艦隊これくしょんー啓開の鏑矢ー   作:オーバードライヴ/ドクタークレフ

140 / 159
まだまだ続くよパラオ演習編
といいつつも演習自体はこれで最後です。
それでは、抜錨!

そしてレイキャシール先生ごめんなさいぃぃぃぃいいいいいいいいいいい!


ANECDOTE023 まだまだこれからですっ!

 

「はぁ……はぁ……」

「うふふ……案外骨のある戦いになったわねぇ……」

 

 龍田と雲龍は双方大破判定をもらってからお互いにどこか陰険な笑みを浮かべて言い合った。

 

「まさか接近戦でやられるとは思ってなかった……」

「たしかに空母が接近戦は珍しいわよねー、でもそれを知られたら対処も結構できるものよー」

 

 そう言う龍田が薙刀を担いでそう言った。

 

「天龍ちゃんも驚いてたけど、空母が最前線に飛び出してきたら当然混乱するわー。その隙を縫って接近して錫杖でぶちのめすっていうのはたしかに戦術としては有効ねー。距離をとれば艦載機が、接近したら錫杖がお出迎えになるから攻めにくいし、空母の護衛も必要なくなるから、皆で攻撃に回れて有利になる」

 

 どこか眠そうな表情の雲龍を見て、龍田が笑った。

 

「空母が身につける能力としては十分だけど、最前線で接近戦だけで戦うにはまだ不十分と言わざるを得ないわねぇ」

 

 すっと目を細める龍田。担いだ薙刀の竹光のメッキがきらりと光る。

 

「貴女方はとても強いわー。相手の思考の裏を読み、これまでに使われていなかった戦術を試し、予測不能な行動をとることで有利な状況を作りだす。でも、それは曲者揃いの私達の部隊ではあまり通用しないわよー」

「それを五月雨の狙撃一発で大破した貴女が言う……?」

「それを言うならその駆逐艦の狙撃一発で大破する軽巡洋艦に落とされた貴方もどっこいどっこいでしょう?」

 

 うふふふふ、と表面上は上機嫌だが、視線は互いに陰険だ。その合間に駆逐艦らしい軽い砲の音が響く。時間を置いて、爆雷か魚雷がまとめて起爆する音が聞こえた。

 

「……結構みんな頑張ってますねー」

「五月雨ちゃん……」

「あらぁ、旗艦がやられてないか心配かしらー?」

「ううん、五月雨がやりすぎてないか心配。なんだかんだで結構ドジってオーバーキルとかするから」

「まぁ、そうなる前にきっと電ちゃんがとどめを刺してるでしょうねー」

「そんなことないと思うけど」

「うふふふふー……」

「……ふふふ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 雲龍と龍田が静かに争っているころ、第50太平洋即応打撃群司令艦“あすか”の戦闘指揮所では男が二人管制席に座っていた。

 

「ほー、うまいことやるもんだな」

 

 監視役という名前で観戦している杉田が、くつくつと笑う。映像は入ってこないが、双方の位置情報やダメージの概要などが表示されるスクリーンを見て満足げにうなずいた。

 

「んで? どうなると思う?」

「なんだ、お前起きてたのか?」

 

 QRSプラグをうなじに突き刺(せつぞく)したっきり目を閉じて船を濃いでいた渡井に、杉田はどこか胡散臭げに笑った。

 

「寝てないよ。瞬きしたら30分たってただけさ」

「寝てるんじゃねぇか」

「寝てないって」

 

 そう笑って高い位置にあったフットレストから足を退ける渡井。頭を掻くようにしながらも笑う。

 

「それで、杉田はどうなると思う?」

「五月雨嬢がかわいい顔して案外アグレッシブに攻めに出てる。短期決戦に持ち込みたい五月雨嬢とじっくり攻めたい電嬢の戦いだ。どこで戦うかを選べるのは電嬢側だが、この辺りに詳しいのは五月雨嬢。……電嬢や五月雨嬢は知らないが、弾薬を温存で来ているのは五月雨嬢だ。ここ五月雨嬢が短期決戦に持ち込みたいっていうのは……あれかな。体力の問題か……」

「義体で体力の問題ってことは、単純な艤装のマッチング不足ってことじゃないの? 瞬間的なパワーゲームならいざ知らず、型が違うとはいえ同じ駆逐艦。そこまで差が出るとは思えないけど?」

「急がなきゃいけない理由でもあるのかねぇ……」

 

 杉田が呑気にそう言った。こういう立場で観戦できる機会はあまりない。あまり緊張せずに戦域を見れるために、視線もどこか柔らかだ。

 寝ていたわりに周囲の状況をさっと把握したらしい渡井が口を開く。

 

「たぶん、精神的なものもデカいんじゃない? 電ちゃん相手ってことは接近戦じゃプラスにならないってことはわかっているだろう。かといって魚雷でカタをつけるには場所を選ばなきゃいけない。そこらへんのプレッシャーは大きいんだと思うよ」

 

 そんな繊細なタマかな、と杉田は言うとキーボードを操作した。直後、ん? とどこか戸惑ったような声を出す。

 

「どしたの?」

「五月雨嬢のパーソナルデータにアクセスできない」

「パーソナルデータ? 中央で保管されるあれのこと?」

「あぁ、エラー画面が出たまま動かない」

 

 そう言うと体をずらす杉田。どこか億劫そうに渡井が覗き込んだ。

 

「……エラー412、リクエスト不正か」

「どういうことなんだ?」

「一つ以上のリクエスト・ヘッダ・フィールドで与えられた前提条件がサーバーでテストしたら不正情報だとして弾かれた……そんな感じ」

「知らん。もっとわかるように言ってくれや」

「……お前それでよく鷹の目とかいう大規模プログラム運用できるね」

 

 渡井がどこか呆れたように言うと杉田はどこか不機嫌そうに鼻を鳴らす。

 

「電探の細かいパーツや構造を知らなくてもレーダーは使用できる。同じことだろ。使い方を知っていれば使える。それだけだ。で? これはどうすれば解消する?」

「412エラーが出たってことはプログラムや参照データが破損しているか誰かにウィルスかマルウェアを仕込まれたか、まぁそんなところだね。とりあえずほかの誰かのパーソナルデータにはアクセスできる?」

「五月雨嬢と同じ部隊の霞嬢もアウト……電嬢のものも武蔵の分も……景鶴嬢や阿武隈嬢のも落ちてるな……全部確かめた訳じゃないが、全部隊分落ちてないか?」

 

 杉田がそう言うと渡井はどこかつまらなそうな顔をした。

 

「一応それ、横須賀か長野か知らないけど国連海軍のメインサーバーのどこかにあるファイルだろ? 各部隊のバックアップは?」

「“あすか”のバックアップファイルは生きてる、電嬢とかのはちゃんと出るな。パラオ艦隊のバックアップはアクセス権ないから見れないらしいが……申請するか? たぶん通るぞ」

「いんや、電ちゃんのデータで十分、メインファイルが死んでてバックアップが生きてるならおそらくメインサーバーのファイルが破損してるんだと思う。他の艦娘のファイルもまとめてダウンってことは、たぶんパーソナルデータの管理プログラムがマルウェアか何かに感染したんだろう。それが判ればウィルス除去とかした後で、バックアップをよこせって連絡来るでしょ。それから確認すればいいだろうさ。……まぁ今は演習の監視って仕事に集中しようよ」

「さっきまで寝てたやつがそれを言うか?」

「だから瞬きしたら30分経ってたんだって」

 

 けらけらと笑って渡井が画面を見上げる。その先にはゆっくりと移動していくマーカーが映っている。それを見てると、背後の気密ドアが開く音がした。杉田が振り返る。

 

「お、お目覚めか川内嬢?」

「ずっと起きてるけどね、どんな感じ?」

 

 少しけだるそうな雰囲気のまま、川内が杉田の椅子の背もたれに手を乗せた。

 

「見ての通りだ。電嬢と五月雨嬢の旗艦一騎打ちの真っ最中。実力は……この状況も鑑みたらトントンだろう」

「へぇ、さみちゃん結構やり手なんだ。可愛い顔してすごいね」

「さすが“奇術師”東郷の初期艦なだけあるな」

「初期艦?」

 

 川内が聞き返すと渡井が笑った。

 

「海大を出て最初に配属になった部隊で受け持った最初の担当艦のことを言うスラングだよ。聞いたことない?」

「それは知ってるけど、東郷大佐の初期艦、さみちゃんなの?」

「らしいよー。その“ドジっ子”さみちゃんが東郷先輩の手にかかるとめきめき頭角を現して今や船団護衛などで大活躍。そんな感じで先輩の手元に渡った艦は優秀になってキャリアを上げていくから、先輩には“奇術師”というあだ名がついたらしいね。五月雨ちゃんはその第一号ってわけだ」

 

 どこか楽しそうな渡井はそういうと手元のキーボードを叩いた。戦闘エリアがクローズアップされる。

 

「まぁ、そろそろ再接触みたいだからゆっくり観戦してったら?」

「んー、あたしはいいかな」

「なんだ川内、見たくてこっち来たんじゃないのか?」

 

 杉田が怪訝な顔をして振り返った。

 

「いやー? まぁ、暇だったし少し覗いただけだよ。そんなに面白い相手なら、今度夜戦で手合せしたいし」

「……相変わらずの夜戦バカだな、川内嬢」

「当然、夜戦に勝る戦闘なしだよ、杉田大佐。んじゃ、監視頑張ってねー」

「おう」

「はいはーい」

 

 杉田と渡井がラフに返事をすると、川内はさっさと部屋を出ていった。本当にちょっと覗きに来ただけらしい。

 

「ま、メインサーバーがどうなっててもこっちではどうしようもないしね。お、再接敵(リ・エンカウント)かな」

 

 渡井の声に杉田が顔を上げる。同時にスクリーン上で、弾道を示す直線が描写された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 島影に消えゆくなびく青い特徴的な髪を見つけ、電は急旋回。艦娘ならではの高速急旋回だ。鋭角に回り込み、浅くて海の底が楽に見通せる浅瀬を突っ切る。船速32ノット、かなりのハイスピードだ。

 

(この先の水道は長さ230メートルの幅30メートル。狭い場所だし張ってるとしたら……すぐ先なのです!)

 

 島影を抜ける直前、大きく右に体を振りだした。慣性の法則で体が宙に浮き、水の抵抗を受けなくなった体はごく低い放物線を描いて水道に躍り出る。直後、左耳をペイント弾が掠める。至近弾判定。

 

「見切っているのですっ!」

 

 右足から着水すると同時に、主砲が火を噴く。五月雨は辛くも首を振るようにしてヘッドショットを免れた。向こうも至近弾判定が出ているはずだと思いつつ、電は一気に距離を詰めていく。五月雨の主砲の再装填完了までのタイムラグは8秒。その間に少しでも距離を縮めておきたい。防弾板の裏から飛び出してきた特殊警棒を右手で掴んで振り抜く。そのワンモーションで展張された警棒を手に懐に飛び込んでいく。

 

「……っ!」

 

 五月雨はバックステップ、距離を稼ぎつつ再装填が終わったらしい主砲をほぼ真下に向けて(・・・・・・・・)引金を引いた。直後、電の予想を超える大きな水柱が立った。

 

(榴弾!? 水柱で目隠しにするつもりなのです!?)

 

 そうとわかっても加速度がつきすぎていた電は急には止まれない。まずいと思っていてもその水の柱に突っ込んでしまう。水の塊が頬を叩いていく。弾か何かの破片が混じっていたのか僅かに痛いし、水の勢いが強いので目を開けられない。こんなところで足を止めるのは愚策と一気に突き抜ける。突き抜けた直後、目を開けば、銀色に光る刃が突きだされていた。

 

「いっ!?」

 

 大きくのけぞるようにしてその突きを躱す。結果的にではあるが、大きく姿勢を崩された。ただでさえ重い艤装を背負っているために、後ろに重心を崩されれば後ろ向きに倒れることは免れ得ない。大きく左脚を下げバランスを取る。

 

「はぁあああっ!」

 

 直後、電の視界にいきなり相手のつま先が飛び込んできて慌てる。とっさに左腕で顔を守るようにすると想像以上に重い衝撃が腕に走った。右手も添えて腕を支えてなければ腕ごと持っていかれたかもしれない。

 

「まだまだぁ、これからですっ!」

 

 一瞬跳ぶようにして軸足を右から左に切り替えもう一歩電の方に踏み込む五月雨。もう一発蹴りが飛んでくる。今度は電がバックステップ、それを避けると同時に五月雨が着地するタイミングを見計らって発砲。五月雨の足元の海面を爆ぜさせる。足元が崩れたせいで五月雨の足が止まった。これで流れが変わるか。

 

 もう一本警棒を取り出し前へ。前傾姿勢で手元を隠しつつ相手の懐に飛び込む。まだ五月雨はバランスを取り戻せていないはず。体で隠した警棒は相手には読みづらく、軌道が読みやすい振り抜きよりも突きの方が有利だ。前傾姿勢で溜めた力を解放するように相手の腰の高さ目がけて突きだし―――――

 

 

 

 相手の肩を掠って突き抜けた。

 

 

 

「え……?」

「捕まえましたよ」

 

 胸のあたりまで海に浸かりながら電の腕を掴んで笑う五月雨。その顔には余裕の表情が見える。

 

「え、な……?」

 

 一瞬パニックになる電の腕を左手で一気に引き寄せつつ、五月雨は右手の主砲を向けた。腕を押さえられたために前かがみの無理な姿勢で固定され、胸の位置に砲門を突きつけられれば、それを躱すことは限りなく不可能だ。

 

「チェックメイトです。投降してください」

「……榴弾を撃ったところで、海面に当たった程度では起爆しない……ですね」

「そう言うことです。もっと水深に注意を向けた方がよかったですね、電ちゃん」

 

 海底に立って、五月雨が電を見上げる。

 

 ここの水道は幅30メートルと特に狭い水道である。干潮になれば地続きになるほどの浅い領域ならば、場所を選べば溺れることなく海底に立つことが可能だ。それに、海底に突き刺さった榴弾が起爆すれば、威力のわりに大きな水柱を立てることもできる。

 

「……さすが“奇術師”東郷大佐の一番弟子なのです」

「ふふっ、伊達に前衛役は任されてませんよ」

 

 電が笑えば五月雨もにっこりと笑う。

 

「ふぅ、仕方ないのです」

 

 電がそう言うと同時、軽く力を抜いた。直後、防弾板の裏側で物音がする。

 

 

 

「これを使う予定はなかったのですが、仕様がないのです」

 

 

 

 防弾板の裏から何かが転がり落ちる、円筒形のナニカ。爆雷にしては小さいそれを見て五月雨は慌てて手を離した。

 

「―――――――っ!?」

 

 驚いた様子で何かを口走る五月雨だが、電は聴覚機能を一時的に凍結。その声は聞こえない。直後に爆裂。破片は発生しない。ただ、強烈な爆発音が響いたはずだ。五月雨が反射的に目を閉じ、耳を押さえた、その間に電は警棒で相手の主砲を弾き飛ばした。遠くに五月雨の主砲が落ちる。

 

「……ふぅ」

 

 電に音が戻ってくる。電の主砲は既に再装填を終え、五月雨に向けられた。

 

「今度こそこちらがチェックなのです。五月雨ちゃん……って、音響手榴弾(クラッカー)使った時点で聞こえてないですね」

 

 事前に取り決めてあった公開周波数に合わせ、電脳通信で同じ内容を伝える。

 

「この距離からの砲撃を避けるには浮力発生装置を再始動して飛ぶくらいしかない。そして、五月雨ちゃんがその作業をする間に、いなづまは止めを刺せます。今度こそ、チェックメイトなのですよ」

「……なんでこうなっちゃうかなぁ。結構自信あったのにぃ」

 

 五月雨が泣きそうな笑顔を見せて両手を挙げた。

 

《こちら観測室、演習の終了を確認しました》

 

 どこか眠そうな渡井の声が無線に響く。

 

《第50太平洋即応打撃群選抜、小破1、行動不能4、投降による拿捕判定1、パラオ艦隊、拿捕1、行動不能5。交戦規定により、今回の演習は第50太平洋即応打撃群の勝利とします。まぁ、辛勝って言った方が正しいかな。おそらく濃密な演習後打ち合わせ(デブリーフィング)になるからみんな覚悟したほうがいいんじゃないかな》

 

 そう言いながらも呑気な雰囲気の渡井の声に電は苦笑いだ。五月雨も笑っている。

 

《極小フィールドとはいえ、みんな接近戦に頼りすぎだな》

《それ教えた東郷先輩が言いますか? ハッキングして通信潰して乱戦に持ち込ませた張本人でしょう》

 

 笹原の辟易した声がそう言う。

 

《それでもここまで乱戦になるとは思ってなかったぞ。まぁとりあえずは観測室のデータを取り寄せてデブリーフィングにするのがいいだろう。お疲れ様だ、五月雨たちもよくやった》

 

 東郷大佐の声に目に見えて嬉しそうな顔をする五月雨。その五月雨に電は拾ってきた五月雨の主砲を返しつつ微笑んだ。

 

「しっかり見ててくれたんですね!」

《前より広い視野で戦闘ができてるようでよかったぞ》

「やったぁっ!」

 

 浮力発生装置の再起動が終わってないためにまだ飛び上がることはできないはずなのに、海底を蹴って飛び上がる五月雨。

 

 その刹那、ガツン! と鈍い音がした。

 

「へ……?」

《痛ぇ!?》

 

 共用無線に航暉の声が乗る。五月雨が音のした方を見ると電が目を回していた。

 

「さみ、だれ、ちゃん……さすが、に、そ、れは……」

 

 そのまま後ろへスローモーションで倒れていく電。

 

「え、あれっ……!?」

 

 五月雨は混乱しつつも状況を整理する。

 

 

 電から渡された主砲を振り上げた体勢、電とリンクを回復したらしい航暉の妙な声、ダイイングメッセージじみた声を残し、ゆっくりと後ろ向きに倒れていく目を回した電。

 

 

 

 

……もしかして、喜んだ拍子に主砲でアッパーを叩き込んだ?

 

 

 

 

「ご、ごめんなさいぃぃぃぃいいいいいいいいいいいっ!」

 

 東郷大佐の溜息と同時、「ちょ、カズ君? 返事してっ!?」とか「おいっ、リンクを強制カット! 医務室へ無線繋ぐぞ!」とか「天龍、金剛! 電の救援に回れ! 君たちが一番近い、急げ!」など、混乱を極める無線が飛び交い始めた。

 

「電ちゃんごめんなさいぃぃぃぃいいいいいいいいいいい! お願いだから目を開けてぇぇぇええええええええ!」

 

 電の首をかっくんかっくんさせながら肩を揺さぶる五月雨。島影などの合間に反響するその声が演習の幕切れとなったのだった。

 

 

 




……最後までまともな演習をしなかった演習編でした。

五月雨ちゃんに格闘戦させるなんて書き始めるまで全く思ってなかった俺提督。ほ、本当は五月雨ちゃんもっとおしとやかに戦いますからね? その、レイキャシール先生のところももっと可憐に戦ってますからね? ね?

というわけでいろいろ土下座して終わります。

いろいろすいませんでしたぁ!

感想・意見・要望はお気軽にどうぞ。
あ、レイキャシール先生とのコラボはもう少し続きます。どうぞお付き合いくださいませ。

それともう一つ告知です!
実は『啓開』シリーズ外伝とも言える作品の投稿が開始されました!

Mk-IV先生作『艦隊これくしょん―影に生きる者達―』
URL:http://novel.syosetu.org/64726/

啓開の裏側を描く作品で、水上用自律駆動兵装黎明期からの生き残り、最初の艦娘たる松型駆逐艦とその司令官の物語です。既に航暉も登場しています。こちらも合わせてご覧いただければ幸いです。


それでは次回お会いしましょう。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。