IS 化け狐と呼ばれた男 リメイク   作:屑太郎

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ナトゥヤスミィ編
相澤、空を飛ぶってよ


ああ、夏休み初日の惰眠は気持ちいい…………。

もうこれにかなう娯楽みたいなのはないね。マジで気持ちいい。

布団に篭る温い空気に、微かに聞こえる自分の寝息とそして少々の雑音。そして眠っている時特有のぼうっとした感覚に、適度な揺れ(・・・・・)。これがいい。

さて、半覚醒状態から完全に眠りに移行しよう…………オヤスミナサイ。

 

「zzz…………。」

 

 

 ◆ ◆ ◆

 

ん…………あぁ。時間がヤバイな。そろそろ起きるか。

 

起きようとして薄目を開けた時に見たのは、細長い棒のようなものを持って俺に向かって振り下ろそうとしている人間だった。

 

「オフワァッ!?」

 

俺は体を捩じらせて、その一撃を避ける。俺の顔の横にその細長い物体がめり込んでいる。

 

「ちょっ誰!?」

 

そういいながら、飛びのいて戦闘体制を取る。……………ってあれ?

 

「何やってるんですか担任殿?」

 

織斑先生こと、担任殿が「逆だ。」居た。何かおかしな言葉が飛んだが、俺はそれを無視して続けた。

 

「いや、俺の部屋に入って…………ってあれ?」

 

眠りから覚めて周りを見たら。…………完全に飛行機ですやん。

 

「え?」

「ウェルカムトゥー飛行機。」

 

ええええええええええええええええええええええええええええええええええッ!?とりあえず心の中で叫んだよ!

 

「えぇ…………。何でまたこんな酔狂なことを?」

 

俺を拉致っても意味ないじゃない。…………アレ?俺殺される?ここで俺の物語完?だって、俺と一緒にこの理不尽(織斑千冬)がつかまる訳ないしもしかして国を挙げてのIS学園殲滅作戦でも展開されたか?。

 

「はぁ、1から説明する。とりあえず座れ。」

 

「へいへい。」

 

とりあえず、座った。俺はそこらへんにキャビンアテンダントでもいないかと探しながら、耳を傾けた。

 

「お前、公式戦は何回やった?」

 

「ああ、全然戦ってないですね。」

 

以前、一葉と話したことだな。戦わなさ過ぎて問題になっているって言うことか。

 

「…………何か分かっているような口ぶりでむかつくな。まあいいそれで、前々からなんだが私の知り合いに……………なんと言えばいいか、バーサーカー(狂戦士)が居てだな。」

 

「類は友をよブベッ!?」

 

痛い、殴らなくてもいいじゃない?

 

「それが、男性IS操縦者と戦わせろとうるさいらしくてな。」

 

はた迷惑な存在ですね。

 

「お前を連れてきた。」

 

「…………要約、丁度いいから連れてきた。」

 

「その通りだ。どうせろくに予定という予定はないだろう?」

 

「有りますよ、惰眠をむさぼるという役目が。」

 

「殴るぞ。」

 

「殴ってから言わないでください。」

 

因みに俺の顔は少々腫れてきている。それにしても俺は戦ってないからサンプル取りのために戦って来いや…………かぁ。

 

「俺あまり戦いたくないんですが?」

 

「何でだ?」

 

「今のISを兵器として、武装として使いたくないんですよ。」

 

一度そう使ったけど、どうにもなりはしなかった。ただただ破壊のみを求めるそれだけの代物なんて俺は要らない。

 

「俺の手にはあまり過ぎるほどの力ですよ。ISって言うのは。」

 

「お前のその言葉を専用機持ちに伝えてやれないのが不憫で仕方ない。」

 

まあ、IS嫉妬の時の攻撃に使うほどだからな。アレはまずい一夏が死にに行くレベルだもの。ま、俺が専用機持ち達をけしかけて一夏()VS一夏ラヴァーズ()とか言う状況にしているのもあって一夏自体は凄い上達しているんだけどさ。

 

「さっきの言葉を言っている時結構カッコよかったぞ。」

 

「よかったですね、レアですよ。俺のカッコいいところはツチノコレベルでしか見られませんので。」

 

つまりは欠片ほども存在しない。と言うか、これからどうしよう。こうして水面下で何かやられると偽りようがないからな。

 

「戦うしかないのか…………。」

 

俺は深く溜息を付いた。担任殿がバーサーカーと形容した奴だ…………本当に手の付けられないバーサクやろうなんだろう。誰も止められない、もし女尊男卑主義の奴だったら俺を殺しにくるし、もうこれ終わったな。

 

「ああ、会ってみれば分かるが結構なバーサーカーっぷりだぞ。」

 

「そうかい、もう俺は余生を楽しみにしているよ…………スンマッセーン!ナッツとか有ります?いえいえ、戻せとかは言わないですよ?。」

 

「ジジイか貴様は。」

 

「死に掛けるような奴に会いに行くんだろ?最も、俺のようなミジンコ以下の存在にとっては、アンタの知り合いってだけでそれはもう死に値するね。だったらどこ行くのか分からないけど、ぬくぬくと過ごしてきますよ。」

 

「ぬくぬくか…………。」

 

「まあ、この時期になっていると熱いだけですが。」

 

七月に入ってさらに熱くなってきたもんなぁ。

 

「いや、寒いと思うぞ?」

 

「え?」

 

「今からいくのはオーストラリアだ。」

 

俺はその言葉を聞いた瞬間に溜息を付いた。

 

 

「スキーかスノボでもやるか?遊ぶわもう。」

 

 

 


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