風邪も治り、今日からまた生徒会の仕事に復帰。ついでに授業にも復帰するのだが……それにしても元女子高だけあって女子の格好が凄いな……あの人、ブラジャーが透けてるのに気付いて無いのか?
「「「おおぅ!」」」
「………」
男子たちが興奮して声を上げている……あの中に自分が居なかったのが嬉しいのか?
「津田」
「はい?」
「何処を見ている」
一緒に作業してた会長にあらぬ誤解を抱かれてしまった……別に俺はじっくりと見てた訳では無いんですが。
「そうか、津田はショートカットが好みか」
「はい?」
何故そんな話になったんだ?
「確かにショートカットだとブラ透け見放題だからな!」
「何言ってるの?」
「それとも、津田はブラでは無くおっぱいに目が行っていたのか!」
「誤解ですよ……まぁ、ちょっとは見ましたが」
俺だって男の子だからな……ついつい目が行ってしまう事だってあるのだ。
「やっぱり胸か!胸なんだな!?」
「だから何の話ですか~!」
桜才学園生徒会会長、天草シノは今日も通常運転だった……いや、他の人から見れば異常なのかもしれないがこれが会長の通常なのだ。
生徒会室に向かっていると、部屋の前に誰かが立っていた……あれは七条先輩?
「先輩、如何したんですかドアの前に突っ立って」
「あっそうか!」
「何です?」
「学校は自動ドアじゃないんだったね」
「アンタ今までよく学園生活を送れてたな……」
今更だがこの人はもの凄いお嬢様なのだ。この前も階段をエスカレーターと勘違いしてたり、無事に学園生活を送れてるのが不思議でならないのだが……
「七条先輩って、家でもそうなんですか?」
「そうって?」
「家でも天然をかましてるのかな~って」
「津田君!」
「は、はい」
しまった、怒らせちゃっただろうか……
「津田君は天然萌えじゃ無いの!?」
「……は?」
「違うならアピール方法を変えなきゃ」
「アピールだったのか……」
なにやらおかしな事を言っていた気もしたが、とりあえずはスルーしておく事にした。
授業中、隣の席で柳本が寝ている……てか、さっきあれだけ盛り上がってたのにもうエネルギー切れかよ。
「………」
「先生?」
横島先生が教科書を筒状にして柳本に向けた……あれで叩くのだろうか?
「あっ、そこ、だめぇ~」
「……何してるんですか?」
「いや、夢○するかなと思って……うん、もう少しね」
筒状にした教科書を柳本の耳元に向け、おかしな発言を繰り返す横島先生……この人、よく教員採用試験に受かったよな……
「おぅ!」
「おっ、逝ったな」
「サイテーだこの人……」
柳本を逝かせた横島先生は、ズボンのチャックを下ろそうとしていた……って、それは駄目だろ!
「何してるんですか、アンタは!」
「だって、このままじゃ気持ち悪いだろ?」
「知りませんよ……」
「だからスッキリさせてやろうかと思ってな」
「他の女子たちの事を考えてください……」
「よし、今から保健体育の授業だ!」
「黙れ、この変態!」
「ぐぼゎ!」
横島先生に鉄拳制裁を加え、柳本を起こす。
「おい柳本、起きろ」
「うぁ?」
「授業中だぞ」
「あぁ悪い……って何か下半身が気持ち悪い」
「トイレ行ってこい」
顔を赤くしてる女子もいたので、なるべく言葉を選んで柳本を退場させた……次は変態教師を起こして授業を再開してもらおう。
「横島先生、授業を再開してください」
「むにゃむにゃ……もっと叩いてください」
「……自習!」
俺に何の権限も無いが、この人は放っておいた方が良いと判断した。女子たちからはお礼を言われ、寝たふりしてた男子からは冷たい視線を向けられた……そんなに変態に捕食されたかったのか、ウチのクラスの男子共は……
休み時間、私はのんびりと過ごしていた。
「ねぇスズちゃん」
「何?」
津田のクラスメイトの三葉ムツミが話しかけてきた。
「スズちゃんってすっごく頭良いんでしょ?」
「まぁ」
「じゃあ、1289451+3293876は?」
「4583327」
「………」
「分からないならやるな!」
この後、薔薇を漢字で書けと言われ、ワザと間違えて書いたのにも気付かなかった……試すならちゃんと準備してから試せば良いものを……津田ならもっと上手くやるはずよ。あれ、私何で津田の事を考えてるんだろう……まさか、いやそんな訳無いわよね。
「スズちゃん?」
「ムツミ、アンタもっと勉強した方が良いわよ」
「あぅ……だって嫌いなんだもん」
「私ほどとは言わないから、せめて平均点くらいは取れるようにしなさいよ」
「頑張ってみるよ……」
自分の考えを否定するために、ムツミをからかってその考えを頭の中から追いやった……だって私が津田をなんて……
放課後、生徒会室で作業してたら津田君が立ち上がった。
「スミマセン、ちょっとトイレ……」
「あぁ」
シノちゃんに断りを入れて津田君が生徒会室から出て行った。
「津田のヤツ、如何かしたのか?」
「お腹が痛かったんじゃないの?」
だってお腹の辺りに手を置いてたし……
「果してそう言いきれるかな?」
「ん~?」
シノちゃんは立ち上がってこう宣言した。
「巨○だったら、あの位置に手があってもおかしくはない!」
「まぁ、溜まってたのね!」
それなら言ってくれれば私が……
「ありえないでしょ」
スズちゃんの冷静なツッコミで私は現実に戻ってこれた。そうよね、津田君があんなに巨○だったら、私が耐えられないものね。
急に皆生徒会室から居なくなってしまった……そう言えば来週から水泳の授業だったな。
「如何やったら胸が大きくなるのだろう……」
聞いた話では揉めば大きくなると言ってたな……やってみるか。
「おぉ、これは……」
自分で揉んでも気持ち良いのだな。
「スミマセン、戻りまし……」
「いや、これはその……」
生徒会室に戻ってきた津田が固まってしまった……何か良い言い訳は無いものだろうか。
「欲求不満なだけだ!」
「その言い訳、駄目じゃねぇ?」
言葉のチョイスを間違えて、更に気まずくなってしまった……津田は黙ってドアを閉め、見なかった事にしてくれたようだった……明日、津田になんて言い訳しよう。
次回水泳の授業、カエデも出るかも?