いやぁ、うん。これ短編ね。
【帰還報告】
「帰国しましたがナニカ?」
「何言っているんだ?康一?」
「おお、聞いてくれるか俺の冒険譚を!」
「いや興味ないけどさ。」
「なんだよ。」
よっす、相澤康一です。もう口調とかどうでもよくなって来ちゃったよ、もうこれどうするの?最初の面影なんて絶対に欠片すらないよ?たった三ヶ月程度で変わりすぎだろ。
それは、隣に置いておいて。
冒頭の会話から分かる通り、俺は帰国してIS学園の寮室にいる。寮室はいつの日か一夏と同室になっている。
まあ、出国した事についての感想はカンガルーの肉が食えなかったのが残念だっただけでそのほかには何もなかった、ああ、宇宙が始まる前ほどに、凰の胸ほどに何にもない。
「一夏?ゲーム返しに来たわよー。」
「お、鈴か。」
おおおおおおおおおおおおおッ!!危ない!とりあえずひんぬーへの敬愛の言葉を三回唱えておこう。
貧乳はステータスだ希少価値だ。貧乳はステータスだ希少価値だ。貧乳はステータスだ希少価値だ。OK、これでばれない。
「康一、アンタ変なこと考えていない?」
「凰…………新作のアイディアくらいしか考えていないな。」
「変なの考えないでよ・・・。」
「お世話になってます。」
ああ、一夏のISスーツ作り終わったんだよなぁ。結構高かったけど、一夏即金で出したし。
「まあ、いいわ。それじゃ、これ借りていくわよ。」
といって凰は寮室から出て行った。悪くてIS持ち出されて皆殺しだな、と心の底で安堵しながら、ざわついた心中を落ち着かせるためにゲーム機を起動させる。
「さぁ、パァァァリィィィタイムだ。」
俺はネットと言う荒れ狂った大海に向けて今!船をこぎ始めたのだ!
【狩り立てられる謀略】
薄暗い。薄気味悪い。そんなIS学園秘密の場所。そこには、飢えた乙女達が獲物を刈るような血走った目つきで一定の間隔で並べられた椅子に座っている。
女性ばかりが集まっているのにも関らず、何処か汗臭いような匂いが漂う。そのようなマニアには垂涎モノなその空間で、ノイズのような音が流れた。
「これより、オークションを開始いたします。」
スピーカーの電源を入れた時に発生するノイズだったようで次には、ウグイス嬢のような聞き取りやすく甘美な声が流れると、薄暗かった空間にカーテンが開く音に一回だけのスポットライトが付き、椅子と同じ間隔にスマホの光が灯る。
「まず最初は…………一年一組、一番相川清香。三枚セットで販売。頭打ち。リミットは三分、500円から。」
そのような言葉がだらだらと並び、その度に、スポットライトが当たる所に写真を置き、用が済んだら戻すを繰り返し、椅子に座った女性たちはスマホを操作する、そんな怠惰な時間。だが、最後の最後に空気が変わる。先ほどまでは事務的にスマホを覗き込むだけだったが、目の色が変わり、爛々と滾ったような目である一点を見る。
「……………これが、最後になります。織斑一夏。ネガフィルムでの販売になりますので世界に一つだけ。5万円からのスタートです。なおこの場合は自動延長制度が使用されますので、あしからず。」
そう、これは…………。
「いやぁ。儲かったなぁ。」
「確かに、康一君が取れてる写真は質が高くてこちらとしても大万歳だけどさ…………。」
「いや、インターネットオークション形式にしてそれ専用のソフトを作った所がよかった。これだと、クローズドなネットワークだし向こうから干渉を受けることもないし、もしもの時に交渉を持ちかけることが出来る。しかも、臨海学校によって男の上半身半裸の画像を得ることも出来た………最高だな。」
暗躍した一人の男のお話。続きはない。
【開発者と使用者の声】
よっす、俺こと相澤康一だ。今現在、俺は一葉に呼び出されている最中で、集合場所はこの辺りでいいはずなんだが…………一向に来ないな。
「オォォォォォォォォマァァァァァァァァァァァァエァァァァァァァァァァァァァァッ!」
ウオッ!?なんか変な人が飛び掛ってくる!?警察いや、救急車!ここに頭が残念な人がいます!!って一葉か!?
「まて!もちつけ!」
「お前がな!」
それと、周りの視線が痛いので止めてほしいのであります。しかし、それにしても何の用件だろうか?
「…………落ち着いたか?」
「ええ、全く。とりあえずここじゃ、なんですし移動しましょうか。」
首肯しておく。この後の予定も何も入れていないから問題は無い、友達が少ないとかそういうことなんてあるわけないだろう?ハハハハハハッ。
俺は、一葉が用意したであろう車に乗って、世界研究者クラブの日本本拠地に足を運んだ。
「ウィーッス。」
「不審者め!!」
いきなり着いた途端に銃を突きつけられた。結構精巧に作られているが俺が考案した奴を実用化にした奴だろう、殺傷能力は無いからアレだが非常に手痛い目にあうから注意が必要だ。ま、ただのエアガンだけどな。
「大丈夫だ、彼はこんな身なりをしているが信用に足る人物だ。ヘタレといってもいいが。」
「で、ですがしかし……………。」
「おい、さらっとヘタレ扱いするな。めんどくさがりと呼べ。」
変わらんな、体外的には。…………さて、ごたごたしたやり取りは終わったようで、一葉が先に進む。置いてくなや。
「ここも、相変わらずだな。」
「そうか?結構、人員は移動したと思うが?」
「変態度が増しているんだよ。」
そう、変人が多い。むしろ、この一葉に負けず劣らずなほどに変人が多い、変わり者のメッカレベルだ。ここの人間は大体白衣を着ているか、パジャマだむしろLだ。白衣の人間は前に、白衣に隠し持ったメスを持って「申し訳ありませんが解剖させてください」と、持っているメスを首筋に当てながら言ってきた愚か者も居るほどだ。
因みにパジャマはいい奴だった、甘ッたるいものを進めてくるけど。
「あ、久しぶり。」
「解剖人間か。」
俺の目の前に居る人間が件の解剖させてくださいといってきた人間だ。理由を聞いてみたら、「凡人の精神構造とか肉体とか気になるでしょ?」だとよ。すると、俺の隣に居た一葉を見て、こういった。
「一葉さん、久しぶりですね。」
「君も相変わらずなようだ。絶対に人体実験とかするんじゃないぞ?」
ははは、と苦笑の類で笑った。誤魔化すな、俺の命が危なくなる可能性があるし。その男に別れを告げてある一室に入る、ただっぴろい空間に有る一つの機械そんな殺風景な所に俺たちは入った。
「さあ、出せ!貴様の罪を全てを白日の下にさらけ出してやるぜぁー!」
恐らくこれはカゲアカシのことだろう。ラグナロクの一撃を放ったことについてのデータを取りたいんだなうんうん。俺はISの待機状態の足輪を外して、一葉に手渡した。
「ホイ。」
「あい。」
唯一つの機械に入れて、それを操作していく。すると、見慣れないIS機体が出てきた。
「なんだ!?これは!?」
「いや、カゲアカシですよ?」
「いや分かってた訳だけれども。」
うん、一応こういうところで確認しておかないと使わなさ過ぎて忘れるんだよ。一葉それを診ていく。
「…………なんでこんなふうになるんですかねぇ?」
「何のことでしょうか?」
「こうなるわけねえんだよ!!話には聞いていたけど!!」
はて?どういうことかな?
「アレは、バックパックのエネルギーも吸ってペトゥルの全エネルギーを湯花によって纏めて喰らわせるバカみたいな代物なんだ!装甲がないと使用者も危ないし、装甲があってもいたいんだよ!しかも、なんで右腕の装甲だけ傷が皆無なんだよ!!」
ああ、あまりやりたくなかったからなぁ。
「アレじゃね?誰かと契約して魔法少女になったんじゃないの?」
「…………はぁ。」
修理はやっておきます。と、一言だけ言って俺の胸元に頭を当てた。
「ああ、私は貴方が心配です。」
心配されるほど落ちぶれちゃ居ないと思うのだが・・・。
「なにか私の理解できない別の意思で動いているようで、どっかに行ってしまいそうなんですよ…………一応、義理の妹ですので。心配はしないといけないですからね。」
「そういうものじゃないだろうと思うんだけどな、俺は。ま、そうならないようにやっとっくよ。」
そう、答えるしかなかった。
◆ ◆ ◆
ああ、こんなこともあったなぁ。さあさあ、それじゃ行きますか。
なぜか夏休みと打とうとしたのに、「なちゅやしゅみ」と打ってしまい、その副次的な効果で私のキーボードが調子悪くなってしまいました。
それにしても春になんてものを書いているのだろう?と思う今日この頃で、夏休みがあった私の青春…………いや、若いころが懐かしいです。