桜才学園での生活   作:猫林13世

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ほんとに危ないな……


危険な遊び

 カナちゃんの脚の具合が思いの外良くないので、テニスは切り上げて室内で遊ぶことになったのだけど、この人数で出来る事って限られてるわよね……

 

「王様ゲームはこの前やってしまったしな」

 

「アリアっちがブチューってした時ですね」

 

 

 シノちゃんとカナちゃんが恨みがましく私の唇を見てるけど、王様の命令は絶対なんだから仕方なかったんだよ~?

 

「それでは、奴隷ゲームでもしてみますか」

 

「何だそれは?」

 

「王様ゲームと基本的ルールは同じです。ですが、命令するのではなくされる側を決めるのですよ、奴隷ゲームは」

 

「つまり、奴隷を引き当てたヤツが番号を指定し、指定された番号の人間が命令するというわけか?」

 

「YES! つまり、指名された番号の人が、奴隷にキスする事も可能に」

 

「性的要求は禁止するべきでは!」

 

「甘いな、五十嵐。キスくらいでは満足出来るメンバーじゃないだろ、この集まりは」

 

 

 まぁ確かに、キスくらいならセーフだって思う人が多いし、カエデちゃんだって狙ってるっぽいしね。

 

「つまり、お嬢様にキスする事が可能というわけですね」

 

「百合展開が多そうですね」

 

「何だか嫌な展開になりそうですね……」

 

 

 この中でただ一人難色を示しているのはタカトシ君。サクラちゃんとスズちゃんも嫌そうだけど、表立って反対はしていないのを見るに、タカトシ君の唇を狙っているのかもしれないわね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 多数決の結果、奴隷ゲームを行う事になった。ちなみに、反対したのはタカトシを除けば森のみ。なんだかんだ言っていたが、五十嵐の奴も賛成したのだ。

 

「命令する人数は?」

 

「初めは一人にしておきましょう。次第に二人、三人と増やしていき、最後は全員が命令する感じで」

 

「つまり、タカトシ様が最後に奴隷を引き当てた場合、ここにいる全員と合体する事に――」

 

「そういうのは禁止ですからね」

 

「そうだよ、出島さん。私今日危ない日だから、タカトシ君と合体したら出来ちゃうかもしれないもん」

 

 

 学校でないからか、今日はアリアのジョークが軽快だな……タカトシが頭を押さえているが、気にした様子も無いし。

 

「それではくじを引きましょう」

 

「ドキドキしますね」

 

 

 全員がくじを引き、誰が奴隷を引き当てたかを確認する。ちなみに、私は三番だった。

 

「あっ、最初は私が奴隷ですね」

 

「ほぅ、カナが最初の奴隷か……では、何番に命令されたいんだ?」

 

「シノっち、どことなく卑猥ですね」

 

 

 私の問いかけに楽しそうな笑みを浮かべたカナは、少し考えてから口を開いた。

 

「では、五番の方に命令してもらいましょうか」

 

「私ですか」

 

「いきなり出島さんかぁ……こりゃ凄い展開になりそうだな」

 

「ちなみに確認ですが、奴隷の方と他の番号の方を接触させるのはありなんですか?」

 

「むぅ……そんな展開もありかもしれんな」

 

「いや、無しでしょ……」

 

 

 萩村が珍しくツッコんできたが、タカトシも森も同じような表情をしているのを見れば、気持ちは萩村と同じなのだろうな……

 

「では、このゲームの提案者であるところのカナに決めてもらおうじゃないか。恐らく、多数決では決まらないだろうし」

 

 

 私とアリア、カナと出島さんは賛成だが、タカトシと萩村、五十嵐と森は反対するだろうから、この場合はカナに決めてもらおうに限る。

 

「では、それは奴隷がその都度ありかなしかを決めましょう。そのくらいの決定権は有してもいいですよね?」

 

「まぁ、本人が決めるのなら……」

 

 

 タカトシに問いかけ、それくらいならと了承を得たカナは、今回はありだと答えた。

 

「では、奴隷が三番の方に胸を揉まれる」

 

「私か」

 

 

 出島さんが指名した番号であるところの私は、カナの胸を強めに揉む。大きな胸など握りつぶされて小さくなればいいんだ。

 

「シノっち……そんなに強く揉まれたらイってしまいます」

 

「大概にしろよ!」

 

「おっと、ついつい力がこもってしまった……」

 

 

 タカトシにツッコまれ、私は我に返った。危うくカナを絶頂させてしまうところだったぞ……

 

「では、次に参りましょう」

 

 

 冷静に出島さんが進行しているが、どことなく鼻息が荒い気が……

 

「奴隷は誰だ」

 

「私です……」

 

「カエデちゃんか~。それで、他の人を巻き込むのはあり?」

 

「今回は無しで」

 

「分かった。では、誰に命令されたいんだ?」

 

 

 五十嵐は考え込むように全員を見渡し、出来る事なら私たちに当たってほしくないと願いながら口を開いた。

 

「一番の人……」

 

「私です」

 

「萩村か、つまらん……」

 

「スズちゃんじゃ面白い展開は期待できないわね~」

 

 

 無難に罰ゲームを済ませ、次の奴隷を決める。意外と面白いな、このゲームは。

 

「あっ、俺ですね」

 

「タカ君ですか……誰を指名してもキスの展開ですね」

 

「ベロチューはあり?」

 

「当然無しでしょうね」

 

「媚薬を流し込むのは?」

 

「無しに決まってるだろうが!」

 

「そのまま流れでタカ君を押し倒すのは?」

 

「少しは自重するって気が無いのか、アンタらは!」

 

 

 萩村がかなり頑張ってツッコミをしているが、こいつも選ばれたらキスするだろうし、それ以上を狙っているかもしれないんだよな……

 

「この、ムッツリロリが!」

 

「誰がムッツリだ! てか、ロリって言うな!!」

 

 

 私たちの不毛な争いを他所に、タカトシが真剣な目をして何番を指名するかを考えている。奴隷となった今、タカトシに拒否権は無いからな……ぜひ私が指名されたいものだ……




王様ゲームよりたちが悪いな……

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