桜才学園での生活   作:猫林13世

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生徒会役員の胸囲は……


気になる胸囲

 生徒会の作業中、アリアが全員分のお茶を用意してくれた。普段から生徒会室でお茶をする時はアリアが用意してくれるのだが、毎回タカトシは申し訳なさそうに頭を下げている。

 

「お茶淹れたからちょっと休憩にしよ~」

 

「すみません、アリア先輩」

 

「気にしなくていいよ~。タカトシ君が淹れてくれるお茶よりかは味は落ちるかもしれないけど」

 

「そんなこと無いですよ。アリア先輩が淹れてくれるお茶はとても美味しいです」

 

「二人で雰囲気作るの禁止! アリアはこの前のボイスドラマからぐいぐい行き過ぎじゃないか?」

 

 

 何となくいい雰囲気になりつつあったので、私は無理矢理二人の間に割って入って雰囲気を霧散させた。

 

「アリア先輩は良いお嫁さんになるでしょうね」

 

「タカトシ君がもらってくれるなら、今すぐにでも――」

 

「タカトシはまだ十七だ! 結婚は出来ないぞ!」

 

「さっきから何でそんなに大声を出してるんですか?」

 

 

 私が苛立ってる理由が分かっていないのか、タカトシは不思議そうに私を眺めている。一方で萩村は、私と同じ気持ちなのかタカトシを睨みつけている。

 

「結婚云々は置いておくとして、新妻のG・O・Wはやってみたいな」

 

「何ですか、それ?」

 

「おかえりなさい、アナタ。ご飯にする? お風呂にする? それとも、わ・た・し? というやつだ」

 

「あぁ、この間義姉さんがやってましたね。何故か最後がタワシだったですけど」

 

「カナならありえそうだな」

 

「どういう意味だったんですか?」

 

「タカトシは分からなくて良い世界だからな」

 

 

 性知識に疎いタカトシは、タワシ洗いの意味が分からなかったんだろうな……というか、カナは何をしているんだか……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 教室でスズちゃんとお喋りしてたら、窓際で津田君と柳本君が何かを話しているのが視界に入った。

 

「あの二人、何を話してるんだろう?」

 

「二人? あぁ、タカトシと柳本ね……」

 

 

 スズちゃんと二人で窓際に移動すると、どうやら柳本君が津田君に何か相談しているようだ。

 

「何話してるの?」

 

「あぁ……好きなアイドルが結婚してしまってな……これからは何を楽しみに生きていけばいいのか分からなくなってしまったんだ」

 

「くだらないわね」

 

 

 スズちゃんがバッサリと斬り捨てたけど、私は柳本君にアドバイスしてあげる事にした。

 

「結婚した事により、人妻属性が追加されたと思えば良いんだよ」

 

「なるほど! そんな考え方があったとはな! これで明日からも頑張っていけそうだ」

 

「前向きになったのは良いけど、今度の試験は手伝わないからな?」

 

「「えぇ!?」」

 

「何で三葉まで驚いてるんだよ……」

 

 

 津田君が柳本君に容赦なく言い放ったら、何故かムツミちゃんまで驚いていた。まぁ、私も最近津田君やスズちゃんに教わって漸くな成績だし、二人の気持ちは分からなくもないけどね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 放課後の見回り中、私は何となく昨日の両親の喧嘩風景を話した。

 

「――という感じで、母がテレビに嫉妬してたんですよね」

 

「仲が良くて良い事じゃないか」

 

「私もそういう経験があるな」

 

「横島先生……どこから聞いてたんですか」

 

 

 廊下の角からいきなり現れた横島先生に驚きながらも、私はなんとか驚いてない風を装って尋ねた。

 

「偶々聞こえただけだ。テレビくらいで喧嘩になるとは思って無かったんだ」

 

「ちなみに、横島先生はどんなシチュエーションで?」

 

 

 ウチの両親は、食事中にテレビを見たことで喧嘩になったのだが、横島先生は結婚してないから、どういう状況なのか分からないのよね……

 

「営み中に好きな俳優のドラマを見てたら――」

 

「そりゃ喧嘩になるだろ! というか、どんな状況だ!?」

 

 

 私のツッコミに満足したのか、横島先生は職員室に戻っていった。

 

「まったく、何がしたかったんでしょうかね……あれ? このベスト、大きい」

 

「それ私のだよ~」

 

「す、すみません!」

 

 

 作業するために脱いでいたベストを着ようとしたら、間違えてしまったようだ……

 

「あれ? このベスト、胸の所がキツイような……」

 

「それは私のだー!」

 

「ご、ゴメン!」

 

 

 どうやら七条先輩のベストではなく、天草会長のベストだったようで、なんだか会長がフルボッコになってしまった感じだ……

 

「すみません、会長。私が間違えたばっかりに……」

 

「良いんだ。アリアの胸が大きいのも、私の胸が小さいのも、萩村の所為じゃないからな……」

 

「というか、また大きくなってるような気がするのは気のせいなんでしょうか?」

 

「いや、私もそう思っていた……」

 

「あの?」

 

 

 私と会長で七条先輩の胸を凝視していたら、七条先輩が恥ずかしがってタカトシの背後に隠れてしまった。

 

「何してるんですか?」

 

「いや、ちょっと観測してただけだ」

 

「観測? いったい何を測ってたんですか?」

 

「目測でアリアのバストサイズを」

 

「シノちゃん!? そんな恥ずかしい事しないで!」

 

「別にタカトシに言うわけじゃないんだから、そこまで恥ずかしがること無いだろ」

 

「それでも恥ずかしいよ」

 

 

 前はノーパンで過ごしてた人とは思えない発言だけど、これが普通なのよね、たぶん……




大きさなんて気にしなくてもいいんじゃないんですかね?

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