ロウきゅーぶ!!!~エリーゼ・ルタスの大冒険~ 作:藤林 明
そして今回はTOXからあの人が登場します!!(あの方らしく衝撃的な感じですw)
……にしても、ジュード君って「THE 主夫」の典型だと思いません?…あれは絶対「男の娘」だ「殺劇舞荒拳!!」よねぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
???「それでは、本編どうぞ」
〜昴side〜
色々あった初日から一夜明けた朝、俺は凄い光景を目にしていた。
「ジュードのご飯、久々ですね♪」
「久々って……ねぇエリー?もしかしてだけど…」
「?」
「…旅してた頃に、こーーーんな豪華な食事を毎日食べてたの?しかもキャンプで?」
そう。今目の前に用意された朝食は、紗季の言う通りキャンプで出てくるレベルを完全に超えたものなんだよな…なんせ、軽食の野菜満点サンドイッチにコーヒー、足りない人用なのか分からないがご飯ものとして目玉焼きにスクランブルエッグとベーコンにこれまた野菜の盛り合わせ。…挙句の果てには和食派用の鮭の塩焼きに味噌汁と、まさに朝食フルコースで準備されていたのだからもはや家、というよりホテルで食事をしている気分になってくる。(ちなみに昨夜の献立は紗季のお好み焼という女バス定番のメニューだった。もちろん味は最高)
「うん、そうだよ。しかもジュードの料理は美味しいから何度でも食べたくなっちゃうよー!ね?エリーゼ」
「はい。ジュードの料理はプロレベル…です!」
紗季の問いに答えたレイアはエリーゼと笑顔で口をそろえた。…まぁ確かに美味そうである。うん。…ただ…
「…この量、食べきれるのか?」
そう。量が半端ないのである。…ざっと見て一人当たり3人前計算だ。……しかし
「え?これくらいなら大丈夫じゃない?」
と作った張本人であるジュードがこれまた以外そうに答えてくれた。
「え、えっと…ちなみに何でか聞いてもいいかな…?」
葵が若干声を震わせながらそう問いかけるとこれまた意外な回答が飛んできた。
「ん?それは真帆ちゃんと紗季ちゃんに聞いたからかな…聞いたら結構食べる子がエリーゼ含めて
あー、なるほど。つまり昼食分もあるから余計に作ったってことか。
「まぁでも、これくらいなら全部無くなると思うから安心していいよ。さ、食べよう皆」
「「「「「「「「「「はーい!いっただっきまーす!」」」」」」」」」」
その後、あれだけあった朝食が15分足らずで完食になった。…その時思ったのは、ジュードが料理し慣れているということと、同じ男としてどうしようもなく負けているなという絶望感だった――――
~Sideout~
~葵Side~
朝食を食べ終えた私たちは早速体育館へと向かった。理由はもちろん朝練から合流する為。…それにしても、プール騒動の一件以来顔合わせてなかったとはいえまさかこんな都合よく人数がそろうなんて思わなかったなぁ…てっきり5人のままだと思ってたからショージに頼んで紹介してもらったけど…これなら普通に対戦をお願いしても良かったような気もするわね……。
…さて、新人さんたちの実力、見せてもらおうじゃない!今から楽しみだわ。
~sideout~
~昴Side~
「本日からお世話になる慧心学園女子ミニバスケットボール部です。短い間ですが宜しくお願いします」
パチパチパチ…
「それでは今日のスケジュールですが・・・・・・」
朝練習前の挨拶を代表で紗季が行いまちまちながら拍手が返ってくる。それが一通り静まるとあちらの顧問の先生――野火止初恵先生――が本日のスケジュールを発表していく。
「…結構キツそうだね」
「そうね…流石は名門校。練習の量が違うわ」
「にししし。でもアタシたちの方が練習してるぜ」
おいおい…そんなこといつも声量で言うなよ真帆…先生がこっちを睨んでるじゃないか…
「オホン!…では最後に、本日の午後最後に2軍チームと慧心さんは練習試合をして頂きます。…負けたら荷物をまとめて帰って下さい」
「ちょっ!?お、お姉ちゃん!それは流石にあんまりじゃないかな?」
野火止先生に対して抗議したのは先生の妹に当たる俺や葵にとっては先輩の野火止麻奈佳さん。…昨日食材やら水やらの必要物資の搬入を手伝ってくださった御庄寺の友人で、今回の合同練習を提案してくれた人だ。
「…私は昨日そちらのお嬢さんに申し込まれた条件を飲んだに過ぎません。…しかし、1軍に負けてあっさり帰られてもこちらとしては困る事情もあるのでこういった形で譲歩したに過ぎません」
「……本当なの昴君?」
野火止先生の言い分に対してそう聞いてくる麻奈佳先輩。…ってことは多分あの時のだよなぁ…
「…はい、昨日エリーゼが先生に合宿成立を賭けた試合を申し込んでました…しかし先生、事情というのは…」
「それは私ですよ」
麻奈佳先輩に答えた矢先に背後――体育館の入口――から声が聞こえた。そして振り返ってみると白髪の、いかにも貴族というような出で立ちをしたご老人が笑顔で立っていた。そして
「「「ローエン!?」」」
同じく振り返ったジュード、レイア、エリーゼは同時に驚いた様な声を出した。
「…理事長」
「「「理事長!?ローエンが!?」」」
野火止先生の溜息じみたつぶやきに3人はさらに驚いていた。…声がハモっていることにも気づかすに。
「……長谷川君達の知り合いでしたか…まぁ、そういう訳で試合は組むという流れになりました」
こめかみを抑えながらため息と共にそう話す野火止先生は何故か非常に疲れてる様にも見えなくはない。
「ほっほっほっ…本来なら来客を追い返すなど言語道断、ですが…エリーゼさんが新しい仲間と一緒にプレーする姿を見たいという個人的な思いもあったので不謹慎ですが、野火止先生に無理を承知でお願いしちゃいました」
そう穏やかな表情で語るローエンさんは何故だかいたずらっ子のようなおどけた口調だった。…この人、意外とおちゃめ、なのか…?
「…ローエン、あんまり先生を困らせないであげてね?」
ジュードも先生と同じポーズで窘めているということは…昔からこんな感じだったのかな……。
「ほっほっほっ。では、皆さん試合楽しみにしています。…エリーゼさん」
「はい…?」
「試合、頑張ってください」
「…はい!」
エリーゼにそう言ってからローエンさんは2階に行くための階段の方へ歩いて行った。……それにしても、エリーゼを見るローエンさんの表情が、凄い慈愛の強いものだったのは何故だったんだろうか…?
……とはいえ、この試合、皆の為にも負けられないな!俺も気合を入れないと…!
~Sideout~
後書きスキッド:練習中IN慧心
~~午前練習中の一幕~~
紗季「…さ、流石に名門っていうだけあって、下級生の方の練習なのに結構きっついわね…」
愛莉「そ、そうだね…」
ひなた「おー、それに、みんなばすけじょうず」
ミサ「せやな。流石に常勝硯谷復活か?って言われてるだけあるわ…皆しっかり練習しとる。な、有紀」
有紀「…………おしゃべりしてる余裕……私には無い」
ミサ「さ…さよか…」
真帆「ふぃ~スポドリうまー…んじゃ、次行こうぜもっかん!」
智花「う、うん」
ミサ「……あいつら化けモンかいな…」
紗季「真帆は昔から体力バカだからで、トモは単に慣れてるだけよ」
ミサ「う、うーん…なんつーか、自分ら規格外すぎないか…?」
紗季「そうでもないわ…アレに比べたら、ね…」
ミサ「アレ?……!!!?」
【エリーゼ「ヒカリ!次行いきます…」・ヒカリ「はいはーい!」・すず「いつでもいいですよ」】
ダムダムドガシャッ!!!
ミサ「……………」
紗季「……ね?」
ミサ「…ホンマ、あいつらが味方で良かったわ…」
紗季「ええ…」
ミサ「…うちらは常識人でいような?」
紗季「そうね…そうだといいわ…」ズーン
終わり
ご愛読ありがとうございましたm(_ _)m