桜才学園での生活   作:猫林13世

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メタすると、その週に登場する英稜勢……


魚見カナの行動

 珍しくカナさん、サクラさんと同じシフトだった帰り、駅前でカナさんが声高々に宣言した。

 

「第一回、どうやったらもっと出番が増えるのか会議! ドンドンパフパフー」

 

「……あの会長? どうしたんですか」

 

「いえ、タカ君と絡みの少ない私たちが、どうやったらもっとタカ君と絡めるのかを考えようと思いまして」

 

「……メタ発言は危険ですので止めてください」

 

 

 何が危険なのかは分からないが、何となく寒気がしたのでカナさんを黙らせる事にしよう。

 

「そもそも、学校の違う私とサクラっちは圧倒的不利なはず! なのになぜサクラっちはタカ君とぶちゅーっとしちゃってるんですか!」

 

「あ、あの……恥ずかしいのであまり大声では言わないでください……」

 

 

 一回目はショック療法、二回目は事故チューだったけど、確かに俺はサクラさんと二回キスしてるんだよな……

 

「と、言うわけでこれからタカ君とどうやったらぶちゅーっと出来るかを話し合いたいと思います」

 

「本人を巻き込んでする話題では無いと思いますが……」

 

「じゃあここでぶちゅーってしてくれますか? もちろんベロチューです!」

 

「……では、俺はこれで」

 

「はい、お疲れさまでした」

 

「無視は酷く無いかなー?」

 

 

 それなりに疲れてるところに、このボケだ。俺とサクラさんがカナさんを無視しても誰も怒らないだろう。むしろカナさんを怒るだろうな……

 

「さて、冗談はここまでとして、少しお腹が空いたので二人とも付き合ってくれませんか? どうも一人で食事を摂るのは恥ずかしくて」

 

「冗談だったんですか……」

 

「また分かりにくい冗談を……」

 

 

 この後、普通に食事をして帰る事になった。ほんと、分かりにくい冗談だ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 タカトシさんと別れた後、会長は再びタカトシさんの事を話題に上げました。

 

「さっきのは冗談だったけど、どうやったらタカ君との時間を増やせるのかしら」

 

「会長は学年も上ですし、シフトも最近別ですからね……休日に誘ってみる、というのはどうでしょうか?」

 

 

 って、これだとデートと言う事になるのではないでしょうか……別に私とタカトシさんは付き合ってるわけでは無いのですが、何故か他の人と出かけているタカトシさんを想像するとこう……胸の辺りがモヤモヤするんですよね……

 

「では早速! 『今度の休み、二人でお出かけしませんか?』っと」

 

「行動が早いっ!?」

 

 

 しかも、普段は口を開けばボケばかりの会長なのに、メールの内容は意外と普通だなんて……

 

「早く返信が来ないでしょうかね」

 

「そうですね……あれ?」

 

 

 会長がメールを送信してすぐ、私の携帯がメールの着信を告げるメロディを奏でた。

 

「会長……何故タカトシさんでは無く私に?」

 

「えっ? ……緊張して宛先間違えちゃった」

 

「それで、本当に私と出かけたいんですか?」

 

「そうですね……デート用の服を買いに行きませんか?」

 

「冗談ですよ?」

 

「私は本気です」

 

 

 変なスイッチが入っちゃったな……まぁ、会長と一緒に出かけるのも悪くないですし、ここは素直にお誘いを受けましょうかね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 サクラっちとのデートの待ち合わせ場所に向かう為に電車に乗り込むと、なんとコトミちゃんと遭遇した。

 

「おや、コトミちゃんじゃないですか」

 

「カナ会長! どうしたんですか?」

 

「これからサクラっちとデートです」

 

「そうなんですかー。私はトッキーの家に遊びに行くんです」

 

 

 トッキーと言えば、あのドジっ子ヤンキーでしたね。彼女はなかなかの逸材だと思っていますし、コトミちゃんが仲良くしているのを見れば、彼女もまたこちら側なのではないかと想像してしまいます。

 

「お二人で遊ぶんですか?」

 

「いえ、マキも一緒です」

 

「ああ、あのタカ君に好意を持っている」

 

「いい加減告白すればいいのにーって思いますけどね。マキの気持ちを知ってる身としては」

 

「ですが、もしOKだった場合、タカ君を盗られてしまいますよ?」

 

 

 実の兄で興奮するコトミちゃんのことだ、盗られても別の妄想で興奮するのだろう。だけど、やはり別の女に盗られるのは面白くないですね……私はネトラレ属性があると思ってましたが、実はそうではなさそうです。

 

「別にマキならいいかなーって。中学の時から、マキの気持ちは知ってますし。それに、私と遊んでくれる数少ない友人ですからね」

 

「あら? コトミちゃんはお友達多いはずですよね」

 

「学校で遊ぶ友達は沢山いますけど、外に出ても遊んでくれたのはマキだけでしたから」

 

「そういえば、私も学校では大勢の友人と話しますが、学外で話す友達はあまりいませんね」

 

 

 そもそも、サクラっち以外の英稜の生徒と、学外で会った事が無いような気も……

 

「まぁ、タカ兄が欲しいなら、まずこの私を倒してからですけどね!」

 

「じゃあ、私もコトミちゃんに挑戦しなければいけませんね」

 

「もちろんです! いくらタカ兄とぶちゅーってしたサクラ先輩やカエデ先輩でも容赦しませんよ? むしろその二人にはより強力な魔力で叩き潰す気満々ですから」

 

「そうですか。ところで、満々って言葉ってなかなかですよね」

 

「さすがカナ会長! シノ会長が同士と認めるだけありますね~」

 

 

 ここが公共の場所――電車の中だという事を理解しながら、私はコトミちゃんと談笑した。周りの乗客が徐々に離れていくのを視界に捉えながら、目的地までコトミちゃんと盛り上がってしまったのでした……

 

「ツッコミって、やはり大事でしたね」

 

「そうですね……ストッパーがいないとダメですね……」

 

 

 下車して、私たちは反省しながら、同じ場面になったら同じ事をしてしまうのだろうと思っていたのだった……




あれは畑さん、狙ってたな……

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