インフィニット・ストラトス 光の彼方   作:ichika

11 / 44
初対面の三人

side一夏

12月26日、夜10時、

俺とシャルは泊まりがけデートから帰ってきた。

 

この三日間は本当に楽しく、幸せな時間だったよ。

恋人と一緒に過ごすクリスマス、まるで勝ち組の所業じゃあありませんか!!

シャルもずっと嬉しそうに笑っててくれたし、

今回のデートは大成功だな!

 

「シャル、楽しかった?」

「勿論だよ一夏♪あなたが居てくれたから、

本当に楽しく過ごせたよ♪」

 

雪も熔けるような激アツなやり取りをしながら、

俺とシャルは家の玄関を開けた。

 

そこで、俺はある異変に気が付いた。

「あれ?この靴誰のだ?」

玄関に千冬姉のものと違う靴が一足あった。

 

「客か?珍しいな、誰だろうか?」

独り言のように呟きながら、

リビングに入ると・・・、

 

「・・・。」

俺は飛び込んできた光景に絶句してしまった。

 

千冬姉と山田先生が、折り重なるようにして倒れていたのだ・・・、

しかも周りには大量のビールの空き缶に、ワインのボトル、

それにつまみの袋などが散乱していた。

 

何となく予想していたけど、こんなことになるまで呑んだのかよ・・・。

 

「どうしたの、一夏・・・、って、うわぁ!?」

俺に続いてリビングに入ってきたシャルも声をあげる。

そりゃそうだよな、教師二人がこんなになってんだから。

 

「さてと・・・、介抱しなきゃな・・・。」

はぁ・・・。

 

sideout

 

 

sideシャルロット

翌朝、

僕は一夏より先に目が覚めた。

昨日の晩は、義姉さんと山田先生を介抱した後、

一夏と一緒にお風呂に入って、洗いっこしたり、

寝る前に、シテもらった。

 

一夏ってば容赦無しにクルから、僕は本当にヘロヘロになっちゃった。

でもそれ以上に気持ち良かったし、一夏と1つになれた事が本当に嬉しい。

 

ちょっと身体を起こせば、中から一夏にだしてもらったモノが垂れてきちゃった。

少し勿体無いと思っちゃうのはなんでだろ?

 

それよりもなんだか物足りない・・・、なんだろ・・・、

もっとシテ欲しいって思ってる・・・。

 

僕って・・・、やっぱりえっちなのかな・・・?

もっと一夏に愛して欲しい、僕を抱いて欲しい。

 

何て言うんだろ・・・?

わからない・・・、でも、彼と一緒に居たいことだけは確かなことだね。

 

「大好きだよ・・・、一夏・・・。」

 

彼の唇に僕の唇を重ねる。

それだけではもの足りず、舌も入れ、彼の口の中を掻き回す。

 

「好き・・・、一夏ぁ・・・。」

「俺もだよ、シャル。」

「ふぇっ・・・?」

 

え?今・・・、一夏の声がしたような・・・。

おそるおそる少し身体を離すと・・・、

とっても意地悪な笑みを浮かべて、一夏が起きていた。

 

「おおお、起きてたの!?」

「シャルがキスを始める少し前からな。」

 

うわ~!なんでそんな爽やかな笑顔で言うかな!?

恥ずかしいじゃないかぁ~!!

 

「さてと、シャルだけ楽しむのもズリィから、

俺も楽しませてもらうぜ?」

「ふぇっ?ええっ!?」

 

その後、小一時間程、一夏にたっぷり可愛がってもらいました。

 

sideout

 

 

side一夏

シャルとイチャイチャしてから、

俺は取り敢えず荷物の整理を始めた。

 

皆へのお土産だったり、洗い物だったり、

昨日千冬姉と山田先生が酔いつぶれたせいで出来なかった諸々の事を、

午前中に片付けた。

 

シャルは洗濯物を干したり、掃除機をかけたりしていてくれた。

なんかこういうのって、新婚さんみたいでいいなと思った。

それをシャルに伝えたらすごく喜んでくれた。

 

あ~!早く結婚できる歳になんねぇかな?

ま、無理な事をねだっても仕方ねぇ、今を愛さねぇとな。

 

「ふぅ・・・、こんなもんかな?」

「ふふっ、お疲れ様。」

「お疲れ様、シャル、お茶淹れようか?」

「あ、うん、お願いするよ、その間に掃除機を片付けてくるね。」

 

ああ、こういう何気ない会話って大事よね、めちゃめちゃ可愛い奥さんと、

一緒に色んな事をする、小さいけど、確かな幸せだ。

 

それから、お茶を淹れ、二人してくつろいでいると・・・。

 

ピンポーン。

 

来客を報せるインターフォンが鳴った。

はて?誰だろうか?

俺は通販やネットショッピング等はしないし、

懸賞に応募した覚えもないから、宅配便の類いは来ないと考えている。

 

誰かと遊ぶ約束はしていないが、いつもの面子がアポなしで来たのだろうか?

多分そうだろうな・・・。

 

俺は取り敢えず受話器を取る。

 

「はーい。」

『あ、一夏~?深夏よ~♪』

「ええ!?深夏姉ぇ!?」

 

マジか・・・、これは予想してなかった、まさか深夏姉が来るとは・・・。

 

「ちょ、ちょっと待ってて!!」

 

俺は慌てて玄関に出て、ドアを開けた。

 

「はぁい♪久し振りね♪」

「久し振りだな、一夏。」

「か、海斗兄まで!?いったいどうしたのさ!?」

 

なんで兄貴と姉貴が来てるんだ?

 

「千冬にちょっとした用事があってな。」

「あ、なるほど・・・、でしたら中へどうぞ。」

「お邪魔するわね~♪」

 

俺の言葉をうけ、二人は家の中に入る。

にしても海斗兄と深夏姉がこの家に来るのってかなり久し振りだよな、

 

「どうしたの一夏・・・?」

「あ、シャル!」

何故かリビングからシャルが出てきた。

 

ちょっと心配するような表情も殺人級に可愛い!

 

「おーい、一夏よ?このカワイコちゃん誰だよ?」

「ねぇ一夏・・・、この人達は・・・?」

 

あー・・・、そう言えばまだどちらにも、紹介してないな。

ちぃとまずったな。

 

「あー、うん、取り敢えず海斗兄の質問から答えると、

この子は俺の恋人のシャルロット・デュノア、フランスの代表候補生だよ。

で、シャルの疑問に答えると、この人達は、小早川海斗と、

小早川深夏、俺の兄貴と姉貴だよ。」

 

うん、我ながらすごく簡単な説明だね。

こんなんで伝わるのか・・・?

 

「はあぁぁぁぁっ!?」

「えええぇぇぇぇっ!?」

「まぁまぁ♪」

うん、伝わってるみたいで良かった良かった。

 

sideout

 

 

noside

海斗とシャルロットを落ち着かせた一夏は、

あらためて海斗と深夏のお茶を淹れ、詳しく説明する。

 

「そうだったの、にしても可愛い子捕まえちゃって、一夏ってばやるわね~♪」

深夏はシャルロットの頭を撫でながら茶化す。

シャルロットは撫でられてくすぐったそうにしながらも、

嬉しそうにしていた。

 

「にしても、教えてくれないなんてひどいよ一夏、

ビックリしちゃったよ。」

シャルロットは少しむくれながら一夏に言う。

 

「悪い、にしても、深夏姉、シャルを愛ですぎ、

シャルは俺の嫁さんだぜ?」

「あら、本当にシャルロットちゃん一筋なのね♪」

「あの唐変木の一夏がか・・・。」

 

一夏の過去を知っている二人はしみじみと呟く。

 

「それはそうと、千冬はどうしたの?」

「「あ、忘れてた。」」

深夏の質問に、一夏とシャルロットは思わずハモる。

 

酔っ払い二人組を完全に忘れていたからだ・・・。

 

~説明中~

 

「ははははっ!!何やってんだよ千冬に真耶よ!!」

「ホント、何やってるのよねぇ・・・。」

海斗は爆笑し、深夏はあきれていた。

 

「海斗さんと深夏さんて、山田先生をご存じなんですか?」

二人の反応を疑問に思ったシャルロットが、質問する。

 

「ん?アイツとは代表候補時代からの知り合いだ。

今でも時々会って四人で呑んでる。」

「そうなんですか・・・、お二人の職業っていったい・・・?」

「私達はね、日本軍特務隊<スカルグレイブ>中佐よ~♪」

「「はい・・・?」」

 

深夏の返答に、シャルロットのみならず、

二人の仕事を知らなかった一夏も、ポカーンとしていた。

 

「それはそうと、シャルロットちゃん、貴女の実家って、

まさかデュノア社?」

「っ!!」

深夏の質問に、シャルロットは表情を曇らせる。

一夏もしまったという表情をし、シャルロットを抱き締める。

 

「・・・、何か訳ありみたいだな。」

二人の様子に何かを悟った海斗が、呟く。

「・・・、俺と千冬姉しかまだ知らないんだけど・・・。」

一夏は、シャルロットの了承を取り、話始める。

sideout

 

side一夏

俺はシャルの身の上の話を海斗兄と深夏姉に話した。

軍人なら、何かと力を貸してくれるとおもったし、

何より、俺の兄貴と姉貴なんだ、知っておいて欲しい。

 

「・・・、赦せねぇな・・・。」

「ごめんなさいね?シャルロットちゃん、

辛いことを思い出させて・・・。」

 

海斗兄は凄まじい怒気を含んだ表情をし、

深夏姉は申し訳なさそうな表情をし、シャルを抱き締めていた。

 

「一夏、シャルロット、デュノアのアホは俺が何とかしてやる、

お前達は自分の身を守る事だけ考えていろ。」

「勿論、上に掛け合って貴女の待遇も考えるわ。」

 

シャルの待遇・・・、それはつまり、俺に何らかの代償が降りかかる事になる、

だが・・・、それがどうした、その程度でシャルが守れるのなら、

俺は喜んでその要求を受けよう。

 

「後、一夏、貴方に何かしらの代償が降りかかるかも知れないけど、

解剖とか、モルモット扱いになるような事だけは絶対にさせないわ、約束する。」

「ありがとう、深夏姉、海斗兄。」

 

ありがたい、俺一人ではシャルを守りきれる自信はなかった。

だから・・・、海斗兄達の気持ちが嬉しかった。

 

「なんで・・・、今日会ったばかりの僕に・・・、そこまでしてくださるんですか・・・?」

シャルは瞳を潤わせながら、海斗兄と深夏姉に尋ねる。

 

「そんなことに当たり前じゃない、貴女は私の弟の一夏の恋人、

つまりは私の義妹なの。」

「義妹にそんな事情があるならば、俺達は動く、

くだらん事に子供を捲き込みやがって・・・。」

「海斗さん・・・、深夏さん・・・。」

 

シャルは二人の言葉に涙していた。

俺も、二人の優しさに泣きそうだ・・・。

 

「シャルロットちゃん、そのさん付けやめてよ?

もっとキャッチーに、お義兄ちゃんとか、お義姉ちゃんとか、

こう呼んでくれていいのよ?」

「え?えっと・・・、ありがとうございます、お義兄ちゃん、お義姉ちゃん・・・。」

 

ちょっと躊躇いながらも、シャルは海斗兄と深夏姉をそう呼ぶ。

ヤバイ、なんて可愛いんだろ・・・、ヤバイなぁ。

海斗兄も、深夏姉もクラッときてるしな・・・。

 

「それじゃあ、弟夫婦の為に、一肌脱いで来るわね♪」

「おっと、千冬にこれを渡しておいてくれ、中身を見るんじゃねぇぞ?」

「わかったよ海斗兄。」

俺は海斗兄が手渡して来た小包を受けとり、頷く。

 

「じゃあね二人とも~♪」

「早く甥っ子か姪のどちらかを見せてくれよ?」

「「~ッッッ!?」」

 

海斗兄が残した言葉に、俺とシャルは恥ずかしさで真っ赤になってしまった!

何言ってくれてんだよ・・・、確かにシャルとの子供は欲しいよ!?

でもまだ先になるから~ッ!!

 

その後、海斗兄達は一言二言からかいを言った後、

家を出ていった・・・。

 

sideout

 

side海斗

一夏の家から帰る車の中で、深夏はある所へ電話をしていた。

 

「ご無沙汰しています、はい・・・、その件ですが、

彼を任意で軍に引き込めるかもしれません。

ええ、ですが、デュノア社を社会的に潰す必要があります、

それでも宜しいのであれば、すぐにでも、・・・、

はい、了解しました、ではこれで失礼します。」

 

長かったな、それもそうか、まあ赦しが下りてなくても、

俺は独断で潰しに掛かってたかもな・・・。

 

「どうだったよ?」

「バッチリよ、ちゃんと上から許可を頂いたわ、

それに、ウチのハッカー陣も使っていいって♪」

「ほう、そこまでして一夏を日本に留めて置きたいか・・・。」

 

まったく・・・、偉いさんの考えてる事はわからん、

だが、今回だけは感謝してやる、なんせ、外道を叩き潰せるんだからよ。

 

「深夏、全員に召集を掛けろ、本気で潰す必要があるからな・・・。」

「わかってるわ、ついでに、データも全て奪っちゃう?」

「そうだな・・・。」

なるほど、シャルロットを完全にデュノアと決別させるために、

なんかするつもりだな・・・。

 

「わかった、その辺りはお前に任せる、

俺はフランス政府を脅してみる、何かボロが出るかも知れんしな。」

「任せたわよ?」

「当然だ。」

 

sideout




はい、どうも~。
なんかすごくぐだった感がありますが気にしないで頂けるとありがたいですね。
さてと今回は何モゲロくるかしら?

次回予告
三学期が始まり、日常を過ごす一夏とシャルロット
そこにある報せが届く。

次回インフィニット・ストラトス光の彼方
三学期始動

お楽しみに!!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。