Muv-Luv Unlimited Base Shielders   作:しゅーがく

9 / 20
どうも、しゅーがくです。
今回に限っては会話中心で文字がほとんどありません。ご了承ください。

取り敢えず遅れを取り戻したいですので......はい。


episode 7 混乱

皐に呼び止められた圭吾はすぐに後ろに振り返った。

 

「御宮大尉。」

 

「貴様も中隊内でも混乱が起きてないのかという疑問を持った様だな。」

 

皐の口から出た言葉が信じられなかった。圭吾が伍長を呼び止めて、中隊内での混乱を確認を取っていたのは広い格納庫で作業は圭吾の居た圭吾の使う機械化歩兵装甲の真反対で行われていた。たまたま偶然通った伍長に聞いたに過ぎず、周辺には伍長と圭吾以外には声の聞き取れる範囲には誰も居なかったはずなのだ。

 

「何故分かったんです?」

 

「感だ。私はこの事態に気付き、中隊の内部では起きていない事を確認した後、中隊の機械化歩兵装甲の整備にあたっている整備兵に質問に行ったのだ。その帰り、表情が少し曇った貴様が格納庫に向かうのを見かけた。」

 

皐は表情を変えずに淡々と、圭吾が中隊内でも起きている可能性のある混乱の状況を確認しに行ったかが分かったかを説明した。

 

「鉄無二等軍曹、貴様はどう思う。」

 

不意に皐から質問を吹っ掛けられた圭吾は少し戸惑ったが、すぐに気を落ち着かせ、聞き返した。

 

「鉄無二等軍曹は混乱していました。ですが、整備陣の方には混乱が認められません。」

 

「私はそういう事を聞いているのではない。新しく建設された基地の配属が決まりつつある現状、この様な事が起こるのはかなり問題なのだ。」

 

皐は眉を潜めてそう言った。

 

「では、新設された基地でしかも、日本国内ではなく、常に死と隣り合わせてあるこの基地でいきなりボロボロで息絶えた機械化歩兵や2個戦術機中隊が出撃して行ったのに、帰還したのはたった3機だけだという事は、これまで実戦を経験してこなかった我が国の兵士達の士気を大幅に下げかねないという事ですか?」

 

「そうだ。私もそれを考えていた。誰しもが思う事だろうが、こんな状況だ。幾ら頭のキレる輩がいるかも知れん基地内でこの様な有様だという事を鑑みると、そう言った輩も混乱している様に思える。貴様、新兵でありながらどうしてそれほど冷静でいられる。」

 

皐の疑問はとても素直な事だった。圭吾も皐の話を聞いている途中、ふとそんな事を思ってしまったからだ。

 

「どうしてでしょうか。私にも判りかねます。ですが、こういった状況だからこそ、冷静でいられるという事は必要だろうと愚考しております。」

 

圭吾はそう改まって言った。言った事は本心だった。幾らベテランであっても、幾ら専任でも、BETAとの『殺し合い』を経験していなければ、新兵と同等だと考えたからだった。

 

「成程。貴様はそう考えているのか。着いて来たまえ。」

 

圭吾の発した言葉を聞いた後、皐は自分の後を着いてくるように言った。圭吾はそれに大人しく従い、皐の後ろを歩き出した。

______________________________

 

皐に着いて行ってかなり時間が経った頃、皐はあるところで足を止めた。

 

「ここだ。入りたまえ。」

 

そう言って皐は真新しい鉄で出来ているドアの大きなノブを引いて開いた。中は暗く広かった。

 

「ここは何ですか?」

 

圭吾はそう言った瞬間、その部屋の照明がドンドンを着いて行き、圭吾の目の前が光に包まれたかと思うと、目の前に外で佇んていた筈の機械化歩兵がワイヤーでぶら下げられていた。

 

「先ほどまで外にあった機械化歩兵だ。既に中にあったレコーダーは抜いてあり、中身も見れる様になっている。」

 

そう言って皐はその機械化歩兵の近くに設置されていたコンピュータのキーボードに何かを打ち込むと、音声記録と網膜投影映像記録、通信記録、当時の戦域データリンクの記録をデスクに表示した。




ここが一番キリが良かったのでここで切らせていただきました。

ご意見ご感想お待ちしております。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。