インフィニット・ストラトス 光の彼方   作:ichika

13 / 44
タグに激甘注意って入れてみました(笑)
ですが、今回はそんなに甘くないと思います・・・。

もっとイチャイチャさせてぇ・・・。


一夏入隊

side一夏

デュノア社が潰れて、二日がたった、

特に変わった様子もなく、

いつも通りイチャイチャしまくって、周りに砂糖を吐かせていた。

 

にしてもシャルってほんとに可愛いよな・・・、

この前なんか、朝起きたらご飯作ってくれてて、本当に嬉しかったな。

ほんとにいい嫁さんもらったよ・・・。

いつかシャルのお母さんの墓参りに行きたいな・・・。

 

っと、ノロケはこれぐらいにしとこう、

昨日、海斗兄から電話があって、二日後の土曜日にモノレールの駅に来いってさ。

これでシャルの処遇が決まる、海斗兄達のことだ、

半端な事はしないだろう、

 

ならば、俺は自分に降りかかる代償を甘んじて受けよう・・・。

シャルを守るためなら・・・、俺は、何も惜しくない!!

 

sideout

 

noside

それから二日後、

一夏はシャルロットを連れて、モノレールの駅にて迎えを待っていた。

 

「ねぇ一夏・・・、大丈夫かな・・・?」

「大丈夫だよ、何かあっても俺が守るよ。」

シャルロットの言葉に、一夏は彼女の頭を撫で、安心させるように言う。

 

それからしばらくの間待っていると、

一夏達の前に、一台の車が止まった。

 

「待たせたな、一夏、シャルロット。」

「ごめんなさいね?ちょっと手間取っちゃって。」

車から降りてきたのは、海斗と深夏であった。

 

「いえ、俺達も今来たとこですよ。」

一夏は二人に笑顔で応える。

 

「お義兄ちゃん、お義姉ちゃん・・・、その・・・、ありがとうございます!」

「いいのよ、可愛い義妹の為だからね~♪」

頭を下げるシャルロットの頭を、深夏は撫でる。

まるで姉が妹にするようで、二人は本当の姉妹のように見えた。

 

「さて、時間も押してることだ、二人とも、乗ってくれ。」

「「はい!」」

 

四人を乗せた車は、何処へと去って行った・・・。

 

sideout

 

side一夏

海斗兄が運転する車に乗って、どれくらいたった頃だろうか?

俺とシャルは後部座席に座って、到着を待っていた。

 

終始シャルは不安そうな感じだったが、俺は彼女の手をずっと握っていた。

「大丈夫だよ、シャル、大丈夫だ。」

俺は少しでも彼女の心配を取り除こうと、声をかけた。

 

「アンタ達、結構ナチュラルにイチャつくのね・・・。」

助手席に座ってた深夏姉が苦笑を浮かべながら、

俺達に声をかけてくる。

 

そんなにイチャついてるのかな?

普通なんだと思うんだけど・・・?

 

「さてと・・・、そろそろ着くぞ?」

海斗兄の声に、俺とシャルは窓の外を見て・・・、

『・・・。』

唖然とした・・・。

 

ここ何処だよ・・・?

 

窓の外に広がるのは、広大な面積を誇る飛行場と、

何やら仰々しい建物も見える・・・。

 

「ここは日本軍が誇る、第七特務基地だ、

ここではISの稼働試験や、代表候補生の訓練にも使われる。」

 

マジか・・・、こんなところに連れて来られるとはな・・・。

 

ああ、ちなみに日本軍ってのは、

ISの登場で意味を成さなくなった自衛隊を、

憲法改正して創立された軍隊である。

 

「ここでお前達はある人に会ってもらう。

粗相の無いように・・・、な。」

 

sideout

 

noside

海斗と深夏に連れられた一夏とシャルロットは、

ある部屋の前までやって来ていた。

 

ここまでの道中、軍服を着込んだ強面のおっちゃんやら、

モデル並みの美貌をもった秘書官等が、

四人に向けて敬礼を行い、海斗と深夏はそれに応じるように敬礼していた。

 

ちなみに一夏とシャルロットは、どう反応して良いか分からず、

頭を下げるだけだった・・・。

 

それはおいといて・・・。

 

その部屋のプレートには、

『提督室』

こうかかれていた。

 

「さて、入るぞ、いいな?」

海斗にそう言われ、一夏とシャルロットは無言で頷く。

 

二人の反応を確認した海斗は、ドアをノックする。

 

「小早川海斗中佐であります、織斑一夏とシャルロット・デュノアを連れて参りました!」

『入りたまえ。』

 

部屋の中から返答があり、それを聞いた海斗はドアを開け、

四人は中に入る。

 

部屋の中はそこそこ広く、剣術の稽古ができる程の天井の高さがあった。

 

その部屋の最奥にある執務机に、五十代前半の男がいた。

 

「早乙女中将、只今戻りました。」

「小早川深夏中佐、同じく帰還しました。」

「御苦労だった、両小早川中佐、楽にしたまえ。」

 

早乙女玄三郎中将

日本軍第七特務基地提督、

海斗と深夏の直接の上官で、二人に指令を出すのは彼である。

ISの軍配備や、研究、稼働試験の指示も、彼自ら指示する。

 

「さて・・・、織斑一夏君に、シャルロット・デュノア君・・・、

私が早乙女玄三郎中将だ。」

「お、織斑一夏です!この件につきましては、

本当にありがとうございます!!」

「フランス代表候補生、シャルロット・デュノアです!」

玄三郎の自己紹介に、一夏とシャルロットは慌てて自己紹介をして、頭を下げる。

 

二人の反応に微笑みながら、玄三郎は続ける。

 

「そんなに硬くならなくとも良い、私は堅苦しいのは嫌いなのだよ。」

一夏とシャルロットは、その言葉に肩の力を抜く。

 

「今回のデュノア君の件だが・・・、中佐達に指示を出したのは私だ。」

『・・・。』

その話を一夏とシャルロットは、静かに聞いていた。

 

「何故今回、我々が動いたかの理由は・・・、大体分かっているだろう、

織斑一夏君、君のその特異性だよ。」

玄三郎は目線だけで、一夏の右腕に着けられている、

白式の待機形態である、ガントレットをさす。

 

一夏の特異性、それは男性でもISを扱えるという点だ。

現在、その例が彼しかいない為、世界中の国が、

節度を弁えない、強引な手法で彼の獲得に躍起になっている。

 

「このままでは、重大な問題に発展しかねん、そこで我々は君を軍に編入させる事はできないかと、腹黒い年寄が考えておったのだよ。」

自嘲するように言う玄三郎の言葉を、四人は黙って聞いていた。

 

「そこで今回のデュノア君の件と来た、これで君に恩を売っておけば、

君は我が軍に編入してくれるだろうと思い、この件に関与したのだよ。」

「なるほど・・・、恩がありますから、特に何も言いませんが・・・、

一つだけ、お願いがあります。」

「なんだね?私が力になれるのならば、なんでもしようではないか。」

 

話を聞いた一夏は、静かに話し出した。

玄三郎は怪訝に思いながらも、尋ねる。

 

「自分と、シャルを、小早川中佐の部隊に訓練兵として編入する事を、

約束してください。」

彼の言葉に、全員が驚く。

 

「出来ることなら、彼女には危険な目にあって欲しくない、

ですが、それを避けられないのは十分理解しています、

ならば、共に支えあって行きたいんです。」

「一夏・・・。」

 

彼の実直な言葉に、シャルロットは瞳を潤わせていた。

海斗と深夏は、『生意気な弟だ。』という顔をしていた。

 

「はっはっは、若い頃の海斗中佐にそっくりだな、一夏君、

私は君の事が気に入った、その望み、確かに承った。」

「ありがとうございます!!」

 

一夏は喜びのあまり、勢い良く頭を下げた。

シャルロットも彼に倣い、頭を下げる。

 

「さて、入隊の手続きは私がしておこう、

今日のところはこれで終わりだ、詳しい報告は後日IS学園に届けさせよう。」

「では、私達は一夏達を送って来ます。」

「深夏中佐、任せたぞ、そうだ、海斗中佐、君は少し残ってくれたまえ。」

「了解しました。」

 

一夏達を連れて、深夏は部屋をでた・・・。

部屋に残ったのは、玄三郎と海斗の二人だけである。

 

「よろしいのですか?」

「かまわんさ、彼にはここにいてもらわねばな・・・。

いずれ、君の事も世間に知らせるつもりだよ、

君も、もしもの時に、弟達を助けたいだろう?」

「はい、ですが、アイツはその内、俺達の助けなど必要としなくなるでしょう。」

「ほう?」

 

海斗の言葉に、玄三郎は面白そうに聞き返す。

海斗は窓の外を見て、遠い目をする。

 

「アイツは・・・、可能性の申し子ですから。」

 

sideout

 

side一夏

早乙女中将との会談を終えた俺とシャルは、深夏姉にモノレールの駅まで送ってもらった。

「じゃあまたね二人とも♪」

「うん、海斗兄にもよろしく言っといて。」

 

暫くして、学園行きのモノレールに乗り込む。

 

時刻は午後5時過ぎ、帰った頃には夕食の時間だろうな・・・。

「ねぇ一夏・・・。」

「うん?どうしたシャル?」

 

おっと、考え事しすぎたな、ちょっとはシャルと・・・、

話そうと思い、彼女の方を向くと・・・、

 

俺の唇に、シャルの唇が押しあてられていた・・・。

ってか、シャルからしてくるなんて珍しいな。

 

「ふふっ、一夏ぁ。」

「はははっ、甘えん坊だな、シャルは。」

俺は彼女の頭を撫で、今度は自分から唇を重ねた。

 

え?モノレールの中でよくやるなって?

大丈夫、この時間帯は人乗ってる方が珍しいから。

 

だからイチャイチャしまくっても大丈夫!!

 

「ねぇ一夏、僕ね、一夏となら何処までもいける気がするよ。」

「俺もだよシャル、俺はシャルとなら何処までもいけるんだ、

どんなに遠くても、高くても、いつか届くんだ。」

 

まったく、俺の恋人は可愛いな。

シャルに愛され、シャルを愛する。

これなんて幸せ?

 

軍に入ろうがなんだろうが、シャルを守って、一緒に生きれるなら、

どんな組織だって使ってやる。

 

「シャル、愛してるぜ。」

「僕も愛してるよ、一夏。」

 

俺達は再び唇を重ねた・・・。

 

sideout

 

noside

それから数日後・・・。

一夏とシャルロットの元に、玄三郎からの報せが届いた・・・。

 

『一夏君、シャルロット君、君達の処遇が決定した、

二人にはまず、<スカル・グレイブ>にて訓練を受けてもらう。

IS学園側には許可をとった、2ヶ月程だが、

第七特務基地にて、小早川中佐達に指示を仰いでくれ、

階級は訓練終了後に授与する、それでは次に会うのを楽しみにしている。

日本軍中将、早乙女玄三郎。』

 

「いよいよだな。」

「そうだね。」

二人はその知らせを読み、表情を堅くした。

 

「さてと、準備しますか。」

「うん、・・・?」

荷造りを始めようとした矢先、シャルロットがあることに気付く。

 

「どうした?」

「この手紙、続きがあるよ?」

 

二人はその続きを読んだ。

 

「PS、プライベートでは私の事をオヤジと呼びたまえ、

小早川中佐達にもそう呼ばれている、遠慮することはない、

部下は息子や娘のようなものだ、

それでは、改めて、次に会うのを楽しみにしている。」

 

「中将・・・。」

親の愛を知らない一夏にとって、その言葉は非常に嬉しいモノだった・・・。

それは無論、母親を無くしたシャルロットも同じだ。

 

「ありがとう、オヤジ・・・。」

 

一夏は玄三郎を思い浮かべながら、感謝の言葉を口にするのであった・・・ 。

 

sideout




はい、どうもです。
なんだろう、今回もモゲロ成分が少ない気がするよ・・・。

それでは次回予告
遂に始まった海斗達による訓練
それは苛烈を極めるモノだった。

次回インフィニット・ストラトス 光の彼方
地獄の訓練

お楽しみに!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。