ロウきゅーぶ!!!~エリーゼ・ルタスの大冒険~   作:藤林 明

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あかん……もうひとつの小説が進まない(T_T)
しかも本編は駄文で短いしタイトルは苦し紛れですが、生暖かい目で見て頂ければ幸いです。

それではどぞ!


第6話:事情聴取

~ジュードside~

 

それから意識を取り戻したバスケ部のメンバーはエリーゼと昴、僕とレイアを含めたメンバーで練習をした。この時、エリーゼが結構上手かったのには僕もレイアも驚きを隠せなかったりする。…昴は教えるのが上手いんだろうな。

…余談だけど、バスケを知らない僕達は雑用と球出ししか出来なかった。…今度、僕達も同好会行こうかな…。

 

そして、日も暮れかかった午後18時半には全ての練習が終わり、片付けも終わったのでエリーゼを含めたバスケ部のメンバーは更衣室にて帰りの支度をしている。(ちなみに着替えついでにレイアもエリーゼ達に付いて行った)先に着替え終わった僕と昴は、お互いに気になっている事を聞いていた。

 

「ところでさ、昴は高校でバスケ同好会に参加してるのに、どうしてわざわざ小学校に来てまでコーチしてるの?」

 

「あぁそのことか…実はうちの学校、今部活停止中なんだよね……それで事情を聴いて色々心配してくれた葵と一成が創ってくれたのが今のバスケ同好会って訳」

 

「そ、そうなんだ……部活停止の理由は…聞かない方が良い、よね…?」

 

「……部長がさ、駆け落ちしたんだよ…顧問の娘(小学生)とね」

 

「ええっ!?じゃ…じゃあここでこんな事してるのばれたら…」

 

「……ま、バレたら色々とオシマイだな」

 

「そんな……じゃあどうして……?」

 

「ミホ姉……さっきの先生にさ、脅迫されて無理矢理やらされた。…ってのが最初でさ。…でも」

 

「でも?」

 

「今は違う。智花が、……いや、皆が俺に大切な事を思い出させてくれたんだ。だから俺はその恩返しがしたい!皆とバスケがしたい。…ミホ姉の強制とかじゃなくて、自分の意志で、そう思ってるんだ」

 

「昴……」

 

自分の意志で……か。

なんだか懐かしい気持ちでいたら突然昴が何かを思い出した様に聞いて来た。

 

「あっ、そうだ!…なぁジュード」

 

「何?」

 

「2人はどこかを旅してたんだろ?エリーゼとも一緒にさ」

 

「うん、…まぁ僕やレイア、エリーゼを含めて6人位でだけど…どうしたの?」

 

「ああ……それで、さ…旅してた時のエリーゼってどんな子だったんだ?…こう言ったら失礼だが、俺もミホ姉もどう接したら良いのかわかんないんだ。だから――「普通に接して大丈夫だよ」…え?」

 

昴の台詞を遮る様に、そう言い切る。そう、だって

 

「エリーゼはね、ああみえて誰よりも「平和な普通の生活」を望んでるから。…だから、特別な扱いは要らないよ」

 

「ちょっ、ちょっと待て!それは一体どういう――」

 

「えっと、それについてはまた後で話すよ。…そろそろ皆出て来るみたいだからね」

 

「えっ!?……!!」

 

昴にそう言った僕が更衣室の扉の方を見ると同時に、話し声と共にバスケ部のメンバーとレイアが出て来た。…ってレイア……もう真帆と仲良くなったのか…そして僕の横では昴が驚きを隠せないでいる。…まぁ無理もないか。

 

「さて、じゃあ行こうか昴。詳しい事はまた後で。…エリーゼ!レイア!美星先生の所行くよー!!」

 

「「はーい!」」

 

そして、2人をこっちへ呼びつけてから4人で美星先生の所へ向かう事となった。

 

 

 

~sideout~

 

 

 

 

 

 

 

~美星side~

 

昴達と別れた後、私はこの後話し合いで使う会議室の手配をしてから定例の職員会議に顔を出し、それを終えた後に先程手配した会議室で昴達が来るのを待っていた。

 

コンコン

 

…おっ、来たな

 

「入って来て良いぞ~」

 

そう言った後に昴、エリーゼ、ジュード、レイアの順に入って来た一行を、私とは反対側の席に座る様に促した。

 

「…よし、じゃあ早速さっきの話の続きをしたいんだが、構わないか?」

 

「はい、大丈夫です」

 

「わかった。じゃあいきなりですまんが、お前達の旅がどんなもので何の目的があって旅をしていたのか聞かせて貰えるか」

 

「それについては僕から。…あの、結構長くなりますが構いませんか?」

 

「構わない。話せ」

 

「解りました。では…」

 

 

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~♪

 

 

 

 

 

 

 

 

「…と、まぁ僕達の旅はこんな感じでした」

 

…ジュードが話を始めてから約2時間が経った。ジュードがメインで説明をし、間にエリーゼとレイアが補足を入れて行くといった形で進んで来た話は、20時半を過ぎた今ようやく一段落した訳なのだが――――

 

 

……………………………………………………………………………………結論。正直サッパリわからん。

 

「…え~っとだな、…つまりはアレか?お前らはどっか別の世界から飛ばされて来た異世界人って事なのか?…バカ言うなよ!いくらなんでもファンタジーものの見すぎじゃねぇのか?」

 

「ミホ姉……気持ちは分かるが落ち着けよ。エリーゼが怖がってるから」

 

「っ!……悪いな。いきなり怒鳴って」

 

「…いえ、私は大丈夫…です」

 

話を聞き終えた私は思ったままをつい口に出してしまったので少し怯え気味のエリーゼに謝る。…にしても、まさか私が昴に忠告される事態になるとはな。私も確かに取り乱し過ぎたが、私は正直驚いたぞ。

 

――お前が話を聞き終えた「今でも冷静に」座っていられるのにな。

 

「それにしても昴君はあんまり驚いて無いよね?普通は美星先生みたいになると思うんだけど……」

 

そんな私の心境を知ってか知らずか、レイアはそう昴に問い掛ける。すると昴はため息を吐きながら

 

「まぁ、そりゃあ驚いて無いと言えば嘘になるけど……エリーゼの異常なまでの世間知らずっぷりとジュードのあの鋭い観察眼を見せられたらな。…むしろ、話を聞いたおかげで納得した部分の方が多いよ」

 

こう言いやがった。…くっ、確かに言われてみればそうか。にしてもジュードの観察眼ってのはなんなんだ?そんなに鋭いのか?

 

「……うー。私、もう世間知らずじゃないもん…」

 

……若干1名が別の意味で納得してないけどな。

 

「あはは……まぁともかく、僕達はこういう事情で知り合った訳です」

 

エリーゼの言葉を聞いて苦笑い気味のジュードはそう言って話を締めくくった。なので私は気になった所を聞いてみた。

 

「お前達の事情は解った。だがそうなると気になるのは、何故エリーゼの両親が生きているのか、だ。それはどうやって説明するつもりだ?」

 

「それは……」

 

「………………」

 

返って来たのは困惑一色。そして返って来た返答は

 

「それについては僕達にも良く解りません。一体、僕達に何があったのかも。なので僕達はこれから学校へ通いながら色々と調べていくつもりです。……それに、ひょっとしたら僕たちの仲間がまだこの世界にいるかもしれませんから」

 

というものだった。……まぁ、こればっかりは本人達が分からないんじゃ仕方ないか。

 

「……わかった。とりあえずお前たちの話を信じる事にするわ。…でも忘れんな。最終的な選択は、絶対後悔しない方を選べ。…いいな?」

 

「はい…」

 

「うん!」

 

「解りました」

 

「…特にエリーゼは、ちゃんとその時までにしっかり考えてから答えを出しなよ……でないと、絶対に後悔するからな」

 

「……はい。ありがとう…ございます」

 

私からの忠告に三者三様の返事を返して来た3人に対して、私はエリーゼにだけ更なる忠告をしておく。…そう。違うのだ。

 

2人と違ってエリーゼには「ここにしか」親がいないのだから―――――

 

 

~sideout~

 

 

 

 

~昴side~

 

「さて、と。話も一段落した事だし、そろそろ解散するか~」

 

ミホ姉は話は終わったとばかりにひと伸びしてそう宣言をした。するとその宣言を聞いたジュードが

 

「そうですね…もう夜も遅いですし、今日は解散にした方が良いでしょう。…外にいる5人(・・・・・・)の親御さんも心配してるでしょうし、ね」

 

と、体育館で見せた鋭い視線を入口に向けながら同意した。…ってえ!?ちょっと待て!

 

「外の5人?……ってまさか!」

 

ミホ姉も俺同様気付いたらしく、慌てて入口へ行き扉を開いた。するとジュードの言う通り

 

「「「「「あ……」」」」」

 

スクールバスで帰ったハズの女バスの5人がそこに居たのだった。

 

~sideout~




後書きスキット:旅その2

~その頃廊下にて…~

智花「エリー…」

紗季「トモ…気持ちは分かるけど、あんまり気にしちゃうとエリーに悪いわよ。…きっと、心配かけたくなくて黙ってたんだろうから」

智花「紗季……そうだよね…うん」

愛莉「…エリーちゃん達の旅って、とっても悲しいものだったんだね。…私達、何も知らなかったとは言え、エリーちゃんに嫌なこと思い出させちゃったんだよね…」

ひなた「おー。エリー、時々悲しそうな顔してた」

智花「愛莉…ひなた…」

紗季「2人共、あんまりそういう事言っちゃ駄目よ。…そういうのめちゃくちゃ気にするのが1人いるんだから」

真帆「…………っ!」

ひなた「真帆…」

愛莉「真帆ちゃん……ごめんね、そんなつもりじゃ…」

真帆「わかってるよアイリーン。だからそんな顔すんなって!……な?」

愛莉「真帆ちゃん…うん…ごめんね。ありがとう」


…続く?
終わり
ご愛読ありがとうございましたm(_ _)m

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