桜才学園での生活   作:猫林13世

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まぁ、意識しちゃいますよね


罰ゲーム後の心境

 あの時はノリノリだったけど、時間が経つとちょっとずつタカトシ君と顔を合わせるのが恥ずかしくなってきちゃったし、シノちゃんやスズちゃん、カナちゃんの視線が会うたびに鋭くなってきている気がするんだよね……それでも、私より先にタカトシ君とキスをしたサクラちゃんとカエデちゃんは非難の目は向けてきてないのが救いだけど。

 

「お嬢様、最近如何なされたのでしょうか?」

 

「何でもないのよ。ただちょっと、生徒会室に顔を出し辛くなっちゃっただけなの」

 

「いったい何があったのでしょうか?」

 

 

 出島さんにこの間の王様ゲームで、タカトシ君とキスをしたことを話し、その後で気恥ずかしさが勝ってきたのだと説明すると、納得したように両手を叩いた。

 

「つまりお嬢様は、生徒会室に顔を出すと、タカトシ様の唇に目がいってしまい、尚且つ天草様、萩村様から非難の視線を浴びせられるのが辛いというわけですか」

 

「そうなのよね……タカトシ君は『気にしなくてもいいですよ』とは言ってくれてるんだけど、シノちゃんとスズちゃんがね」

 

 

 既にキスの経験があるタカトシ君はした直後は気まずそうだったけども、今ではあまり気にせず話しかけたりしてくれているのだ。問題はタカトシ君とキスした事が無いシノちゃん、スズちゃん、カナちゃんの三人と顔を合わせた時の気まずさなのよね。

 

「いっそのこと勝利宣言でもしてみたら如何でしょう?」

 

「でも、私より先にカエデちゃんと、サクラちゃんは二回もキスしてるわけだし、勝利ってわけじゃないもの」

 

「なら、開き直って今まで通りの付き合いを続けるよう努力してみては如何でしょう? タカトシ様はそのようにしているようですし、お嬢様もその流れに乗ってしまえば、おのずと元通りの空気になるでしょう」

 

「そうだと良いんだけどね~」

 

 

 出島さんに相談してスッキリしたので、私は学校へ行こうとして、既に普通に行くには絶望的な時間だったので、出島さんに運転を頼んだのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 人の事を言えた立場ではないのですが、七条さんがタカトシさんにキスしたのを見て、私は少し苛立ってしまいました。

 

「サクラっち、またイライラしてますね……あの日なのですか?」

 

「違います。てか、会長もだいぶイライラしてるように見えますけど」

 

「まぁ、私は経験ないから余計にしますよ、そりゃ」

 

「……ゴメンなさい」

 

 

 何だか私まで責められた様な気がして、思わず頭を下げてしまいましたが、別に会長は私を責めたわけではないのですよね。

 

「まさかゲームでタカ君の唇が奪われてしまうとは……先に性的な罰は禁ずると決めておけばよかったですね」

 

「でも、カナ会長だってちょっと期待していたのではないですか?」

 

「そそそ、そんなこと無いですよ~」

 

 

 あっ、やっぱり期待してたようですね……下手をしたら女子同士でキスをする確率の方が高かったのだから、タカトシさんと七条さんになって、ある意味健全な罰だったと言えなくもないのですが、それでもやっぱり面白くは無かったのです。

 

「とりあえず、これでタカ君とキスをしたことが無いのは、私とシノっちとスズポンの三人になってしまいました」

 

「いや、他にもたくさんいると思うのですが」

 

「主だってタカ君と行動を共にするメンバーでは、という事です」

 

「それなら、そうかもしれませんね……」

 

 

 妹のコトミさんは例外ですし、時さんや八月一日さんもあまり一緒に行動はしませんしね。

 

「なにか、打開策でもあればいいのですが……」

 

「強引に行けば、それだけタカトシさんに怒られる確率が高くなるだけですよ」

 

「そうなのですよね……しかも、私だけ圧倒的に不利ですし」

 

「何故です?」

 

 

 カナ会長だって、それなりにタカトシさんと会うのですから、不利だとしても圧倒的ではないと思うのですが。

 

「だって、シノっちは同じ学校の先輩後輩という間柄で、隙を見つければいつでも二人きりで行動出来るでしょうし、スズポンは加えてクラスメイトですから。しかも成績優秀者同士、話も合うでしょうし」

 

「カナ会長だって、同じバイト先ですし、そういう意味では外で会える会長の方が有利な気もしますが」

 

「最近は会う機会は減ってますし、どうしてもサクラっち同伴になってしまいますからね」

 

「まぁ、会長と二人きりにさせると、タカトシさんが大変そうですからね」

 

 

 ただでさえ学校で疲れているのに、カナ会長の相手までさせられたらいくらタカトシさんとはいえ体調を崩してしまうかもしれないですし。

 

「そもそも、サクラっちはお正月に二人でお参りデートをしてるのですから、私の邪魔をする権利は無いと思うのですが」

 

「デートって感じではなかったですけどね。普通にお参りをして、普通におみくじを引いただけです」

 

「それを世間一般ではお参りデートと言うのですよ!」

 

「そうなのですか? 本人が違うと言ってるんですから、違うと思うんですがね」

 

 

 タカトシさんもデートではないと説明してましたし、私もデートだとは思ってなかったので、デートでは無いのですが、周りから見たらデートだったのでしょうか……だとしたら、ますます七条さんの事を責められる立場ではないようですね、私は……

 

「とにかく、タカ君と親密になれる展開でも起こらないでしょうか」

 

「そうそうそんな展開にはならないと思いますがね」

 

 

 何を企んでいるのかは分かりませんが、とりあえず暴走しなければ止めないでおきましょう。これ以上会長が暴走したら、私でも止められませんし……




次回ついにウオミーが……

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