「し、死ぬかと思った……………。」
前回俺は、崖のようなところで滑ってきたのだ。死ぬアレは生きているのが不思議なぐらいだ。アドレナリンが大量分泌しているのが分かる。
「帰ってきてから早々何言っているんだ?」
「フライハイして来た。」
むしろ、脳内麻薬におぼれたって感じだな。マジ死ぬ全力で逃げてきた。
「エンドレスにエイトコース滑るところだった……………。」
「もしかして、彼女に会ったのか?」
ここで言う彼女とは俺の今回の対戦相手であり、イタリア国家代表であるセラフィーナ・カンタレッラ。なんか、俺の感覚として物凄い、中で始まって病で終わるアレに聞こえるのは、俺が中で始まって病で終わるアレだからだろう。
「ああ。そうだろうな。俺がISを使えると言うのを知っても、さほど驚いた様子はなかったし。」
「そうか、お前も付きあわされたか…………。」
「担任殿もアレやられたんですか?」
「ものの見事にな。」
ご愁傷様です。アレは辛かった。
「…………そういえば、この後の日程ってどうなっているん?」
そっちの方が気になる。めんどくさいけど、今の俺にはここから帰国できるわけじゃない。以前だったら帰宅したいって言うのが日常だったけど今じゃ帰国したいだぜ?何の冗談だよ…………。
「今日を越えて11時ほどに試合以上だ。」
「了解。」
よかった長々と飯の時間にまで説明が及ばなくて。ああ、つか、はらが減った。俺は、どこかにホテルの売店の粗品みたいなものがないかと漁った。
「お、変なクッキーがある。食べよ何々…………えっと、
どこかで見たことがあるような気がするんだが?まあ、いっか毒じゃないだろうし変なにおいするけどたぶんこれシャウトックーの匂いだろ。俺はその封を開けて口に放り込んだ。
「ムッシャムッシャ。ブフォッ!?なにこれ!?」
俺は口からビスケットを吹き出した。
「どうした!?」
「これ超マズイ!!カニの食べられないところみたいな味がする 飲み込めない程まずい 先生、お茶入れて台所あると思うから」
「ぶっ殺すぞ!!うわっ!魚臭い!?」
……………因みにフィッシュ竹中さんは出てこなかった。散々だな。
「ふう、やっと口の中の物が取れた…………。」
「アホ丸出しだな。」
「そうですけど。」
「はあ、後15分ほどで飯にありつけたのにな。」
「はぁ、世界が余計なことをしなければ、こんなことにはならなかったのにな。」
「それ言ったらなんでも言えるだろう?」
「世界に復讐するのだぁ!!」
「なんだ?そのノリは?まあいい、飯だ行くぞ。」
やわらかいまじりっけのない純粋な笑顔だった。
「そうですか、ま、口の中は限界まで不味くなってますんでね。食べ物であれば何でもおいしいと感じられるようになっていますよきっと。」
さて、つかの間の休息を味わったことだし。…………戦いか。