桜才学園での生活   作:猫林13世

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もうすぐ原作1巻が終わります


怪談と猥談

 期末試験も近づいてきた頃の生徒会室、この場所はテスト前だからと言って何も変わらない平常運転だ。

 

「1年用の女子トイレには、昔自殺した生徒の霊が出るらしい……と言う噂を最近耳にしたんだが」

 

「眉唾物ですね」

 

 

 試験前だと言うのに会長は余裕だな……俺なんか結構必死に勉強してるんだけど、こんなに余裕な態度なんて出来ないんだけど……

 

「そうなんだー。でも一応気をつけてね?」

 

「俺が如何言う状況で女子トイレに入ると?」

 

「非常にくだらないですね。高校生にもなってそんな作り話で盛り上がるなんて」

 

 

 萩村は特に気にした様子も無く生徒会の仕事をこなしている。怖い話とか苦手だと思ってたんだけど、見た目に反して大丈夫なんだな。

 

「……何よ?」

 

「ううん、何でも無い」

 

 

 思い込みは良く無いな。これからは気をつけなくては……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 数日後

 

「最近萩村さんと良く会うのだけど」

 

「何処でです?」

 

「2年用の女子トイレで」

 

「あ、私も最近会います」

 

 

 萩村~……やっぱり怖かったんじゃないか。

 

「津田副会長は平気なんですか?」

 

「……何がです?」

 

「いえね、萩村さんが2年用のトイレを使う理由は何となく分かるんで、津田副会長は気にしてないのかな~って」

 

「……七条先輩にも言いましたが、俺が如何言う状況で女子トイレに入るんですか?」

 

「津田君……貴方まさか!?」

 

「だから入らねぇっての!」

 

 

 如何してこの学校には人の話を聞かない人が多いんだ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 放課後、萩村と中庭を歩いている時にフト思い出したので聞いてみる事にした。

 

「なぁ萩村」

 

「何よ?」

 

「最近2年用のトイレを使ってるって聞いたんだけど、やっぱり怖いの?」

 

「んな! そんな事無い!!」

 

「おや~津田副会長に萩村さんじゃないですか~」

 

「ひぃ!?」

 

「畑さん?」

 

 

 こんな所で何してるんだこの人……

 

「こんな所で2人は何を?」

 

「見回りです。畑さんこそ何を?」

 

「桜才学園七不思議特集を組もうかと思って……聞きたい?」

 

 

 何処の学校にもあるんだなそんなの……

 

「………」

 

「萩村、何してるんだ?」

 

 

 横に居る萩村が耳に指を突っ込んでいた……もしかしなくてもそうなのだろうか?

 

「耳が痒いのよ。私に気にせず続けて」

 

「ではお言葉に甘えて……これは実際にあった話なのだけど、女子生徒が気分が悪くて保健室で寝ていたのよ。暫くしてから目を覚ましたら、シーツが血で染まってたそうよ」

 

 

 結構怖いな……畑さんが何時ボケるか気になって話しよりそっちに注意がいってしまう。

 

「何でも○理が近いの忘れててあててなかったみたいなの。うっかりよね~」

 

「やっぱりボケたな! ……それで今の話の何処が怖いんですか?」

 

「大丈夫! ちゃんと怖くなるように脚色するから」

 

「駄目じゃん新聞部!」

 

 

 畑さんが話せばそれなりに怖い話に思えるけど、文字になったらそうでも無さそうだぞ……

 

「もう1つ取っておきの話があるんだけど」

 

「どうぞ」

 

「音楽室から夜な夜な女のすすり泣く声が……」

 

「あえぎ声ってオチじゃ無いですよね?」

 

「………」

 

「おい!」

 

 

 口を尖らせてつまらなそうな顔をした畑さんに思わずツッコんだ……これは特集が組まれた新聞はちゃんと検閲しなければ駄目そうだ。

 畑さんが居なくなってから、俺は萩村に気になってた事を聞く事にした。

 

「萩村、やっぱり怖い話苦手なんだな」

 

「そうよ……悪い!?」

 

「いや別に悪いなんて思って無いけど……」

 

「じゃあ私の事を子供っぽいって思ってるんでしょ!?」

 

「まぁちょっとだけ……でもそれ以上に萩村の事を知れて嬉しく思ってるよ」

 

「………」

 

 

 顔を赤くして頬を脹れさせる萩村……あれ? 俺何か変な事言ったか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 生徒会室に戻ると、横島先生と五十嵐さんが居た。何か用事だろうか?

 

「学校にこんなものを持ち込んでた男子生徒が居てさ~ほれ、これがそのブツなんだけど」

 

「ふむふむ……」

 

「あら~」

 

「い、淫猥です!」

 

 

 横島先生が取り出したエロ本を読み始める3人……五十嵐さんも苦手なら見なければ良いのに。

 

「確かにいかがわしいですね」

 

「だから今から呼び出して……」

 

「注意するんですね。私もご一緒します!」

 

「いや、生身の良さを教えてやらなきゃと思って」

 

「!?」

 

 

 あらら、五十嵐先輩が気を失ってしまった……何を想像したんだか。

 

「何て冗談よ」

 

 

 笑って誤魔化す横島先生だが、息が荒い……つまり興奮してるって事だろうな。

 

「冗談だと言い張るなら、まず息を整えてから説得力があるように言ってください」

 

「津田も一緒に如何だ?」

 

「行かねぇよ!」

 

 

 まったく……何を考えてるんだこの変態教師は。まさか本当に呼び出して襲う気じゃねぇだろうな……

 

「萩村、横島先生の監視を頼めるか?」

 

「アンタがやれば……あぁそう言うこと」

 

「察しが良くて助かるよ」

 

 

 俺が監視してたら、最悪巻き込まれる可能性があるのだ。あくまで可能性だが、この人ならやりかねないからな。

 

「それじゃあ私は監視を終えたらそのまま帰るので」

 

「おう! ご苦労」

 

「頑張ってねー」

 

 

 会長と七条先輩は未だにエロ本に興味津々で、気持ちの篭ってない言葉で萩村を送り出した。

 

「津田、お前は読むんじゃないぞ!」

 

「読みませんよ……それより五十嵐さんを起こすの手伝ってくださいよ」

 

 

 会長が注意してきたけど、俺は別に興味無いんだが……

 

「シノちゃん、津田君は読まないわよ」

 

「アリア?」

 

 

 七条先輩が自信満々に否定してくれた。だが何で嫌な感じがしてるんだろう……

 

「使うのよ!」

 

「おぉ!」

 

「原因はこれか! てか使わねぇっての!」

 

「ん……」

 

「五十嵐さん?」

 

 

 俺が怒鳴った所為で(おかげで?)五十嵐さんが意識を取り戻した。

 

「五十嵐、お前ももっと見るか?」

 

「これなんか凄いよ~」

 

「ヒィ!?」

 

「止めろお前ら!」

 

 

 会長と七条先輩に、申し訳ないが一発ずつ拳骨を喰らわす……これ以上事態を悪化されたく無かったのだ。

 

「痛いぞ……」

 

「でも、新しい快感に目覚めそう……」

 

「逃げなきゃ!」

 

「待って! 私も逃げる!」

 

 

 廊下を出来る限りの速度で移動しながら生徒会室から逃げ出した。何でこんなに変態なんだうちの生徒会は……




そろそろウオミーの出番かな……

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