桜才学園での生活   作:猫林13世

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二作目です。
コッチはゆっくりと更新して行こうと思ってます。


桜の下の才女たち

「タカ兄~早く早く~!」

 

「平気だって、一駅だから。」

 

「そう言う事じゃ無いの~!」

 

「はいはい。じゃ、行ってくるよ。」

 

「もう!緊張感無いんだから。」

 

 

妹に見送られ、俺津田タカトシはとある場所へと向かう。

本日より晴れて高校生になった俺は、これから3年間通う事となった私立桜才学園へと歩いて通う事になったのだ。

この桜才学園は去年まで女子高だったが、近年の少子化の影響で今年から共学となった。

さて、何故俺が桜才を選んだのかと言うと、もう一つ受けた高校と桜才では、桜才の方が近いからである。

しっかし暑いな・・・教室に着くまでネクタイを緩めておくか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

家から徒歩20分、ついに桜才学園が見えてきた。

見渡す限りの女子の制服。

さすが元女子高、女子の比率が高いなぁ~。

確か男子28人に対して女子が524人だっけか?

これだけ女子が多かったら、肩身狭いだろうな。

 

「おはよ~!」

 

「ああ、おはよう。」

 

 

同じ中学だった女子が挨拶をしてきた。

あの子もここだったんだな。

などとしみじみと思っていたら・・・

 

「こら、そこの男子!ネクタイがだらしないぞ!」

 

 

校門で服装検査に引っかかった。

しまったな~、ネクタイ緩めっぱなしだった。

 

「スミマセン、暑かったんでつい・・・」

 

「そうか。確かに今日は4月にしては暑い。だが、校則違反だ。」

 

「はい・・・」

 

 

桜才学園の校則は厳しいことで有名だったが、まさか初日から怒られるとはな・・・

 

「どれ、私が直してやろう。」

 

「いえ、自分で出来ます。」

 

「遠慮するな。ついでに校則違反に対する罰を実行する。」

 

「ウェ!」

 

 

思いっきりネクタイを締められ、情けない声を出してしまった。

 

「これで少しは反省しただろ。」

 

「スミマセンでした。」

 

「しっかりとした身なりなら気持ち良く授業に望めるだろ。ちなみに私はしっかりと締めている。」

 

 

確かにこの女子生徒の身なりはしっかりとしている。

あっ、今気付いたけど生徒会の人なんだ。

てっきり風紀委員かと思ってた。

 

「しまりの悪い女だと思われたくないからな!」

 

「・・・・・はい?」

 

 

何を突然言い出すんだ?

真面目な話をしていると思ったらいきなり変な事を言い出した。

 

「でも、こう言うのってすぐにまた緩めちゃうんですよね。」

 

「なら出来ないようにもっときつくしてやろう。」

 

「ウェ!」

 

 

こ、殺す気か!

十分締まっているネクタイを更に締められ、俺は大慌てで女子生徒から離れた。

この人は危険だ。

 

「我々生徒会の活動は行動する事に意義がある。やるだけ無駄なんて言うのは理想に向かって行動出来ない怠け者の逃げ道。アンタみたいな小さい人間、きらいなのよ!」

 

 

いきなり背後から声を掛けられた。

確かにやるだけ無駄なんて思うのは良くないな。

そう思い謝ろうとしたが・・・

 

「あの?このお子さんは?」

 

 

小さな女の子がそこに居た。

 

「貴様!言ってはならない事を口にしたな!」

 

 

そう言って飛び蹴りを放つ女の子。

・・・とどいて無いんだが。

そう思っていると、カポッと音がして靴だけ跳んできた。

 

「おっと!」

 

 

手で受け止めて靴を返す。

 

「私は萩村スズ、アンタと同じ一年生!」

 

 

靴を返したら、少し顔を赤らめて自己紹介をしてきた。

同い年だったのか。

 

「IQ180の帰国子女、英語ペラペラ、10桁の暗算だって朝飯前、ど~おこれでもまだ私を子供扱いする!?」

 

「でも夜9時には眠くなる。」

 

「子供だ。」

 

「こ~の野郎この野郎!」

 

 

ポカポカと俺の腰辺りを叩く萩村。

見た目通り大した力ではないので痛くは無い。

 

「こらこら二人共、新入生を困らせちゃ駄目よ?」

 

 

またもや背後から声がかかった。

 

「アリア。」

 

 

振り返るとそこには、お嬢様と言う感じの女子生徒が居た。

 

「スミマセン助かりました。」

 

「ううん、面白かったからずっと木陰から見てたの。」

 

「うわ~助かんね~。」

 

 

この人もまともではなさそうだ。

 

「ところで、どうして貴方はこの学校に?」

 

「家が近いからです。」

 

「そうなんだ~。ほら、共学化したらハーレム目的で来る男子が居るじゃない?」

 

「それは漫画の世界・・・」

 

 

ですよ、と言おうとしたが、校門付近で女子生徒の多さに顔をだらしなく緩ましている男子を見て言えなかった。

 

「でも、それ無駄なのに。ここの娘たちは女の子にしか興味ないのに。」

 

「?」

 

「すまない。彼女は重いジョークが好きなんだ。ちなみに私はノーマルだ。」

 

「はぁ・・・」

 

 

随分と厄介な人たちと知り合いになってしまったな。

 

キ~ンコ~ンカ~ンコ~ン

 

 

HR開始のチャイムが鳴った。

って!

 

「こんな所で油売ってたから、俺遅刻しちゃったじゃん!」

 

「ああ、すまない。お詫びに君を生徒会に入れてあげよう。」

 

「会長!コイツを生徒会に入れるんですか!?」

 

「何か問題あるか?」

 

「だって男子ですよ!くさそうですし・・・」

 

「偏見だよ~。」

 

「そうよスズちゃん。この子は平気そうだよ、真面目そうだし。」

 

「どうも。」

 

「イカくさくなるかもしれないけど。」

 

「ヒィ!」

 

「しねえよ!」

 

 

大丈夫なのか?この生徒会。

 

「では改めて自己紹介。私が生徒会長、二年の天草シノだ。」

 

「同じく二年、書記の七条アリアよ。」

 

「アンタと同じ一年、会計の萩村スズよ。」

 

「そして君には、私が元いた副会長の席をやろう。右手として頑張ってくれ。」

 

「右腕では?」

 

「右手じゃある意味恋人ね。」

 

 

これって決まりなの!?

俺、一年なのに副会長!?

 

「あの~辞退って・・・」

 

「出来る訳無いだろ。」

 

「ですよね~。」

 

 

出来れば関わりたくなかったんだが・・・

こうして入学初日、俺は生徒会に入る事になった。




今回は生徒会役員共です。
四コマ漫画を文字上げするのは大変ですね。
前書きにも書いた通り、コッチは気まぐれで更新していきます。
原作でもヒロインは決まってないので、この作品でも当分はヒロインポジションはありません。

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