IS 化け狐と呼ばれた男 リメイク   作:屑太郎

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あけましておめでとうございます。

来年も、あまけしておでめとうと言えることを願って。

つか、今回は長い。



康一の暗躍

康一SIDE

 

あぶねえ…………。

『本当だね・・・後十分遅れていたら・・・。」

 

まったくだ。俺は今、簪がステレオタイプのナンパに絡まれていたところに助けた、駅前にいる。そうして、この場所に来たのは唯一つ…………暴動を止めるついでに、恋する女の子を観察するためだ。

 

『どうして、暴動なんて突飛な状態にまで思考が飛躍したんだ?』

 

エネがそう問いかけていた。いや、本当に問いかけているのかはよく分からないが。だがそれには日本海溝ぐらい深い訳がある。

ほら見ろ。

 

「あれ…………何に見える?」

「そうですわね……………恋する乙女にしか見えないですわね。」

 

そこには、代表候補生二人・・・凰 鈴音とセシリア・オルコットの代表候補生ダッグが物陰から何かを確認するように居た・・・。その何かは例に漏れずあれだ一夏とデュノアの娘っことの買い物だデートと言い換えてもいいだろう。というより若い女の子がレイプ目していちゃ示しが付きませんよーい。・・・あんな姿じゃ完全にそんなこと口に出せないな。

 

『なるほど、ヒロインズ・・・いや、いつもの面子が集まったわけだ。』

 

つまりそうなる、まあ、+αされているかもしれないが。と俺は、銀髪のロリっ子美少女にそれとなく目をやった。彼女つまりこの場合ラウラ・ボーデヴィッヒとの関係は現在、特に変わってはいない、とりあえず爆弾は一夏へと移動しているようだから一安心……………いや、むしろ面白いものにクラスチェンジしているが。

 

『君のそういうところは今でも理解に苦しむよ。』

 

とりあえず、ばれない位に現実で肩をすくめた。まあ、俺はそういうようになっているからねぇ、仕方ないといえば仕方ないのか。

まあ、それ以前に女の子達のことだ、さてここでそれについて反芻(せつめい)しよう。

 

『うん、そうだね。まずはこの状況はどうなっているんだ?』

 

そうだな、このような状況になったのは一夏の鈍感加減とデュノアの娘っこの画策だろうな、全員を誘えばこのような状況にならなかったが・・・IS学園を引き連れるわけにもいけないな。とりあえず、あの代表候補生全部と箒さんもここに来ているっぽいし、そいつらは全員誘うべきだった。

具体的なフローチャートは…………。一夏がデュノアの娘っこにフラグ建築→気付かないままデュノアの娘っこが行動開始→場数が足りない→バットエンド(・・・・・・)。という感じだろう…………………あれ?前がかすんで見えないや・・・。

 

『とりあえず・・・その次だ。この状況を打破するためには?』

 

デュノアの娘っこがデートに誘ったのはこの際仕方ないし全面的に代表候補生達が悪いが、そんなことを愚痴愚痴と不満を垂れ流してもしょうがないし、デュノアの娘っこを全面的に応援することにする。

 

『その心は?』

 

二人っきりのプライベートな時間は一回ぐらい在ったっていいだろう?

 

『はぁ…………その優しさをまたどこか別の場所に使えればいいんだが。』

 

俺から奴らへの好感度はすでに最大ですキリッ。…………具体的にはそうだな、代表候補生の妨害、最低限のクリア条件は一夏とデュノアの娘っこにIS学園の人を接触させないことだな。幸いにもデュノアの娘っこは俺以外の代表候補生には気付いている節が在るからな。ほら今視線送った。

 

『例にも漏れず、君には気付かないんだね・・・。』

 

メリットとして機能しているからいいだろ。いいはずだ、うん。それじゃあ、この条件でサポートよろしく。

 

『…………別にいいがな・・・無理するなよ。』

 

良薬は口に苦い。とはこのことだな。この状況に即した言葉を知っているからそれを使おう。

 

『「さぁ、私達のデート(戦争)を始めましょう。」』

 

そのつぶやきは町の雑踏に掻き消え、俺の思惑は町に解けて行った。

 

 

 

 

簪SIDE

 

「……………ここは?」

 

「まあ来ているとは思うけど改めて説明をさせてね。ここはホストクラブ。その名の通りにお客のホストになりいい気分で帰ってもらう場所だ。」

 

「…………知ってはいますけど。」

 

「そして、この上がゲイバーになっていて、この下の階がBLバーになっているよ。」

 

「なぜそんなことに!?」

 

「すべては…………お客様の為なのさ・・・。今は女尊男卑の時代になってきているからね、女性を不満げにさせるような要因は避けておきたいんだよ。」

 

「…………なるほど、そんなことが・・・。」

 

「目には目を、歯には歯を、奇には奇をって言うことさ。おかしな時代にはおかしな手段で対抗しないとね。何に対しても…………。」

 

「?」

 

 

 

 

康一SIDE

 

「はぁ…………敵性勢力の殲滅を完了した、これでとりあえず護衛対象で対処できない数のナンパ男は寄り付かないだろう。」

つーか疲れた。

 

『無駄なことをするなぁ。』

 

可能性は全て消さねばな…………途中で衣装も変えたのも痛かった・・・。これで財布も剥ぎ取っていったらよかったんだろうが、追いはぎになるからなうん。

 

『いや、簪の時とやっていることが変わらないと思うんだが!?』

 

等価交換

 

『・・・謎理論だな。』

 

何に対してもそうあるべきだ、…………あの時はしこたまぶん殴られたからな。

 

『それが主な理由だろ…………とでも言っておこうか。』

 

最近エネはこのような口調を多用する。よく分からないのだが・・・とりあえず無視して計画を進めておこう、エネ専用機持ちの現在地をよろしく!

 

『分かった。ホイ。』

 

・・・まだ派手な行動はしていないから大丈夫だな。それじゃあ、尾行を始めるかチッ・・・最初に恋人のような会話をしているんだろうなぁ、全く見たかった。事実は小説より奇なりって言うし。

 

『あぁ!見ていられない!!』

 

はぁ?まあ良いや行動を開始する。

 

 

 

 

簪SIDE

 

「…………気に入ってもらえたようで何よりだけど。すごい食いつきようだね。」

 

「………………………………………。」

 

「一応説明しておくけど、ここはホビーが集まっている最新の仮面ライダーのベルトから初代まで、電車模型のパーツ、ミニ四区のパーツに何でもござれだ。ここにない奴でも注文すれば手に入るから足しげくかようのもありだと思うよ・・・って聞いてないか。勝手に変身ポーズ取らないでくださいお客様!?」

 

 

 

 

康一SIDE

 

「…………こちら蛇。水着売り場に潜入した・・・女性用の・・・。そして、俺は二度目の着替えを済ませている。」

 

『ふっ、君も落ちたものだ。』

 

ああ、エネの言うとおり俺は・・・今すごい冷や汗をかいている。ものっそい、ものっそい場の空気の違和感を感じたからなぁ。まあ、とりあえずチャラ男みたくはなっていない。そうだな、イメージ的にはイケメンサラリーマンの週末と言ったところか。つーかあいつ等動き過ぎだろ…………一般人の視界を抜けるように移動するのはかなりめんどくさいからな。男が女性用水着売り場にいたらパシリ待ちかと思われるから今の時代はめんどくさい。

 

『時代が時代だからな、それだけIS(私達)の影響力が強いんだろう。』

 

だけど、大丈夫だ正しく理解してやれる奴が一人居るだろ。

 

『ふん…………ほら、行ってしまうぞ。』

 

ああ、…………動いた!野犬の庭に動きは?。

 

『まだ駅前には姿を現していない、問題はない。』

 

だが時間の問題か・・・。くそ・・・とりあえず妨害でもしておくか。

 

「あの、すみません店員さん。」

「はい・・・なんでしょう?」

「あちらの女の子達が水着を選ぶのに苦心しているようで、気にかけてもらえないかと。」

「は、はぁ・・・」

「因みに、制服が改造出来るので分かり難いですがIS学園の生徒さんですよ?」

「ご協力ありがとうございました!。」

 

…………世の中は現金だな。・・・ここまでIS学園の名に効果があるとは。確かに1学年で400人ほどしかいないからな。おかげで教師陣は猫の手でも借りたい状態だから…………恩は売っといたぜ。まあ、レアだよなぁ。これで見られているという状態になったから問題行動の阻害に成功した。ふう、一安心だ。

 

『まぁ、最悪君が体を張ってとめればいいしな。』

 

そんなことをしたら意味ないだろ・・・むしろ、俺は俺を目立たせないためにこんな周りくどい事をしている、基本的に小市民的な思考の持ち主なんだから。

 

『どちらかというと奴隷根性が染み付いていると思うんだが・・・。』

 

はぁ!?んなことはないだろう?天地神明に誓ってそんなことは無いと堂々と言ってやるよ!!

 

『そうだといいんだが・・・。』

 

 

簪SIDE

 

「えっと・・・ここは?」

 

「本屋だね。この上はブティックになっているよ。」

 

「・・・本当に何でもありますね。」

 

「うん、ここの地下六階は闘技z「それ以上言っちゃダメだ!!」ノリで作っちゃったから…………。」

 

「なぜにそんな益の無いものをつくった。」

 

 

 

 

 

 

康一SIDE

 

「ちょっとそこの男、この水着を片付けておきなさい!」

「はい、ただいま!」

 

『…………何か弁明は?』

 

心って・・・綺麗なままじゃいられないんだよ・・・。

 

「さっきの男よりか使えるわね・・・。」

「いえいえ、そんなことはありません。むしろ此方が申し訳なかったです。あ、カード一括で」

 

『っていうか払うのかよ!?』

 

一夏のことだろうな・・・さっき断られていたし。あ、よっしゃ出てった…………おお、良かった財布ぱくったのばれてなかったわ。ラッキー・・・うおおおおおおおおおおッ!なにこれ?10万レベルで入ってるんだけど、つーかそんな金持っているこんなところで買うなよ!!。

 

『またぱくった!?』

 

ちなみに俺がパクるのは、受動的にだ俺は俺の良心に基づいてパクっているだけだから…………大丈夫、ばれないように配慮しているし、足が付くようなことはしないさ。あ、どうでもいい?この辺でいいな・・・よっと。あ、ちゃんと監視カメラの情報は本当なんだろうな?

 

『ふん、私たちを舐めるなよ!!』

 

ISコアの無限の可能性タグ

 

『止めろぉ!忌まわしいあの記憶を呼び起こすんじゃない!!』

 

やっぱり、あのISコアの研究って不愉快なんだ?ってか一葉の所業を俺に止められたら良いんだけど…………すまない、こればかりは今の俺にはどうにも出来ないからな・・・。

 

『まあ、寄生虫は宿主に対して等価交換を持ちかける…………大体そんなものだ。君が気に病むことじゃない。それに不愉快なわけじゃないし、実際に受けているのは私とは違うコアだ。』

 

そうか。さて・・・。ここまで来たら終わりだ、後は俺が遠目に健全なイチャイチャラブラブを鑑賞するだけだな。…………後これ以上買い物するって訳じゃないだろうし。

 

『あ、ごめん。』

 

ん?どうした?

 

『面白いかと思って…………もう、野犬の庭から魔王が飛び出して・・・いま。』

 

「相澤!ここで何をしている?」

 

 

 

 

簪SIDE

 

「ここは服屋だね。」

 

「ええ・・・見れば分かりますが・・・なんですかこれ!?コム○ィ・ギャル○ンに、ダ○ヒル

って・・・完全にそれ系御用達じゃないですか!!あ、よだれが。」

 

「気をつけてね。ドレスもあるから一着「止めてください・・・私が耐えられない・・・。」あっはっはっはっはっはっは!!……………。」

 

「え?なんでいきなり無言に・・・。」

 

「確保ォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!!」

「え?えっ」

 

いきなり女性の波が発生し・・・・・・そして、撤収していき。

 

「ひ・・・酷いですよ・・・。」

 

「大丈夫!似合っているよ。」

 

きらびやかなピンクを基調としたドレス姿に様変わりした。

 

 

 

康一SIDE

 

ハッ・・・ギャルゲーでのCG回収したようなそんな感じが…………。

 

『いやこの状況で言えるのはそんなことじゃないだろう・・・。いやまあ、私が言えることではないのは分かっているが。』

 

まあ…………この状況下からどうやってリカバリするかは・・・どちらに~しようかな天の神s『うおおおい!!!運任せ!?特にないのかよ!?』ええい当たって砕けろ!!

 

「こんにちわ担任殿。奇遇ですねこんなところで会うなんて。」

 

「…………ああ、奇遇だな。女性用水着売り場に堂々と居座っている人間に出くわすなんてな。」

 

『話し逸らせなかったな・・・。』うるさい・・・これやばいぞ・・・保身か・・・志か・・・。俺じゃこの局面を抜けられないぞ・・・なんで、織斑先生がいるんだよ。

 

「ええ?そうですか?私はただちょっとパシリになっていただけですよ。」

 

「…………は?」

 

「いやだから、さっきまで女性がいて、それの荷物持ちや雑用を命じられていただけですよ。」

 

『…………酷い絵面だな。』

 

そんなこと言わんといてくださいよ・・・大体日本じゃそこまでじゃないけど、外国じゃそれを日銭として生きている人も居るんだぞ?

 

「断れ。」

 

「この時代にそんなことできるとお思いで?」

 

断ったら即通報だもんな…………洗脳教育を女性に施してそれを浸透させる方がこの世界を壊すのに手っ取り早いような気がする。大体こんなような事で金を稼いでいた時もあったし。…………ショタコンのお姉さんとかやばかったなぁ。

 

『ああ、そんなこともあったね。』

 

「・・・お前は男性IS操縦者だろう?」

 

「そんなこと言いふらしたら殺されますよ・・・最も言いふらせるような人もいないんですが。」

 

大体俺のことを知らない人のほうが多いだろう・・・あ、一夏は別。目の前の担任殿(IS世界最強)の弟というネームバリューのお得セットがあるからほぼ全世界に知れ渡っている。という後ろ盾が大いにありにありまくるからな・・・。

 

「…………お前の立場は私も重々承知していて、必要な措置も取っているが、お前がそれを理解していないのなら・・・死ぬぞ?」

 

「そんで担任殿は何しに来ているのでせう?」

 

とりあえず無視だな

 

「会話がまるで繋がってない!?言葉のキャッチボールという言葉を教えてやろうか?」

『私としても是非に推奨したい!!』

 

ええいお前らなにを言っている・・・こそばゆいわ。

 

「たまたま水着を買いに来た…………いや、ここは大穴で女漁りに100¥!!」

 

「誰とかけているんだ?…………週末の見回りついでに水着を買ってきた。」

 

でしょうね。女漁りとか女ですし百合の気はないだろ・・・。あったら怖いブラコンの気はあr「あべしッ!?なっなにするんですか!?」

 

「す、すまん。なぜかとても苛立ってしまってな。」

 

さすが野生の勘を持つ女…………俺しか言っていないけど。あ、良かった水着選び終わったんださて、ここからどうするか…………とりあえず着替えたい。

 

「そうか。それではな・・・あと、女性用水着売り場に男が連れもなく一人でいるのは面倒だしなさっさと出て行くように。」

 

確かに簪さんを連れてきたのはそういう理由があったからなぁ逆に人の目を寄せたわけだけど。…………ん?そうだ。

 

「水着、私が選びましょうか?」

 

「貴様…………死にたいのか?」

 

おおう・・・怖い怖い。まあ、主な理由としては、とても暇だったから一石を投じてみたいってだけだから特に思うところはないからいいけど。

 

「いえ?別に?このまま帰っても電車でスナイプ!って訳にも行きませんからね。言うなればひつまぶしですね。」

 

この場合はとりあえず守るがてら時間を潰させてくれという意味合いになる。『いいじゃない。面白くなってきた。』

 

「それを言うなら暇つぶしだろう…………まあ、いい許可する。」

 

お?どこでフラグ立てたっけ?

 

 

 

簪SIDE

 

「いやー。ごめんね…………丁度新しいブランドの試作品が出来ていたらしくてね、似合うと思ってついつい着させちゃった。」

 

「酷いです…………。」

 

「本当にごめん!お詫びとは言っちゃなんだけどさっきのドレスはあげるよ。それにこれも…………。」

 

「おおっ!懐かしい…………超重甲!!」

 

「君本当に高校生!?」

 

 

 

 

康一SIDE

 

 

「あざーっす。ちょっと着替えてきますから待っててください。」

 

「ああ、かまわん……………ん?着替え?」

 

「戻ってまいりましたー。」「はやっ!?」

 

ああ、常人より着替えが早いとは思うけどそこまでか?因みに今はカジュアルでありながら紺色の柄物スーツだ。これなら荷物もちにも遊び人にも思われやすいし、なにより今の担任殿のリクルートスーツと言う格好の人と一緒に居ても不自然じゃないからな。『わざわざご苦労なことで。』

 

「それじゃ、決めちゃいましょうか。」

 

「あ、ああ。」

 

さてと、なぜか水着を選ぶというイベントに遭遇した俺は、これからどうなってしまうのかなぁ?俺も分からないどうなるかと思いますエネさん?

 

『知らん。』

 

ありがとうございます。それでは…………どうしよっかな~。ここは…………白で意外性を突くか、黒でイメージどうりに肉体的に視覚を突くか・・・。それともめんどくさいからスク水を着させるか。・・・シュミレート中・・・

 

 

『こちらのスク水でどうですk』

ゴッ!!

 

デットエンド!!

 

 

あ、やっぱダメだ。デットだもん、バットですらないのっておかしいもん・・・。とりあえず自粛してとりあえずこっちのエロティカルな黒い水着の方が似合いそうだな、短めのパレオでも付けとけばアレンジの幅は広がるし。

 

「千冬さん?俺はこっちかこっちがいいと思うんですけど。」

 

俺は黒のビキニタイプに白のビキニタイプを手に取りそれを見せた。すると少し渋るような顔つきになり・・・。

 

「サイズは?…………合っている・・・だと・・・。」

 

といって手を伸ばし、白い方の水着のタグを見た。・・・言わせて貰いたいけど俺の観察眼を舐めないで欲しい、そんなへまする訳無いのに・・・だが、そういうことを言うのならアレだな白い方はそこまで気に入っていないってことか・・・。まあ、際もの的に選んだし、しょうがないな。

 

「それじゃ、こっちの黒い方にしましょうか。千冬さんのイメージにも合っていますし。」

 

まあ、白より黒って言う感じではあるが…………ぶっちゃけ白は箒さんのほうが似合っているような気がするし、特にこれを是非にと推奨するわけじゃないからな。

 

「それに…………生娘に千冬さんの存在は、脅威だ。」

 

攻略に勤しんでいる人間に水をさすような真似はやりたく無いからなぁ。

 

「それに、ラスボスは黒いって相場は決まっているものですよ。」

 

「誰がラスボスだ。…………その二つで選ぶのなら確かに黒の方が。」

 

「そうですね一夏も気に入りそうですし。あいつ興味はあるくせに気付かないから。」

 

「…………なぜ一夏が出てくる?」

 

黙れブラコン…………と思っておこう。思うだけだからな。俺はとりあえず黒い水着をレジに持っていった。

 

「世界の理です。この世界は一夏に収束して行く…………とかだったらカッコいいですよね。これお願いします。」

 

「女性用水着が一点。」

 

「何の話をしているんだ?」

 

「ポイントカードはお持ちでしょうか?」

 

「特に意味は無いです聞き流してください。あ、持ってないです。」

 

「29,800円になります。」

 

「ほい。それで千冬さん、これからどうします?ぶっちゃけ貴女が来たおかげで当初の予定は跡形も無く崩れ去っているんで、どこへともお供しますが?」

つーか暇だ。

 

「三万円のお預かりになります。」

 

「付いてこなくて良い。と言うよりなに勝手に金を出してるんだ?」

 

「レシートと200円のお返しになります。」

 

「あざっす。あ、どうぞ女装趣味は無いんで有ったとしても水着は着れないんで。」

体格がもろに出るから誤魔化しが効かないんだよな確実性の無いものはあまりしたくないし。

 

「止めろ気持ち悪い、施しを受けると拒絶反応がでる体質なんだ。後で払う。」

 

「俺も人に施しを与えると拒絶反応が出る体質なのでおあいこですね。」

 

三万円ほどのリスクぐらいだったらリターンが戻ってこなくても大丈夫だ。軽く百倍以上あるから。つーかもらえるものは貰っとけばいいのに。

 

「まぁ、とりあえずプレゼントですよ。見てる分には楽しかったですし、それで俺の分の報酬は得られたようなものですし。」

『確かにな。』

 

いろんな意味で儲けたな・・・。だけどこのままだと何か文句が付きそうだから・・・。

 

「それじゃ、ばいばーい。」

 

 

 

 

『やっぱり逃げますか!?』

 

「三十六計!!」

 

 

 

さてと…………あのビルに戻りますか。

 

俺は当初の目的をすっかり忘れ簪さんを置いてきたビルに直行していた。俺はこの件について特に未練を残していると言うことは無い・・・ただ見たかった。ただただイチャラブを見たかったなぁ!!

 

『未練たらたらじゃないか。』

 

しょうがない、それじゃ次に備えるか。

 

『次って?』

 

簪さんを迎えに行くんだよ。

 

『馬鹿な……………君にそんなまともな事が出来るとは…………。』

 

「「ピー」すぞ」

 

『さーせんwww』

 

 


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