ロウきゅーぶ!!!~エリーゼ・ルタスの大冒険~   作:藤林 明

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ようやく学校来たー…長かったなぁ~ここまで。

ということで硯谷女学園編2話です。
…野火止先生が若干悪役っぽくなってますがご了承下さい。色々焦って作った結果なので(汗)

それと、エリーゼもジュードもレイアも一応回復技使えますがジュードとレイアは気づいていませんしエリーゼは周囲には隠してます。理由はまたいずれ書く予定ですが…TOXと似たような理由ですね。

それではどぞ!


第18話:硯谷女学園

~エリーゼside~

 

美星先生が体調不良で倒れてしまい、救急車で運ばれていきました。

紗季や真帆、ひなは、心配そうに。愛莉と智花は涙目になりながらも救急車を見送り、それ以外のメンバーは何が起きたのか理解できてないように見える位放心しています。…私はというと、ちょっとした罪悪感で皆を見ていられず、おそらく私と同じ心境であろうレイアとジュードのところに逃げて来ました。……何故なら私たちは≪治癒術≫が使えるのにも関わらず黙って使えないふりをした(・・・・・・・・・・・・)から。

 

「…ごめんエリーゼ。≪あっち≫では使えても≪こっち≫で使えるかはまだ分からないから……」

 

…ジュードが辛そうな顔でそう言ってくれてますが……ごめんなさい。実は私、以前家の近くで怪我をした猫相手に治癒術をかけようとした時に知ったんです。あの子を使えば治癒術が使える(・・・・・・・)ことを…。

 

「ジュード……と、ところで昴君、この場合今回の合宿ってどうなるの?やっぱり…その、中止、かな…?」

 

…レイアが暗い雰囲気を変えようと別の話題を出しました。…でもレイア、この場でその話題は――――

 

「あ、うん。今あっち学校の先生に連絡したら来ること自体は問題無いそうだから取りあえず向かうことにはなるけど……」

 

「ここから皆で歩き、なんだよね……私たちはともかく、小学生には厳しい距離なのよね」

 

昴さんとその幼馴染である葵さんは移動手段について悩んでいるようですが…どうやら合宿自体は大丈夫なようですね……。

 

「あー…確かに、エリーは大丈夫だけど他の皆にはちょっと厳しいかぁ…」

 

レイアも説明を聞いて悩むようなポーズをしてます。…確かにここから目的地までは多分5キロ以上ありそうですからね……

 

「あ、それくらいなら皆大丈夫ですよ」

 

突然声が聞こえたので私やジュード達が声の聞こえた方へ振り返ると、そこには手を挙げているヒカリ達女バスのメンバーがいました。

 

「え?でもまだここから5キロ以上あるよ?」

 

「でも5キロ程度しか(・・・・)ないんですよね?」

 

ジュードの問いに笑顔で答えるヒカリ。…確かに私たちは旅の経験があるから大丈夫かもしれませんが、他の皆は荷物を持って長距離歩くなんて経験したことないですよ?

 

「それなら最近始めたランニングより距離短いですから大丈夫ですわ」

 

みずほも笑顔でグーサインしてます。…けど…

 

「…けど皆、荷物を持って長距離歩いたことあるの?」

 

そこですよ重要なの。…と私が心の中で突っ込んでいると有紀とミサが

 

「「…確かに歩いた事(・・・・)は無いです(あらへん)ね。走った事(・・・・)はあります(ある)けど」」

 

「「「「「……………………………」」」」」

 

なんてとんでもないことを言い出したので私たちは絶句(最近覚えました!)してしまいました。

 

「…なんて経験してんよ…ってかどっから突っ込んでいいかわからないわ…ゴホン、まぁそういう訳みたいなので私たちは大丈夫です」

 

紗季に至っては眼鏡がずれていることにも気づいていないくらいに脱力しています。…まぁ気持ちはわかりますけどね…。でもそんな状態でもまとめてしまう辺り、やっぱり紗季は皆のまとめ役にピッタリです。

 

「それに、新人に負けっぱなしなんて私は嫌ですからね。ここで見返したいです」

 

ですよねー…紗季ですから…

 

「…エリーは着いたらお説教ね」

 

なんで!?

 

「エリー…思ってること全部洩れてるよ…」

 

「あはは…が、頑張ってね?」

 

智花と愛莉が苦笑気味にそう言ってくれます。……ううー…ちゃんと直さなきゃ…

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

話がまとまったので早速歩き出すこと約2時間。ようやく学校らしきものが見えてきました。…すごく、広そうです…!

 

「みんなー!あと少しよ!頑張ってー!!」

 

私の隣で元気な声を出して応援しているヒカリはまだまだ余裕そうですね…でも…

 

「「「「「「「なんでそんなに余裕なんだ(なの)(なんや)!?」」」」」」」

 

私とヒカリ以外は限界寸前のようで、理不尽な叫び声をあげています。…なので

 

「「鍛え方が違います(違う)からね」」

 

と応えておきます。…ヒカリとハモるなんて珍しいですね…なんか少しいやです。

 

「…え、エリーちゃん?またダダ洩れてるよ?あと本人の前ではやめようね?傷つくから」

 

「……ごめんなさい」

 

…またやっちゃったみたいです。

 

「あはは…その様子なら二人はいつものメニューで大丈夫そうだな。…けど…後ろの皆は軽めのメニューにしとく?」

 

「「「「「「「「そ…そうしてください…」」」」」」」」

 

「あ…あははは…はぁ、こんなことならバテたフリしとけばよかったわ…」

 

「……理不尽…です…」

 

「…お取込み中のようだけどよろしいかしら?」

 

!?

…と、突然後ろ――校門の方――から声が聞こえてきてびっくりです!

 

「あっ…えっと、硯谷のコーチの方ですか?」

 

「そうです顧問の野火止です。…失礼ですけど、どなたが長谷川昴さんですか?」

 

野火止と名乗った女の人は険しい表情でこちらに問いかけてきました。…うう…なんだか怖い雰囲気です…。

 

「あ、それは俺のことです。…本日はお呼びいただきa「挨拶は結構ですので皆さんついてきてください」…わかりました」

 

しかも昴さんの挨拶を遮ってさっさと歩き出してしまいました…まるで怒っているようにも見えますけど、私たちなにか悪いことでも…あ、遅刻、してますね…

 

「なんだよアイツ!すばるんに向かってしつれーだな!」

 

「真帆、怒りたい気持ちは分かるけど私たちは遅刻してるんだからそんなこと言わないの」

 

後ろでは野火止先生の言葉と態度で怒る真帆を紗季が宥めてますが…心なしか口調に怒気を感じますから、きっと紗季も内心ではきっと怒っているのでしょう…。

 

 

それに、今ここにいる私たちの中で怒ってない人はいないみたいですしね。

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

「…着きました。こちらが慧心さんに使って頂く宿泊施設です」

 

「ってここ外じゃん」

 

野火止先生の言葉に突っ込みを入れるレイア。…でも気持ちは分かりますよ?だって――

 

「…つまり、僕たちは野宿。ということですか?」

 

私たちが経験した旅でよく使っていた道具が一式置かれてるだけ(・・)の一角ですからね。…ジュードが珍しく怒ってるのも無理ないですよ。私も少し怒ってますし。

 

「そうです。…と言っても最低限の食材や設備はこちらで用意しておりますので、野宿というよりもキャンプという方が近いですが」

 

「……それでも俺たちは何も聞いてなかったのでキャンプの用意なんてしていませんが…?」

 

「…………顧問の方にはこの条件でも問題ないということで伺ってましたのでこの合同練習会について合意しました。なのでこの条件が無理なようでしたら残念ながら中止ということでお帰り頂きますがどうしますか?」

 

「…………………………………」

 

昴さん達はその言葉に沈黙してしまいました。……でもですね?私としてはここまで来て中止は流石に納得出来ません。なので

 

「…あの、それなら私たちと試合してください。私たちが勝ったら、練習に参加させてください」

 

「…それで?あなたたちが負けたらどうするの?」

 

「……私たちが負けたら「帰ります!」…紗季」

 

…私が言おうとしたことを取らないでください…

 

「そう。ですが仮にあなた達が勝ったとして、それ以前にあなたたちの衣食住をどうするつもりなの?今はその話をしてr「もちろんそちらの条件のままで構いません!」…はぁ、わかりました。あなたたちの気持ちに免じて練習には参加させてあげます」

 

「ありがとうございます先生」

 

「…ですが、今日は既に練習が始まってます。なので明日から合流してください。それでは」

 

手を額に当てながら野火止先生はそれだけ言って校舎の方へ歩いて行きました。…練習会、中止にならなくて良かった…です!

 

~Sideout~

 

~昴side~

 

「……成長したね、エリーゼ」

 

「そうだね…私たちもテントはるの手伝おうジュード!」

 

ジュードとレイアは二人で会話してから皆の元に走って行った。…多分旅の経験を生かして色々アドバイスしてくれにいったんだと思う。

すると二人が行ってから葵が

 

「ね、ねぇ昴?あの子凄い度胸あるみたいだけど、この学校のレベル知ってるの…?」

 

と、苦笑気味に聞いてきたから

 

「知らない…と思う」

 

と正直に答えた。…だって、戦績について話してた時エリーゼだけ何のこと?って顔してたし。

 

「でも」

 

「…でも?」

 

「…この先どうなるか楽しみだ」

 

「…はぁ、このバスケバカは…まぁ、気持ちは分かるけどね」

 

拳を握りながらそう言うと葵に呆れられたが、何か思う所があるのか苦笑気味にそう返ってきた言葉には同意の意味が含まれていたんだと思いたい。

…さて!明日が楽しみだ!!

 

~Sideout~




後書きスキッド:テント張り

先生・コーチ組が会話中の小学生’s

ヒカリ「テントかぁ~。懐かしいな~」

愛莉「ヒカリちゃんキャンプしたことあるの?」

ヒカリ「えぇ、何か月かガールスカウトに所属してた時期があってね。その時に」

紗季「へぇヒカリもなんだ。実は私も低学年の頃はガールスカウトに入ってたわ。だから私もテントの張り方は分かるから二手に分かれて作業しましょう」

ヒカリ「うん、わかった」


~~~~~~~~~~~~~~

有紀「………………」

ミサ「ほぇ~、藤井さん器用やなぁ」

有紀「…親と」

ミサ「親と?」

有紀「修行してた頃によく使ってたから」

ミサ「……そ、そうなんや…」


~~~~~~~~~~~~~~~~


瑞穂「…よいしょっと。すずちゃーん、これで大丈夫ですかー?」

すず「はい、大丈夫です。ありがとうございます」

ひな「おー…すずはてんとはるのとくい?」

すず「そうですね、任務に出る時はいつも持ち歩いてましたので」

瑞穂「(テントを持ち歩かないといけない任務って一体…)」



という事で原作と違ってものの数分で設営作業は終わりましたとさ(笑)
…え?ジュード達の救援?…もちろん皆の荷物を搬入しただけですよwww

終わり
ご愛読ありがとうございました!

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