ロウきゅーぶ!!!~エリーゼ・ルタスの大冒険~   作:藤林 明

13 / 37
…にしても、10話と11話をまとめるのに時間掛かりすぎてしまったな…。やっぱり文才が乏し過ぎるお(泣)

…それでは第11話です!どぞ


※:今回の後書きは長いです。



第11話:意外な決着

~~~~~~

 

ーーガールズ・トーク~得点板にて~ーー

 

愛莉「………………」

 

エリーゼ「…………すごい……です」

 

愛莉「……うん…そうだね……」

 

エリーゼ「……愛莉」

 

愛莉「どうしたの?」

 

エリーゼ「バスケって……なんだか凄いですね!」キラキラ

 

愛莉「えっと……そ、そうだね……(どうしよう…あんなの私達は出来ないなんてあのキラキラした目を見て言えないよぅ…)」

 

 

 

~実況side~

 

現在スコア

Bチーム 22ー24 Fチーム

 

 

 

「はぁ……はぁ……やるな、あの転校生」

 

試合時間残り1分半で劣勢な中、ふと真帆は智花にそう話し掛けた。

 

「そうだね……あの動き……エリーと同じ感じがする……真帆はどう思う?」

 

智花も気になっていた事を真帆に質問した。

 

「んー、もっかんがそう思うならそうなんじゃないかな?…それよりあんま時間も無いし早い所逆転しちゃおうぜ!」

 

「…うん!そうだね。細かい事は後であの子やひなたに聞こう!…じゃ、行こう真帆!」

 

「おーよ!もちろんアタシ達のチームが勝つ!!」

 

真帆も智花もそう言って詮索するのを止め、眼前の試合に集中する事にした。…もちろん2人共すずについては気になるが、残り時間わずかで逆転しないといけない為、まずは試合に勝つ事に集中する事にした。そこへ

 

「あの、2人共ちょっと良い?」

 

と、同じチームでD組の高橋が真帆と智花へ話し掛けてきた。

 

「ん?どしたの?」

 

元来人見知りな所がある智花に代わって真帆が応える。すると高橋は

 

「実はさっき3人で話してたんだけど、藤林さんを私と音無、藤村の3人でマークしてみようと思うんだけど、どうかな?」

 

と、提案してきた。

 

「えっ!?大丈夫なのか?」

 

真帆は高橋の提案に驚いてそう聞き返すが、それに対して高橋は自分達が気付いた事を話した。

 

「うん。三沢さん達はあの技に気を取られ過ぎてて気付いて無いかもしれないけど、あの子ずっと技を使った(・・・・・)『シュート』はしていても、『ドリブル』と『パス』は1回もしてないの。だから私達がマークすれば多分動けないんじゃないかと思う」

 

「なるほど~そういう事か!…よ~し、もっかん!」

 

「うん、私はそれで良いと思うよ。後は真帆がひなたをマークして私が残りの2人を抑えれば」

 

「「「この試合勝てる!」」」

 

 

そう。気付いたのだ。

 

脅威の転校生藤林すずの『致命的な弱点』に――――

 

「よーし!作戦開始だー!!」

 

そう叫んだ真帆は張り切って走って行った。

 

「じゃあ私達も藤林さんのマークに行きます。…湊さん、頑張って下さい!」

 

高橋もそう言って智花を激励した後、音無と藤村を連れて走って行った。…そして

 

「チームの皆や昴さんの為にも…私はどんな時でもバスケの試合で負ける訳にはいかない!」

 

皆の勝ちへの想いが、慧心学園女子ミニバスケットボール部のエースに火を付けたのだった。

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~♪

 

 

 

 

「来ました…忍法・しら…っ!」

 

智花がドリブルしながらハーフコートのラインまで来たのを確認したすずはスティールをしようとしたが、出来なかった。

何故なら

 

「藤林さん」

 

「あなたは」

 

「私達が止めます!」

 

すずは気付かないうちに3人の敵に囲まれてしまっていたからである。…しかも

 

「(この方々を強引に抜こうとしたらさっきみたいに反則を取られてしまう。…これでは動けませんね)」

 

そう。彼女は再開直後にファウルを取られていたため、ファウルを恐れて身動きが取れないのである。…つまり

 

「…真帆!」

 

「おーよ!」

 

スパン!

 

前半戦の様に真帆達がコンビプレイでシュートをするのがたやすくなるという事になる。

 

 

Bチーム 24ー24 Fチーム

 

 

そしてディフェンスだけではなくオフェンスにも影響は出る。

 

「すずー」

 

「はい!…くっ、これは!」

 

そう。すずへのトリプルチームはオフェンス・ディフェンス問わずにオールコートで付けられてしまうので、満足に動けないのである。…そして

 

「…袴田さん!」

 

「おー。…!きゃー」

 

「ぐはっ!…いってー…ってひなた!?大丈夫か?」

 

すずのこの試合初めて出したパスはボールごとひなたを『吹っ飛ばして』隣のコートで同じようにバスケをしていた竹中夏陽に見事命中したのだった。

 

「…おー。ありがとうたけなか。ひなならだいじょうぶだよ」

 

「そか、それならよかった。…てか何でひなたはボール抱えてここまで飛んで来たんだ?いくら隣でやってるって言ってもそれなりに距離あるしよ」

 

竹中はひなたの無事が分かってホッとしたが、疑問もあったので聞いてみる事にした。

 

「おー、それはね、すずからのパスをもらったらここまでとんできてたの~」

 

「パス貰ったらって…どんだけ強く投げたんだよそいつ…」

 

ひなたの答えを聞いた竹中は驚き半分呆れ半分でそう呟いた。そして

 

「まぁその……怪我しない様に気をつけてな」

 

と、ぶっきらぼうに言った。不器用な男である。

 

「おー、ありがとうたけなか」

 

竹中の激励に答えたひなたは自陣のコートへと戻って行った。余談だが、最後にひなたが見せた天使スマイルを見た竹中は自らの試合で30得点の大活躍をしたそうだ。…鼻血をだしながらだが。

 

 

 

~~~~~

 

 

 

ひなたが戻った事で試合は再開された。が、しかし流れはBチームに傾こうとしていた。

 

「もっかん!!」

 

「うん!」

 

 

シュッ!…パスッ!

 

 

Bチームボールから始まった攻撃は、智花のロングシュートであっさりと決まり、スコアは

 

Bチーム 26-24 Fチーム

 

とあっさり逆転したのだった。

 

「くっ…これはまずいですね…」

 

そしてこの時、すずにしては珍しく焦っていた。何故なら先程からマークしている3人の存在。そして

 

「(この方々を強引に振り切ってしまったらまた反則を取られてしまう…それだけは避けなければ!)」

 

これなのである。そう、すずは前半戦に強引にシュートへ行こうとしてオフェンスチャージングのファウルを取られてしまったのだ。それによりバスケ素人のすずは囲まれただけで身動きが取れないのである。…しかしそこへ

 

「おー。すず、ここはひなにまかせて?」

 

ひなたがいつものニコニコ顔でそう提案してきた。

 

「…お願いします。今の私はあの方々を引き付けるのが精一杯なので…すみませんお役に立てなくて」

 

ひなたの提案に対してすずは肯定と自分の不甲斐無さを謝罪する。…しかし

 

「おー?どうしてあやまるの?すずがいなかったらここまでこれなかったよ」

 

ひなたはすずに対してそう答える。そして

 

「すず、バスケはみんなでやるからたのしいんだよ?だから、ひな達はすずがこまってたらたすけるよ。すずがひな達にしてくれたみたいに」

 

と、笑顔でひなたは言い切ったのだった。

 

「袴田さん……そうですね。皆で協力して戦いましょう!」

 

そしてすずも、ひなたの励ましで再び闘志を燃やすのだった。

 

 

~~~~~~~~~~

 

 

そしてFチームからプレイが再開された。当然すずには3人のマークがつく。…しかし

 

「…御坂さん!」

 

桐沢は近くにいた御坂へとパスを出し、そのままドリブルをしていく。当然智花がディフェンスに行こうと御坂の方へ向かうが

 

「来た…桐沢さん!」

 

と、こちらへ走って来たのを見計らって御坂はフリーとなった桐沢へパスを出す。…そして

 

「くっ!…袴田さんお願い!」

 

桐沢と御坂のコンビプレイでフリースローラインまで持って来たボールはゴール下に走っていたひなたへと渡り

 

「とりゃー」

 

ガン!…パスッ!

 

竹中直伝シュート(仮名)を決めてスコアを

 

Bチーム 26-26 Fチーム

 

とした。

 

「やるなヒナ!よ~し、ソッコーだもっかん!!」

 

「うん!」

 

対する智花と真帆もすぐにプレイを再開し

 

「…ふっ!」

 

パスッ!

 

宣言通り速攻でレイアップを決めた。…そして試合はそのまま点の取り合いとなっていったのだった……。

 

 

 

 

 

~~~~~

 

 

 

 

 

ビーーーッ!

 

「試合終了!…ってありゃ、引き分けか」

 

そう。美星先生の言う通り最終スコアは

 

Bチーム 32-32 Fチーム

 

と、なったのだった。

 

 

 

~sideout~

 

 

 

~エリーゼside~

 

…どうやら試合が終わったみたいですが…とても凄い試合でした!…それ以外に言葉が出て来ません。

 

「あ、エリーちゃんごめんね。私次試合だから行くね」

 

感動に浸っていたら隣の愛莉が私に声をかけてきました。

 

「…あ、はい!…愛莉、頑張って!」

 

そうでした!次の試合は愛莉のチームと紗季のチームでしたね。…という事で私は愛莉を激励します。

 

「えへへっ、ありがとうエリーちゃん♪…私も智花ちゃんやひなちゃんに負けない様に頑張るね♪」

 

愛莉は笑顔でそう言うと、コート中央へ走って行きました。…この試合も楽しみです!

 

~side out~




後書きスキット:仲間入り

~~試合終了直後の移動中にて~~


真帆「ちくしょー!引き分けかぁ~」

智花「仕方ないよ。ひなた達強かったもん」

真帆「だよな!特にあの転校生!バスケ初めてなのに凄かった」

智花「そうだね。私も沢山スティールされちゃったし…ごめんね真帆」

真帆「別にもっかん責めてる訳じゃねーって。…あ~あの転校生入れられないかな~。もっかんやあたしと組んだら無敵だろーし!」

智花「あはは…無敵かどうかはともかく、一緒にバスケ出来たら楽しいだろうね」

真帆「だよな~。…ヒナ!勧誘頼んだぞ!」

~~~~~~~~~~

ひなた「おー。すず、おつかれ~」

すず「お疲れ様です袴田さん」

ひなた「おー。ひなのことはひなってよんでいいよ?」

すず「そうですか?…分かりました。それでひなさん、私に何か用事でもあるのですか?」

ひなた「おー。そうだった。…あのね、ひな、またすずとバスケしたい。だからひな達のぶかつに入らない?」

すず「部活…ですか?……すみません。私ではまたひなさんの足を引っ張ってしまいますから遠慮します」

ひなた「だいじょうぶだよ。おにーちゃんがどうしたらいいかおしえてくれるから…それにひなもまだまだへたくそだから、これからたくさん練習する。だからいっしょに練習しよ?」

すず「ひなさん………分かりました。私もひなさんと修行して、ひなさんのお力になりましょう」

ひなた「わーい。ありがとうすず。これからよろしくおねがいします♪」ペコリ

すず「いえ、こちらこそこれから宜しくお願いします」ペコリ

こうしてすずは女バスへ入部しましたとさ。


終わり。
ご愛読ありがとうございましたm(_ _)m

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。