桜才学園での生活   作:猫林13世

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体育祭の競技決めです


希望のパン…

 二学期になり、休み明けテストも終わった今日、生徒会では重要な会議があると言う事で新しくなった生徒会室に向かう。

 

「萩村、今から生徒会室か? 一緒に行かない?」

 

「そうね、目的地が一緒なら別々に行く必要も無いしね」

 

 

 廊下で萩村と会ったので一緒に生徒会室に向かう事にした。それにしても今回のテストも萩村に勝てなかった……

 

「萩村ってどんな勉強してるんだ?」

 

「何、急に?」

 

「いや、休み明けテストも萩村に勝てなかったし……」

 

 

 今回は自信あったんだが、萩村に15点届かず負けた。500点満点で500点なんてありえないと思ってたぞ……

 

「アンタだって十分凄い点数だったじゃない。三位と40点以上離れてるんだから」

 

「そうだけどさ……」

 

 

 何時か萩村に勝てる日は来るのだろうか……

 

「遅いぞ!」

 

「もう会議始めちゃってるよ~」

 

 

 ホワイトボードには体育祭の競技と思われるものが書かれているのだが……

 

「随分と酷い体育祭だったんですね」

 

「去年まで女子高だったからな」

 

「女子校生ばっかだったもんね~」

 

「アリア、誤字は駄目だぞ!」

 

「あっそっか! 公的には女子高生だったね~」

 

「……何の話?」

 

「私に聞かないでよ……」

 

 

 良く分からない事を言うのは何時もの事なのでスルーする事にした。

 

「おーす」

 

「横島先生」

 

「良いものがあるじゃない!」

 

 

 何だか楽しそうにホワイトボードに近付いて、徐にマグネットを手に取った横島先生。

 

「これでよし!」

 

 

 書かれていた高の字の上にマグネットを置き、満足そうに生徒会室から出て行った。

 

『女子○生』

 

 

 あの人は何をしたかったんだろうか……

 

「今年から共学だからな。新しく考えなければいけない」

 

「リレー、借り物競争、玉入れ……」

 

「何を言ってるんだ君は!」

 

「ん? 何かおかしな事言いましたか?」

 

 

 自覚無かったんだが、何か間違ってたのだろうか……

 

「入れるのは竿だろ!」

 

「……竿?」

 

 

 意味が分からないので萩村を見た。すると萩村は真っ赤になって視線を逸らした。

 

「七条先輩、会長の言ってる意味が分かりません」

 

「あのね……」

 

「うわぁ~!」

 

「「!?」」

 

「萩村、如何したんだ?」

 

 

 急に悲鳴のような声を出した萩村に、会長と七条先輩は驚いたようだった。

 

「会長! 男子が居るクラスと居ないクラスで戦力に違いが出ると思います!」

 

 

 何かを誤魔化すように一気に言い切った萩村を、俺は不審に思ったが、特に追求する事無く萩村の意見に賛同した。

 

「確かに一年には男子が居ますし、居ないクラスもありますからね。何かハンディを付けなければいけませんかね?」

 

「ハンディか……男子は前日限界まで自家発電を!」

 

「発電? 自転車でも漕ぐんですか?」

 

「津田君、ここはボケるところじゃないよ?」

 

「……面倒なんで、ツッコミ放棄したかったんですよ」

 

 

 さすがにそれくらいの知識はある。だが面倒だったから知らないフリで済まそうとしたんだから余計な事は言わないでほしかった……

 

「男子は参加競技に制限をつけるって言うのは如何です? リレーとかだとやはり男女差が顕著に出ると思うんですよ」

 

「そうだな! さすが津田だ! 桜才のパイオツマニアとして生徒会にスカウトした甲斐があったな!」

 

「……パイオツ?」

 

「スマン、パイオニアを噛んでしまった」

 

 

 随分と酷い噛み方をしてるな……

 

「だけど津田君は色々な競技に出ると思うよ~」

 

「何でですか?」

 

「だって津田君の運動神経の良さはクラスの皆は知ってる訳でしょ~? そうなると他の男子の代わりに出れる競技には全部津田君が出させられると思うんだけど」

 

「……ありそうで嫌ですね」

 

 

 柳本をはじめ、他のクラスメイトの考えそうな事だ……自分たちは応援で忙しいとか言い出しそうだな。

 

「パン食い競争では、色々なパンを試してみようと思うんだが」

 

「例えば?」

 

「メロンパンなんて如何だ?」

 

「シノちゃん、それってシノちゃんが好きなパンじゃない?」

 

「そ、そ、そ、そんな事無いぞ! メロンパンは皆好きだろ!」

 

「そうかな~? スズちゃんは何が良いと思う?」

 

「私は極長のフランスパンで」

 

 

 そっか、萩村は届かないのか……それだったら参加しなければ良いんじゃないのか?

 

「何か味付けるか?」

 

「フレンチトーストで」

 

「津田君は何か意見ある?」

 

「いえ、俺は特に……そもそも自分の意見を無理矢理通そうとは思ってませんよ」

 

 

 それこそ生徒に意見を求めるべきだと思うんだが。

 

「こう言う時こそ目安箱の出番だな!」

 

 

 そう言えばそんなものあったな……目安箱でパン食い競争のパンの希望を取った所……

 

「一番多かったのは津田のパンツなんだが」

 

「誰だふざけたのは!」

 

 

 パンだって言ってるだろうが!

 

「その次が七条先輩のパンツですね」

 

「あら残念。私穿いてないんだ~」

 

「穿けよ! てかまたパンツかよ!」

 

 

 もう駄目かもしれないな、この学校……パンだって言ってるのに、何故皆パンツを求めるんだよ……

 

「次に多いのが五十嵐先輩のパンツですね」

 

「それなら用意出来そうね!」

 

「する訳ねぇだろ! そもそもパンだって言ってるだろうが!」

 

 

 最早アンケート内容が欲しいパンツになってるんじゃないだろうな……

 

「会長! アンケートがパンツになってます!」

 

「スマン、寝不足でつい……」

 

「そんなに忙しいんですか?」

 

「そうじゃなくて、シノちゃんは遠足の前日とかに寝れないタイプだから」

 

「……は? だって体育祭は来月ですよ?」

 

 

 まさかもう既になんて事は無いだろ……

 

「ち、違うぞ! 楽しみだなんて思って無いからな!」

 

「……既にそうなってるんですね」

 

 

 早すぎるだろ……これから一ヶ月寝不足で過ごすつもりなのかよ……とりあえずアンケートは取り直しだな。




オチを寝不足での書き間違いにしました。

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