side???
「勘弁してよ・・・。」
もう本当に勘弁してほしい。
周りを見渡せば女子、女子、女子、女子しかいない・・・。
なんでこんなことになったのか・・・。
なんか知らないけど、政府が実施していた男性操縦者探しに、
行った際、なんの因果か・・・、俺はISを動かせてしまった・・・、
「けど・・・、二番目で良かったかも・・・。」
そう、一番目の男性操縦者がいてくれたお蔭で、
俺自信はそんなに騒ぎにならなかった。
それはそれで良かったんだ・・・。
でもな・・・、肩身が狭い事には変わりないんだよ・・・。
はぁ・・・、これって宿命なのかな・・・?
まぁ、仕方ないか・・・。
それはそうと、確か一個上の学年に織斑一夏はいる筈だから、
また機会があれば挨拶にでも行きますかね。
sideout
side一夏
「一夏、起きて♪」
朝、心地よい眠りを、愛しいシャルの声により醒まされる。
「ん?ふあぁ~っ・・・、おはよ、シャル。」
「うん♪おはよ♪」
あぁ、朝からシャルの可愛い笑顔が見れるなんて、すげえ幸せだな。
「ほら、起きないと遅刻しちゃうよ?」
「ああ、わかった、今起きるよ。」
起き上がり、顔を洗うために洗面所に向かう。
冷水で一気に洗い、残っていた眠気を洗い流す。
着替えを終えたシャルに待ってもらい、俺も着替える。
「さ、朝御飯にしよ、一夏♪」
「ああ、でもその前に・・・。」
俺はシャルの顔に自らの顔を近付け、唇を重ねる。
最近なんか色々ありすぎて、中々イチャイチャ出来ないからな、
これぐらいは許されるだろう。
「ん~っ、いちかぁ・・・。」
シャルは幸せそうな表情で俺を受け入れてくれている、
ああもう、可愛いな!
にしても、シャルの唇ってほんと柔らかいな、
ずっとキスしてたいな。
一頻りシャルの唇を堪能したあと、
俺たちは食堂に向かった。
sideout
noside
一日のカリキュラムをすべて終えた一夏とシャルロットは、
いつも通り、訓練をすべくアリーナへと向かっていた。
「そういえば・・・。」
その道中、シャルロットが何か思い出したように口を開いた。
「どうしたんだ?」
一夏は怪訝そうに聞き返す。
「うん、噂なんだけど、一年生に二人目の男性操縦者がいるらしいんだ。」
「何?」
シャルロットの言葉に、一夏は驚いて足を止める。
まさか、という思いと、少し楽しみだ、という思いがその表情に見え隠れしている。
「けどなんで騒ぎにならなかったんだ?
普通、俺みたいに、てんやわんやの大騒ぎになるだろ?」
「確かに、そうならないって事は、僕みたいに男装させられて、
秘密裏に入学してきたしか考えられないよ。」
一夏とシャルロットの言うとおり、普通ならば、男性IS操縦者は、
発見されるだけでも大騒ぎになる。
仮に、シャルロットのように男性させられた女子ならば、
秘密裏に入学し、男として見られるというケースがある。
それならば、シャルロットと同じく、何かしらの事情があると見てよい。
「なんにせよ、ちょっと調べる必要がありそうだな。」
「そうだね。」
そう言い、二人は改めて歩みを進めた。
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side一夏
アリーナでの訓練を終え、俺とシャルは寮の自室には戻らず、
そのまま食堂に向かう事にした。
「腹減ったな、何食う?」
「ん~、たまには和食もいいかもね。」
和食か、何があるだろうな?
肉じゃが、煮付け、色々あるが悩むんだよな。
まあ、行ってから考えるか・・・。
そんだこんだしている内に、食堂に着いた。
取り敢えず煮付け定食を注文し、席を取る。
ちなみにシャルのは肉じゃが定食だ、すげぇ旨そう。
「さてと、いただきますか。」
「いただきます。」
俺とシャルは揃って食事をはじめる。
うん、いい味してるなぁ、
俺も作れない事はないけど、この味は出せない。
「ねえ一夏。」
「うん?」
途中、シャルが声をかけてきた。
その手に持つ箸には肉じゃがのじゃがいもが摘ままれていた。
まあようするに、あれだ。
「ハイ、アーン♪」
「おう。」
彼女の言うとおり、俺は口を開いた。
それを見てシャルはじゃがいもを食べさせてくれた。
「うん、旨いな。よし、シャル、口開けてくれ。」
「うん♪」
俺は煮付けを摘まみ、可愛く口を開けるシャルに食べさせる。
「うん、美味しいね♪」
「ああ、そうだな。」
ああ、幸せだな・・・。
「あの、少しよろしいですか?」
「ん?」
呼ばれた声の方を向くと、そこには金髪、碧眼の美少年がたっていた。
・・・、男?
「お前は?」
「申し遅れました、自分は一年の結城リクと言います、
初めまして、織斑一夏先輩。」
なるほど、シャルみたいに男らしくない感じは無いな。
俺を知っているのか、いやまあ当然か。
「なるほど、噂になってた男子ってお前のことかい、
ちょっと失礼するぜ、シャル、頼む。」
「わかった。」
俺はシャルに胸元の確認を頼む、
もし女の子ならば、俺がやるとセクハラになるからな。
「ゴメンね、ちょっとじっとしててね?」
シャルはそう言いながらリクと名乗った男の胸元を触る。
「ちょっ!?いきなりなんです!?」
驚いてるが抵抗はしない、か・・・。
さて、シャルの触診か、なんか羨ましいなコンチクショウメ。
まあ、俺はもっとすげえコトしてもらってるがな。
「うん、コルセットの類いで押さえてる様子は見られないね、
一夏、彼は正真正銘の男の子だよ。」
「そうか、すまんなリク、ちょっとした予防線だ。」
「はあ・・・、何かあったんですか?」
「話せば長くなるし、俺の隣にいる彼女が当事者だ。」
まああんまり軽く話す内容じゃないしな。
「さてと、立ち話もなんだ、座ってくれ。」
「はい。」
リクは頷いてから席につく。
「改めて、俺が織斑一夏だ、呼び方は一夏と呼んでくれ、
ウチの担任も織斑だからな、ややこしくなるんだ。」
「初めましてリク、僕は元フランス代表候補生、
シャルロット・デュノア、シャルロットって呼んでね。」
「一夏先輩、シャルロット先輩、よろしくお願いします、
自分も改めて、結城リクです、日本とイタリアのハーフです、
イタリアで発現した二番目の男性操縦者です、リクと呼んでください。」
なるほどな、これから大変だぜ?
トイレだの、着替えだの、部屋割りだの、
多くありすぎて何が大変だったかわからねぇからな。
俺が回想していると、リクが遠巻きに俺達を見ている方向を見て、
俺に質問してきた。
「にしても、凄い人だかりですね、
そんなに男が珍しいんですかね?」
「それだけじゃないだろうがな。」
だって実は聞こえてるんだぜ?
ご腐人方、
『黒髪と金髪・・・、これはアリね!!』
『絶対織斑君が攻めよ!!』
『イヤイヤ、そこはデュノアさんも交えた、
禁断の三角関係よ!!』
『グフフ、今年の夏のネタはこれで決まりね!!』
あー、聴こえない聴こえない。
俺に男色なんて趣味はこれっぽっちもない。
むしろシャルだけを抱きたい、
他は別にいいからな。
「あれは気にしない方がいい。
知れば地獄を知ってしまうからな。」
「なんででしょうか・・・、納得しちゃいましたよ・・・。」
知らぬが仏という諺があるんだよ、
ほんと、出来ることなら知りたくなかった。
「まあそれは置いといて、お前が発見されたことが、
騒ぎになってないのは何故なんだ?」
「すみません、それは俺にも分からないんです。」
「そうか、野暮なコト聴いて悪かったな。」
なるほど、どうやら政府が隠蔽してたみたいだな、
けど、ここに入ったら全世界にバレる筈だが?
ま、お偉いさんの考えることに、
一々思案しても意味ないよな。
「さてと、なんか困ったコトあったら俺らを頼れ、
力になってやる。」
「ありがとうございます、一夏先輩!」
やれやれ、俺も先輩かぁ・・・、
さてと、頑張りますかね~。
にしても、なんだろうな・・・、
こう・・・、もやもやするぜ・・・。
sideout
sideシャルロット
部屋に戻ってから、なんだか一夏が上の空だ。
理由はよくわからないけど、かなり気になって仕方ない。
「どうしたの、一夏?」
「ん?ああ、ワリィ、ちょっとボーッとしてたよ。」
やっぱり、何かおかしい。
よくわからないけど、何かを考えてもやもやしてるのかな・・・?
「ねえ一夏、何かあるなら、僕に話してよ、
一夏が悩んでるなら、僕が取り除いてあげたいんだ。」
僕は一夏の彼女なんだ、彼氏が悩んでるなら、
それを少しでも取り除いてあげるのが彼女としての務めだから。
「・・・、シャルがリクを触ってただろ?
なんかさ、それに嫉妬しちまってたんだよ。」
え・・・、それって・・・。
「いや、分かってるんだぜ?
俺が頼んだコトだからな、けどさ、俺以外の男に触れて欲しくねえんだ。」
「一夏・・・。」
そっか、そんな事考えてくれてたんだ・・・。
なんだか嬉しいな♪
僕は一夏に抱き付いて、彼の唇に自分の唇を重ねる。
「ありがとう、嫉妬してくれてたんだ。」
「シャル・・・。」
一夏が驚いたように僕を見る。
別に怒ったりなんかしない、女々しいとも思わない、
むしろ僕の事を想っていてくれる事が、本当に嬉しいんだ。
「僕を見ていてくれるコトが、本当に嬉しいよ♪」
「シャル、ありがとう。」
一夏が僕を強く抱き締めてくれる、
この瞬間が、僕は一番好きだ。
「うん♪ありがとう一夏♪」
sideout
side一夏
シャル、俺は幸せだ。
その幸せは、貴女がいてくれるから存在する。
俺は貴女に感謝してもしきれない、
俺を想い、俺だけにその愛を捧げてくれている。
俺は貴女のその気持ちに応えたい、
それが、貴女に愛されている俺が為すべき事だから。
「シャル。」
俺はシャルの顔をあげ、彼女の唇に自分の唇を重ねる。
暫くの間、唇を重ねたのち、どちらともなく唇を離した。
「シャル、愛してるぜ。」
「僕も愛してるよ、一夏♪」
そう言葉を交わし、俺はシャルをベッドに押し倒した。
sideout
はいどうもです。
なんか久しぶりにイチャイチャが書けた気がする。
でも足りない・・・、
番外編でも書こうかしら?
さてここで次回予告
新たな仲間も加わり、一層賑やかになるIS学園
だが、シャルロットにはある悩みがあった。
次回インフィニット・ストラトス 光の彼方
シャルロットの悩み
お楽しみに!