機動戦士ガンダムUC F   作:壊れゆく鉄球

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アクシズ防衛戦

エンドラⅡが本隊と合流した時、アクシズにある核パルスエンジンに火がついた。当然、すでに戦闘になっているので俺はバウに乗って母艦の防衛をやっている。

しかし、俺たちが使っている先のネオジオン戦争の時に使われた機体が見当たらないな。

 

《准尉!俺たちは防衛線を抜けてきた敵機を落とす。いいな?》

 

「了解ですザミュ大尉!」

 

遠くを見ると、ミサイルやMSの爆発の光より大きなものが見える。データベースでは熱量から核ミサイルだと判別しているが……ロンド・ベルはどっから調達してきたんだ?しかも普通のミサイルをダミーとして扱っているところを見ると数はそこまで多くないと思うんだが……。

 

ピピピピ!

 

「来た……!」

 

抜けてきたジェガンがビームサーベルを手に持って突っ込んでくる。こちらもビームサーベルを持って応戦する。時々切り払ってジェガンから離れようとするがジェガンはしつこく俺を狙ってくる。

 

「いい加減しつこいんだよっ!」

 

何度目か切り結んだ時にジェガンのシールドを足場にして離れる。すると、ジェガンのシールドからグレネードが発射された。

 

「なめるな!コッチにだってシールドに武装がついているんだよっ!」

 

メガ粒子砲を使ってグレネードを破壊し、また1射する。しかし、それはジェガンのシールドを破壊するにとどまった。

 

「逃がすかよ!」

 

シールドを破壊されたジェガンはビームライフルを撃って後退しようとするが、俺が撃ったビームライフルが数発被弾し爆散した。

 

「スゴイ戦場だな。ビームの軌跡がいろんなところにある。流れ弾に注意しなくちゃ」

 

通信を聞く限りシャア総帥もアクシズ防衛のために出撃しているらしい。見られているわけないと思うが無様な姿は見せられないな。

 

《カイト准尉出すぎだ!前にいる敵は本隊の奴らに任せておけ!》

 

「了解、失礼しました!」

 

返事をしながらミサイルにビームを撃つ。ジェガンに母艦から離され過ぎたか……!

 

《エンドラ隊各機へ。もう少し前線へ出てアクシズの防衛を!》

 

『了解!』

 

だったら最前線とアクシズの間にいればいいか?

 

ピピピピ!

 

「ミサイルか!なに!?勝手に爆発しただと!?」

 

ビームの光が全く見えなかったぞ!いや、前方に1機味方機がいる。データベースには『ヤクト・ドーガ』と示されている。奥の方にもサザビーとともに赤いのがいる。

 

「アレは確か俺たちの最新鋭機でニュータイプ用だったはずだ。噂じゃあルナツーの核を奪いに行ったって聞いたが……もしかして分隊がコッチに到着したのか……?」

 

《そこの君聞こえるか?》

 

この声はシャア総帥!?モニターにはほかに民間人のような少女もいる。アクシズに民間人いたっけ?この人もしかして……あっ。

 

「はっ!聞こえております!」

 

《このヤクト・ドーガをアクシズに持ってってくれ。頼んだぞ》

 

「はっ!了解しました」

 

赤いヤクトドーガを回収するが、右腕が破壊されておりパイロットも載っていない。さっきの少女が乗ってきたっていうのか?ウソだと思いたいが……。

 

「ザミュ大尉、テルス少尉!援護お願いします!」

 

《任せろ!》

 

《わかった》

 

総帥からの直接言われたんだ。これは絶対成功させなくちゃいけないな。

 

「ビームの光が少なくなって……連邦が引いてってるのか」

 

それに合わせてギラ・ドーガの部隊も戻ってきている。総帥のサザビーは未だに動いていないがじきに帰還するのか。

 

《だがこれは所詮第一派だ。すぐに第二派が来るかもしれん。早く戻ったほうがいい》

 

「そうですね」

 

ペダルを踏んでさらに加速させる。しかし、このヤクト・ドーガってヤツには何かを感じる。なんなんだこの感じは。

 

 

 

「ナッターの部分交換できます?さっきの戦闘で結構雑に扱っちゃったので」

 

「戦闘記録を見ればそうだがフレームは歪んでないしケーブルも交換したから無理だな」

 

「そうですか……。じゃあ戦闘が始まったらナッターの部分をいつでも飛ばせるようにできます?」

 

「そこはほかの奴らと相談だな。俺の独断じゃあ無理だ」

 

「そうですか……」

 

「シャワーでも浴びて来いよ。戦闘になる前にすっきりしたほうが気分もいいだろ?」

 

「そうっすね。じゃああとは任せます」

 

「任された!」

 

シャワーを浴びるついでになんか食べに行くか。旧世紀の東洋にいたサムライも『腹が減っては戦はできぬ』って言ってるからな!

 

 

 

味気ない宇宙食を食べ、シャワーを浴びて大体大体30分ぐらいに発進命令が出された。今度は俺たちも本格的に前に出るようだ。

 

「前方に味方機が2機いる。ヤクト・ドーガと新型の……MA!?先行してロンド・ベルの部隊を倒しに行くのか」

 

《准尉、艦長はさっきあー言ったが基本的にはさっきとあんまり変わらないからな》

 

「わかりました」

 

前方に爆発の光……あのMAがやったのか!?スゴイ火力だ。なんだ!?ヤクトが白いMSを追ってどっかに言ったと思ったらMAもどっかに行きやがった!後続のジェガンの相手をやってくれよ……。

 

「でも数は減らしてくれたからいいか」

 

《准尉、今までとは違って大部隊だ。気を抜くなよ!》

 

「了解……!」

 

シールドのメガ粒子砲とビームライフルを撃ちながら前進する。確かに今までと違う。この攻撃を防がないで避けているからな。ここで分離するのは悪手か。すると、何機がか抜けていくのが見える。

 

「抜けられた!?この野郎!」

 

《准尉!どこに行く!》

 

ここはギラ・ドーガに任せておけばいい。それよりも抜けていったジェガンを落とさなくては……!

 

「行かせるかっ!」

 

ビームライフルを撃ちながらサーベルを抜刀、切り結ぶ。しかし、それだけでは終わらずにバーニアを吹かしてデブリに叩きつける。

 

「貴様らとは推力が違うんだよ!」

 

グレネードを発射し、新たに来たジェガンと切り結ぶ。こっちはほとんど止まっていたのに対し向こうは加速しながら切りかかってきた。比べるまでもなく押される。ここはパワー勝負するべきではないか……!

 

そう考え、ジェガンのシールドを蹴って距離をとる。先ほどとは違いこのジェガンは距離を詰めようとはせずにビームライフルで応戦してきた。

どうする?そう思ったら、ジェガンの両腕が切り裂かれ爆発した。

 

《カイト!独断行動をするんじゃない!死にたいのか!》

 

「しかしj《しかしでもなんでもない!おまえの勝手な行動で味方が死ぬのかもしれないんだ!覚えておけ》……了解」

 

《説教はこれくらいでいいとして補給に戻るぞ。推進剤を使いすぎた》

 

「了解(ピピピピ!)なんだ!?」

 

《うぉぉぉ!!》

 

「大尉!?うわぁぁ!」

 

警告音が鳴った瞬間にモニターが真っ暗になった。ディスプレイで損傷具合を確認すると、頭部と左腕がやられていた。サブセンサーでモニターが復活するが、一部が映し出されていない。

 

「ザミュ大尉!大丈夫ですか!」

 

《頭部をやられた。撤退する》

 

「自分も撤退します。つかまってください。……っとその前に」

 

バウを分離し、ナッターをロンド・ベル艦隊に向けて発射する。これならある程度軽くなったぞ。ついでにビームライフルを回収しておく。

 

「では行きますよ」

 

《……安全運転でな》

 

「善処します!」

 

ペダルを踏んでトップスピードで行く。ドライセンのバーニアもありかなり速い。

 

ピピピピ!

 

あともう少しで母艦に着くというところでセンサーが反応した。

 

「後方に敵3。ジェガンの一個小隊か」

 

《准尉、先に戻ってろ。こいつらの相手をする》

 

「いえ、相手をする必要はありませんよ。グレネードを撃ちます」

 

グレネードを発射してジェガンをけん制する。それとともに前方からギラ・ドーガの小隊がジェガンに向かってビームマシンガンを撃ち始めた。

 

《エンドラⅡ、こちらザミュ大尉のドライセンとカイト准尉のバウだ!受け入れの準備を!》

 

《了解!……信号確認、着艦を許可します》

 

減速してカタパルトに着艦する。そのままMSデッキに入る。

 

「ふぅ~~。ヘルメットは外せんがこれで一息つける」

 

《カイト准尉!なんだこの損傷は!?》

 

「……気がついたらやられていたんですよ。何が起きたかはこっちが聞きたいくらいです」

 

《何はともあれよく帰ってきた。しかし……肩は付け根からやられて頭部もやられている。さすがにこの機体で戦いには出せねえなぁ》

 

「えぇ!?じゃあほかに使えるMSは!」

 

ここで俺はリタイヤなのか!?友軍は未だに戦っているのにか!?冗談じゃない!

 

《調べておく!何かあったら連絡するからなんか食べて来い!》

 

「さっき食べたばっかで入りませんよ!」

 

《なら邪魔にならないところで待機していろ!》

 

「りょーかい」

 

確かに俺は今邪魔か……。悔しいけど俺は艦でお留守番かよ……!でも何かあるかもしれないから待機ブロックで一睡しておくか……。

 

つづく




ちなみにですがバウとドライセンをやったのはνガンダムです。

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