桜才学園での生活   作:猫林13世

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あの人が二人の関係に迫る……それから前回から非ログイン状態でもコメント出来るようにしました。


二人の関係

 我々生徒会は中庭の花壇の手入れをする為に外に来ていた。それにしても随分と雑草が伸び放題だな……なんだか私のあそこみたいだ。

 

「って! 誰がボウボウヘアーだ!」

 

「シノちゃん?」

 

「どうかしたんですか?」

 

「いや、何でもない……」

 

 

 偶に萩村がするような自分の考えにキレてしまった……なるほど、萩村もこんな気持ちになるのか。

 

「萩村」

 

「何でしょう?」

 

「お互い大変だな」

 

「はい?」

 

「えぇ!? スズちゃんもボウボウなの?」

 

「いや、違うだろ……って! 私もボウボウじゃないぞ!」

 

「……何の話してるの?」

 

 

 津田にツッコまれて私たちは現実に復帰する。そうだったな、我々は花壇の手入れをしに来たんだった。

 

「な、何か触った……目に見えないものを触ると言うのはなかなかの恐怖だな」

 

「そうだね~お尻の穴以外」

 

「それも込みで」

 

 

 津田のツッコミを聞いたアリアが立ち上がり何処かに行こうとした。

 

「どうかしたんですか?」

 

「ちょっとお花を摘みに行ってくるよ~」

 

 

 アリアが居なくなってから私は気になった事を津田に聞く事にした。

 

「如何してトイレに行くことを『お花を摘みにいく』と言うんだろうな?」

 

「さぁ? でも別に気にする必要無いんじゃないですか?」

 

「だって隠語になって無いだろ! 私たちには花びらがついてるから!」

 

「……萩村、そっち終わった?」

 

「もう少し」

 

「あれ?」

 

 

 津田が私をスルーして萩村との作業に集中してしまった。まったく私を無視するとはけしからんな!

 

「なぁ天草、少し聞いてくれないか?」

 

「横島先生、どうかしたのですか?」

 

 

 津田にスルーされてションボリしていたら横島先生がやって来た。

 

「実はさっき生徒に言われたんだが、私って早口なのかな?」

 

「如何でしょう……あっ!」

 

 

 さっき花壇を片付けていたら出てきた本を横島先生に見せる。タイトルはいたいげな少女だ。

 

「じゃあこの本のタイトルを読んでください」

 

「いたいけな……処女」

 

「今わざと飛ばしたでしょ」

 

「遊んで無いで会長も働け」

 

 

 背後で津田が睨みつけるような目を私に向けているのに気がつき、私は慌てて花壇の整理に戻った。しかも何時の間にか横島先生が居なくなってるし……

 

「シノちゃん、その本如何したの?」

 

「さっき花壇から出てきたのだ。後で生徒会室に持って行かなければなと思ってな」

 

「花壇に本があったの?」

 

「中身は確認してないが、タイトルからなかなか想像を楽しませてくれる本だ!」

 

「一緒に見ようね!」

 

 

 アリアとキャッキャウフフな会話をしていたら萩村と津田が呆れた顔をしていた。やっぱり私たちの次の代も生徒会は安泰だな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 バイトでレジ作業をしていたら見知った顔が店にやって来た。

 

「五十嵐さん」

 

「あら、津田君。此処でバイトしてたんですね」

 

「五十嵐さんは珍しいですね。ファストフード店に来るイメージ無かったんですが」

 

「私がお誘いしました」

 

「畑さん……」

 

 

 なるほど、畑さんが一緒なら何となく理解出来るな……でもこの二人、休日も一緒に行動してるんだな……

 

「あら、英稜の会長が居るって聞いてきたんですけど」

 

「魚見さんなら今日は休みですよ。その代わり森さんは今休憩中ですけど」

 

「何と、副会長も此処でバイトしてたのですか! それはスクープ」

 

「何でそんな事まで取材してるんですか……さて、ご注文はお決まりですか?」

 

「私はハンバーガーのセット、飲み物はお茶で」

 

「えっと……私も同じのをお願いします」

 

 

 五十嵐さんのぎこちない注文を聞いて、やっぱりこの人は普段来ないんだなって思った。まぁ俺もバイト以外では滅多に来ないけどな。

 

「津田さん、休憩どうぞ」

 

「分かりました。後今桜才の先輩たちが居ますので余計なことは話さない方が良いですよ」

 

「如何いう意味ですか?」

 

「ぶっちゃけると畑さんが来てます」

 

「なるほど」

 

 

 森さんも畑さんの存在は知っている。まぁ英稜で大量に桜才新聞を購入してるし、新聞部部長の畑さんが英稜の生徒会の人と面識があってもおかしくは無いしな。

 

「こんにちは」

 

「魚見さん? 今日は休みですよね?」

 

「今日はお客として来ました。ビッグバーガーセットをください。飲み物はコーラで」

 

 

 結構食べるな……魚見さんにはビックバーガーは多いと思うんだけどな……まぁそこら辺は個人の自由だし。

 

「じゃあ俺は休憩に入ります」

 

「はい、分かりました」

 

 

 森さんと交代で俺は事務所に引っ込む。丁度知り合いが来てるタイミングだったから良かったな……なんだか面倒な事が起きそうだし。

 

「津田君、さっきの二人は知り合いかい?」

 

「はい、学校の先輩なんです」

 

「津田君って部活やってないよね? 上級生の知り合いが居るんだね」

 

「まぁ生徒会役員ですし」

 

 

 畑さんは問題行動ばっかりだし、五十嵐さんは風紀委員長として生徒会にいろいろと用事があるし。

 

「そういえば津田君も生徒会役員だっけ。魚見くんや森くんは会長と副会長だって聞いたけど、津田君の役職は?」

 

「俺も副会長です」

 

「へーこの店の高校生は優秀だね。魚見くんは学年トップだって言ってたし、森くんも上位だって言ってたしね。君も上位なのかい?」

 

「高校に入ってから二位の事が多いですね」

 

 

 萩村には勝てないし……下の轟さんとの差も大きかったり小さかったりと忙しいけどな。

 

「おや? 表がちょっと騒がしい気がするな」

 

「……ちょっと行ってきます」

 

 

 畑さんが森さんにいろいろと質問してる所為で、他のお客さんの迷惑になってるようだった。あの人はこんな場所でも騒がしいんだな……

 

「畑さん、他のお客様に迷惑ですので大人しくしてください」

 

「じゃあ津田副会長と森副会長の関係を教えてくださいよ」

 

「関係って? 俺と森さんはバイト仲間で知人ですけど」

 

「本当にそれだけ~? 最近はやたらと一緒に居るところを目撃されてるみたいですけど」

 

「駅まで送ってるだけですよ」

 

「何だ~ツマラナイの~」

 

 

 畑さんのくだらない追撃を片付けて俺は裏に戻る。何だかざわついたような気がしたけど気のせいだよな?




見方を変えれば営業妨害ですが……

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