桜才学園での生活   作:猫林13世

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誰が笑うんだよ、そんなので……


コトミのダジャレ

 幕を垂らす為に屋上へ向かう途中、何故かコトミがついてきた。

 

「遊びに行くわけじゃないんだが」

 

「いいじゃん! 別に邪魔はしないよ」

 

「いや、いるだけで十分邪魔だよ……」

 

 

 この間の休み明けテスト、コトミは赤点ギリギリだったらしいのだ……あれだけ勉強させたのに、コイツの頭の中はどうなってるんだ……

 

「あれ、会長とカエデ先輩だ」

 

「珍しい組み合わせだな」

 

 

 五十嵐さんなら畑さんと一緒にいるイメージの方が強いのだが、今日は畑さんの姿は無い。

 

「お疲れ様です」

 

「おう、津田。コトミも一緒か」

 

「何の話をしてたんですか?」

 

 

 コトミが挨拶を省略して本題に入る。コイツのこういったとこは素直に凄いとは思うけど、せめて挨拶はちゃんと出来る人間になってほしいな……

 

「五十嵐が何故男性恐怖症になったのか、って話だ」

 

「へー。それで、原因は何だったんですか? 初体験の苦々しい思い出?」

 

「お前、ホント阿呆だな……」

 

 

 コトミのふざけたセリフに呆れたが、これ以上言っても徒労になるだけだろうからここでは言わないでおこう。帰って纏めて怒る時についでに怒ればいいし……

 

「えっと、昔『男』って漢字の練習をしていたら、友達に『欲求不満?』って聞かれたんです」

 

「それだけ?」

 

「てか、何時の話だよそれは……」

 

 

 漢字の練習って事は小学生のころだろ? 何で友達はそんな事を聞いたんだろう……

 

「えっと、一応確認しますが、その友達というのは……」

 

「タカトシ君の想像通りだと思います」

 

「やっぱり……あの人ですか」

 

「呼んだ?」

 

「ヒィ!?」

 

「呼んでません……」

 

 

 カエデさんと畑さんはその頃からの付き合いなんだな……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 タカ兄がカエデ先輩たちに別れを告げ屋上に向かったので、私も会長たちと別れて屋上にやって来た。

 

「屋上って初めて来たかも」

 

「用事がなきゃ来ないからな……まぁ、立ち入り禁止ってわけでも無いんだけどな」

 

 

 タカ兄の言うとおり、屋上は普段お弁当を食べたりしても良いとされているんだけども、何故か屋上を利用する人はいないのだ。

 

「俺は結構この場所気に行ってるんだけどな」

 

「確かに良い場所だね~……ハッ!」

 

「? どうかしたのか」

 

「ううん、何でも無い! ちょっと用事思い出したから先に帰るね」

 

「は? 手伝えよ、お前も」

 

 

 タカ兄に何か言われたけども、私は今思いついた事をトッキーやマキに言いたいからそそくさと屋上から教室に戻った。

 

「あれ? コトミ、津田先輩と屋上に行ったんじゃ……」

 

「行ってきたよ。そこで面白い事を思いついたから急いで戻って来た」

 

「お前の面白い事、ってのが引っかかるが……何だよ?」

 

 

 トッキーが既に半分呆れてるけど、これを聞けばきっとトッキーも笑ってくれるだろ。

 

「屋上でね、タカ兄が『良い場所』って言ったんだ」

 

「ああ」

 

「それで?」

 

「『良い場所』って事は『グッドスポット』でしょ?」

 

「?」

 

「何で英語にしたのよ」

 

 

 トッキーとマキにはこのダジャレは高度過ぎて分からなかったようだ。仕方ない、最後まで説明してあげよう。

 

「つまり『Gスポ……』」

 

「黙れこの変態!」

 

「アンタ津田先輩の爪の垢でも煎じて飲みなさいよ!」

 

 

 あれ? 爆笑かと思ったのに、何で私は怒られてるんだろう……シノ会長やアリア先輩なら笑ってくれると思うんだけどな……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 生徒会で校内放送をする事になった為に、今私たちは放送室に来ている。ちなみに会長がテスト放送をする予定だったのだが、練習で余計な事を言ったので津田が本番を担当する事になった。

 

「何で俺なんだよ。萩村がやればいいだろ」

 

「私はほら、カンペ出してフォローするからさ」

 

「……納得いかないけど仕方ないか」

 

 

 何かを諦めたように、津田は私に放送をやらせようとしなくなった。もともと人に何かを押し付けるような事をするヤツじゃないからね。

 

「えっと……それじゃあ操作の確認をしなきゃ。このスイッチを……」

 

「きゃ!」

 

「うわぁ!? スミマセン!」

 

 

 機械の操作を再確認しようと説明書を見ながら手を動かしたら、そこには七条先輩のお尻があった。

 

「何やってるの?」

 

「ちょっと余所見してたら七条先輩のお尻を触っちゃって……」

 

「余所見? 何を見てたの?」

 

「操作説明書。スイッチの場所を再確認してたのよ」

 

「もう、スズちゃんったら。私のエッチなスイッチが入っちゃったよ」

 

「「今すぐオフにしろ!」」

 

 

 何か久しぶりに津田とハモった気がする。最近はツッコミは全て津田任せだったからな……でも、この感覚は悪くないわね。

 

「でも、この部屋って完全防音なんでしょ?」

 

「まぁ一応は……」

 

「じゃあ、ここでエッチな事してもバレないね!」

 

「何言ってるんだアリア! そこはあえてスイッチを入れたままでスリルを体験するのが醍醐味だろうが!」

 

「お前らスイッチ切れよ!」

 

 

 ついに津田が怒った。まぁ仕方ないとはいえ、この二人は本当に相変わらずね……

 結局放送は津田が担当し、そして好評をのまま幕を下ろした。声だけとはいえ、学園屈指の人気者だものね。主に女子が黄色い歓声を上げるのは仕方ないわよね。何故か男子の一部も歓声を上げてたけど、そこは深く考えたら負けだと思ったのでスルーすることにした……




原作復帰して、ウオミーと森さんの出番が減った……どこかでぶっこむかな……

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