桜才学園での生活   作:猫林13世

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氏家先生、お疲れさまでした


原作最終回特別記念

 数年に一度の大雪で授業が無くなってしまったが、お祭り好きな会長の一言で雪まつりが開催されることになった。ちなみに参加は桜才学園の関係者が一人でもチームに入っていれば外部の人間でも参加できる、地域密着型のイベントとなっている。

 

「昨日告知したっていうのに、結構参加者が集まってますね」

 

 

 昨日の時点でこの状況は想像で来ていたので、昨日のうちにブログで告知していたのだ。その結果参加者がかなりいる大きなイベントとなっている。

 

「さて、私たち生徒会は何を作るんですか?」

 

 

 タカトシが審査員として五十嵐先輩に連れていかれてしまったので、私たち生徒会チームは三人だ。女子三人では作れるものに限りが出てきてしまうが、桜才学園は元女子校なのでそこは気にする必要はあまりなさそうだ。

 

「これで右側も完成。後は真ん中に棒を立てて――」

 

「いろいろとアウトー!」

 

 

 左右対称の球体を作っていた会長にツッコミを入れる。本当に何を作ろうとしているんだ、この人は……

 

「おい萩村。私がその右の玉を作るのにどれだけ苦労したと思ってるんだ」

 

「アンタこそ、こんなことしたらどれだけの人が苦労すると思って――」

 

「シノちゃん、棒できたよ~」

 

「七条先輩!? そんな物持ち歩てたら――」

 

「萩村、何を勘違いしているのか分からないが、これあれだぞ? ピー・アームストロング・サイクロンジェット・アームストロング砲だぞ」

 

「何か伏字入った!? てか、アームストロング二回言ってるから! そんな武器ないですから!」

 

 

 こんなものを他のチームに見られたら大変なことになりそうだ。

 

「おや~?」

 

「げっ!?」

 

 

 今一番見られたくない人がやってきたな……

 

「畑さん、これはその……」

 

「生徒会チームはネオ・ピーーーーーーー・サイクロンジェット・アームストロング砲ですか。完成度たっけーな、おい」

 

「えっ!? あるの!? 私だけ知らないの!?」

 

「江戸後期、黒船に搭載されておりこの武器があったから開国を余儀なくされたと言われている兵器」

 

「こんなダサい武器に屈したの、この国はっ!?」

 

 

 てか、伏字の場所が変わったような気が……

 

「畑か。新聞部は何を作ったんだ?」

 

「みますか? タイトルは『スクープを求めて』。モデルは恥ずかしながら私です」

 

「凄いですね!」

 

 

 雪像に躍動感があり、背中に生えている翼もその感覚を助長している。これは優勝候補かもしれないわね。

 

「畑よ。スカートが短すぎるからちゃんと既定の長さに直さないとな! 私がやってやろう」

 

「ちょ、会長! それバランスが――」

 

 

 生徒会長としては正しい行動なのだが、雪像にまで校則を適用する必要があるのかと思っていたのだが、どうやらライバルチームを潰したかっただけのようだった。

 新聞部の雪像を破壊して、自分たちのブースに戻った私たち。何だか悪いことをした気がしてならないのよね。

 

「アリア、良いこと思い付いた。翼付けよう、翼」

 

「シノちゃん天才! 何でそんな事思いつくの?」

 

「いや~、何かフッと降りてきたんだよな」

 

 

 完全にさっきの新聞部のパクリよね……

 

「スズちゃん」

 

「ネネ」

 

「あら? これ、ネオ・アームストロング・ピーーーーーーーー・アームストロング砲じゃない。完成度たっけーな、おい」

 

「また伏字が……」

 

「当時無敵艦隊と恐れられていたスペイン軍をたった一撃で壊滅させたと言われている恐ろしい兵器が何故ここに」

 

「さっきと違うしっ!? てか恐ろしさが上がってるし」

 

 

 こんな見た目なのに凄い武器なのね……

 

「ロボ研も参加してたのね」

 

「そうだよ。コンセプトは、老若男女問わず楽しめるもの」

 

 

 そう言ってネネに案内された場所には、某機動戦士を彷彿させるロボに、滑り台が付けられていた。

 

「確かに男性や子供は楽しめそうだけど、女性は?」

 

「実はこの滑り台の下には大きな一物が――」

 

「ハイ撤去!」

 

 

 会長が一物を破壊したら、その衝撃で滑り台まで壊れてしまった。これじゃあまたライバル潰しだと思われてしまうんじゃないだろうか……

 なんとも言えない気持ちで自分たちのブースに戻ってきたのだが――

 

「天才じゃない? 普通滑り台付けようだなんて思いつかないぞ」

 

「何かフッと降りてきたんだよね~。イ〇ポテーションかな」

 

「インスピレーションだ!」

 

 

 タカトシがいないから絶好調なんだよな、この人たち……

 

「よーす、生徒会役員共」

 

「横島先生……」

 

 

 厄介な人が現れたわね……いろいろな意味で。

 

「おっ、これネオ・アームストロング・サイクロンジェット・ピーーーーーーー砲じゃねぇか。完成度たっけーな、おい」

 

「最早原型留めてないけどね」

 

 

 違うアニメでもこの人の声で聞いたことがあるようなないような……って、私は何を言ってるのかしら。

 

「某北の将軍がIC〇Mとどちらを開発するか悩みに悩んで、結局日の目を見ることが無かった悲しき兵器」

 

「情報がさっきから違い過ぎるんだよな……」

 

 

 最早どれが本当なのか分からないし……

 

「てか、先生も参加してたんですか?」

 

「出島さんとタッグを組んでな!」

 

「お嬢様と別のチームなのは悲しいですが、横島様のアイディアは私も興味があったので」

 

 

 その二人が作った雪像は――

 

「タカトシ? でも何で腕を振り上げてるの?」

 

 

――不自然な形に腕を振り上げているタカトシの像だった。

 

「実はこれにはギミックがあってな」

 

 

 横島先生がアイコンタクトを送ると、出島さんが何かを操作しだした。

 

「あっ、威力が最大のままに――」

 

「横島ナルコに向けてスパンキーング!?」

 

 

 雪像に吹き飛ばされて横島先生が何かおかしなことを言ってフェードアウトしていった。

 

「おや、桜才の生徒会の皆さん」

 

「魚見さん」

 

 

 何でこの人がここに……

 

「あら? これネオ・アームストロン・サイクロンジェット・アームストロングピーじゃないですか。完成度たっけーな、おい」

 

「違うから。最早別物だから、これ」

 

「視線だけで女性を逝かせるなんて、相変わらずドSなアームストロングですね」

 

「何ッ、結局何なのアームストロング砲」

 

 

 本当に分からないわね……てか、魚見さんは何故ここに?

 

「カナが何でここにいるんだ?」

 

「コトちゃんに手伝いを頼まれましてね」

 

 

 そう言って案内された場所には――

 

「どうですか会長! 私の力作は!」

 

 

 物凄いお城が二つ建てられていた。

 

「タイトルはアレフ〇ルドにあるラ〇ドーム城と魔王城です!」

 

「この情熱を勉強にも向けられたら、タカ君の苦労も報われたんだろうけどね」

 

 

 物凄い城を目の前にして、会長と七条先輩が慌てた様子……何があったのかしら?

 

「ところで、シノっちたちは何を?」

 

「私たちはそのー、あれだよ」

 

「会長?」

 

 

 私が声を掛けると、会長と七条先輩に引っ張られてこの場から離される。

 

「どうしたんですか?」

 

「恥ずかしい! 私たちいったい何を作っていたんだ。ネオ・アームストロング・サイクロンジェット・アームストロング砲って何? あんなのただのわいせつ物じゃないか!?」

 

「遂に伏字が無くなった!? てか、やっぱり存在しなかったのかよ!」

 

 

 やっぱり存在しなかったものだったのね。てっきり私が知らない知識を皆が知ってるかと思って焦ったわよ。

 

「そこまで! これより審査に入りますので、作った雪像には手を触れないでください」

 

 

 無慈悲にも五十嵐さんの宣告により、会長たちは作ったものを壊すこともできず、タカトシにこっ酷く怒られたのだった。




いつかやりたかったこのコラボ、分からない人は調べちゃダメですよ

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