ダイの大冒険でよろず屋を営んでいます   作:トッシー

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本日の目玉商品『霜降り肉』

ダイ達と別れたオレは一人森の中を歩いていた。

神殿は森に覆われていたので先ずは森を抜ける必要があるのだ。

ダイが不死騎団を倒した事によって怪物も沈静化しており、オレは比較的に安全に旅を続ける事が出来ていた。

とりあえず森を出たらキメラの翼でロモスに戻ろう。

さっきは別れを惜しむあまりキメラの翼を使いそびれてしまったのだ。

以前の経験から森の中だと木の枝とかにぶつかって普通に痛い。

オレは森を抜けるために歩を早めた。

 

 

 

「閃光よ!」

 

破邪の剣を構えたダイが叫ぶ。

すると刀身から一筋の閃光が放たれ崩れた柱に穴を開ける。

 

「おお!」

 

破邪の剣の力にダイは感動を覚える。

ポップとマァムも感心した様に破邪の剣を見ている。

ダイは新しい玩具を貰った子供のようにはしゃいでいた。

タケルと別れた後、レオナ姫達の反応があるまで時間が出来た。

ダイ達はタケルに貰った武具の具合を確かめる事にしたのだ。

 

「雷光よ!」

 

ポップもいかずちの杖を天に掲げて叫ぶ。

すると落雷が落ちて地面を抉った。

 

「すげえ…」

 

「これはオレの持つ真空の斧と同じ伝説の武具か」

 

クロコダインはダイ達の装備を眺めながら興味深そうに呟いた。

 

「これ程の貴重な武具を奴はどうやって手に入れたのだ?」

 

ヒュンケルが感じた疑問を口にした。

まさかその辺で購入した武器とその辺で採取した素材を錬金しただけで手に入れているとは夢にも思わないだろう。

もしも魔王軍にその事が露見すれば間違いなく狙われるだろう。

 

「それは聞いてみないことには分からん。だが、これからの戦いにタケルの力は必要だ…」

 

「ああ、それに中々機転も利くようだしな」

 

「確かマグマからお前達を救い出したのだったな」

 

「ああ、道具の特性を正しく理解していないと、ああはイカンだろう」

 

ヒュンケルはフレイザードの手によってマグマの海に飲み込まれた地底魔城を思い出していた。絶体絶命の危機。

それを救ったのは、まるでノーマークだった同行者の少年。

多彩な道具を操り自分たちの危機を救った。

もしもタケルが居なければヒュンケルがダイ達を救う為に犠牲になっただろう。

今となっては自分の命など惜しくはない

だが…。

 

「楽には死ねんと言う事か…」

 

ヒュンケルは自嘲気味な笑みを浮かべると溜息を漏らした。

 

「あ、あれは!?」

 

「ヒュンケル…」

 

「ああ、どうやら来たようだな」

 

ダイ達が空に浮かぶ影を指さしているのを見て元・軍団長の二人は歩きだした。

空に浮かぶ気球を見つめながら。

 

 

現在オレはラインリバー大陸を旅している。

森を抜けて空に障害が無くなったのを確認したオレはキメラの翼を放り投げた。

キメラの翼が輝く。

瞬間、身体から重さが消えるような感覚。

景色が高速で流れ、俺はあっという間にロモスの町に立っていた。

俺は地図を確認した。

北はギルドメイン大陸。

ここからだとカール王国が近い。

勇者アバンの故郷か…。

物凄く気になる。

思い立ったら吉日、オレはロモスから出て北に向かうことにした。

地図を見るかぎりイカダを使えば充分にギルドメインに渡れそうだ。

道中、何度か怪物に遭遇するが襲ってくる気配はなかった。

おそらく獣王クロコダインが敗北したためだろう。

統率する親玉がいない事が影響しているのだろうか。

 

「まぁ 魔物に襲われないのは良いことだよな」

 

こっちから仕掛けない限り襲われる事は滅多に無い。

偶に襲われるけど、今のオレのレベルだと楽勝できる。

今までの戦いは無駄ではなかった事を実感できた。

中級の攻撃呪文の一発でケリがつくのだ。

それを見た魔物達が怯えて襲ってこなくなる。

魔法って本当に便利だ。

オレは道すがら両手にそれぞれ異なる魔法を構成しようと努力している。

そして遂に成功の兆しが見え始めていた。

 

「バギ…でもってギラ!」

 

「ぎゃああああ!!」

 

オレは右手からバギを放ち続けざまに左手でギラを放つ。

熱線が真空の刃に乗せられて目の前の怪物を切り裂く。

すごい切れ味だ。

オレはもう一度、バギとギラを生み出す。

 

「合体!」

 

両手を合わせて合体呪文…。

 

「ありゃ、失敗か…」

 

目の前で悶え苦しんでいる怪物を見ながらオレは溜息を付いた。

成功すると炎の竜巻が出来る予定なんだが…。

流石にいきなり合体魔法は無理か。

連続魔法の方も下級呪文しか成功しないし…。

 

「まぁいいか、魔法の同時行使は出来るようになったし。やっぱりレベルが上がったからかな~」

 

まさかレベル関係してるとは思わなかった。

だったら、しっかりレベルさえ上げれば他の技術も?

夢が広がるな…。

でも命がけの戦闘は出来ればやりたくないかも…。

なんか楽にレベル上げの方法って無いかな…。

 

「…ん?」

 

いた。居たよ。あったよ。

楽してレベル上げる方法が…。

まさかのご都合主義?

こんな時に遭遇するとは!!

これは神様がオレにレベルを上げろと言ってるようなものだろ?

草むらでゴソゴソと蠢く銀色の物体。

液体のようにドロドロとしている身体と泡立つブクブク。

 

「は、はぐれメタル…キタ━(゜∀゜)━!!」

 

お、落ち着けオレ!

これはチャンスだ!

逃げられでもすれば折角のチャンスがパアだ。

いや、この付近にはぐれメタルが生息してる情報が得られたのは超幸運、いや落ち着けオレ!とりあえずやることは一つ。

幸いはぐれメタルには気づかれていない。

オレは道具袋から毒針と魔物のエサ等々を取り出した。

チャンスは一度きりだ…。

オレは意を決して一番高価な『霜降り肉』をはぐれメタルの目の前を狙って放り投げた。

さあ喰らうが良い!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続く?

 

本日のタケルのステータス

 

レベル19

 

さいだいHP:106

さいだいMP:561

 

ちから:52

すばやさ:130

たいりょく:53

かしこさ:281

うんのよさ:256

 

攻撃力:53

防御力:123

 

どうぐ

E:どくばり

E:ビロードマント

E:力の盾・改

E:幸せの帽子

E:スーパーリング

E:星降る腕輪

 

 

呪文・特技

 

錬金釜 採取 大声 口笛 

寝る 忍び足 穴掘り 大防御

連続魔法

 

 

ホイミ ベホイミ 

キアリー キアリク シャナク

メラ メラミ メラゾーマ

ギラ ベギラマ 

イオ イオラ

ヒャド ヒャダルコ ヒャダイン

バギ バギマ

ニフラム 

フバーハ

ラナリオン

トラマナ レミーラ 

インパス

 


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