後ロリ百合に注意!!
…こんばんは。前回、未来を守る為に交通事故(後の『車真っ二つ事件』)を起こしてしまった元グリーン・グランデ、響だ。
…現在、スイカの汁まみれなので物陰に隠れながら、一番近いと言う未来の家へ歩いている途中だ。
…友の為に男としてのプライドを捨てたのに、それを引きずって幼き友を危険に晒してしまうとは…。
…一人の王として、一人のバーストリンカーとして非常に情けない醜態を晒してしまった。二つ共『元』がついてしまうが…。
…我が不注意なばかりに未来を交通事故に遭遇するとい
うトラウマにあわせてしまった。
なのにあの子は気丈に我の事を心配して、今、自分の家へ我を連れて行こうとしてくれている。
…この未来の他人を思いやるこの優しさは一体、何処から生まれたのだろうか…。
やはりご両親からのご寵愛の賜物なのだろうか?
「ついた!ここが私のお家だよひびきちゃん!」
…ん、ここが未来の家か…、なかなか大きいな…。屋根は暗い蒼で、そこ以外は玄関含め全て白か…。未来の家はお金持ちなのだろうか。
「ちょっとまっててね、私がうらぐちからげんかんあけてくるから!」
…可愛らしい声でそう言うと、未来は家の反対側とと走っていき姿が見えなくなる。
しばらくすると家の中からトタトタと言う走り音が聞こえ、そこから玄関を開けて我の目の前に出てきた。
何だか、さっき見た時より顔がキレイなような…。
「おまたせひびきちゃん!私の家にどーぞっ♪ 」
◇――小日向家・リビング――◇
家の中に入り、汚れた上着を脱いで未来に筆記で
『おふろのおけか、バケツにみずを入れて、入れたらわれをよんでくれ』と頼んだ後。響は改めて小日向家の部屋を見渡していた。
ちなみに子猫は響の腕の中にいる。
(…しかし、中も本当に広いな。上にはシャンデリアまである…。こんな所に我がお邪魔して良かったのだろうかと少し心配になるな…。)
…そう考えていると、未来の声が聞こえてきた。
「ひびきちゃーん!おふろわいたよ~!」
…え"っ?我は確か、桶かバケツに水をと言ってたハズなのだが…?ハズだよな…!?
――――――◇
…もしかしたら、我は何か言い間違いをしてしまったのかも知れない。そう思った我は、何故お風呂のお湯を溜めたのか聞いてみる事にした。
「うん、たしかにひびきちゃんはおみずいれてって言ったよ。でもひびきちゃんの体もベトベトだったからもう体もいっしょにあらった方がいいんじゃないかな~って思って…」
…ああそうか…、我を気遣って入れてくれたのだな…。
なら…。
「…………………ッ!!(訳)…せめて、…せめて一人で入らせてくれぇぇぇぇッ!!)」
「え? ひびきちゃん今なんて?」
…そう、今現在、我は未来と一緒にお風呂に入っているのである。
ああ、我がお風呂の使い方を教えてくれなんて言わなければこんな事にはーーー。
黒の王辺りに見られたら「このロリコンめ!!」と、言われて斬られそうな光景だ。
ん?男の誇り捨てたんじゃなかったのかと?永い時を共にした性は簡単に捨てきれなかったのだ。
…しかし、園児の身でどうやってお風呂を沸かしたのだろうか?気を紛らわす為に聞いてみよう。
キュ、キュ、キュ。
…お風呂の湯気で白くなった鏡を使って、響は言葉を書いた。
『いったいどうやっておふろのおゆをためたのだ?』 と。するとはっきり未来は答えてくれた。
「私のお家オールでんかなんだ、ボタンをおしてできあがりだよ」
『ピピッ お風呂が沸きました。ピピッ お風呂が沸きました。』
……オール電化貴様アアアアアァァァァァァァァァァ!!
…ってんん!?未来の顔がぐちゃぐちゃになっているではないか!何だか顔に絵の具をぶちまけた様な…。まさかーー!
…未来は、その我の驚いた顔を見ると、エヘンとまだない胸を張って立ち上がる。幼くとも女なのだから胸を隠してくれ。我も人の事を言えないが。
「えへへ、わかったひびきちゃん?私いまママのおけしょうつかってきれいになってるんだよ!」
…あぁ、だから玄関を開けた時きれいに見えたのか、その化粧が風呂の水分でぐちゃぐちゃになって今の顔に…。いや違う!
…我は高速で『水をかける目をつむって』と書き、未来がそれを最後まで見たのを認識すると、シャワーを動かして未来の顔に水を掛ける。
「っ!」
…少し驚いた様だが、それでもしっかり目を閉じてくれていた。
…そのまま我は、洗顔用と面に彫られていた石鹸を取りだし、泡立てて未来の顔を念入りに洗い、流した。あのドロドロに溶けていた化粧品もきれいに落ちていた。
…鏡に付いた湯気をシャワーで洗い流し、未来の肩を叩いて終わった事を伝える。
「んっ…?あっ~!!もうっ!何でおけしょうとっちゃたのひびきちゃん!!」
…片目を開け、鏡を見た事で化粧が取れたことを知った未来は頬をむくれさせ、怒る。
まあ子供は知らぬだろうし、未来が怒っても全く怖くない。むしろ愛らしさが勝つ。
…その言葉に響はお風呂の端にあった水滴を指で伝い、文字の形に並べることで対応した。
そこには「ソっチガキレイ」と書かれていた。
…子供の柔らかい肌で化粧をすると顔が荒れてしまう。
だからといってストレートに『体に悪い』と書いてしまって化粧を恐怖する可能性も捨てきれないので、すっぴんを褒める事で怖がらせずかつ、また化粧を使う可能性を排除したのだ。
『幼子に対するそのご気遣い、さすがグリーン・グランデ様!!そこに痺れる憧れるぅぅー!!』
byアイアン・パウンド ←グリーン・グランデの側近。
…黙るがいいパウンド。貴様を呼んだつもりはない。
…ん、未来が水滴文字を見たまま動かない…。どうしたのだ?
「ひびきちゃん、あの…ごめんね…。」
…トラックの事か。
「あの…、こんなになっちゃたけど、ひびきちゃんがうちにきてくれたこと…うれしくて、つい、あんなことしちゃったんだ…」
…そうか、我を歓迎するために化粧をしてもてなそうとしたのだな…。そうか。
…これが友達か…。
「……………(訳)…心配するな未来、我はこの通りピンピンしている。化粧をしてまで我を迎え入れようとしてくれた事は感謝する…。だがもう化粧はするな、今の未来の優しさで十分だからな…。)」
「………」
そういった響は未来の肩に手を置き、水滴文字を指差す。そしてやさしく未来の頭を撫でた。
グリーン・グランデはーー…響はこの時未来の表情に気づかなかったが、その時の未来の心には、様々な感情がまぜこぜになっていた。
自分の顔を褒めてくれた嬉しさ、許してくれた事への喜び、トラックに打ち勝つ強さ、そして―
友達という意味ではない…。彼女に、響に『愛されたい』という、本来あり得ない、否、あり得てはいけない禁断の感情が…、織り混ぜられていた。
ぜんぶ…ぜんぶ、ホシイ。ホシイヨ…、響が…欲しいよ…。
「ねえ…、ひびきちゃん…」
「…?」
「響ちゃんの名前、呼び捨てで呼んでも、いいかな…?」
「……?…」コクンッ
その時、未来はとても五歳だとは思えない妖艶な笑顔を、こっそりと浮かべた。
しかし、その時彼女は顔を伏せていたため、響にソレを知るすべはなかったーーー。
―――――◇
…それから我は、未来に洗いっこしようと誘われ、断りきれずに洗いあう事になった。
…未来は風呂場で動くのに慣れてないのか、よく手を滑らせて我の体に当たってしまったり、我の前で転げてしまったりと危なっかしいので、汚れた服を洗うのは我が担当する事した。
…しかし、我らは一つの問題を解決せねばならない。
…それは二人で拾ってしまったこの猫をどうするかだ。正確にはこの猫の名前だ。今は未来が紙に候補を考え、書いている。
…ここは普通飼うかどうかの議論が普通だろうが、未来が候補を書いている間、試しに家に電話してみた所。
「飼ってもいいわよ。可愛い響のためにもなるもの♪」
…と、一つ返事で許可が降りてしまったのだ。そこは少し口論になる所であろうに、まぁ話が早くて助かるが…。
「ひびき~、私のかけたよ~。」
…あ、次は我の番か、いい名前を考えねばな。
◇―結果―◇
未来の命名候補
・響未(ひびみ)
・キティちゃん
・みびき(未来の"み"と響のひ"びき")
・ぬこ
・ポヨピョ
・もう一人の私、響に可愛がられてね。
響の命名候補
・ブラッド・レパード
・クロム・ディザスター
・アイアン・キャット
・アイアン・パウンド
・白いの
・黒いの
……何か可笑しいとか言うなよ…。我自身、自分のネーミングセンスの無さには呆れてる。ほぼパクりだ。
…さて、候補は揃った。ここからは硬い頭を柔らかくして考えなければまるないな。
と言うわけで猫の名前よろしく!
(丸投げする形になってしまってすいませぇぇん!!!(土下座!)