IS 化け狐と呼ばれた男 リメイク   作:屑太郎

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ごめんなさい。途中で入れるのを忘れてました・・・


それらをさらに上回る可逆的ないともたやすく行われるえげつない行為

ダダダダダダダダダッ!

ドタドタドタドタッ!

 

そう、俺は逃げている!なぜかって?あの単体で魔窟と呼ばれる織斑千冬こと担任殿・・・って逆だった!!?が、先の試合についてお怒りなのだ!!

 

「待て!相澤!」

 

「とりあえず、その後ろに漂っている殺気を隠せ!話はそれからじゃい!」

 

なに?何やったってんだよ!?俺頑張っただけだよ~。説得力皆無だが。……………あれ?

 

「どうも。」

 

…………あの、俺がオーストラリアのお偉いさんに出会った時に右隣に居た秘書のお兄さんか?そのお兄さんが、目の前に俺の進路を塞ぐように立って流暢な日本語で俺たちに喋りかけているいる。俺は、とりあえず紳士的に対応した。今、どこぞの騎士団長が着ているようなスーツを着ているわけだし

 

「おう、わりゃぁ。どこの組のもんじゃ?」

 

ガン!!

 

「何か御用でしょうか?」

 

恐らく頬に切れ込みが入ったお兄さんの魂でも紛れ込んだのだろう、その態度を俺は改め、頭にたんこぶを作りながら懇切丁寧に対応した。ええ、殴られていない殴られていないですもの。

 

「…………あ、はい。首相はお時間が取れないので変わりに私が激励の言葉をと思いまして。」

 

「…………そうですか。」

 

「ええ、今後も切磋琢磨して・・・」

 

その後は俺への美辞麗句が並べられてあり、正直俺の耳には毒なのでシャットアウトしておいた。ここで引っかかることがあるが…………。ここで言えるのは、このお兄さんが結構な食わせ物だと言うことだ。

 

「ありがとうございました。」

 

「いえ、こちらこそ。」

 

そして、俺の隣をすり抜け、帰る途中に。

 

「貴方を受け入れる用意は出来ています、どうか御一考を。」

 

そう、ギリギリ聞こえるか聞こえないかのレベルで耳元に囁かれた。

 

「相澤、捕まえた。」

 

……………そして、俺は捕まえられた。ああ、ここで死んじゃうんだなぁ。と思いながら俺は、その後引きずられるようにして、ある一室に行かされた。

 

「相澤、アレはなんだ?」

 

「はて?アレとは一体?」

 

「とぼけるな!あの戦術兵器まがいの威力を持った武器のことだ!!」

 

「…………ああ、湯花のことですね。カタログスペックは提出しているはずですが?」

 

「あんなもの試合に出せるわけないだろう!?ゲームバランス崩壊するわ!!」

 

ですよね、たぶんここはアレだろう、尋問部屋みたいなものだろうな、なぜだか監視カメラが多く付いているし。

 

「ええ?ですが其方が提示した最低限のスペックですし、大体俺が持っていること自体が許可を出したって証拠じゃないですか。」

 

「ぐっ・・・。」

 

「まあ、そんなのはどうでもいいです。これ。」

 

俺は、足首についたカゲアカシの待機状態を強引に外し、担任殿に渡した。

 

「今回の戦闘データです。よかったですね、学園側の目的は果たしましたよ。」

 

IS学園にも研究機関の名目はあるし、それに、世界研究者クラブのデータは世界に発信しなければいけないルールになっている。そりゃ、暴走させたら危なくなるようなものに隠匿性を持たせたらどんな事になるか分からんし、今のIS技術は大体が世界研究者クラブからの流用というとんでもない出自を持つし、それを俺自身が投げて渡すと言うこと事態に意味がある。

 

「っち。」

 

担任殿は、俺に何か言いたげな顔でこの部屋を出て行った。実に都合が良い。

 

「……………俺も、ホテルに戻るか。」

 

そう、俺にもう一つ用事がある。これだけは誰の目にも見られるわけには行かないからな。

 

 ◆ ◆ ◆

 

「ああ、辛かった…………。」

 

ホテルに戻った。そう用事の消化だ。その用事とはいたって簡単、俺は服と右手の手袋を脱いだ。

 

「うっひょー。|グロいねぇ。」

 

そこには、右手が火傷…………いや、所々炭化してもろくなったところに、あのバカみたいな銃の反動を加え続けられたからな、新鮮なお肉と骨が見え隠れしている。まあ、ISの絶対防御も完璧ではないからなぁ、一応死にはしない状況を作ってはくれたんだろうけど、装甲がなければこんな程度の防御力しかないのだろう。あ。写真撮っておこう。

 

「おい、エネ居るんだろう?」

 

「ご明察だ。」

 

エネが珍しくこっち(・・・)に来ている。いや、来ているというのは、電脳空間ではない普通の俺の居るところに体を持って来ている。

 

「それなら話が早い、この炭化しかけている腕を直してくれ。」

 

「分かった。」

 

ビシィィィィィィィィィィッ!!!

 

「イテェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェッ!!??」

 

え?なに?なんなの?IS式の直すってぶっ叩くことなの?つかマジ痛い…………。

 

「…………何やってくれやがるんですかねぇ。」

 

そう言ったら、エネがそっぽ向いて、不機嫌にこう言った。

 

「それはこっちのセリフだ。バカが、死ぬか?」

 

死にたくないです・・・。

 

「死にたくないし、この後も完全に支障が出るからそう言ってるんだろが。」

 

「もっと、あんなものを使わなくても上手くやる方法があっただろう?」

 

「俺にとっての最善策がアレしか浮ばなかったんだよ。」

 

とりあえず、説明しておこう。全くそれぐらい察しろ…。まいっか。

俺の立場、この場合は男性IS操縦者。それの利用価値がないというのをアピールする為の使者といっても過言ではないだろう。だがしかし、それでは俺の立場が危うくなるし、前に言った一葉が言った問題を解決出来る訳がない。

そこで、俺は強引な手に出た。そう、カゲアカシの力を使って、本題を俺ではなくカゲアカシの性能にすり替えたのだ。アレだけの破壊力、決定打を打てない状況で一つの引き金で戦況を覆せるほどの。そこで、俺がカゲアカシを目の前で投げて渡すと、日本国が完全に所有しているアピールにもなった訳だ。

まあ、つまりは、俺が男性IS操縦者の利用価値失墜の使者から、世界研究者クラブ販促の使者に成り代わっただけの話だ。

 

「…………正直、君の想像・・・いや、妄想力は感嘆に値するね。」

 

「わざわざ、悪く言い直すな。毒吐くのはそれくらいにして早くやっちゃってくれ」

 

「了解した…………見ていて痛々しい。」

 

…………血を見たことはあるだろうが、搭乗者の血を生々しく体感したことは無いのか?俺は、あのラグナロクの一撃(「もし、やるなら、そう叫んでください!是非に!」と一葉が言っていたからな)を放った時に絶対防御以外の防御機構は全部外していたからなぁ・・・。

エネは、俺の感覚が無くなりかけている腕を触った。あごに手を当てて、考えるようなそぶりを見せた、たぶん俺の腕の状態を確認しているのだろう。

 

「ふむ、よかった見た目よりひどくは無い、触神経もちゃんと通ってるし、生焼けの肉もある。主な症状は火傷に複雑骨折だな。これなら叩いても死にはしなかった、どうする?もう一度叩いておくか?」

 

「切実に止めてくだsアッーーーーーーー!!」

 

コイツほんとに叩きやがった…………。なぜにそこまで怒っているのか?

 

「…………まあいい、直すか。」

 

と言ってエネが消える、いや体の構成をどこか別の場所に使ったのだ。と認識したころに、現れる。

 

「どうしたんだ?」

 

「殺菌、有機物の材料は大気中に一杯あるからな。」

 

そういいながらエネは短刀を取り出した。俺が電脳空間で使っていたものと同じだ、俺の予想通りの治し方だな。エネがそれを火傷しているところの半分辺りの所に刃を入れ、入れた常態のまま手の先にまで滑らした(・・・・・・・・・・・・・・・・・・)

俺の腕の半分は、薪を縦に割ったように半月型をしていた。そこに何の躊躇もなく短刀を入れる、短刀はステーキナイフの如くすんなりと俺の腕を切り落とした。

 

「なんか、どんどんとグロくなっていくなぁ。」

 

「ま、もともとがグロいからな。顔が。」

 

「…………特種メイクでグロイ感じにしたこともあったな。」

 

実にどうでもいい話をしながら、俺の腕はどんどんと切り取られていく。不思議と痛覚はない、あるのは奥歯に挟まった何かの繊維があるときの口の中のような異物感。俺アレ嫌いなんだよね、痛いのよりはましだけど。

 

「さて、切除は済んだし…………頂きます。」

 

そういった直後、俺の切り落とされた腕が消えた。

 

「やはりな、そういうことか。」

 

「ああ、伏線は張られていたんだよ。」

 

「なんだ?伏線って?」

 

俺の腕は治っていた。

 

「一丁上がり!って言ったところかな?」

 

見事なまでに俺の腕だ、傷も一つすらない。振っても殴るそぶりをしても大丈夫だ。ただ、難点を示すのなら左右の腕で色が違うということか。まあ、そこらへんは問題ないし。俺の仮説どおりの治し方であれば…………

 

「今回は材料も一杯あったし、原型は留めていたから楽だったよ。」

 

「前回があったのか?」

 

「いや?今回が初めてだが…………私以外のISは結構体験しているかな?これは、ファーストシフトなどの最適化の応用だからな。」

 

ネタバレありがとう。

ISには、ファーストシフト、またはフッティングと呼ばれるものがある。これは専用機のみに現れるものであり、ISが搭乗者の戦闘経験などに合わせて、その形状を変化させることだ。

ここで疑問が生まれる。その材料はどこから生まれるのかと言う話だ。

世の中に質量保存の法則がある限り、それは無から有を生み出すことはまず無理だ。そしたら錬金術のように、物質のその物の性質を捻じ曲げなければいけない。そこで、ISコアだ。

考えてみて欲しい、一夏がファーストシフトした時のことを変身と思うほどに機体の形状が

ISコアは物質をエネルギーに変え、そしてエネルギーを物質に変えるることが出来る、液体でも気体でも要するになんでもいい(・・・・・・)のだ。……………原理はよく分からないが、一つ似ている例がある。

 

「やっぱり・・・ニンゲン臭いな。」

 

「そう思うかい?生まれた時からそうなんでね。」

 

エネは、寂しそうな顔をしていた。俺は人の心を騙すことは出来ても癒すことは出来ないし、何よりめんどくさい。

 

「まあ、色々あるんだろう・・・俺に言ったら力を貸してやる。」

 

「頼もしい限りだ、絶対に使うことはないがな。」

 

「エネちゃんのいけずぅ。」

 

エネがおもむろに手を俺の顔の前にやり、その指を鳴らした。

 

「いって!?…………何やった。」

 

その瞬間激痛が走り、少し口が効けなくなった。

 

「いや?少しむかついたから、さっき痛覚神経の神経に細工してちょろっと刺激しただけだが?」

 

なにそれマジでいてえ!?

 

「おまっふざけんな「あ、すまん。」何言って」

 

ガチャリ。

 

うわぁい、担任殿がキチャッタァ…………え?なにこれ独り言とか聞かれるの恥ずかしい!誰も居ないと思って熱唱していたら誰か来ちゃったレベルの恥ずかしさだよこれェ!!うわぁ・・・ちょっと誰か苦しまずに殺せる殺し屋さんとか居ませんかァァァァァァァァァッ!!無言だ・・・無言になるんだ。相手の状況、性質が分からない限りうかつに動くべきではない考えろッ!考えるんだ!

 

 

「お帰り~。」

 

 

どうしよう、考えたが、聞かれたと仮定した場合には今後のことを考えてエネの存在を明るみに出してはならない!どうする?俺!

 

次回に続く!!

 

 


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