戦姫防御のグリーン・シンフォニー   作:北岡ブルー

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どーもお久しぶりです。ただいまヴィヴィオとパープル・ソーンの中の人が同じと驚愕している北岡ブルーです!

お久なこの更新、待っててくれた人イルカナー?

…手をあげてくれている人がいますように…(ボソッ)。

んじゃあ言ってみょー!



◇響、運命の日の前夜その1

 

…な、何と言ったのだ悠詞君は…?おっお付き合いだと…?中身男の我に告白だとぉぉ!?

 

お……おっといかんいかん!…今まで待たせてすまなかった!この小説の前の読者様方!!!ただいま前世含めて初めての告白に大慌てしているグリーン・ぐりゃぁ(パニクりすぎて噛んだ)

 

…くっ…ぅぉぉお…ッ!! (まさかこの我が噛むとは…!!口を抑えてうずくまりたいぞ……!)

 

…いや落ち着け我よ!確か前世の加速世界ではチョコ型アイテムにポイントを入れて好きな人に上げるという『バレンタインデーイベント』があったではないか!!その時我はたくさんのチョコを尊敬してます的な意味でレギオンメンバーからもらって――

 

「ん…、聞こえませんでしたか響さん…。それなら僕は何度でも言いますよ…?『僕と付き合って下さい』。」

 

……のわぁぁぁぁぁアアアアッッ~~!!?何でこんなこっ恥ずかしいセリフが吐けるのだこの子わ!?本当に我らと同じ歳か!?

 

 

(ねぇ知ってる?この人一応王様だったんだよ?)↑

 

 

「おぉ~!あの話題沸騰中のイケメン大金持ちのシンユー君が無口っ子なビッキーに告白するなんて!人生何が起こるかわかんないもんだなぁ~!ビッキーも相変わらず無口だけど赤く…なってる気がするし、うまく行きそうなのかな?」

 

「来ましたわ…! 今まさに響さんの春がキマシタワ~~~!!」

 

「これはもしかしてアソコの絶対防御が崩れるのも早いかもぉ!!」

 

…って、なんで君らは我の後ろの木の影に隠れておめめキラキラさせているのだ!というかどこから生えてきたんだその木は!!ここは屋上だぞ!?

 

「あの…、響さん…?お返事を…ヒッ!?」

 

…おおおぉっ!今ぁ!?今言わないと駄目なのか!?だめなのかぁぁ……ってヒッ?意外と緊張してたのか君も?

 

 

 

 

  ◆――――未来サイド――――◆

 

 

 

 その声が聞こえた時。私は一瞬世界が暗くなったと勘違いをするほど ゾッとした。

 

「僕ト付キ合ッテクレマセンカァァ。響サァアァン?」

 

 ベタリ、ベタリとその言葉がヘドロのように響にまとわりつく。私にはそう見えた。

 

 気がついたら私は響の後ろにいた。

 

錯覚?

 

違う

 

私には分かるんだ

 

ヤメテヨ

 

響を汚さないでよ

 

ほら、響も顔を青くして困ってるよ。わからないの? (※響は顔を紅くしております)

 

ヤメテヨ…

 

ヤメテ…

 

ヤメロッ!!

 

 

「ヒィッ!?」

 

 

………アレ?

 

私、まだ声も出して無いのに悠ナントカ君が私を見てビックリした

 

「うっ……。うわああああァァァァ……!」

 

 帰っちゃった…。あ、階段で滑って転げ落ちちゃった。でもいいの、響は無事なら。

 

「……………?(訳)…んぬ?…一体どういうことなんだ?急に帰ってしまったぞ悠詞君)

 

「人違いしちゃったんじゃないかなぁ」 ニッコォォ

 

「………。………!? (訳)おぉ…、そう…だったのか…。何か安心したような悲しいような…否悲しいな…。顔赤くした我がバカ見たいではないか…。って未来いつの間に我の後ろに!?レディオか未来は!)」

 

 ふふ。やっぱりこっちの響の方が可愛いぃ。変な事もされてないみたいだし良かったぁ。

 

 でも、やっぱりさっきのが怖かったのかな?僅かに響の顔が疲れてる様に見える。私以外に響の変化は分からないから、何とかしてあげたい…

 

 あっ、そうだ!

 

 

 

  ◇――――悠詞君サイド――――◇

 

 

 やぁやぁモテない男性諸君!僕の名前は悠詞、いきなりだけど僕の正体は転生者!つまり主人公になる男だ!

 

 前世の僕の家は大金持ちだったから、何でも自由に手に入れた。顔もイケメンだったから学校ではモテまくりだったさ。

 

 成績優秀でもあったから学校でも優遇されてたしね!

 

 まさにその時の僕は物語と言う名の人生を思うがままに生きる、主人公そのものだった!

 

 だがある日、車に轢かれた死んでしまった僕は美人な女神様の所へと導かれ、そこで僕はあの時死ぬべき人間ではなかったと教えられたんだ。まあ当然だね!

 

《アイツ》じゃあるまいし♪

 

 そして僕は、女神から死なせてしまったお詫びとして三つの能力を貰い、僕の知っている空想世界へと飛ばしてもらう事になったんだ。テンプレな展開だね。

 

 ちなみに僕の前にも間違って死んだ転生者はいたらしいけど、そいつはどうやら眠った所を誰かに頭を殺られて死んじゃって、グースカピースカ寝たままここに導かれたんだって。

 

 そして女神も転生特典を渡す為に起こそうとしたんだけど、彼に手をはたかれたんで仕方なく彼が死ぬ前に見ていたアニメの世界に転生させたんだとさ。

 

 フッ、馬鹿馬鹿しい。実に馬鹿馬鹿しい。

 

 僕はそんなおマヌケじゃない。転生オリ主としての人生を生きてやる。

 

 選ばれた世界の名はここ「戦姫絶唱シンフォギア」の世界。美少女がたくさんいる世界だ。いい世界を選んでくれたね女神様。

 

 そして主人公となる僕が選んだ特典は『その世界に似合う最強の能力』(主人公らしくヒロインピンチの時に発動するオマケ付き)と『高いカリスマ』…。

 

 そして3つ目は『永久に転生出来る能力』!

 

 この3の能力が重要なんだ。この能力さえあれば、その世界の戦いが終わって主人公じゃなくなっても、シンフォギア世界の女に飽きても自殺すれば別の世界に行ける。

 

 そうすれば1と2が適応されて新しい最強の能力と新しいヒロイン、新しい仲間ができて新しい戦いの中でもう一度主人公になれる。

 最高じゃないか!普通の奴らならゲートオブバビロンだのエクスカリバーだのを選ぶ所を!!

 

 やっぱり僕は普通の奴らとはひと味、いやいやふた味も違うんだ!

 

 さぁ、始めるとするか…。僕の新たな第二の、黄金の人生を、

 

 この学校でね!

 

 

 

 

 という訳で成長した僕は、親の反対をガン無視してこの世界の『元』主人公『立花響』のいる中学校に入った。

 所詮ニセの親だし言うことを聞く必要は無い。

 

 アニメで中学校の名前が語られてないのにどうしてわかったかって?フフン、僕のカリスマにやられたその手に詳しい人物に調べてもらったのさ。

 

 でもその学校で僕は奇妙な噂を聞いた。

 僕の知る立花響と言う人物は本来、明るく感情豊かな性格をしていて、成績は中の下なはずなんだ。

 

 だけどモブの噂によると、立花響は無表情無口で何考えているのかよくわからない、成績優秀な生徒らしいのだ。クールビューティーかよ似合わねぇな。

 

 あぁ、そういえば女神が言ってたな、世界は未来に進み、選択する度に枝分かれし、伸びていくと…。

 

 僕が飛ばされる世界もあくまで『戦姫絶唱シンフォギア』の無数にあるパラレルワールド(可能性)の一つだと、そう言っていた。

 

 でもそれ聞いた時僕言ったよね?僕の知っているシンフォギアと限りなく同じ所に飛ばしてくれって!?あの駄女神め!

 

 …まあいいや、情報の限りここの響は原作通り女。男の響よりマシだ。 キタエテマスカラ(`鬼´)

 

 それに論より証拠。モブのデマな可能性もあるし、場所を聞き出して本物を見てみればわかる!!どうかデマであってくれ!

 

 

ーー屋上ーー

 

 

 ハァ…ハァ…や、やっと見つけた…。あの未来に顔を押さえられているのが響だな。

 

 何であんな事になってんだ?高校で出会うハズのモブ女三人もいるし。まあいい、息を整えてぇ~。次に身だしなみ……よしOK。

 

 カリスマが周りのモブに引っ掛かるとヤだから一点集中でっと…。さぁ一気に墜ちて貰おうか立花響。未来の腕の拘束から逃れた所を見計らって…。

 

「あの~、響さんと言う人はいますでしょうか?」(我がハーレムとなって永遠を生きるがいいッ!立花響ィィイ――!!)

 

 作戦はこうだ。僕の数少ない弱点の一つにカリスマを対象を一人に集中した状態で声を掛けると、余程の実力を持ってない者はそのカリスマに当てられて気を失う。

 

 その弱点を利用して彼女の気を失わせてそのまま僕が保健室へ。後は…分かるだろ?

 

 え?何で全力でしないのかって?あまりに強いと一点集中ができずに他のが引っ掛かるのと、本気のカリスマを弱い奴に浴びせると狂うからだよ。

 

「………………」 シーン…。

 

 てっ…、え…?お、可笑しい!もう一度!もう一度一点集中っ!

 

「………………」 シーン…。

 

 そ…そんなバカな!?僕の一点集中カリスマを受けても倒れないだと!?

 

 この頃の響は普通の女と同じはず!しかしこっちをずっと見たままだし…。

 

 すると、僕が内心困惑しているのを尻目に響がポケットから何かを取り出した。えっ、メモ帳っ?

 

 メモ帳を取り出した響はかなりの速さでペンを動かし、こちらにメモ帳を向ける。そこにはこう書かれていた。

 

『我に何用か?』…だとっ!?しかも筆ペンで書いた!そして達筆ゥ!←(ちょっとズレた方向で上達した響、犯人は弓美)

 

 ……くそ!響は無口だと言うあの噂はマジだったのか…最悪だ!あのクソ女神を殴ってやりたい!

 

 いや、だが、無口響もけっこう可愛いな。オリジナルとのギャップ萌えというか…。何だかこの響からは美しい大樹の様な印象を感じる…。参ったな…、これは。

 

 

 どうしても欲しくなってきた…!この()は僕のそばでこそ(まこと)にふさわしい。

 

 よし、一点集中が効かないのなら全力でやってやろう。後ろにいるモブ女三人は廃人同然になるだろうが、そんなの関係ない。この女を僕の物にする為の犠牲だ!言葉と合わせてーーー

 

「響さん、僕とお付き合いしてくれませんか?」(全力っ!どうだ堕ちたか!)

 

「…………………」

 

 よし、顔をうつ向かせたな!これは近い!

 

「ん、聞こえませんでしたか響さん?それなら僕は何度でもいいますよ…?『僕と付き合って下さい』

(墜ちろおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!立花響ィィィィィィイイイ!!!)

 

「………………………!」ポフッ

 

 ヨッシャアアッ!!!顔真っ赤にしてキノコ湯気が立ったあああ!!!! 墜っちたあああああ!!!! うつ向いてはいるが視線も感じるぅ! これだよぉ俺が欲しかったのはこの感じだぁ!! よしっ了承の言葉を言わせよう!

 

これで記念すべきシンフォギアのハーレム第一号完成だああッ!!!

 

「あの…、響さん…?お返事を…」

 

 そう思って響の口から僕の勝利宣言、いや了承の返事を聞こうとした

 

 

 その時

 

 

 

 

 

 

 

 

 響の左肩に、血の涙を走らせる眼球があるのに気付いて、背骨の芯から悪寒が走った。

 

 その恐怖に呼応するように、周りの景色も紅く変わる。

 

「ヒイイイッ!!?」

 

 何だ?

 

 何だ何だナンダナンダ何だアレッ!!??

 

 目玉ァ!?あんなのさっきまでなかったぞ!?

 

 オッオイ響!?何うつむいたまんまなんだよ!お前の肩眼球から出てる血でもう真っ赤だそ!!

 

 どういう事だ…、気付いてないのか!?いや違う止まっている!停止してるんだテレビの一時停止の様に!!こんな事ができるシンフォギアキャラなんていない!まさか、他の転生者…!! 他の奴がいるなんて聞いてないぞあのクソ女神ィィ!!

 

 ヤバい!今のオレが使えるのはカリスマと無限転生能力だけだ!戦闘能力を手にいれるのを原作開始時にしたのが仇になっちなったぜクソがっ!!

 

《カ……ェ…》

 

 ハ…?何だ!何か聞こえ――

 

《カエレェェェェェェェェェェェェェエ"エ"ェエエェェェエ"ェエ"ェェェェェエ"ェェエェエエ"エ"エ"ェェェェェエェエェェェェェェエエ"ェェェエェェエェエエエエェェェェェエェエェェェェェェエエェェェェェエエエエエエエッ!!!》

 

 

 

 《死ぬ》

 

 このまま突っ立ていたら、響ごと殺される。この鳴き声をあげている《ナニか》に

 

 

 

 

 その複数の断末魔を思わせる絶叫を聞いた瞬間、悠詞はただただ、それだけを知った。

 

「うっ…うわああああぁァァァァ!!!」

 

 そこからの悠詞の選択は早かった。

 

 180度真後ろに向かって、自分が苦労して登ってきた階段を一目散に閃光の如き素早さで目指したのだ。

 

 響を置いて

 

 その無茶な方向転換によってゴキッと足首を捻挫した事にも気付かず、顔が様々な体液でグチャグチャになって汁を滴らせても拭くことなく一目散に階段を目指した。

 

 死にたくない。ただそれだけを繰り返し願って。

 

 だが、悠詞は急ぎ過ぎた。

 

「しっしまった!とっ…止まれない…あがッ!?」

 

 急ぎ過ぎて身体が前のめりになっていた事と足を挫いた事に恐怖で気づかなかった事が災いして、悠詞は階段を踏み外し、上から盛大に転げ落ちた。そりゃあもう盛大に。

 

 一打目で角にディープキスをかまして血を吹き出し、二打目で背中、尾骨を打ち、三打目で挫いた足をピンポイントで打ちつけてようやく痛みを(二倍増しで)痛感。

 二、三回転がった後、折り返し地点である床に体を叩きつけてようやく止まる。

 

 巻き上げられていた砂埃が落ちて現わになったのは、余裕しゃくしゃくだった冒頭とは似ても似つかない間抜けな醜態を晒した悠詞の姿だった。

 

 せめての幸運は、周りに人がいない屋上階段だった事だろう。いくらカリスマの力があれどこんなマヌケを晒す男についてくるのは信頼のある者のみだ。そして、彼にそんなヤツはいない。

 

「あ"…あ"がが…あ"ああぁ…」

 

 ちっ…チキショオオオオオオォォォォォォォ!!!

 

 何でだ!!何で僕が!この悠詞がこんな目にあわなきゃいけないんだァ!!良いだろう!!!オタクのクソ転生者が主人公である僕を邪魔したらどうなるか目にもの見せてやるヴ!

 

 この事態は間違いなく転生者のせい、そう確定した悠詞は手際よく懐からスマホを取り出す。

 

 階段から落ちた時に入ったであろうヒビがあるが、それすら無視してどこかに電話を繋げる。彼の頭の中にはもう自分の主人公計画を邪魔したヤツへの報復しかなかった。

 

 彼は眼を血走らせ、口から血を吐きながらもその怨念の篭った言葉を怒号と共に伝えた。

 

「オイイッ!!! 僕だ悠詞だっ!今度ツヴァイウイングのライブがあんだろ!?18才以下の少年少女がライブ来れない様にそのチケットを買収して破棄しろボケ!」

 

『…っ!このがk…ゆっ悠詞の若っ!?い…いったいどうしたんですかい!?』

 

 出た相手は悠詞のカリスマ支配下にあるヤクザらしいが、そのヤクザすらも彼の怒号に驚き、カリスマがとけかけたのか、彼の事をガキと言いかける。

 

『18才以下に買われたチケットの買収なんて…、何故急にそんなことーー「いいから命令通りにガキ共からチケット買収しやがれェ!!出来なきゃ僕のカリスマ下にある軍やサツでテメェらの組なぶり殺しにするぞ!」っ!……わかりやした…若…』

 

 ガチャンと、無理難題を押し付けられた向こうの電話が切れる。

 その音を聞いた悠詞は力なく壁に背中を押し付けてずり落ち、横に倒れ笑う。

 

「は…はヒャヒャヒャ……。ザマァ…!ザマァ見ろォクソ転生者がァ!僕の響陥落を邪魔したと言うことはお前もあの響が欲しかったんだろ…?ならばあのライブ事件を利用しない手はないィ!! 転生者ってんならガキだろうから、どんな力持ってようが権力と金の力には抗えまいィィィ!!フヒヒヒ ヒヤァ―――――――――ハハハハハハハハハハハハハハァ ザマァアアアアアwwwwwww!! ザマァアアアアアwwwwwww!!」

 

 もう主人公ではなく吐き気のする邪悪である。

 

「だがしかぁし!僕と響の分はもう前もって買ってありここにアリィィィ―――…?」

 

 逆転の一手を打った事で先程とは一転、仰向けになり、高笑いを上げながらポケットをまさぐると、その大切な一手であるチケットが…なくなっていることに気付く

 

「……は?僕と響のチケットは?」

 

 唖然とした彼はその後、響達がいなくなった屋上で無くしたチケットを探し回り、日付が変わるまで降りてくる事はなかったそうな…

 

 

 ◇―放課後の響サイド―◇

 

 

………………ズーン…

 

…ンンゥ…いかんせんキツイな…いや、年齢=(前世も含めて)恋人いないから今回のも何かの間違いだと認識する事も、出来たハズなのに…

 

(グリーン・グランデの精神年齢はメソポタミア文明~現代と同い年と言う説もあります。)

 

…悠詞君の言動が余りも本気に見えたから、ついその気になってしまった…。

…フフ…元男だったのにな。(白い目)

 

…午後の授業の時も、我の事を見かねた創世や詩織さんは元気づけようと様々な場面で気を使ってくれたし、弓美も「アニメにはよくあるシチュだよ!」と慰めて…?くれた。

 

…だが、それでもなお我はあの事を引きずり続け、ついには放課後になってしまった。我は部活はしてないので一人寂しく、夕焼けをバックに帰宅中だ。一人寂しくな。

 

…前世と比べて少し…いやかなり精神が脆くなった気がするのは気のせいではないのだろう。もしかしたら肉体に精神が引っ張られているのかもしれない。

 

「………。…(訳)不幸よ…全くもって不幸よな…」

 

……くそ、こんなに悲しいのに涙も出ぬわ…。鉄仮面か我の顔は。

 

「………。(訳)家に帰って、みきでも愛でてご飯食べよう…」

 

…そう思い立ち、家への歩みを早めた時だった。後ろから細くなった影が一本、伸びて来た。

 

…その影を辿る様に振り向くと、夕日を背景に見覚えのある真っ白なリボンが見えた。

 

「響ぃ~!」

 

……未来?

 

 

 ◇

 

 

「………。(訳)……いったいどうしたのだ未来…?今日は部活じゃなかったのか?」

 

「うん、だけど早めに終わったの。だから一緒に帰ろ?(本当は響が心配だったから集中できなくて、早上がりさせてもらったんだけど…、真面目な響には言えないかな)」

 

…我はその言葉に頷いて答えると、未来は我の歩幅に合わせ、隣で歩き始めた。しばらくの間はお互い無言だったが、しばらく歩くと未来が口を開いた。

 

「ねぇ響、『ふらわー』行かない?」

 

「……?(訳)な、なんだいきなり?」

 

「うん。少しお腹が空いちゃって、ね」

 

 そう言うと顔をはにかませる未来。

 

 そういえば、未来の部活は陸上部だったか…。我も少し腹が空いたな…。と考え財布を取りだし中身を確認。

 

 当然と言うべきか前世で高クオリティのゲームをやっていた身の上、前世と比べても全くお金を使っておらず、中身はたくさんあった。

 

「…迷惑だったかな…?」

 

「…………。(訳)いや大丈夫だ、行ける」

 

 未来が心配したが、我のお財布事情は安泰である事を中身を見せて伝えると、我と未来は踵を揃えてふらわーを目指した。

 




はいどーも!お久しぶりの小説になってしまいました北岡ブルーです。
もしここおかしいとかどうゆう事?と言う所あったら優しく教えてねー!豆腐メンタル崩壊するからねー?

◆転生者紹介

野山 悠詞

見た目は金髪青目にクールな眼鏡をかけた、優しい系のイケメン

前世では『最低は白銀の翼は交錯する』の転生者『少年』と同じ学校に通っていたボンボン。いじめの主犯格の一人でもある。悠詞は転生してからの名前

様々な才能に恵まれており、その上金持ちの坊っちゃんだった為に、大抵のことは何でも出来ていた。彼はそんな自分のことをこの世界(現実世界)の『主人公』だと考えていた。

性格は表面上イケメンを装っているが、その実困難やミスに直面した事がない故に少しの事で逆上し乱暴に働く。だが知恵や周りの人間を使って、なるべく自分の手は汚さずになぶり殺し、横目で見て悦に浸るタイプである。

この性格なため、戦闘ではビビること確定。いや、そもそも恐怖にあったことがないため無謀に突っ込むかもしれない。

女神に貰った能力は3つ

1《その世界で最強になりゆる能力》文字通りの意味で、『コントロール』出来ればその転生世界で最強になりゆる能力を授けられる能力。その世界で違和感のない能力をランダムで選ぶ。悠詞はこれに《ヒロインピンチ時に能力解放》と言う条件を付ける事でリスクを消した。

2《高いカリスマ性》これも文字通りの能力。非常に高いカリスマ性を授けられる。だが悠詞の性格上、その性質は《カリスマ》と言うよりも《洗脳》に近く、強いショックを受けると元に戻る。現状最も使用している能力。リスクは不明

3《無限転生》ある意味悠詞が最も欲しがった力。死ぬ→転生を無限に繰り返し、生き続ける事が出来るある意味最強の能力。新しい転生世界に転生する度に1が適応され新たな力を手に入る仕組みである。ただし、同じ世界に転生することは出来ない。リスクは不明

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