ちち ちちち
と読みます。
「疲れた…………コイツも起きないし。」
さっき、TVシステム。この場合ヴァルキリー トランスプラント システムを沈黙させ、ISコアを救出した所だ。俺自身で電脳空間から出ることは出来ないので、エネの帰りを待っている。
「コイツおきれば幾分か暇じゃなくなるんだけど。」
まあ、叩き起こしたらかわいそうだし、そんなことはしないけど。
「ただいま。」
「帰ってきたか…………。」
妙に清々しい顔しているな?何かあったのか?
「康一、君に土産を持ってきた、場所はあの弾丸のところでいいだろう?」
弾丸?ああ、あの写真を取りまくった弾丸のことか、確か写真はもうパソコンに入れ終わって居る時だと思うからエネの情報を入れても問題はないか。
「ああ、大丈夫だ、問題ない。」
「それ、エルシャ。いや、なんでもない。それより、隣の彼女はここのISコアか?」
俺は首肯した。VTシステムから取り出してきたからそれで間違い無いだろう。フーンと言った相槌を打ちながら、隣の人に手を伸ばした。
「え?あれ?…………ウソ?マジか。特異点かよ。」
「特異点ってなんだよ。少し口調が変わるほどのヤバイ物なのか?」
「ISの特異点。これは、ISとのシンクロが元々高過ぎる人のことだな、高いとISコアとの対話も出来る、だから私達の間ではもっぱら
非常にどうでもよかった。
「そうか、しかしここから戻ったらどうしようかな?それより今はこのISの機体はどうなっているんだ?」
そういえば、俺はここに居て外のことは全然分からないんだよな。
「ん?うん、私の思惑通りにいい感じにVTシステムが沈黙している。これなら、VTシステムの暴走がやっている挙動を偽装する事ができる。」
あのエネが?エネだったら絶対に許さなくて、この状態からVTシステムの痕跡すらも残さないように動くはずなのに
「どうして、そんなまどろっこしい事するんだ?」
「それは…………泳がせるためだよ」
何をだよ
「VTシステムを作った人間と接触して、その人間にバックの組織があると言うことは確認した、そしてその組織から見て突然沈黙したこれを見てどう思う?」
なるほど、この状況で止まったらIS学園に切り札がある。もしくはVTシステムを止めるほどのものを持っていると言う事を誤解させてしまうわけか。そして何より。
「お前や俺の存在を明るみに出してしまうか。」
「ああ、適当に暴れさせて一夏や妹に倒させる。」
ありがたいな、俺もこれで動きやすくなる。これは、仮にも暴走状態とは言え軍属のISを倒すとそれなりの腕があるとも見られるからな、前に公式記録としては勝利は付かないかも知れないが、戦ったことは事実だそこはどうしても隠蔽できない。
「これで一件落着って所か。」
「ああ、それじゃ、電脳空間から君を出す。後は私に任せたまえ。」
「あ、一つ注文いいか?」
このまま出てしまったら担任殿に見つかり、かなりめんどい事になりそうなので…………。
「トイレに確か一つスマホ置いてきたからそこから出してくれ。」
「なぜそんなところに…………。まあいい、ご希望通りに沿おうじゃないか」
「フヒヒwwwアザーッスwww」
そういった直後、画面が切り替わるようにして俺はトイレに居た。もちろん男子トイレだ。
「さてと、一葉と遊びましょうかね。」
俺は帰ってきた後も奔走するとは思わなかった…………。ふらりと立ち寄ったふすまが開いていた部屋で。
「箒さんと一夏か。」
そこには点滴につながれ、包帯だらけで寝ている一夏と、その隣で悲痛な面持ちで座っている箒さんの姿があった。それを見たとき俺は。
「はぁ、めんどくさそうだな。」
遅過ぎたのだ。何もかもが。後手後手に回るこの俺が。