IS 化け狐と呼ばれた男 リメイク   作:屑太郎

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即堕栄盛

「さっむ!さっむ!!!?やべえ、鼻水出てきた。つかアンタバカじゃねえの?防寒着ぐらいもってこいよ脳筋野郎が!って何でそんな涼しい顔しているんだよ!?」

 

「早く行くぞ。」

 

俺こと相澤康一は、今日本では真夏の暑い時期にオーストラリアに来ています。ええ、設定は夏ですよ。前回担任殿に連れられてこんな感じ。とりあえず、寒く雪が横殴りに降って来る中ずんずんと進んでいく担任殿についていく事にした。

 

「どこに行くんですか?」

 

「車で日本大使館と、オーストラリアのお偉いさんに会いに行く。」

 

なるほど、日本は俺の身柄を保証するためにって事か。

 

「日本大使館はお前は出なくていい。お前が出て行くのはオーストラリアのお偉いさんの前だ。」

 

マジでか。

そんなことを話している内に、進行方向に車が見えてきた。

 

「乗れ。少しここから忙しくなるからな、主に私が。」

 

「お前かい。」

 

「織斑先生と呼べ。だからお前はウロチョロするな。」

 

「分かりましたよ、担任殿。」

 

殴られた。俺は車に乗った。

 

 

 

 

そして、少々時がたちそれっぽい馬鹿でかい建築物が見えてきた。

 

「おお、アレか。」

 

ところどころ趣味の悪い豪奢な飾り付けがなされてある家?を見渡す。俺なら売って…………貯金するだろうな。俺はなんというか、物に金を使うんじゃなく人に金を使うタイプらしい。

 

「そうだ、オーストラリアの首相宅だからな。」

 

「何で!?」

 

「…………まあ、言うなれば私とお前は飾りみたいなものだ。」

 

何か苦い顔をしながら担任殿がそういった。

 

「私の知り合いが居ると言ったな。そいつはイタリアの国家代表なんだが、なぜか戦う場所をここに指定してきた。つまりはオーストラリア、日本イタリアの三要素がここに集結してきているのでな、政治的、というよりかパフォーマンス的な割合が大きい」

 

そうなると一番角の立たない解決法は…………。

 

「つまりは、日本とイタリアの親善試合、場所はオーストラリアでやるよと言った感じでしょうか?」

 

「そういうことだ。」

 

なるほど、なぜ俺がとか思っていたが説明されてようやく意味が分かった。確かに俺が適役(・・・・)だな、なぜならば俺が取るべき行動は試合で負けること(・・・・・)だからだ。

その理由のキーは日本の立ち位置だ。日本は男性IS操縦者を二人もいるという、大きすぎるアドバンテージを持っている。そもそもIS=軍事力と言う状態にあるこの現代に置いて、男性でも使えるとは更なる波乱を巻き起こす。男性に使わせたい、男性に使わせたくないと言う派閥が立っていたり、殺せだのいろいろな意見が出てきている。

その上で、男性が予想以上に強かったらどうだろうか?男の株は跳ね上がり軍事の部分でも膨れ上がる。様はそのブレーキ役だ、絶対に負ける。そう、公式戦の勝率はゼロ、練習、勤勉性の欠如したような奴がどうして勝てると思うのだろうか?

日本政府としては、織斑一夏にその任を任せなかったと言う恩、そして世界的に無害(・・)をアピールできる。一粒で二度おいしい。

ま、そんなことしなくても国家代表相手だったら何も策を講じなければ負けるだろうから無意味なんだろう。

 

「はあ、しかし。めんどくさいこともするんですね……………。たぶん、ここまで考えていること事態も予想内なんだろうな。」

 

「何の話だ?」

 

しかし、それを根本から覆すものはもっておきたい。それならば。

 

「そうだ、この近くに服屋とかあります?つーかスーツ屋。手が寒いんで着ても失礼じゃないような奴を一つ買いたいんですけど。」

 

そういったら、少し考えるようなそぶりを見せ。運転手に何か英語で話しかけた。

 

「許可する。特に損はないしな。」

 

おっ?ラッキー。金は後で立て替えておけば大丈夫だろう。寝巻きだけとか、ヒキニパ伸を生成したどこかの目つきの悪い引きこもりではないからな。

 

 

 ◆ ◆ ◆

 

入店し、店のコーナーの配置を確認。そして手袋、スーツ上下さっと目を通して。適当なものを選ぶ。値段と見た目長く使わないからそれなりに綺麗なものを…………と見ていったら結構絞り込めたな。といって手にとって言った奴をかき集めて着て見たら、どこか禁書を目録している女の子が出てくる小説の騎士団の団長さん見たくなっていた。

流石に髪の色は違うが。普通に黒ですけど何か落ち度でも?

 

「決めたか?どうにも男の買い物は効率が良過ぎるような気がするんだが…………」

 

「色々見ていたところで、時間の無駄です。会計を済ませてしまいたいのですが?」

 

「分かった。」

 

といって、お金を出した担任殿を見ていると、なぜだか領収書を貰っていなかった

 

「領収書は轡木(くつわぎ)十蔵(じゅうぞう)で」

 

「お前は、何を払わせようとしているんだ!?…………私の奢りだ。いつの日かの水着をかねてな。」

 

「分かりました、変態チックに唐草模様の風呂敷を持ちながら先生の部屋に忍び込んでお返ししておきますので少々お待ちください。」

 

そこまで言ったのは、ほぼ脊髄反射だった。俺は口からも脊髄反射が出来るらしい。

 

「お前に関しては本当にやりそうだから辞めろ。」

 

ええ、やりますが何か?それでなくとも俺のわがままですからね。

 

「はぁ、ご好意は受け取っておきますよ。」

 

「物も金も受け取っておけ。」

 

円滑に会話を進めるのにうそは必要なんだろうな。

 

 ◆ ◆ ◆

 

さて、女性との二人っきりの買い物という童貞をこじらせたどっかのクソ馬鹿野郎であれば、その場でガッツポーズを取りながら、チルノのパー○ェクトさんすう教室を舞っている所でろう状況から。

 

先にも言った馬鹿でかい所々豪奢な飾り付けがなされてある建築物に入る事になっている。現地で買ったスーツを着込んで仕込みはばっちりだ。

 

普通にIS学園の制服でもいいんだが、アレ目立つんだよな、白いし。

 

「行くぞ。」

 

担任殿が一言だけ、そういって車を出る。それに付いて行き建築物の中に入った。

 

 

入った建築物は内装が酷かった。ことわざに外華内貧というのがあるが、これはその逆だな。目に写るものが、金だの銀だの高そうなものばかりで、このお屋敷ごとどこかの大泥棒三世に盗まれてもいいんじゃないかと言わんばかりだ。

 

「なんつーか、凄いとしかいい様が有りませんね。」

 

「…………これより上はもっとある。」

 

言って切り捨てられた。まあ、上の人間が贅沢してると何かと叩かれるんだろうな。それよりここ迷う。少々の無言の時間が続き、担任殿が先頭を行きその後ろにカモガル子供の如く俺が付いていく。

 

「ここだ、失礼の無いように。」

 

「そのためにスーツ買ってんでしょうが。」

 

扉の前に担任殿が立ち、開けた。そこの部屋には初老の女性とその隣に居る秘書だろうか?年若い男性が居た。

 

「失礼します。」

 

とりあえず、俺は何も言わずに入る。担任殿の右斜め後ろに位置するように立つ。人間は右に居る人間を記憶に残すと言う、そしてその逆はあまり記憶に残らないってテレビでやってたから願掛けを込めてそこにたった。

 

「Welcome, Chifuyu Orimura. I'm Olivia, Bradley.This is the prime minister of this country」

 

なに言っているの?…………英語は点でダメ。無理。すると、流暢な日本語で隣に居た男が翻訳してくれた。

 

「ようこそ、織斑千冬。私はブラッドリー・オリヴィアこの国の首相です。」

 

なるほど、ってそんなこと言ってない気がするんだが?むしろ敵愾心をムラムラと立ち上らせているよ?…………理由が分からない以上そんなことは考えても仕方のない事だ。

 

「存じ上げてございます。この度ははこのような親善試合の舞台をご用意していただき、感激の至りにございます。」

 

おお、織斑千冬が敬語を使っている…………何気に初めて見たんじゃないか?

男性が、女性に向かって囁いている。なにを言っているのか分からなかったが、とりあえずそこに悪意は感じなかった。

 

「Click here for what , and to watch your side of such a great IS operator of the game is to hard to pleased」

 

「こちらこそ、あなた方のようなすばらしいIS操縦者の試合を見れるのは大変喜ばしいことです」

 

「そう言って頂けて幸いです。」

 

なんというか腹の探りあいの典型のような会話だった。

 

「In so Speaking this game , do you boy behind to participate ?」

 

「そういえば今回の試合では、その後ろの男の子が出場するのですか?」

 

「その通りです。ほら、挨拶をしろ。」

 

ええ、空気になっていましたからね。

 

「はい。始めまして、二人目の男性IS操縦者の相澤康一です。」

 

とりあえず、織斑先生の隣に踏み出して一礼をする。通訳の人の翻訳を待ちながら懐に忍ばせた何も書いてはいない紙を少し見やって、視線を初老の女性に戻す。

 

「本日はこのような機会をいただきh「Do not become so hard , and may speak in the language of your own」…………?」

 

途中で英語に遮られた。表情を強張らせる。

 

「そう硬くならないで、あなた自身の言葉で喋って良い。」

 

「……………なにを聞きたいんですか?」

 

「Well ............ that you want to hear you on the best I can of this friendly match .

Give me to say your impressions of carrying out in this friendly match .」

 

「貴方に一番聞きたいことはこの親善試合のことね。この親善試合に出るにあたっての感想を言ってほしい。」

 

「そうですね、私…………いや俺は、弱いです。ですので強い相手と戦って死なないかどうか不安です。それ以前に人の目の前に居るだけで、緊張してしまいます。ですが、保護されている身、そこで引くわけにも行きません。」

 

そう言い、通訳が話す。そしたら少し含んだ笑いを込めながらこう言った。

 

「You're very honest .」

 

「あなたはとても正直ですね。」

 

と、それが意味するところは実の所分からないようにしないといけない。

 

「Thank you for talking .

Profession , I have no opportunity to speak with such students .」

 

「話してくれてありがとう。

職業柄、学生などと話す機会が無くてね。」

 

すると、通訳が腕時計を見やり、首相に耳打ちする。そして、通訳がこういった。

 

「織斑千冬さん。本日はご訪問ありがとうございました。誠に申し訳ありませんが仕事が押してしまい、今日はこれまでとさせていただきます。ご予定通り、当国が用意したホテルに宿泊なさってください、質は保証いたします。」

 

…………秘書のような男とか思っていたが、本当に秘書だったとは・・・通訳と秘書の二足わらじとか最強じゃね?

 

「それでは失礼します。」

 

おっと、俺は扉を開けて退路を確保する。俺は扉を開けたまま、担任殿が退室するのを待ち。退室した時を見計らって自身も退室した。

 

 

 ◆ ◆ ◆

 

「はぁ、緊張した。」

 

俺は溜息をつきながら、そういった。ただ、人前に出てやるだけだったらあそこまで緊張しないだろう、それ以前に普通を演じなければいけない。無害で無知で正直過ぎるそんな少年を。

 

「お前はあまり喋って居なかっただろう?」

 

ま、そうなんですけどね。立ち位置、振る舞いからして、本当の性格見たいな物はにじみ出てくるんだよ。

 

「ホテルか…………。」

 

「どこから飛躍してきた!?」

 

「いや…………高級なところだったらやだなぁと。それに俺枕変わると眠れない・・・。」

 

といいかけて止めた。担任殿が握り拳を作っていた。

 

 

「快眠できますが?何か?」

 

「よろしい。」

 

 

暴力に負けたりなんかしない!暴力には勝てなかったよ・・・。


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