時は、めんどくさいことが全て終わった、臨海学校で皆を説き伏せていたら眠くなり、霞のように消えていた二人の天才女性を頭の片隅で考えながら、残された菓子を処理として腹の中に納めていた時のこと。
目が覚め、寝ぼけ眼で菓子を食い漁りながら時計を見てみると、時間的に失敗したらここら辺が火の海になっているであろう時間と確認した。
全て終わった…………。本当にめんどくさかった、と言うより、この後の面倒事を考えるだけでも気が滅入る。
『やあ、もう起きたかい?』
不意にやって来た脳内からの呼び声に驚くことはすれ、反応が鈍くなったなぁと思いました。
『そっちの方が都合がいいがな。』
いちいち驚いていたら心臓が持たないわな。で?どうなったんだ?あの銀の福音とやらは。
『ああ、全専用機持ちが終結、色々苦戦もして銀の福音との接戦を繰り広げ、あわや作戦失敗か?と言う所まで来たが、なぜか一夏君が復活!パワーUPしたISを引き連れて見事、愛と友情とその他もろもろ主に私達の力で銀の福音を撃破。搭乗者の命も救われてこれで丸く収まった。もちろん君のおかげでお咎め無しだ。』
そりゃよかった、と言うか事象を言葉に起こしたらそんな程度だったのか。
『まあね。あ、何時ものスマホの方に変えるから。』
了解
と言って手近にあった俺の荷物を漁る。これか。最近、エネは何時かの日のようにスマホから声を飛ばすことが多い、そのときは重要な会話などは起きないから問題はないが、強いて上げるなら、その状態だと独り言と見られることだろう。それなので通話用のヘッドセットをダミーのようにして喋っている。
エネは寄生しているから、スマホに移行してもデメリットしかないような気がするんだが。気分だろう。
「あ、つけたかい?」
「大丈夫だ。」
「そりゃよかった。」
「それよりこれからどうするんだ?」
「そうだな、当面の私達の敵…………
「たしか、基本的に専守防衛みたいなことは言っていたしな。」
「ああ、人間の手に御し得ないと判断してしまったら、最悪破棄される場合もある。コアの周りは強固だがあまりコア自体は繊細だし破壊は簡単だ。まあ、ツンデレと同じだよ。」
「最後のたとえで一気に迷走したが、なんとなく分かったのが辛いな。」
「くっくっくっ、そうかい。それよりお疲れ様。」
「此方こそだ、本当にお前が居なかったらこの時はどうしようかと。VTシステムの制御に、此方の
「なん……………だと…………。そっちの方がよかったじゃないか…………。」
そうかもしれないが、お前にとってだろう…………。
「アレが、俺の出せる最適解だったってだけだ。俺に少し利益が行くように仕向けただけ。」
「それが人にとって、あまり好ましくないんだよ。」
はて?何を言っているのやら、そんなこと誰だってやっている、戦争とかその際たるものじゃん。人の苦しいとか言ったのを他人から奪って満たそうとする、そのためには武器が必要、それでその武器を作ったのは誰だ?それは、武器を売り上げて利益を得る武器商人達だったりする。
このように大きな流れに沿って、利益を作るのは当然のこと。
「長いものには巻かれろって言うし、それでもダメと言うのなら自然的に淘汰されるさ。」
「またまた、屁理屈を。」
ただ俺がめんどくさがりなだけです、はい。…………直そうとしない。するわけがない。
「まあ、愛想尽かされないようがんばりはしますよ…………。ファントムタスクか。」
「ああ、規模、戦力は現時点で不明。どれほどの網を広げているのかすらも分からない。さらってみたが、幹部と実働部隊に分けられているぐらいしか分からなかったな。」
そこは、大体のものと同じか。世界研究者クラブとか実にその手法を取っているし。。
「幾らでもやりようはあるな、となると、軍を相手取るということは一国レベルの組織力はあるということか。」
「だな、軍はそのまま国になるともいうし、そのくらいは考えておいた方がいいだろう。」
全く、モノは大切に扱いなさいって母ちゃんに習わなかったのか?…………ま、何もいえないが。めんどくさそうだなぁ、と考えながら俺は自分の天邪鬼さに頭を抱えていた。凄い行きたくない。
「あれ?…………」
「どうしたんだ?何かまずいことでも…………。」
「戦闘を終えた専用機持ち達が戻ってきて一夏君が……………。」
その呟きの少し後に一夏が姿を現した。ISスーツすら着替えずに憔悴仕切っていた姿を見せて入ってきた。…………。
「お疲れ。」
「お疲れ。」
それだけで十分・・・というよりこいつは俺が動かないことを分かっているからな、もはや諦めの極致に達しているのだろう。一夏との関係はビジネスに等しい、俺は男と言う女だらけのところに安息を与え俺は一夏の情報と人脈とで二粒で二度おいしい、ギブアンドテイクが成り立っている。
人脈に関して言えば俺にはまねできないな。人柄がなせる業なのだろう。
「そういえば千冬姉がお前のことを呼んでいた……………早く行って来い。」
「ゲッ…………なんだよ、めんどくさい。」
いや、ほんとになんだ?一夏の写真はすでに密売ルートはばれては居ない、ばれた瞬間に即潰されるだろう。後他に…………酒をぱくって対ISに使えねーかなとか言っていたのがばれた?現状ではそれぐらいしか思い当たらん。
俺は渋々ながら立ち上がり、重たい足を運んだ。
「お前に…………任せてもいいか?」
一夏が去り際にそう呟いた。
「俺に任せていいものなんてねえよ……………逃げるな、てめえで背負い込みやがれ。持つものは持つ責務がある。」
◆ ◆ ◆
気が重いと行動も鈍重になると思う。足に根を張られたように前に進まない、恐らく担任殿が居るであろう、専用機持ちたちに場所を聞きだした、部屋の前に、立ち覚悟を決めた。
「失礼します。」
部屋に入って出迎えたのは、ただの拳。おおよそ人が認識できるほどの早さであったのが気になるところだが。ただ俺はその拳に歓迎されるままよろけた。
「はぁ…………してやられた。今回はお前の勝ちだ。」
そういい始めた、俺はそれを黙って聞いている。
「さっき、お前の所属している世界研究者クラブに問い合わせたところ、返信が『そのような情報は入ってきていない』だ、世界研究者クラブは、その知識と成果を世界に発信し、公然性があるからこそその形を保っている!それがなぜ、お前に情報がある!?なぜVTシステムの亜種があるといえる!?」
一つずつ条件を言っていくその条件を考慮すれば素人でもその答えに行き着く。
「私の友人の名を騙ったのか!?」
そう、一つの可能性としてなかった賭けではない。失敗する要因はそこにもあった、それは相澤一葉がこの事実を世界研究者クラブに隠蔽していた場合の話だ。一葉はこのことを言いたくないようだったし、世界研究者クラブも一枚岩じゃない。
まあ、此方としても緊急時の穴だらけの作戦なぞ、その程度で終わると思っている。だから分かりやすいように俺は二つ出したのだ。
世界研究者クラブと篠ノ之束の名を、もっと言えば。人間一つ疑えば全てを疑う、織斑千冬から見て俺の言った言葉お友達はすでに意味を成さない。担任殿は今、全てを本当のことを言っているとは考えられない。
「ちゃんと、許可は取りましたよ。」
「!?」
担任殿が俺を殴った握り拳を作る力をさらに込めた。感情のままに殴ろうとしたが一瞬理性が勝ったのだろう。その隙を見逃さず俺は言葉を入れる。
「騙ってはいません。」
「ならこれはどう説明する?」
その問いに関してこういうべきだろう。
「俺はこういいましたよね?『俺の目的は状況の停滞を打破するってだけ』と、実際にこれは達成された。」
その答えは、絶対的に担任殿の失敗を目の当たりにする事になる。その失敗は…………。
「そして、もう一つ目的が俺以外のところで達成されている。」
「そう、篠ノ之束だ。奴の目的は。」
「織斑一夏と篠ノ之箒の戦績を上げる…………つまり、売名行為だよ。」
「それはアンタも分かっていたはずだ。だが、それに危機感をもたらせるために。」
「だから、世界研究者クラブ名を使ったと?」
「ISまで譲渡しているのだから、説得力は抜群だっただろう?何のつながりもなかったとしても。」
そう、ウソは何も事実を隠蔽するだけじゃない、事実をウソにすることだって出来る。
「…………お前は、何者なんだ?」
「何者でもないさ…………だから、何にも出来ない。俺がやったことと言えば命令違反を命令どうりにさせたってだけだ。」
本当に何度も言ってるわこんなこと、何度も言いたくない。
「貴様はやってはならないことをした、命令系統を混乱させる。」
「そもそも、奴さんが動き出したんですから俺に責任を負わせるのはどうかと思いますがね、そもそも勝手に勘違いしたの其方じゃないですか?」
「うっ…………。」
「そ・れ・に………高々、15前後のガキに騙されたと言うのって恥ずかしくないですかぁ?」
その時俺はいやな笑顔だっただろう。基本的にSなのだ。I AM S 略してIS。
「『ぶっ○ろすぞ。』」
「ごめんなさい。」
俺は土下座をしていた。エネに思考を読まれているのと担任殿とのダブルパンチを食らったのだから仕方ない。すると、呆れたのかよく分からないがこう言って来た。
「まあ、結果論で物を見れば成功には変わりないが。」
「そうしましたし。」
大体、真実が全く別の所にあります。
「…………今後はこんなことをするなよ?」
「はい分かりました。」
これで終わりか。よかったというかこれで一件落着だな。後は帰るだけ。俺は一礼して自身の部屋に戻る。一夏が制服に着替えて、すでに帰る準備をしていた、そこらへんの行動力は評価する。
「これで終わりか。」
これまでの騒がしさに一抹の寂しさを覚えながらも、収穫はあったなと荷物を漁り3つの弾丸を手に取った。少し、微笑がこぼれる。これがお金に美味いの何のって、取らぬ狸の皮算用なのは分かっているが、かえって売りさばくのが楽しみだ、というよりこれしか収穫がなかったなぁ
「ま、結構楽しかったな。」