side一夏
風がかなり冷たくなってきた今日この頃、
季節は秋から冬へと移ろい、12月になりました。
さてさて、今日で俺とシャルが付き合いはじめて、
というより同棲をはじめて一ヶ月になります。
いや、あれからかなり大変だったよ、
クラスの皆に説明をしたり、黛先輩が取材に来たり、
ほんとに勘弁して欲しいって思うような事が続いた。
まあ、それはおいといて、今日、俺は少しやらねばならぬ事がある、
ちょっとしたプレゼントみたいな物だからな!
てなわけで、いつも通り夕飯の後に、屋上で刀を振り終えた俺は、
俺とシャルロット愛の巣(寮の自室)に戻ってきた。
シャルは先にシャワーを浴びていたらしく、
俺にシャワーを浴びるように勧めてくれた。
シャワーを浴び終え、俺はベッドに腰掛けていたシャルに話題を切り出した。
「なあシャル、クリスマスの予定ってどうなってる?」
「ん~?今のところ特に無いよ?学園も冬休みだし、
それがどうしたの?」
よし、これなら行けそうだ!
学園も休み、そしてシャルにも用事なし、
これなら!!
落ち着け、どもったら終わるし、かっこわりぃ事この上無いわな。
「良かったらさ、俺と一緒にここ・・・、行かないか?」
俺は財布から、最近人気のテーマパークのチケットを取りだし、
シャルに手渡す。
そう、俺が考えたプレゼントとは、
二泊三日のテーマパークへの旅行である。
行き先であるテーマパークは、大きく分けて二つのパークがある。
つまり、一日では回りきれないと考えて、
このシーズンの二泊三日の旅行を提案したのだ!
「え?い、一夏?これって・・・、デートのお誘い・・・?」
「あぁ、シャルさえよければ、俺は行きたいな。」
かなり驚いたような表情を浮かべるシャル。
だがすぐにいつもと同じ、満面の笑みになった。
「うん!!行くよ!!絶対に行くッ!!」
くぅ~!なんでそんなに可愛いんだよ!?
ただ笑顔で、頷いてるだけなのによ!!
「そうか!嬉しいぜ、シャル!!」
俺は喜びのあまり、シャルを抱き締めていた。
「やぁん!一夏のえっち。」
「しょうがねぇだろ?シャルが可愛すぎるからな、
それに、お泊まりデートができるときた。」
「もう、でもね、僕も嬉しいよ♪」
うああっ!!なんて幸せそうに笑ってくれるんだ!!
むちゃくちゃ嬉しいじゃねぇか!!
「シャル、俺、もうすげぇ楽しみで仕方無いよ。」
「僕もだよ!一夏と一緒に行けるなんて、
もう待ちきれないよ♪」
ヤバイって・・・、なんでこんなに可愛いんだよ、俺の恋人は!?
ってか、俺、最近ノロケしか言ってない気がするな?
まあ、いいか♪
sideout
sideシャルロット
一夏にお泊まりデートに誘われてから、二週間後、
IS学園は、冬季休暇に入った。
今日は12月23日、つまり、一夏とのお泊まりデートの前日!
そんな日に、僕は愛しの恋人の自宅前に立っていた。
本当なら一夏と一緒に来てるんだけど、
ちょっと用意に手間取っちゃったから、
彼に先に行ってもらって、僕は後で来る事になっていた。
(それにしても久し振りだなぁ、一夏のお家なんて・・・。)
確か前に来たのは、夏休みの終わり頃だったね。
あの時は緊張しすぎてたなぁ。
今もドキドキしてるけど、それは早く恋人に会いたいという気持ちの方が強い。
「・・・、よし!!」
意を決してインターフォンを押す。
ピンポーン・・・。
『はーい。』
「ぼ、僕だよ、一夏。」
『お、シャルか、ちょっと待っててくれな、
今行くよ。』
そんな声がして、家の中からパタパタとスリッパで小走りで
玄関に向かってくる足音が聞こえた。
「いらっしゃい、シャル。」
ドアを開けて、私服姿の一夏が姿を現した。
「さ、寒いだろうし、早く家の中に入れよ。」
「うん♪」
僕は一夏に招かれるまま、彼の家の門をくぐった。
sideout
noside
その翌日、一夏とシャルロットは大人気テーマパークに来ていた。
やはりクリスマスと言うべきか、
家族連れや恋人同士でごった返していた!
しかし、そんなことはこの二人には関係なかった。
「うわぁ~!すごいね一夏!!」
「おーい!待てよシャル!」
興奮のあまり、目を輝かせてどんどん行こうとするシャルロットを、
一夏は慌てて追いかける。
「待てって、アトラクションは逃げねぇから。」
「でもでも!!早く行こうよ!!」
子供のように無邪気にはしゃいでいるシャルロットを見て、
一夏はほっこりした気分になるが、
今はデートなのである。
「あー、ほら待てって。」
「あっ・・・。」
一夏はシャルロットを自分の方へ寄せて、
腕組みの状態にさせる。
「俺だって楽しみだけどさ、せっかくのデートなんだし、な?」
「うん♪」
彼の言葉にシャルロットは、更に強く彼の腕に抱き付く。
「よし、行くか?」
「うん♪」
二人は仲良く腕を組んで、アトラクションに向かって歩いた。
sideout
side一夏
一日目を終え、
俺はシャルと一緒に今回泊まる部屋までやって来た。
その部屋は、IS学園の自室とさほど広さは変わらないが、
白で統一された清潔感のある印象を受ける。
その上、ベッドはダブルサイズが1つという、
まさにカップル向けの部屋取りである。
「うわぁ~!いい部屋だね、一夏!」
「そうだな、こんなにいいとは思って無かったよ。」
目をキラキラ輝かせ、俺に笑いかけてくれるシャル、
あぁもう、なんでそんなに可愛いんだよ?
おっと、そんなことしてる場合じゃない。
彼女に受け取って欲しい物があるんだよ。
「なあシャル、これを受け取ってくれないか?」
俺はズボンのポケットから、綺麗にラッピングされた包みを彼女に手渡した。
「何?開けていい?」
「ああ、勿論だ。」
さて、気に入ってくれるか・・・?
シャルが包みを開けると、そこには・・・、
「え?ゆ、指輪・・・?」
白とオレンジ色をしたペアリングがあった。
「いやさ、俺とシャルってさ、あんまりお揃いの物って持ってないからさ、
なんか身に付けれて、お揃いの物がないか、考えたんだよ。」
いや、結構苦労したよ、一般企業から来る取材やら、
CM出演のオファーを出来る限り入れたら、
マジで一日中取材だけの日とかあったんだよな・・・。
でも、お陰でかなり稼げたから、こうしてプレゼントしてやれるんだよな。
あ、ちなみにシャルの指のサイズは、彼女が寝てる間にコッソリ計りました。
「ホントはネックレスにしようと思ったんだけど、
シャルにはリヴァイヴがあるし、腕輪も良いけど、
あいにく、俺にはこの白式があったから指輪にしたんだよ。」
ホント、ISの待機形態って便利っちゃあ便利だけどさ、
プレゼントするアクセサリーの種類が減るのはいただけないな。
文句言っても仕方無いか。
「一夏・・・。」
「シャル?」
え?シャル?肩震えてますよ?
ま、まさか気に入らなかったとか・・・?
「ズルいよ・・・。」
顔を上げた彼女の顔は、感極まった涙で濡れていた。
正直、そんな表情も殺人級に可愛い!
危うく鼻血が出るところだったよ・・・。
「ズルいよ、こんな・・・、お泊まりデートだけでも嬉しかったのに、
指輪までプレゼントしてくれるなんて・・・。」
「ゴメンな、ちょっと驚かせようとしただけなんだよ、
それに、それは・・・、」
言うか・・・?
この気持ちを・・・?
よし、言おう。
「それは婚約指輪みたいな物だからな、気に入ってくれると嬉しいよ。」
婚約指輪、それは言葉通りの意味で間違いない。
出来ることなら、俺はシャルと一生一緒にいたい、
何があろうとも、その気持ちだけは変わらない。
「うん!すごくいいよ!」
「そうか!嬉しいよ、シャル!」
気に入ってくれたみたいだな、なんか安心したぜ。
俺はシャルの左手を取り、薬指にオレンジの指輪をはめた。
勿論、俺の左手の薬指にも、白い指輪をはめた。
「これでよし、似合ってるぜシャル!」
「ありがとう!一夏!」
ああ、笑顔がまぶしい!
やっぱりシャルには笑顔が似合うな。
ホント、可愛いな。
「ねぇ一夏、して・・・?」
「わかった、愛してるぜ、シャル。」
「僕も、愛して・・・、んっ。」
シャルが言葉を言いきる前に、俺は彼女の唇を、
自分の唇で塞ぐ。
やっぱりシャルの唇って柔けぇな、ずっとしてたくなる。
俺はシャルをベッドに押し倒し、
彼女と1つになった・・・。
sideout
どうもです。
さてと・・・、
一夏モゲロ!!
作者までそう思います。
そして今回は何モゲロ来るかな~?
さて、次回予告
デートから戻った一夏とシャルロット。
そこである人物と会う。
次回インフィニット・ストラトス光の彼方
初対面の三人
お楽しみに!