彼は目立つというのが死ぬほど嫌いなのです。
さて、前回でなんかヤバイ感じの雰囲気をかもし出していた山田先生に連れられた俺こと相澤 康一だったが、その場に一葉を置いて、ある場所に集合したのだった。回想終わり。
集合と言われ呼ばれた場所は、もともとは旅館の一部だったのだろう、畳に不釣合いな精密そうな電子機器が置かれている、そこからホログラム投影機器が出現していて宙にディスプレイあったり、まるでちょっとした秘密基地のようだった。
「早速だが、お前達にやってもらいたいことがある。」
なんでしょうね。呼ばれたのは俺、一夏、箒さん、オルコット嬢、凰、デュノアの娘っこにラウラ。俺以外は緊張した面持ちで次の言葉を待っている。
「二時間前、アメリカ所属軍用ISシルバリオ・ゴスペルが暴走を起こし、亜音速で日本の領空内に入ったことが確認された。」
そういいながら、衛星写真なのだろうか?ホログラムディスプレイにそれらしき写真が写る。あらま、それはそれは。よく分からないけどピンチってことでいいのか。つかむかつくな、そんなことのために俺たちを駆り出しやがってめんどくさい。と言うか写真が荒い!まあ、亜音速とか言っていたし、黒っぽいノイズみたいになっているのはしょうがないんだろう。
「それなら、一刻の猶予も無いって感じね。」
凰が呟くようにそう言った。
「ああ、そうなる。続けるぞ当ISは亜音速飛行を続け、二時間程度で旅館付近の沿岸に到着する。そこで、私達教師部隊は水際作戦を取り、領海領空内の封鎖をする。幸い周りに人家は無い、ここの警備を固めておけば大丈夫なのだろうが、そうも言ってられないからな貴様達専用機持ちにそれの迎撃を行ってもらいたい。」
「迎撃の役は織斑一夏、貴様だ。」
なるほど、音速に近い機体で一回ぐらいしか攻撃できないんか、そこで諸刃の剣を持っている一夏が迎撃をするってことか。
「織斑の高速戦闘が出来る機体、またはパッケージのあるものはいるか?…………あいつが居ればめんどくさくはなくなるんだがな」
そう言った、するとオルコット嬢が手を上げた。まあ、俺も手を上げた。一夏の足になるのはいやだけど。と言うより微かに聞き取りづらかった声の方が気になる。
「織斑先生。」
名前を呼んだ。
「なんだ相澤。」
「分かりにくいので三行でお願いします。」
ズルッ!?ドテッ!!
「こんな緊急事態にそんなことを聞くな!!
暴走したISがこっちに来てる。
私達が周辺の被害を抑える。
だからお前ら止め刺せ。
…………満足か!?」
「あざっす。」
ま、俺の機体も亜音速飛行できるとか出来ないとか書いてあったような気がするんだがめんどくさいから言わない。
「つーか、一夏俺はこの話を長く聞いて居るとシャバには戻れないような気がするんだが…………。気のせい?」
「知るか。」
そうですか。
「私は、強襲離脱用高機動パッケージ。ストライクガンナーを換装すればと言った状態でしょうか…………どうやら、この中で高速戦闘ができるのは、わたくしだけのようですわね。」
まあ、|ラファール・リバイブ カスタムⅡ(の皮を被った何か)《シャルロット・デュノアの専用機》は元がラファールであるだけにそこまでの速度は出せないだろうし、
「そうか、それならセシリア・オルコットを攻撃の中核にほかは自室待機だ。」
ラッキー。俺、マガツさんをおいしく頂きたいんだよね。プレデターモード
「どうも、篠ノ之束です。私に良い作戦があるのです。」
なんかいきなり出てきたな、恐らくコッソリ入ったとかそんな感じだろう。久しぶりにマリパやりたい、友情破壊ゲームとか言ってるけれど友達とやったこと無いから問題はない。
「…………なんだ?」
「ふっふーん、箒ちゃんに渡した専用機は第四世代機体の身一つで即時の戦況対応が出来るという優れもの!つまり紅椿は高速戦闘が出来るのだ!」
あ、っそうっすか。じゃ俺は関係無いな。と思いつつ俺はばれないようにコッソリとこの部屋を出た。
恐らく、中に置かれていた機器のせいで部屋(今では作戦会議場だが)が少し暑くなったのだろう、部屋と廊下の気温の温度差に少し鳥肌を立てながら、目的の場所へと歩いていく。
◆ ◆ ◆
さて、今の状況を
『私の出番か?』
「最悪はな…………はぁ、良かっためんどくさかったからなばんぺッ!?」
突如として、横合いから腹にドロップキックをされたような痛みがッ!ふと見ると一葉が居た。
「お兄さん!?貴方めんどくさがり過ぎるでしょ!!アレぐらいカゲアカシがあれば一発なのに!!」
と言って、カゲアカシの待機状態。アンクレットをそのまま手渡した。はぁ…………。丸め込むのに結構かかりそうだな。
「ステイ、待つんだ頭を冷やせ。ここで俺が行ったところでだ、何もお前の状況が変わる訳じゃない。いいか?相手はアメリカ軍所属でそして、暴走しているんだ。国防の主を担っているISがそう簡単に暴走しましたーとか国が言えるか?そう、つまり揉み消すことになり公式的な記録は残されない。戦績としてこの作戦は通用しない以上だ。」
「それ以外に何かあるでしょう?例えば…………一緒に戦ったとか言うそんな経験とか。」
「ま、人それぞれに戦いはあるって事だ。見守る…………それも戦いだ。」
そういいながら、俺は狙撃銃を手に顕現させ、少し不敵に笑いながら一葉の額に当てる。その一瞬の行動で呆れさせたように首を振った。
「俺の信条は、堂々とコッソリ派手なことをやるだからな。」
「お兄さん、この前あなた信条は毒、狙撃、爆弾で大抵何とかなるとか言ってませんでしたか?」
「さぁ?三日前のことは覚えてないから。早く行くぞ」
踵を返して、続けて目的の場所へ…………え?目的の場所?そりゃ。
「よっす。」
「…………何しに来たの?」
「あれ?相澤君?久しぶり。と言うよりその馬鹿でかい狙撃銃は?」
簪さんのところだ、笠森さんも居るようだがな。何しに来たかと言うと。
「本物のIS戦闘を覗きに来た。それと、笠森さん久しぶり。」
そう、こういうことだ。そのまま見るとISのごたごたに身をやつしてしまいそうなので隠して見ればいいんじゃね?と言う話である。なぜこの二人の部屋なのかと?それはね、ばれた時に道連れが欲しいからだよ。
「ちょ、正気ですか!?」
「どういうこと?」
「ISの戦闘を覗く…………リスクは?」
すると、簪さんがそう聞いてきた。
「すごい厳罰。」
ので、素直に返す。まあ、揉み消そうとしているんだそれなりに釘を刺されるだろう。
「ばれないように?」
「していない。」
「…………何とかしよう。」
「するな!!」
一葉が思いっきり拳を振り上げ簪さんの頭に振り下ろした。コキンとかいったいい音が流れていたが痛くはなさそうだ、大体腕力が有り余っている技術者なんてあまり居ないと思うが。
「あ、どうも。専用機の節はお世話になりました。」
「いえいえ、此方こそ…………って、あの時とずいぶんと変わりましたね!?」
「ええ。それに…………。」
と言って、言葉を溜めるように区切り、頬を赤く染めながら目を閉じ、身を震わせながら。…………ってこれはどこかで見たことあるようなこうど
「康一君に色々と教わっちゃいましたから。ポッ。」
…………いや、やってないよ?大人の階段はクライムドゥしていないの。まだチャイルドステップも踏んでないから、生まれたてのその身のままだよ?『どの口が言うか。』失礼しました。と言うよりアレか?お前ら、俺を追い詰める事を生きがいとしているのか?そうとしか考えられないんだが、まあいっか、それは置いとき話を進めよう。
「それじゃ、ISの戦闘は見る?確かここは海に窓があるからこれが使えるはずだ。」
少し狙撃銃を揺らし、その存在をアピールした。
「狙撃銃…………だよね?援護でもするの?」
それを見て笠森さんはそういった。まあ、初見で見破れる訳が無いがな、ぱっと見PGM ヘカートIIにしか見えないし。と言うよりマジでどっかの女子高校生に持たしてよこれ、どうせアレだろ?日本で使うからって安易にこんな形にしたんだろ世界研究者クラブさんよぉ。
「覗くって言っているだろ?これはな超高性能なカメラなんだよ。」
「へぇ、そうなんだ」
まあ、ISと連動させることで水平線まで見えて、逆に近ければミクロン単位で見える顕微鏡になるとかいった頭の狂ったものだが。
「で、見る?ばれたらやばいことになりそうだけど。」
「ここでやんな!」
おう、まあ、当たり前ですよね。そこから、笠森さんがめっさ怒り狂ったように注意してきたので、聞き流しそしてこの部屋を出て行き、俺が寝ていた部屋に直行した。
「…………なぜ入ったのです?」
「暇だったから。」
「酷いな。」
「ま、それでも数少ない友人だしな。」
「あ、そうなの?」
「そうなの。確か食べ物はあったはずだし、観賞にはこまらないはずだ。」
ポップコーンとか有った様な気がする。『映画を観賞するわけじゃないんだが』あれって歯の裏にポップコーンの欠片みたいなの挟まる時あるよね。
「無視すんなやゴラァァァ!ってタックルしたくなりましたけど。まあ、いいでしょう付き合いますよ。」
それじゃ、一夏達の作戦でも観賞しますか。