noside
データ取りと言う名の模擬戦から数日の後、
IS学園はある話題で持ちきりだった。
それは・・・、
「ねえねえ、臨海学校用の水着、もう買った!?」
「あーっ!!忘れてたぁ!!」
「私は買ったけど・・・、お腹回りが・・・!」
「ダイエットし損ねたわね・・・!」
そう、臨海学校で着る水着の事である。
女子にとっては、死活問題になりうる、水着、ダイエット、
一度きりの十六、もしくは十七歳の夏なのだ、悔いを残したく無いのだろう。
だが・・・、
「一夏先輩、なんで水着程度でこんな大騒ぎになるんでしょうか?」
「さあな、俺達には永遠にわからんかも知れんな・・・。」
この学園ただ二人の男性である一夏とリクは、その様子に終始、
頭上に?を浮かべていた。
確かに、彼らも自分の体型には気を使うが、
さすがに水着は無難なもので良いと考えているため、
何をそこまで必死になるのかわからないのだ。
「普通さ、ISの訓練とか、授業受けてたらさ、身体は絞られる筈なんだが・・・。」
「あぁ、わかります、と言うより、皆さん全然大丈夫だと思うんですが?」
「確かになぁ、俺はシャル以外の女はどうでも良いが、さすがに痩せすぎてても・・・、なあ?」
「俺はちょっとムッチリしてる方が好みですかね、特にセシリア先輩とか。」
「へえ?お前かなりいい女に目を付けてんな。」
「やめてくださいよ一夏先輩~。」
そんな野郎二人の会話を、回りの女子生徒はとても複雑な表情をして見ていた。
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side一夏
一日の訓練を終えて、シャルと一緒に自室へ戻った。
「ねえ一夏、明日何か予定ある?」
夕食までの空き時間、お茶を飲んでくつろいでいると、
シャルが少しモジモジしながらも話しかけてきた。
だからなんでそんなに可愛いんだよ。
まったく、自分の可愛さを判ってないのか?
「明日は土曜日で、特にすること無いな、それがどうしたんだ?」
「その、ね?ぼ、僕の水着を一夏に選んで欲しいなぁ、
・・・、ダメ?」
・・・、ブハッ!!あ、危なかったぜ、一瞬意識が飛びかけた。
だからその甘えた声で上目使いは反則だっての!
キスして押し倒しちまうぞ?
水着か・・・、良いね、シャルの水着姿なんて滅多に見られないしな。
「ダメな訳無いだろ、俺も新しく水着を買おうと思ってたんだ、
シャルから誘ってくれて嬉しいぜ!」
「ほんと!?二人っきりで行こうね♪」
「当たり前だろ、明日はデートだからな。」
「うん♪」
ああ、明日が待ち遠しいぜ!!
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sideシャルロット
その夜、一夏は僕より少し先に布団に入り、寝息をたてていた。
ふふっ、一夏ってば可愛い寝顔してるなぁ、
いつ見てもドキドキが止まらないよ。
そんな事を考えながら、僕は一夏の腕の中に入り、
彼の胸に顔をうずめる。
こんなこと、一年前の今頃じゃあ、夢のまた夢だったなぁ~、
でも、僕は今、一夏に愛してもらってる。
夢でも何でもない、しっかりと僕を抱き締めてくれてるこの感覚が、
そう教えてくれている。
「一夏、寝てる、よね?」
「いや、起きてるぞ、どうした?」
あれ?起きてたんだ、ちょっと悪いことしちゃったかな?
「ううん、何でもないよ、ただね、明日が楽しみで仕方ないんだ。」
「そうか、俺も、明日が待ち遠しいよ、シャルの水着姿が見れるしな!」
「もう、一夏のえっち。」
まったく・・・、一夏ってば、なんでこんなに嬉しいこと言ってくれるのかなぁ?
嬉しすぎてどうにかなっちゃいそうだよ♪
「さ、体調壊したらいけないし、今日はもう寝ようぜ。」
「うん♪おやすみなさい、一夏。」
「おやすみ、シャル。」
僕達は唇を重ねた後、眠りに就いた。
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side一夏
そして、土曜日。
俺とシャルは朝食をとった後、
モノレールに乗り、レゾナンスを目指した。
「ふふっ♪」
シャルは朝からご機嫌で、見ていて可愛かった。
「シャル、こっちに。」
「うん♪」
シャルは笑顔で俺の腕に抱き着いて来る。
俺も彼女の方へ身体を寄せる。
やっぱこれ良いわ、シャルってすげえいい匂いするし、
何より可愛いしな。
「ねえ、一夏はどんな水着買う気なの?」
「ん?そうだな、無難な色合いのやつがあったらそれにしようかね?」
「そっか、女性と違って楽だね。」
「まあな、てかさ、逆に男が色物の水着履いてたら流石に、だろ?」
「あー、うん、わかるよ。」
そんだこんだしながら、レゾナンスに着いた。
「まずシャルの水着から選ぼうか?」
「いいの?時間かかっちゃうよ?」
「別に、今日は予定なんて無いし、ゆっくりしていこうぜ?」
「うん♪」
俺はシャルと手を繋ぎ、目的の店まで歩いた。
暫く他愛のない会話とやり取りをしていたら、
いつの間にか水着売り場に到着していた。
「よっしゃ、早速探すか?」
「うん♪」
そう言って、俺とシャルは水着を見始めた。
ってかほんと水着って色々あるな、
色合いや形状、その全てが違うから、選ぶのも一苦労だ。
「シャルは明るめの色が似合うからな、
例えば、こういうのどうだろうか?」
そう言って、俺はシャルにオレンジ色の布地に、
白い紐が特徴的なビキニタイプの水着を渡す。
「あっ、シンプルで良いね、ちょっと試着してみるよ。」
「おう、楽しみに待ってるぜ。」
「もう、一夏のスケベ。」
そうだよ、どうせ男はスケベな生き物だ、
けどな、俺はシャルだけを愛したい。
それだけだ。
シャルが試着室に入って、手持ちぶさたになったので、
水着が気に入らなかった時の為に、
もう一着選んでおくことにした。
「・・・、そうは言っても、さっき渡したやつが一番似合う気がするのは何故だろう?」
う~む、人の、それも女性の水着を選ぶのってかなり難しいな・・・。
「一夏、どうかな?」
俺が悩んでいると、試着室のカーテンが開く音がした、
「おう、どうだ?」
そういいながら振り返ると、そこには水着姿のシャルがいた。
「あ・・・!」
いつもは背中の辺りで縛っている髪をほどき、
オレンジ色のビキニがその美しい肢体を強調している。
似合ってる、いや、似合いすぎて一瞬誰だかわからなくなった。
「しゃ、シャル・・・?」
「ど、どうかな・・・?」
困惑する俺に、照れながらもそう聞いてくるシャルは、
無性に抱き締めたくなる雰囲気を醸し出していた。
「す、すげえ似合ってるぜ!!可愛いよ!!」
「本当!?一夏がそう言ってくれるなら、これにするね♪」
シャルはそう言って試着室の中に消えていった。
「や、やべぇ、むちゃくちゃドキドキしてる・・・。」
なんだコレ?今までにないくらい、心臓がバクバクしてやがる、
確かにすげえドキドキしてるけどさ。
・・・、あぁ、そうか、シャルに惚れ直したのか。
「お待たせ♪お会計してくるね♪」
「おう、俺も行くよ。」
俺はシャルに着いてレジに向かう。
ちなみにあの水着は四千円弱とお手頃価格(?)だった。
「さっ、次は一夏の水着を買いに行こう。」
「あぁ、行こうか。」
そう言って、俺達は男性用水着の売り場に行った。
sideout
sideシャルロット
あの後、一夏の水着を買って、
暫くいろいろな場所を二人で手を繋いで歩いた。
「あ、そうだシャル、俺ちょっと行きたい場所があるから一緒に着いて来てくれないか?」
「ん?良いよ♪でも、どこに行くの?」
「それは着いてからのお楽しみだな。」
何処なんだろ?気になるなぁ。
それから歩いて五分程、見覚えのある公園に着いた。
って、え・・・!?ここって!?
「じ、城趾公園!?」
「ああ、ラウラに教えてもらったんだよ、
恋人同士でミックスベリー味のクレープを食べさせ合っこしたら、
幸せになれるってな。」
嘘!?まさか一夏とこれるなんて思ってなかったよ~!!
はわわ・・・!!お、落ち着け、僕!
これは一夏が誘ってくれたんだよ!
ちょっと位は大胆になっても良いよね?
「嬉しいなぁ、まさか一夏が連れてきてくれるなんて、思ってなかったよ♪」
「まあな、聞いたのは最近だったし、それはそうと、食べに行こうぜ?」
「うん♪」
僕達はクレープ屋さんの前までやって来て、
一夏がクレープを注文をする。
「すみません、イチゴとブドウのクレープを1つずつください。」
「かしこまりました、お会計は二つで五百円です。」
・・・、あれ?
普通はミックスベリー味のクレープを頼まない?
そこで僕が注文して、一夏を驚かせてあげたいのに・・・。
僕が困惑してる内にクレープが出来上がり、僕達はそれを受け取って、
近くのベンチに座った。
ちなみに、味は僕がイチゴで、一夏がブドウのクレープだ。
「うん、旨いな!」
「うん。」
なんだろ?美味しいんだけど、やっぱり納得いかないなぁ。
「ねえ、いち・・・。」
一夏に訳を訪ねようとして、彼の方を向いた瞬間、
僕の唇に、彼の唇が重ねられ、クレープが 口移しされる。
え?何これ?普通の食べさせ合っこなんかよりずっとすごいよ!?
ヤバイなぁ・・・、すっごくドキドキしてるよ・・・。
僕が口移しされたクレープを飲み込むのを確認して、一夏はゆっくりと顔を離した。
「ふぁっ・・・、一夏ぁ・・・。」
「要するに、ミックスベリー味のクレープのタネは、こういう事だろ?」
「正解だけど・・・、意地悪なんだから・・・。」
「悪かったって、で?シャルはしてくれないのか?」
「え?・・・、ええぇぇぇっ!?」
さ、さっきの一夏と同じ事しろって事!?
しかもなんだよぅ、その意地悪な顔は・・・。
もう・・・、でも、惚れた弱みなのかな?
一夏にならなんでもしてあげたいと思っちゃうんだよね♪
「分かったよ、それじゃあ・・・。」
クレープを一口かじり、一夏に口移しで食べさせてあげた。
「んっ・・・。」
一夏は僕の唇からクレープを受け取り、暫く味わった後、飲み込んだ、
それはいいんだけど、なかなか離してくれないのはなんでかな!?
「んんっ!?ん~・・・。」
あ・・・、でもいいかも・・・♪
ようやく一夏は唇を離してくれた。
舌を絡めてたからかな、僕と一夏の舌の間に、唾液のアーチができちゃってる。
「はあっ・・・、一夏の・・・、バカ・・・♪」
「ワリィ、シャルが可愛すぎてな、自制が効かなかった、
ちょっと反省してるよ。」
「もう!外でこんなこと・・・、すっごく恥ずかしかったんだからね!?」
「ゴメンゴメン、お詫びにもう一回。」
「全然お詫びになってないよ~!」
口ではそう言ってても、僕も一夏とキスするのは好きだから、
拒みはしない、むしろ、自分からしに行ってるような?
まあ、幸せだから・・・、良いよね♪
sideout
はいどうもです、
何とか前回投稿より四日以内に出せました。
次もこれくらいの間隔で出します。
さて、ここで次回予告
ついに始まった臨海学校、
一夏とシャルロットはビーチで何をなす?
次回インフィニット・ストラトス 光の彼方
二人の海
お楽しみに!!