桜才学園での生活   作:猫林13世

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雨ネタが多い気がする……自分で増やしてるんですけど、この頻度はマズイかも……


雨の日は…

 生徒会で作業をしていたら、窓の外から音が聞こえてきた。そう言えば今日の降水確率、午後から70%だったっけか……コトミに傘を持たせて正解だったな。

 

「今日の作業はこれまでだな」

 

「お疲れ様です。雨が降って来たので、早めに帰りましょう」

 

「雨か……」

 

「雨ね……」

 

 

 何やら遠い目をしている会長とアリア先輩。何か思うところがあるのだろうか?

 

「夕立ですね……こんな時期に珍しい」

 

「えっ? 夕方も勃つのか?」

 

「朝だけじゃないんだね」

 

「何処を見ている……」

 

 

 視線が人の下半身に向けられているので、少し怒気を放って視線を元に戻させた。

 

「まあ雨に濡れると大変だからな」

 

「そうだね~。服が透けて露出プレイになっちゃうし」

 

「全身びしょびしょで何だかエロいしな!」

 

「……何故風邪という考えが出て来ないんだ」

 

 

 二人がおかしなことで盛り上がっていると、急に外が光った。

 

「雷までか……こりゃ本格的に夕立だな……ん? スズ、どうかした?」

 

 

 稲光と共に何かが足にしがみついてきた。別にいいんだけど、力が強い……それなりに痛い……

 

「きゅ、急に脅かされるのとかが苦手なだけで、別に雷が怖いわけでは……ヒィ!」

 

「素直に雷が怖いで良いじゃん。何で言い訳するのさ……」

 

「だ、だって! 雷が怖いなんて子供っぽいじゃないの!」

 

 

 別に大人でも雷が怖い人はいると思うんだけどな……まぁ、萩村の容姿で雷が怖いなんて言えば、そう思われちゃうのかもしれないけどさ。

 

「急に驚かされるのが怖いんなら、背後からそっと近づいてブラのホックを外すドッキリもやめた方がいいかな~?」

 

「そもそもブラしてないので!」

 

「そのツッコミはおかしい……」

 

 

 色々と怖くて冷静さを欠いているのか、萩村がおかしな方向へと進もうとしている……これは何としても阻止しなければな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 雨で帰れなくなってしまったので、我々生徒会は新聞部の畑に頼まれて写真を撮る事になった。何でも桜才新聞に載せるとか何とか……

 

「会長、表情が硬いです。もっと笑ってください」

 

「むっ、こうか?」

 

 

 畑に言われたので口角を上げて笑みを作る。我ながら愛想が無いと思うが、いきなり笑えとか言われても難しいしな……

 

「Sっぽい笑みは要らないので、普通にお願いします」

 

「そんな事言われても……じゃあ畑が見本を見せてみろ」

 

 

 いきなり笑えと言われても難しい事は、おそらく畑だって分かっているはずだ。それならそれを利用して反撃を……

 

「良いですよ。ほらー」

 

「んなぁ!」

 

 

 あの畑が、あんなにさわやかな笑みだと……写真を極めようとすると、あんな事まで出来るようになるのか……

 

「セロテープで口角を上げてるだけですね、あれ……」

 

「ん? ……本当だ。光が反射してる」

 

 

 尊敬して損をしたな……だいたい畑が満面の笑みなんて、想像するだけで怖気がするぞ……

 

「あら? 皆さんこんなところでどうしたんですか?」

 

「丁度良かった。貴女の写真も撮るから、津田副会長の隣に立って」

 

「えぇ!? 何で津田君の隣なのよ! 天草さんの隣じゃダメなの!?」

 

 

 見回りで偶々現れた五十嵐が、早速畑のペースに巻き込まれている……アイツは本当に巻き込まれやすいタイプなんだろうな。

 

「だって欲しいのは、津田副会長に見惚れてる貴女の写真だもの。雌の顔をした風紀委員長の横顔……これは売れる!」

 

「目的が変わってるぞ……」

 

「まさか今まで撮った写真も売るつもりで撮ってたんですか? それでしたらこちらもそれなりの対処をしなければいけませんが」

 

「冗談ですよ。では風紀委員長、笑ってください」

 

 

 何かを誤魔化すような早さで、畑はカメラを構えなおした。それだけ津田の怒りは恐ろしいものなんだろうな……実際に体験したことあるから知ってるんだがな……

 

「あれは怖かった……」

 

「何がです?」

 

「い、いや! 何でも無いぞ」

 

「?」

 

 

 余計な事を言って怒られたくないし、ここは大人しくしてるのが安全だろうな……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 雨が小ぶりになったので、漸く帰れるって事で全員で昇降口にやって来た。というか、タカトシ君とスズちゃんは傘持ってるんだけどね。

 

「大分小降りですね」

 

「なっ! 津田! 人が気にしてる事を!」

 

「なんです急に?」

 

 

 タカトシ君の発言にシノちゃんが胸の辺りを隠した。でもタカトシ君は何で怒られたのか分かって無いようで、しきりに首を傾げていた。

 

「シノちゃん、自虐は恥ずかしいだけだよ~?」

 

「萩村、津田とアリアが苛める!」

 

「何故私に同意を求める……」

 

 

 同じ持ってない者同士なんだろうけど、それを言えばスズちゃんに怒られちゃうからね。黙って見ていよう。

 

「アリア、その視線はやめろ」

 

「何だか無性に苛立ってきました」

 

「あら~? 私は何も言ってないし思ってないよ?」

 

「さっさと帰りましょうよ。何時までもグダグダしてると、また大降りになりますよ?」

 

「タカトシ君は小ぶりと大ぶり、どっちが好きなの?」

 

 

 ニュアンスが違う事に気付いたのか、タカトシ君はその質問には答えてくれなかった。ていうか、タカトシ君の視線が鋭いものに変わって来たような気もする……

 

「シノちゃん、下がぬかるんでるからお股弄ってもバレないよね?」

 

「何と!? 雨の日にそんな楽しみ方があったとは……」

 

「バレるよ……速攻でバレる」

 

 

 呆れた顔でツッコミを入れたスズちゃんに、タカトシ君が何かを耳打ちした。そして私たちを置いて先に帰ろうとしたのだった。

 

「まって! タカトシ君以外に透けブラを見せるつもりは……」

 

「私たちを置いて先に大人の階段を上がろうなどと……」

 

「馬鹿な事言ってないで帰りますよ。さっさと来てください」

 

 

 私たちのボケを途中で潰して、タカトシ君は私たちを傘に入れてくれると言ってくれた。でも、あのスペースだと一人が限界よね……早い者勝ちだと理解して、私とシノちゃんは猛ダッシュでタカトシ君の隣を目指すのだった。




どっちが勝ったかは、皆さんのお好きなように

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