魔法少女と黄金の獣   作:クリフォト・バチカル

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推奨BGM:Gregorio(dies irae)


76:後日談

<高町まどか>

 

『ラグナロク』の勝者2人の内の1人となる。

 管理局崩壊後、実家に戻り高認資格を取って短大に入学、卒業後はフランスに1年留学しパティシエとしての修行に取り組んだ。

 帰国後、翠屋の正式な店員となり、いずれ店を継ぐべく日々奮闘中。

 なお、ラインハルトによる口説き攻撃にシュークリーム目当てと理解しながらも若干絆され中。

 

「うぅ……あの顔で至近距離で見詰められると心臓に悪いわ」

 

 

<高町なのは>

 

 姉と大喧嘩の末、ラインハルトのレギオンに加わることを選ぶ。

 レギオンに加わることで死を考慮する必要が無くなった結果、ライバル認定したエレオノーレとの砲撃合戦は激化。

 日々派手に砲撃魔法を撃ち合ってストレスを解消し、想いを寄せた松田優介とも一緒に過ごせる、本人としては幸せな生活を送る。

 

「今日こそ勝ってみせます!」

 

 

<フェイト・テスタロッサ・ハラオウン>

 

 20歳になると同時にラインハルトのレギオンに加わり、不老不死となる。

 プレシアやアリシアとも和解し、共に過ごす事が出来るようになる。

 一方で、管理局を崩壊させた人物とよりを戻したことでクロノやリンディとの関係は悪化する。

 ラインハルトの側に侍り、幸せに過ごす。

 

「ラインハルトさん……」

 

 

<八神はやて&ヴォルケンリッター>

 

 ヴォルケンリッターは最終決戦で全滅したが、主であるはやてと夜天の魔導書本体が無事であったことから、時間をおいて再生に成功する。

 しかし、本局が滅んでしまった為に本局所属であった機動六課は行き場を無くす。

 結局、組織体を為していた地上本部に組み込まれる形で、ミッドチルダの治安維持に当たることになる。

 当初は1年限定の試験部隊であった機動六課であるが、この組織変更によって有耶無耶になり正式部隊となる。

 また、機動六課解散時まで保留されていたはやてに対しての処罰も有耶無耶となる。

 色々と釈然としないものの、混乱しているミッドチルダの治安は悪化しており対処に忙しい日々を送っている。

 

「休みが欲しい……」

 

 

<松田優介>

 

 最終決戦で死亡。

 前世において、炎の中で死に損なった罪悪感は炎の中で死を迎えることで昇華された。

 が、魂の強度が形成位階相当に達していた為に『城』で自我を保ってしまう。

『城』まで追い掛けてきたなのはについては自身が死者であること理由に想いに応えるつもりは無かったし、彼女がレギオンに加わることにも最期まで反対し続けた。

 しかし、なのはの決意は固く、止められないと悟った優介は最終的にその想いを受け止めることにする。

 なお、本人は実のところまどかに淡い想いを抱いていたが、自然と気持ちは消えていった。

 

「俺はもう赦されてもいいのかな」

 

 

<クロノ・ハラオウン>

 

 最終決戦時、本局ではなくミッドチルダに居た為に生き長らえる。

 本局を徹底破壊された管理局だが、各世界に散っていた部隊は健在であったためその処遇が問題となる。

 結局、組織体を保っていた地上本部の傘下という扱いで、ミッドチルダの地上本部から各世界に派遣する体裁を採ることになり、クロノはその取り纏め役となる。

 これまで花形だった海の部隊からすれば見下していた地上本部の傘下と言う扱いに不満を持つ者が多く、板挟みになって苦労を重ねている。

 

「い、胃が……っ!」

 

 

<リンディ・ハラオウン>

 

 不法入国、公文書偽造、通貨偽造、脱税とスパイ容疑と言った様々な容疑で海鳴市警に逮捕されるも、フェイトの懇願によってラインハルトが圧力を掛けた為あっさり釈放される。

 釈放後は居辛くなったためミッドチルダに再移住。

 昔の伝手を活かして海の部隊の取り纏めに苦労するクロノを背後から支える。

 

「はぁ、どうしてこうなったのかしら……」

 

 

<ティアナ・ランスター>

 

 海の組織が壊滅したことにより執務官制度は崩壊し、執務官になることを目指していたティアナは目的を失うが、しばらく悩んだ末、地上本部の治安維持部隊に所属することにする。

 兄の夢である執務官にはなれなくとも、兄が執務官になってしたかったことは出来る筈と考えた結果だった。

 なお、ベアトリス・キルヒアイゼンとの家族関係は継続中。

 姉から付き合う相手はいつになったら出来るのかと追及されるのが最近の悩みである。

 

「ル、ルーテシアに先越された……」

 

 

<ギンガ・ナカジマ>

 

 機動六課に移籍する前にいた父であるゲンヤが部隊長を務める108部隊に戻る。

 最終決戦でベアトリス・キルヒアイゼンにあっさりと気絶させられたことを悔しく思い、日々鍛練を行っている。

 なお、スワスチカにくべられたスバルの魂はグラズヘイムに居るのだが、誰も気付いていない。

 

「もっと強くならないと……」

 

 

<エリオ・モンディアル>

 

 最終決戦でルーテシアと共にシュピーネを打破……顔の差が勝敗を左右することを改めて証明する。

 いや、エリオ自身にそんなつもりは無かったが。

 その後、地上本部の治安維持部隊に所属しながらルーテシアと交際を始める。

 なお、フェイトが地球に戻ってしまった為、保護者はメガーヌ・アルピーノになっている。

 

「行くよ、ルー!」

 

 

<ルーテシア・アルピーノ>

 

 実はJ・S事件の最後にスカリエッティのアジトに突入した際に母親でメガーヌを助けていたルーテシア。

 メガーヌは治療によって意識を取り戻すものの、長年の封印で身体機能が衰えていた為に長期間のリハビリを要した。

 リハビリを手伝ったり介護をする一方で非常勤ではあるがエリオと同じ治安維持部隊にも所属。

 忙しくも充実した日々を送っている。

 

「ん……分かった、エリオ」

 

 

<レジアス・ゲイズ>

 

 J・S事件でジェイル・スカリエッティとの関係が知れ渡ってしまったため、裁きを待つ身となる。

 ……筈だったのだが、その後に管理局が大混乱となったため有耶無耶となってしまう。

 崩壊した本局と比べれば地上本部は組織自体が消滅したわけではないためまだマシだったが、それでも混乱は大きく統率出来るのは彼以外には居なかった。

 本局を失って帰属先を無くした海の部隊も地上本部の傘下となることとなり長年の悩みが解消するが、原因と状況がアレなだけに素直に喜べない。

 ただ、ゼストと最後に和解することが出来たことのみが救いだった。

 

「ゼスト……わしはまだまだそちらには行けん様だ」

 

 

<ゼスト・グランガイツ>

 

 最終決戦時にマテリアル達を退けスワスチカを破壊するも、命を燃やし尽くしてそのまま息を引き取った。

 かつての親友レジアスと和解し、その命を愛するミッドチルダの為に使い切った彼の死に顔は満足気な笑みを浮かべていたという。

 

「…………………………………………」

 

 

<カリム・グラシア>

 

 最終決戦時に聖王教会の騎士団を率いて管理局に反旗を翻すが、そこに一切の罪悪感はない。

 聖王教会は歴代の教皇に就任していたメルクリウスの影響を強く受け、ガレア帝国に狂信的な忠誠を誓っている。

 本局崩壊後は本拠点をミッドチルダからかつてのベルカ世界の近隣の世界に移し、各世界に散らばっていた信者を集結させて管理世界からの独立を図る。

 独立後は宗教団体から宗教国家に姿を変え、カリム・グラシアは独立後の初代教皇に就任し新生ベルカ法国の元首となる。

 

「ラインハルト様を崇めなさい」

 

 

<ジェイル・スカリエッティ&ナンバーズ>

 

 気が向いたら釈放してやると言ってたルサルカにすっかり忘れられ、捕まったまま。

 なお、ナンバーズの生死についてはドゥーエが生き延びた代わりにクワットロとディエチがゆりかごと共に消滅している。

 

「私はいつまでここに居れば良いのだろう……」

 

 

<イクスヴェリア・ハイドリヒ>

 

 皇妹、宰相に加えてラインハルトの側室の肩書きが加わる。

 正妃でないことは若干不満だが、愛する兄と共に居ることができ、概ね満足している。

 

「兄様……永遠についていきます」

 

 

<ラインハルト・トリスタン・オイゲン・ハイドリヒ>

 

『ラグナロク』の勝者2人の内の1人となる。

 単独優勝ではないため報酬は無いが、自力で流出を行えるラインハルトにはそもそも必要無い。

 フェイトにイクスヴェリア、まどかと女性関係が乱れつつある。

 本来の彼ではあり得ないことだが、前世の残滓が彼の本質を僅かに歪ませた結果であろう。

 何れは流出を行い世界を飲み込み自分を転生させた外なる神々に戦いを挑むつもりだが、高町まどかに対して褒美として望みを叶えると約束した為、100年程はこのままでいいかと考えている。

 

「まぁ、たまにはこんな時を過ごすのも悪くはない」

 

 黄金の獣は高みから世界を眺めている……いずれ壊す世界を。



























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