桜才学園での生活   作:猫林13世

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10話目です


芽生える気持ち

片付け2日目、俺たちは朝や昼休みも使う事にした。

 

「この荷物重いわね……」

 

「七条先輩、俺がその荷物運びますよ」

 

「そう?」

 

「ええ、これくらいしか役に立てませんからね」

 

「そんな事無いけど……でもやっぱり男手があると助かるわね」

 

「力仕事なら任せてください」

 

 

自分で言ってて情けないが、生徒会の中で俺が役に立てるとしたらこれくらいしかな無いからな……本当に自分で言ってて情けないよ……

 

「なら君のその力、試させてもらおう!」

 

「会長?」

 

 

荷物を生徒会室に運んだら会長が後ろから話しかけてきた……さっきからつけて来ていたのは分かってたが、用があったのか?

 

「今日の私は重い日だからな!」

 

「……それが何かは知りませんが、1月に1回あるって言ってたのでそろそろだとは思ってましたよ」

 

 

本当に何が重い日なんだろうか……

 

「ところで津田」

 

「何です?」

 

「お前やっぱり縮んで無いか?」

 

「気のせいですよ」

 

「そうか……?」

 

 

この歳で縮む訳無いのに、会長っておかしな人だな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昼休み、弁当を食べながらのおしゃべり。

 

「最近ドライアイでな」

 

「大変ですね」

 

「シノちゃん、それって何?」

 

「何だ、アリアは知らないのか。では教えてやろう」

 

 

そう言ってホワイトボードに文字を書き始める会長……口で説明するのは駄目だったのだろうか……

 

「当てはまる文字を答えなさい」

 

ま○こが濡れにくい

 

 

何故にクイズ形式……しかも悪意が感じられるのは気のせいだろうか……

 

「シノちゃん!」

 

「如何したアリア」

 

「さすがに津田くんを前にアレを言うのは勇気が居るよ」

 

「ハッハッハ、アリアは引っかかったようだな」

 

「?」

 

「津田、答えは何だ」

 

「な、ですよね」

 

「そうだ。答えは(まなこ)が濡れにくいだ!」

 

「そうなんだ~勉強になったよ。てっきりマン……」

 

「「うわ~~~~~~~」」

 

 

萩村と声を揃えて七条先輩の発言を止める……片付け前に疲れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「萩村、フランス語の勉強してるの?」

 

 

七条先輩が食べ終わるまで各自自由にして良いと言われたので、俺は課題を片付けていたのだが、萩村は別の勉強だったようだ。

 

「高校卒業したら留学しようと思ってね」

 

「大学は行かないの?」

 

「入学してすぐ留学出来る大学に行くのよ」

 

「なるほど……」

 

「フランス語以外にも英語、イタリア語、スペイン語と5ヶ国語話せるわ!」

 

「俺は英語で手一杯だよ……」

 

 

やっぱり萩村は頭良いんだな……

 

「国際化の世の中ですものね。私も2ヶ国語話せるわ」

 

「へぇ~……」

 

 

この人居たんだ……2ヶ国語って事は英語かな?この人は英語教師だし、英語が話せてもおかしくは無いもんな……

 

「はぅ~ご主人様、ゴメンなさいですぅ~~~~」

 

「……何語?」

 

「……異次元語よ」

 

「……つまり2次元?」

 

「そうね……」

 

 

国じゃ無くて次元を超えたのか……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「シノちゃん、昨日のドラマ見た?」

 

「ああ、主人公の母親が実母では無かったのは驚きだった。まぁ、ああ言った出生の秘密はドラマの中だろうな。実際にあったらさぞかし辛い事だろうし……」

 

「私は出生の秘密聞かされたよ」

 

「何と!」

 

「私が○付けされた時って青△だったんだって」

 

「アリアのご両親はアウトドア派なんだな」

 

 

……会長、ツッコミがなってませんよ……作業中に偶々近くを通ったらとんでも無い話をしていた……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして翌日……

 

「かいちょう、おはようございます!」

 

「津田……だよな……」

 

「なにいってるんですか。おれはつだたかとしですよ」

 

「鏡……見た方が良いぞ?」

 

「かがみですか?」

 

 

私は津田と名乗る子供をトイレまで抱えていき鏡の前に立たせた。

 

「べつにおかしなところはありませんよ?」

 

「嘘吐け~!」

 

「会長?如何しました」

 

「シノちゃん?」

 

「萩村、アリア、この子は誰だと思う?」

 

「誰って、津田ですよね」

 

「どっから如何見ても津田君よね」

 

「へんなかいちょう」

 

「さっきから漢字変換されて無いんだぞ!?」

 

「シノちゃん、そう言うメタ発言は駄目よ?」

 

「私がおかしいのか……?」

 

 

朝の片付けの間、私は津田だと名乗る男の子の事を観察していたが、誰1人として疑問に思う人は居なかった……絶対おかしいのは津田の方だと思うんだが……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして昼休み……

 

「会長……」

 

「津田!?」

 

「な、何です……」

 

「元に戻ったのか!?」

 

「……はい?」

 

「それとも今来たのか!?」

 

「何言ってるんですか、俺は朝から居ましたよ」

 

「あら津田君、そんな所に立って何してるの?」

 

「いや、会長が変な事聞いてきたんで……」

 

「変な事?」

 

 

やっぱりアリアも普通にしている。……あれは夢だったのだろうか。

 

「あら津田、アンタの方が先だったのね」

 

「まあ、男と女じゃ移動スピードが違うからな」

 

「それは私が小さいって事か~!って誰が小さいか~!!」

 

「何も言ってないだろ!?」

 

 

津田と萩村がコントをしているがそんなの気にしてる余裕は私には無かった。あの小さい津田は何だったんだろう……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふう、重いな……」

 

 

シノちゃんやスズちゃんみたいに小さかったら楽なんだろうけど、如何して私の胸はこんなに大きいんだろう……

 

「先輩、重いんなら俺が持ちますよ」

 

「ええっ!津田君、それはセクハラだよ!!」

 

「ん?……荷物を持つのがセクハラなんですか?」

 

「え?……ゴメンなさい。私が重いって言ったの、胸の事なの」

 

「そうだったんですか。それなら俺が持ったらセクハラですね」

 

「そうね。……別に津田君なら良いけど(小声)」

 

「七条先輩、何か言いましたか?」

 

「ううん、この荷物持ってくれるって言ったのよ」

 

「そうですか……それじゃあ荷物は持って行きますね」

 

「お願いね~」

 

 

津田君が教室から居なくなってから私は1人ため息を吐く……私ってば、何を言うつもりだったのかしら……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「皆、片付けご苦労だった」

 

「これ、アイス」

 

「ええ!!」

 

「何先生っぽい事してるんですか……」

 

「先生だよ!?」

 

 

横島先生をからかって追い返したあと、カレンダーにチェックをしている会長を発見っした。

 

「さて、明日から我々2年は修学旅行だ!生徒会長の私が学校を離れるのは不本意だが、行事なので仕方ない」

 

「……仕方の無い事ですか?」

 

「うん」

 

 

……すっごく楽しみなんだろうな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「会長って意外と子供っぽいんだな」

 

 

廊下で萩村と2人で話している時に、さっきの会長の事を話題にした。

 

「そうね……大人っぽい人が子供っぽい仕草をすると可愛らしいけど、子供っぽい人が大人っぽい仕草をすると小生意気に思われるのは何でかしら……ねぇ?」

 

「別に思って無いよ……最近は」

 

 

会長と七条先輩が明日から居ないなら、少しは楽出来るかな……ツッコミ的な意味で!




1番にフラグが建ったのはアリアでした。原作では漸く建ったアリアフラグですが、この作品ではさっさと建てちゃいました。

ちなみに身体が縮んだ津田の元ネタですが、明日のよいち!の鳥谷恵太です

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