二人の女神の憂鬱   作:性別はヒデヨシ

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同級生(親友)

「さ…佐々木?」

 

「クックック」

 

中学時代の親友がいた。

 

「どうしたんだいキョン?そんなに驚いて」

 

「お前…何でこの高校に?」

 

「おや?キョンは僕なんかが同じ高校に入学するのが嫌だったかい?」

 

佐々木は、俺がそんな事を思うはずが無いことを重々知った上で言っている

 

「そんな事思うはずがないだろ。ただ、お前は私立の高校に行くって言ってただろ?」

 

そぅ、こいつは有名な私立の高校を受験するために塾通いをしていた。同じ塾に通っていたのにこれほど学力に差が出るものなのかと良く思ったものだ。

まぁ、勉強が出来ないから塾に通った俺と勉強がしたいから塾に通った佐々木とではそもそも頭の出来が違ったと言うのもあるが…

 

「確かに僕は、私立高校に行くって君に伝えていたね。…ただね…キョン、僕が行きたかった私立高校は進学校でね。」

 

「それが何か問題が有るのか?私立で進学校なんて別に珍しくもないと思うが?」

 

偏差値の違いあれど私立で進学校の高校なんてこの日本は沢山ある。佐々木の場合は県内有数の有名進学校だったが

 

「考えたんだ……ただ勉強だけし続けて友達と言えるような人も出来ずに過ごす学生生活は楽しいのかな?って。」

 

「友達が出来ないって………さすがにないだろ。」

 

佐々木は、人に嫌われるタイプではない。むしろ男女分け隔てなく好かれるタイプだ。そんな佐々木に友達が出来ないというのは考えにくい。

 

「確かに、表面上の友達は出来るだろう。しかしねキョン、進学校と言うのは回りは皆ライバルみたいな考えなんだ。いい成績を納めて、学内の学力の順位でその後の一生を左右される。僕は、そんな争いの中に身を投じて学生生活を過ごすのに疑問を感じたんだ。」

 

「それで、この高校にランクを落としてまで入学したと?」

 

「そう…。僕はね、キョン。別にいい大学を目指しているとかはそういうのは無いんだよ。」

 

「そうなのか?てっきり名門大学を志望してるから勉強を頑張っていると思っていたんたが?」

 

「たまたま勉強する事が少し楽しいと感じているだけだよ。もちろん、いい大学に行けば将来の仕事も良いところに就職出来る。だけど、そこでも進学校から就職したような人達は回りを昇進を争うライバルだと考えるだろうね。」

 

「なるほどな」

 

佐々木の話しを聞いていると俺はえらく納得した。高校、大学、そして職場、人生の大半を回りのライバルと争うという生き方。例え佐々木にそんなつもりが無くとも回りは勝手に佐々木をライバルとして見るということだ

 

「僕は、そんな人生が楽しいかどうかを考えていて思ったんだ。進学校に通うより普通校に通って友達と過ごす方が有意義な人生になるってね。」

 

佐々木はただの我が儘途かで無くしっかりと自分の道を考えた上での行動としてこの高校への新学を決めたと言うことだ。難しい考え方をしてる所もあるが

 

「まぁ、お前がしっかりと考えて選んだんだ。俺がとやかく言うことはない。…また三年間宜しくな佐々木。」

 

「此方こそよろしくたのむよ。」

 

「まぁ、俺がしっかりと三年間で終わるかは分からないがな。」

 

自分で言うのも悲しくなるが俺自身の学力は平均より低い下手すれば留年をする可能性だってあり得るのだ

 

「大丈夫だよ、キョン。危なくならないように時間が有るときに僕が勉強を見てあげるよ。」

 

俺の言葉を聞いた佐々木から嬉しい申し出が出てきた

 

「それは本気で助かるが良いのか?」

 

確かに勉強を見てもらえるのは嬉しいが佐々木に迷惑を掛ける訳にもいかない。

 

「クックック、心配には及ぶないよキョン。勉強と言うのは人に教えれるようになって初めて理解したと言えるんだ。つまり君に教えれるようになることがそのまま僕の為にもなるんだよ。」

 

「なるほどな。ならお言葉に甘えるとしよう。」

 

「二人とも劇的再開でイチャイチャしたくなるのも分かるけど、もうすぐ時間だよ。」

 

俺達の話が一段落付いたのを見て国木田が話に入ってきた。そういえばコイツ朝から俺にクラスメイト達の名前が見えないようにしてたな

 

「別にイチャイチャなんてしてないだろ、それとお前知ってたな。」

 

「やぁ、国木田。キョンが僕の入学を知らなかったのはやはり君の計らいかい?」

 

「おはよう、佐々木さん。キョンには知らせない方が驚きが大きいと思ってね。」

 

「確かに、驚いたが国木田は何時知ったんだ?」

 

「1週間位前かな?たまたま制服を買う時に同じ時間になってね。あの時は僕も驚いたよ、有名進学校に行ったはずの佐々木さんが同じ北高で制服見てるんだもん。」

 

「同じ中学の人と遇うと恥ずかしから、わざと人が少なそうな最後の日を選んだけどね。まさか国木田に会うとは思わなかったよ。」

 

「なるほどな、佐々木は何で俺に教えてくれなかったたんだ?」

 

別に気にしてる分けでは無いが国木田にばれた時点で俺に話が行く可能性が有るわけだ。なのに知らされてないと言うのは少し引っ掛かる。

 

「クックック。僕は君の驚く顔が見たかったんだよ。君が一番驚くと思ってたからね」

 

「あぁ…確かに驚いた。」

 

「僕も黙ってて良かったよ。」

 

ガラガラ

 

「おはよう、新入生諸君。」

 

ドアが空き担任らしき人物が教室に入って来た

 

「おや、先生が来たようだね。本当に楽しい時間は直ぐに過ぎてしまうね。アインシュタインの相対性理論とはこの事を言うのかな?」

 

相対性理論とかはよく分からないが、確かに楽しい楽しい時間は確かに直ぐに過ぎてしまう。

 

「クックック、名残惜しいが席に着こう。といっても君の目の前だけどね」

 

そういうと佐々木は俺の前の席に座る。といってもまだ顔を此方に向けているが

 

「今からこの三年間が始まるとなると少し緊張するね。」

 

「まぁ、どうせやるのは自己紹介位だろ。気軽にいけば良いさ。」

 

しかし、この時俺は知りもしなかった。平凡な俺の人生は今日から劇的に変わることを

 

 

「(たく、どいつも詰まらないわね。宇宙人位現れないかしら。)」

 

 

 

 




仕事の合間にスマホのアプリに書いてるのでなかなか書き溜めが出来ません。


さて、最後の登場人物の正体は?次回明らかに

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