと叩きつける。その衝撃波で吹き飛ばされるエリオ。その一撃の結果砂埃が周囲に舞い上がる。それを警戒して距離を取ったゼロだが、その距離を取った先めがけ、猛スピードでスバルが迫る。
「一撃必倒っ! ディバイン、バスタァァァァ!!!!」
「っ……!」
魔力を圧縮直射することで放たれるスバルの必殺技。その圧倒的な砲撃魔法が零距離でゼロへと放たれることで爆発が起きる。その様子を見ていたティアナ、エリオ、キャロがその一撃を決めたと思う……しかし
「……やるようになったな、スバル」
煙が晴れたそこには、バチバチとシールドブーメランをオーバーヒートさせながらスバルのディバインバスターを防ぎきり、さらに追撃していたのであろうスバルの拳を、もう片方のZの刻印が宿るゼロナックルでゼロが受け止めている姿であった。
『はーい、終了~!』
そうゼロが不敵に笑っている所で、訓練場になのはの声が響き渡った。
「もうちょっとだったのにぃ! というか、ゼロ兄ぃはなんでアレを防げちゃうの!」
「……昔、お前と同じように近距離での攻撃と、短い射程での強力な砲撃を使ってくる男と戦ったことがあったからな。対策方法はいくらか考えていた」
「むぅー……ずるい」
その場に不満げにへたり込むスバルに対し、かつて戦った強敵の事を話しながらゼロはへたり込むスバルへ手を差し伸べる。その手を嬉しそうにとって立ち上がるスバルは、なのはの集合の声に反応して集合場所へと走って行った。ちなみに、ゼロを兄と呼ぶのはこの前の一件からゼロを慕うようになった故である。集合するフォワードメンバーの前に、なのはとフェイト、そしてヴィータが並んでいた。そんな様子をゼロは後ろから見守る形で立つ。
「実はね、今日の訓練と最後のゼロさんとの模擬戦……皆のデバイスに掛けてあるリミッターを外すかの実力テストだったんだけど……」
「「「「ええぇ!?」」」」
なのはの言葉に驚くフォワードメンバー一同。今日の訓練はともかく、ゼロとの模擬戦では結局ゼロへ一撃をいれることもなく終わってしまったのだ。不安になる一同を余所に、なのはは隣に立つフェイトを見る。
「フェイト隊長、どうだったかな?」
「合格!」
「はやっ!?」
即決で合格を出すフェイトに思わずティアナがツッコミを入れてしまうも、そこをスルーして、なのははフォワードの後ろに立つゼロへと視線を移す。
「ゼロさんはどうでしたか?」
「……未だ課題はあるが、ひとまずは合格といったところだな」
「「「「やったぁ!」」」」
ゼロの方を向いていたフォワードメンバーはゼロの言葉に両手を上げて喜んでいた。そんな光景をニコニコと見守るなのはとフェイトだが、その隣ではヴィータが小さくため息を吐いていた。
「というかな、お前ら……合格と言えるほどの動きが出来ていなかったら基礎を最初から叩き込んでいたとこだぞ」
「あ、あははは……」
喜ぶのを止めて乾いた笑いで頭を掻くスバル。まあ、あの事件以来、成長していなかったら確かにそれこそなのはたちが今まで何を教えてきたのかという話になってしまうのだから当然と言えよう。ヴィータも口ではそういっているものの、内心部下の成長には喜んでいる。
「じゃあ、今日はその記念……っていうことで、1日お休み! 街に遊びに行っておいで!」
「「「「はい!」」」」
なのはの休暇宣言に嬉しそうに返事を返すフォワードメンバー。ティアナなどは昔ならば休日でも訓練をしようとするだろうが、今はそんな様子は全くない。朝の訓練を終了して解散すると、4人は嬉しいからか、一目散に隊舎の方へと走って行った。
「じゃあ、私たちも戻ろうか。はやてちゃんが今日は私たちも休みでいいって言ってくれているし」
「そうだね。ゼロとヴィータも戻ろう」
「ああ、そうだな」
「おう」
と、残っていた4人も同じように機動六課の隊舎へと向けて歩いていく。そんな中で、なのはは嬉しそうにしていた。
「なのは、嬉しそうだね」
「うん。4人ともどんどん強くなってくれているからね」
生徒が強くなっているのは教導官としてはこの上なく喜びが大きいだろう。今まで、短期間で生徒を持って教導を行うことはあったものの、今回長期で生徒を受け持つというのはなのはにとって初めての事。そんな自分の教え子たちが成長してくれるのはたまらなく嬉しいのだ。このように、機動六課では平和な時間が流れていくのであった。
*
場所と時間を変えて機動六課の隊舎にある食堂。食堂では朝食をとる六課の局員たちが多くいる。そんな中で、フォワードメンバーである4人はそれにシエルとクロワールを交えて食事をしていた。最近ではシエルとも仲が深まり、スバルやティアナがシエルを食事に誘うことが多くなった。
「そういえば、シエル。貴女今日、何か予定はあるの?」
「いいえ、特には……」
「なら、アタシたちと街に行こうよ!」
食事をしながら、スバルとティアナがシエルを街に誘う。3人とも年齢が近いということと、ティアナの一件があってか、ティアナが積極的にシエルと話すようになってからスバルもシエルとよく喋ったりするようになった。シエルとしては、まだ少しだけ戸惑いを見せるところもあるが。現に、どうすればいいのか、とゼロをチラリと見ている。
「行って来い。いつも言っているが、研究のし過ぎは体に毒だ」
「え、ええ……じゃあ、スバル、ティアナ。よろしくね」
そう笑みを見せるシエルに頷くスバルとティアナ。そんな光景を見てシエルが少しずつ人間に慣れてくれれば、と思うゼロ。そんなゼロの隣になのはがコーヒーを持って座ってきた。
「ゼロさん、ゼロさんも今日はお休みですよね?」
「ああ、そうらしい」
「なら、よかったら私と街に行きませんか? 買い物に付き合って欲しくて」
ニコニコと笑いながら街へ行くことを誘うなのは。俗にいう、デートというやつである。そんななのはの誘いに、構わないと返答をしようとしたゼロだが、そこへ待ったをかけるが如く、なのはの肩を力強く握る者がいた。言わずもがな、はやてである。
「なーのーはーちゃーん? なーんで、ゼロを誘っているんやろーか? この前はフェイトちゃんと街へ行くいうてへんかったかぁ?」
「えー? そうだったかなぁ?」
「あ、ゼロ、よかったら街に一緒に行かない?」
「ゼロ、よければ私と街へ行きませんか……?」
バチバチと笑顔で火花を散らしていたなのはとはやてを出し抜き、今度はフェイトとリインフォースがゼロを街へ行かないかと誘う。しかしまあ、そんな2人をなのはとはやてが見逃すはずもなく。
「リインフォースぅ? 主の私を差し置いて何をしているんやろうなぁ?」
「ぴぃ!?」
「フェイトちゃーん? それはちょーっとずるいんじゃないかなぁ?」
「えー? だって、なのはははやてとのお話で忙しいみたいだから」
はやての静かな怒りにビクリと怯えるリインフォースアインスと、なのはやはやてと同じくニコニコと笑みを見せたまま闘志を燃やすフェイト。カオス極まってきたこの食堂で、勘のいい職員たちはすでに食堂から退避していた。フォワード一同とシエル、そしてクロワールは一番近くにいたためか、3人の笑顔の威圧感に怯えて動けなくなっていたりする。
「全員で行けばいいだろう。何を言い争っている?」
ここで、その4人の目当ての人物からの鶴の一声が上がる。ゼロからしてみれば4人が街に行きたいことは分かるが、なぜ自分を誘っているのかが分からない。なので、行くのならば全員で街に繰り出せば問題ないだろうという結論を出していた。
((違う、そういうことじゃないです(よ)、ゼロさん(兄ぃ))
ティアナとスバルが心の中で同時にツッコミを入れるも、3人はゼロの言葉にその威圧感を潜めてにっこりと笑う。
「せやな、みんなで行けば問題あらへんよな」
「そうだね、じゃあ、私は車をチェックしてくるね」
「私も、出かける服を決めないと」
「あう、あぅ、ゼロ、助かりました……」
どうやら、彼女たちなりに休戦ということになったらしい。3人の威圧感と、主を出し抜こうとしたことで罪悪感があったのか、弱っていたリインフォースがそういいながらゼロの隣でため息を吐くのであった。
*
機動六課 隊舎前
「……」
いつもの戦闘スーツではなくはやてから昔買ってもらった服に身を包み、その美しい金髪の髪の毛を束ねてポニーテールのようにしたゼロはその隊舎の前に立っていた。そこへ、4人の女性が現れる。
「ゼロ、お待たせ」
「……ああ」
そこに現れたのは街へ出かけることを約束したはやて、なのは、フェイト、リインフォースの4名。いつもの機動六課の服ではなく、出かけるために用意している私服。ホテル・アグスタで着ていたドレスとはまた違うが、彼女たちの魅力を引き出すには十分と言えるだろう。
「えへへ、どや、似合う?」
「ああ、似合っているぞ……4人ともな」
出かける前に、クロワールにとりあえず4人の私服は褒めてあげること、と言われているゼロはそう4人の服を褒める。
「そ、そか、そう言ってくれると、なんや、恥ずかしいなぁ……えへへ」
「あ、ありがとうございます……」
「ありがとう、ゼロ……あっ、私、車持ってくるね!」
「あぅあぅ……」
4人ともゼロの言葉に喜び、顔を赤くする。ゼロとしてはなぜ喜んでいるのかあまりわかってはいないが、似合っていると思っているのもまた事実なのである。しばらくしてフェイトが車を運転して隊舎の前に止める。助手席にゼロが座り、なのは、はやて、リインフォースの3人がその後ろの座席へと座り、車が発進する。
「それで? 街に行って、何をするんだ?」
「うーん、私は自分の部屋の雑貨を見ようかと思うんよ。忙しすぎてロクに整頓できとらんし」
「私は、主たちについていくだけで十分です。強いて言えば、少し本が見たいです」
「私は、新しい服が見たいです。後、気になっている本のシリーズがあって」
「私も、服が見たい……かな。あと、母さんとアリシア姉さんに今度戻る
ときに持っていくお土産を見ておこうと思って」
4人とも意見はバラバラだが、共に買い物である。ゼロはそうか、と頷き了解する。しかし、そんなゼロに運転席のフェイトが首を傾げる。
「ゼロは?」
「俺は特にない。欲しい物があるわけでもないし、金も持ってはいないからな」
「ああ、そういえば渡しとらんかったわ……ほい、ゼロ」
そう言って後ろの席からはやてがゼロへとカードを渡す。ミッドチルダの文字で書かれてはいるが、クレジットカードらしい。実を言えば、今までの協力者としての任務やフォワードの訓練を見る分などを考えればかなりの収入がゼロにはあった。しかし、レプリロイドであるゼロは食事をする必要はないし、服を買ったりすることもない。なので、たまる一方だったお金をはやては今回渡すことにしたのである。
「これは?」
「今までのお給料分。たっぷりあるで。だから、気にせず気になる物があったら買うてな」
「……考えておこう」
そう言ってゼロは渡されたカードを懐にしまうのだった。こうして、フォワードメンバーと、隊長メンバー、そしてゼロの休日はスタートするのであった。
*
とある場所
そこは、クラナガンにある薄暗い用水路だった。そんな用水路を小さな少女が歩いていた。あまりにも似つかわしくない光景だが、それについて指摘する物は誰一人としていない。ボロボロの布を体に身に付け、重たい荷物を引きずるように歩いていた。
「ママ……どこ……?」
少女は小さく呟きながらその用水路を彷徨っていく。すると、その彼女に巻き付いていた鎖の一部が外れ、少女が引きずっていた箱が用水路に流れる水へと落ち、流され消えて行った。
少女と、英雄が出会うのは、もう少しした後の事である……
波乱のゼロ争奪戦でした。次回はクラナガンにてゼロたちの休暇と、幼女の出会いを書こうと思います。そして、あの男も動き出します……その時ゼロは?
本当は、すずかもここにぶち込む予定でした(汗
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