今回は前いい放った通りに二話に続き、三話目も投稿しようと思います!
第1は前回の話の流れ的に番外編だせるかな?と思い、リハビリに書いたウラドさんソラさんからの要望『未来の華麗な1日』をお送りします!!
皆さん、いつも響の活躍を見てくれてありがとうございます。私は『いつも』響と一緒にいる小日向未来です。
今日はちょっと視点を変えて、私の1日をご紹介しようと思います。皆に響の魅力がわかるまで頑張るぞっと!
◇―朝―◇
菫色の下地にユリの花がプリントされた布団が、モゾモゾと微かに揺れる。ピチャピチャと、水が跳ねる音と声がするのは多分気のせいだろう。きっと。
この布団の中にいるのが、今回の主役である。
部屋は女の子らしく可愛い部屋だ。下にはホコリ一つ落ちておらず、壁は汚れを知らぬ白。周りには木製のタンスやお客様用の椅子と共に、クッションの代わりになりそうな人形が置かれている。
まさに「女の子」の部屋である。ガキィン!と言う音が出そうな存在感の『鋼の金庫』が置かれている以外は。
ピp√
すると突然、彼女の目覚めを知らせる鐘、いや目覚ましがなる。だがその前に黙れと言う様に布団から腕が伸び、『ダァン!!』とムチの様にしなるチョップが叩き込まれる。
表面が凹み、粉砕された哀れな時計が最期の力を振り絞って指した時間は12時。つまり今日の『0時』であった。
シュルルと腕が引っ込み、布団が山なりに盛り上がる。次の瞬間布団はずり落ちて、中に隠れていた黒髪が現わとなる。
「んんぅ…、はぁ…」
一人の少女が、伸びの姿勢でその姿を現した。
年齢は中校生くらいで、首にかかる程伸びた黒髪が特徴的だ。体は太いわけでも細いわけでもなく、布団半分で隠れながらも魅力のプロモーションを保っている。
そしてその顔は、ほのかな色気と甘い息に濡れていた。
「よし、いつも通りに起きれた」
少女はスクッと起き上がると金庫に近づき、手慣れた操作で鍵を開け中身のリボンを取り出すと、その中におかれていたリボンとあわせてポニーテールを造り出す。
これぞ彼女のトレードマーク、彼女の名は『小日向 未来』である。
未来の1日は、今日と言う日が来た瞬間始まる。睡眠については毎日8時に寝ているので大丈夫だ。それでも早いため、毎日きちんと寝ないと背は伸びないと言うが、
「大きくなったら響をだっこ♪同~じだったら響の隣っ♪小さかったら響にだっこ♪」
と鼻歌歌うくらいだから心配ナッシングである。本人は。
ちなみに両親はまだ起きていないため、一人でキッチンに立ち料理を作っている。
今日のメニューはハムエッグとブルーベリージャムを乗せたパンにココアミルクと、軽い物である。
未来は大事な日課があるため、料理を作るために着けていたエプロンを外すとあっという間に食べ、外へと出ていった。
外はまだ暗…、と言うより完全に闇であり、蛍光灯も全力稼働中の中を、眠気であくびをしながら歩く。
するとその前を三台のバイクが足止めした。
「おっとぉ~!ゴメンよ嬢ちゃんここから先は行き止まりぃ~♪」
「ん…?」
眠気で目をこすり、前を見てみると2、3人の男が時代遅れのパンクファッションで行き先を封じていた。リーダーっぽい男はにやつきながら汚ならしく喋る。
「こんな夜中に一体どうしたんだい?も・し・か・し・てぇ~~~っ!イケない事シにいくのかなぁ~!!」
「あの…すみません、私大事な用があって…」
「ナニしに行くのかなぁぁぁぁ~~♪♪♪」
「んん…」
他の道を行くと手遅れになる事を経験で知っている未来は、眠気を押さえて退いて貰おうとするが全く話を聞いてくれない。その問答を後ろの男達はヒヒヒと笑って見ている。
時間が勿体ないから仕方ない、
「遅れちゃった…!急がなきゃ!あぁ起きてないよね響ッ…!」
その数分後、三人の男を■■■■した未来は、のちに彼らを追いかけて来たらしい警察も■■し、大急ぎで目的の場所へと向かっていた。しかし、その心配は0時に出た事もあって杞憂に終わる。
その目的地とは未来にとっての
未来は大急ぎで響の部屋の窓を確認するが。灯りは見受けられない。
「あぁ良かった…、まだ起きてなかった…。ありがとう響…」
その暗さに涙を浮かべ、神に手を合わせる未来。まだ夜中の0時半なので起きているハズがないんだが、響が寝ている事を知った未来は涙を振り払い、目的を果たすための行動を開始する。
「よしっ、まずはお邪魔しなきゃ…」
そう言うと未来はピッキングに使う針金とその他諸々の侵入用道具を幼稚園時代に使っていたバックから取り出すと、玄関の鍵穴に差し込む。
しばらく針金でこねくり回していると「カチャン」と解除された音が聞こえた。
その音を聞いてパアッと花開くような笑顔を浮かべた未来は、早速家の中へと「失礼しま~す」といってお邪魔する。
正直いって響の歴史を採しゅ…、辿りたい気分だったが、それを首を絞める思いで圧し殺し、静かに響の部屋へと急ぐ。
(響の部屋は…あったッ!)
発見した興奮のあまり、氷の床を滑る様に響の部屋へと侵…お邪魔する未来。8時間ぶりの再開と同時に親友の部屋を見渡す。
畳と木造で出来た部屋は、まさに親友の精神の化身といって良いくらい素晴らしい出来だった。
それに合わせる様に置かれた机や椅子などが最高にいい味を出している。掃除も畳相手では難しいハズなのに非常にキレイで、100京点の
「盆栽のやり方」だの「匠の盆栽」だのと書かれた解説書が近くに鎮座するそれは、響の愛情たっぷりに育てられたに違いない。
ジッ…と見つめる未来。
…いやいや、そんな盆栽は一旦置いといて、来た目的を果たそう。と頭を振って殺意を消した未来は部屋の奥へと移動し、遂に親友と対面する。
「~~~~~っ!!!!」
未来が会いたくて震える程に求めていた光景が目に入り、声にならない声が出そうになって口を抑える。
その両手には花束の代わりに未来がおこづかいを貯めて買ったヒヨコ人形が抱きしめられている。寝ぼけて抱いたのだろうが自分も響からもらったリボンを大事にしているので、思わず狂喜してしまいそうになる。でもガマン、濡れている感覚がしてもガマン。
(…寝ている響が見られるのはこの時間だけだもの。たくさん見て、色々しておかなくちゃ)
「………………」
(ふふっ、『眠い…』だって。夢の中でもお眠さんなんだね、響…)
物音一つしない空間の中で、無口な響の寝言も無論一言も聞こえない。しかし未来には聞こえるようで、時々聞こえる響の寝言に首を振り向き一言一句微笑む。そしてその傍ら、手を止めずに謎の作業を続ける。
出来たようだ。
「よし出来た。お母さんから借りてきた美肌用品の簡易式!」
これが未来の毎朝の日課『響を美人に計画』である。未来はムスッとして
「響ったら女の子なのに全く美容に気を使わないもの、キレイな顔してるのにもったいないなぁ」
と言いながら美肌用品を響のほっぺに塗り始める。 この美肌用品簡易式は、未来が『美人になりたい!!』と、初めての駄々をこねて買ってもらった高級化粧水や美肌成分を未来が合成し、簡単にすむように魔改造した代物だ。
その能力の高さはグリーン・グランデの防御力をもってしてもプニプニ卵肌になるほど。
無論、幼き日の過ちを犯さぬようにたくさんの情報を頭に入れている。ぶっちゃけ薬の特許も取れるぐらいには自信がある方だ。
しかし、そんな物に興味など微塵もない。あるのは日々キレイになる響だけだ。
目をつむれば今でも目に浮かぶ、自分の事を思って化粧を洗い流してくれた響の姿が、その一糸纏わぬ幼児体型が…、ゲフンゲフン。
だからこそ、今度は自分の番なのだ、『響はそのままでも十分綺麗だよ』と言ってあげたいのだ。
「くふ、くふふふふ…、よし終わり。でも、響はもう十分美人なんだから、これする必要あるのかな…?」
血を一筋たらしながらもそれを拭わず、響を美人に計画を完遂させた未来。しかしその十分な親友の可愛さに計画の空しさを感じ始めると、そこでピキーンと妙案が光り、両手をパンとあわせる。
「そうだ!響の体にも美肌用品塗っちゃおう!響の体がテカテカしてきっと…、フフフ『響を美人に計画』から『響の全てを美人に計画」に変えておかないとね…」
そうすると未来はシナリオの変更を頭で思考しながら、響のパジャマのボタンに手をかけ始めるのだった。
立花 響の瞳が、うっすらと開き始めた。
まだまだ~!大至急二話目だ!
遅れましたがウラドさんソラさんありがとうございます(〝⌒∇⌒〝)