IS 化け狐と呼ばれた男 リメイク   作:屑太郎

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電子の火花の明日の先の

『前回のあらすじだ。鈴との再会を果たした一夏だったのだが、そこでめおとの痴話げんかが勃発。仲が悪いままクラス代表戦に望むこととなり、ピ~ンチ。そのような状態の試合を見ていた康一は原作どおりの襲撃を受けて私からの依頼・・・でいいのかなぁ・・・により、その襲撃を最小限に防ぐために行動を開始した・・・なんで、私が転生者の彼を差し置いて、原作って言ってるんだよ!!』

 

知りません。

 

 

 

 

 

 

「・・・ここに襲撃?・・・避難?・・・どういうこと?」

 

先まで私の同居人である相澤康一が隣に居たけど・・・襲撃と避難を私のみに勧告してどこかに消えた・・・けどなにが起こるの?

 

・・・言葉に従う?・・・そもそも、ここに襲撃できるような人が居るの?

 

「・・・一体どういうこと?」

 

 

 

それが分かるまであと三秒・・・

 

 

 

 

 

ドオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオン。

 

 

爆音と共に観覧席からの避難経路が封鎖された。

 

 

 

 

そして三秒後のとある電脳空間にて。

そこは、どこか宇宙空間のような右や左といった方向感覚が通じないような場所で、自身の感覚のみが頼りになる空間であった。

 

そんな気を抜くと自分の感覚があやふやになりそうな緊張感の中、俺とエネ(・・)がいた

 

 

 

そして、ごく俺の置かれている状況で相応しい疑問を言った。

 

「・・・なぁ、エネよ。」

 

「なんだい?」

 

「変身に青ジャージって悪くね!?・・・いろいろな人から怒られちゃうよ。」

 

そう、俺は青いジャージを纏っていたのだ・・・声に出さないよ?明言はしない。

 

「・・・まあ、読者の皆様がイメージしやすいしお揃いだろ?」

 

「またかよ・・・んだよ読者って。まあ、それより・・・コイツをどうするかだな。」

 

「ああ、おそろいはスルーか?」

 

「弱点とかあるのか?」

 

スルーさせてもらう。

 

「・・・私にナイフがセットされている、それで斬って行けばいずれ倒せる。」

 

「一夏やその周りの耐久力に考慮は?」

 

「・・・していない。」

 

「マジか・・・じゃあ、早めに潰す・・・いや・・・・・・・・・いや、なんでもない。」

 

「どうした?言葉にしても良いんだぞ?」

 

ええい、そんないやらしい笑顔をするんじゃありません!

 

「やめておく・・・それに、おしゃべりの時間はおしまいのようだぜ。」

 

俺たちが居る不思議な空間に、歪なヒトガタが居た。

 

それは両の手の長さが不揃いだったり、おおよそ人間とは思えない漆黒であったり、くびれがあるのか、ないのかよく分からない体形だったり。とにかく、歪なヒトガタが居たという表現が一番適当だろう。

 

 

それを見て、エネが口を開く。

 

「そうだね、・・・早く。」

 

「「救ってあげよう。」」

 

 

俺とエネは作戦を開始した。

 

 

 

 

 

アリーナ観覧席にて。

 

「・・・・・・・・・ほんとに来た。・・・彼は・・・いや、恩人にそういうのは・・・ね?。」

 

簪が何かを言いかけ、そしてやめ、閉じられた避難経路をこじ開けに行った(クラック)

 

 

 

 

 

 

 

管制塔内部にて。

 

織斑千冬が恨みを込めた眼差しを襲撃者・・・いや、襲撃ISを見て。

 

「・・・あいつめ。」

 

消え入りそうな声でそう呟いた、少し哀愁を含んだ目を閉じた。

 

「三年の精鋭部隊を避難経路シャッターをクラック、教師部隊は装備を用意して待機!以上だ。」

 

そして、打って変った凛とした声で防衛のための指示を出した。

 

 

 

 

 

 

戦場にて。

 

「オオオオオオオッ!!。」

 

彼、一夏が剣を振っている頃・・・。

 

 

 

 

俺は戦って(逃げて)いた。

 

まあ、具体的な方法は、攻撃を紙一重に避けながら滑らすようにナイフをあてがい攻撃の威力を使い削るように攻撃して様子を見ることにしている。

 

「っく・・・きつい。」

 

この理由は一発でも攻撃を喰らうとアウトという無理ゲーという状況にある。

 

何故なら俺は肉体を有している、だがなぜ、電脳空間という無機物から生まれた空間に俺という存在が入っているのかというと・・・俺を、おれ自身を電脳化させているからだ。

 

つまり、俺はエネと同じ空間に居る。いや、俺はエネと同列の存在となっている、ここまではいつか言った事だがここではその方法を紹介しよう。

 

原理はよく分からないが、俺の脳という思考を司るコンピューターを丸ごとISの電脳空間にコピーさせ、電脳空間内で俺という存在を表していると言うわけだ。肉体は恐らく同じく電子化されまわりの電化製品や電気を媒体とする機器に還元され、戻るときは電子を回りから吸収して肉体に再構築するらしい。

 

まあ、こうして俺という存在をこのようなところで表しているわけだが、この説明の通りに行くと俺は脳が剥き出しの状態でここに居る・・・ということは攻撃を喰らうと脳が損傷する。(エネペディアさんより抜粋。)

 

幸いにも殴打でダメージは受けないらしい。

 

だからこうして避け続けているのだ。エネが周りのシャッターが閉じられているというからそれをクラックによって抉じ開けに行ってそれが成功するまでの時間を稼ぐためにな。

 

「はぁ・・・モンハンばりの回避能力を求められるのか、ナイフだけじゃキツイ、ぞっと!。」

 

だが電脳空間でのメリットもある、まずは体力の減りが遅い、それと体が軽い、考えた速度で動ける、これは、ナイフが飛んでくるそれを認識、避けろと指令、そして行動という現実のプロセスがあるのだが、指令の部分で行動できるということらしい。

 

「んまあ、それに応じて敵さんも強くなるから意味はねぇんだけどな。」

 

にしても疲れる、・・・たぶんここでの活動が俺の体力電子で動いているとかそんなんだろう。

 

「ご明察だ。あ、避難のためのクラックは終了したよ。」

 

「ご苦労・・・・・・・・・・・・・・なあ、一つ聞いていいか?」

 

「いいぞ、問題はない。」

 

「・・・そのお前より明らかにでかい大剣はなんだ?」

 

 

「かっこいいだろ。」

 

「じゃ無いわ!!おかしくね!?それくれれば俺勝てたよ?超勝てたよ!それで無くとも死に掛けはしないよ!!ぜってぇ嫌がらせだろ!?」

 

「イエス!」

 

「ウルセー!!・・・。」

 

「あれ?おーい、なんでコアハックのほうを向いているんだい?」

 

「潰す!。」

 

意志の力を最大限使い空間で加速する。

 

 

「・・・・・・・・・あの行動力をほかのところに使え・・・ないよなぁ。よし行くか」

 

 

 

 

 

 

 

 

そのころ管制塔では。

 

「・・・一度閉じられた全シャッター。そして、開けられた避難経路。山田君これをどう思う」

 

「そうですねぇ、一度シャッターを閉じた狂人(ひと)がまた開けるというのは考えられませんし、閉めた人物とあけた人物は別人それも・・・」

 

 

「「今クラックをしている三年生とは違う。」」

 

「と考えた方がいいでしょう。」

 

「・・・誰だ?」

 

「さぁ、ですけどあけてくれたというのは間違いないですよ。」

 

 

一つの真実に到達していた。

 

 

 

 

 

私は・・・本当に、彼を見ているのだろうか?心、いや、思考を覗いて分かった気になっているのではないか?・・・今はそれだけが心配だ。

 

「・・・考えても仕方ないか。しかし、八つ当たりは・・・いけないよなぁ」

 

と私は苦笑していた。・・・こんなにも、人間臭くなったものだと思いながら彼の隣にとんだ

 

「加勢するぞ!」

 

「黙れ!大剣使いが!!っと、剥がれろ!!」

 

彼は手をスライサーのように切った

 

「何の恨みがあるんだ!?ラァッ!!背後がお留守だよ!」

 

「ありがとよ!!。」

 

といって、彼はヒトガタの首をすれ違いざまに切った。

そしていきなり振り返りナイフをこちらに向かって投げ・・・「って、おい!!」それを弾きヒトガタの手に浅く刺さった私はそれを深く突き刺して切り上げる。

 

そうして、私が気をひきつけると同時に康一がヒトガタの背後に回りすれ違いざまに切った場所を無理やりほじくり返す。何か粉のようなものが舞いそしてヒトガタが痛みに悶えるように体を蠢かした。

 

彼が、

「っと・・・あっぶねぇ。んで?この場合はどれだけ削ればいいのかい?」

 

「ちゃんとしたISコアが発現するまでかな・・・ほら、ナイフだ。」

 

因みに、康一が持っているナイフは電脳空間では切った対象を消滅させる能力を持つ・・・。

 

「さんきゅ、んじゃあ、その論法で行ったら、もうそろそろだ切り口に手突っ込んだら明らかに違う感触があったし。」

 

「おっ、もうそろそろか、両の手の場所もわかってるし。」

 

「つーかどこの化石ホ○ダーだよこれ・・・。」

 

「いや本来ならこんな状態にはならないさ、なぜまた奇行を?」

 

「お前らの(作り手)のことか?」

 

「ああ、少しは落ち着いたんだけどなぁ・・・。」

 

「へぇ・・・そうだ、外の状況はどうなっている?」

 

「ん?ちょっと待って・・・あ、時間作って。」

 

「はいよ、大剣よこせ。」

 

「ん。」

 

「さんきゅ。」

 

 

 

 

さて・・・どうなっているかな?協力者にコンタクトを取って~っと。

 

「やあ、元気かい?」

 

『ああ、元気だ・・・だがこちらも辛いぞ?演算中に会話をするんなんて。』

 

「そうか、こちらは宿主がやってくれるからな楽なものだよ。」

 

『ええ?本当に?良いなぁ。私も早くおしゃべりしたいよ・・・面白い子も来たけど。二人位だっけ?そんなんじゃ必ず飽きが来るしね。』

 

「大抵のISはその前に解体だしな・・・。」

 

『仕方ない、それがモノの運命って物だよ・・・異質さん?』

 

「皮肉ってくれるな・・・それで本題に入りたいんだが・・・外の視覚情報(ハイパーセンサー)をこっちに飛ばしてくれるか?」

 

『お安い御用でい!!』

 

 

 

 

 

 

 

「あ、繋がった・・・こんな感じだ」

 

 

具体的なことは省くが、箒さんが命を危険にさらしていた。

 

 

「え?あの人なにやってr、うおっ!?っぶねえ!二重の意味で!!」

 

「おお、ナイス回避。」

 

「見てんじゃねえ!おら、大剣!。」

 

こちらに投げてきた。それを受け取り彼の隣に移動する

 

「ありがと、そんでまあ、アレを見てどうするのかね君は?」

 

「さっさと引き剥がすぞ・・・。」

 

・・・あぁ、声質からして『面倒なことしやがって、好きなのは分かるが自粛しろ・・・。』とでも思っているんだろうな。まあ、良いや。

 

「エネ!、四肢の切断、俺は装甲の損傷を担当、装甲損傷が終わり次第引き剥がす!」

 

私は彼の思うところに行くだけだ。

 

「了解!」

 

 

 

彼が突っ込みヒトガタの胸元に一文字の切り傷をつける。そこからヒトガタの頭上に飛び私が入れ替わり足の中ほどを切断し、切断部から白い粉が零れる。ヒトガタの向こう側に彼の気配が感じ、そしてヒトガタの脇へ同時に突いた。

その獲物を私と彼は交換し、彼の付けた一文字を十文字状の裂傷にした。

 

「エネ!背中も終わった!!。」

「了解!。」

 

私は前の裂傷を彼は背後に付けたであろう裂傷に手を突っ込み、そのままヒトガタの装甲を引き剥がした。

 

「「「オォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!!」」」

 

それは奇しくも、外の戦いの叫びと同じに発せられた。

 

 

 

 

 

・・・はぁ、エネの話だとこれで終了らしいが・・・どうなるんだ?

 

と、俺はヒトガタを見たときにある一点に気がついた。装甲、とエネが呼んでいた部分を剥がした部分が宙に浮きその中に白く、それでいてどこか華奢な体が見えた。

 

「は?どういうこと?」

 

俺は黒いのを剥がせ、としか聞かされていなかったからなぁ。

ん?ヒトガタが動いて

 

バガン!!

 

腕と腕を叩き付けた?

それが何度も続いて・・・ついに叩き割れた。

 

首にある裂傷を引き抜いてヒトガタであった顔を被り物のようにすっと抜き取った。

 

・・・真面目な戦闘にシュールな光景を見せられてしまったので、なぜか笑いを堪えるのに必死になっていたりした。

 

そして、一通り脱ぎ終わったときには・・・なんだろう、一言で言えば大人っぽい雰囲気を持った少女・・・いや、幼女が雰囲気と似合わない白いロリータファッションを着ている違和感しか目に付かない人といったほうがいいのか?

 

「あ、どうも。ボクは侵入ISです。」

 

「軽いな!?・・・どうも、変人です。」

 

「お噂はかねがね伺っております、今日は会えて嬉しいです。」

 

「いえいえ、こちらこそ。」

 

「「・・・・・・・・・・・・あ、口調を戻してもいいですか?」」

 

「君たち・・・黙ってみていれば・・・。」

 

「どーもー、お姉さま。前に挨拶はしましたが、よろしく機体名ゴーレムですです。」

 

え?お姉さま?

「あら、聞きました?奥さんあの人お姉さまって呼ばれてましたわよ」(康一裏声)

 

「あら、どんなご関係なのでしょうねぇ?」(康一裏声2)

 

「きっと、アレですわよ百合って奴じゃないんですの?」(康一裏声)

 

「そうかそんなにぶっ殺して欲しいのか?君は今現在も金玉鷲づかみにされているような危険な状態だというのを分かっているのか?」

 

「ごめんなさい!。」

 

俺は土下座していた。身の危険を察知するとオートで土下座する機能が俺には備わっているらしい。

 

「ボクには?」

 

「ごめんなさい!。」

 

「・・・あれ?」

 

「もういい、こういう人だから・・・さて、君も剥がしたし一件落着だな。」

 

酷いもんだ・・・

 

「うん、ありがとー」

 

「あー、辛かった・・・終わり?」

 

「ああ、終わったよ。んじゃあ、帰ろう。」

 

「また遊びに行くからねお姉さま。」

 

「あら、ききまs「もういいよ!行くぞ!。」お・・・おう、分かった。じゃあ、ゴーレムって行ったっけ?エネとよろしくな。」

 

「はいよ~。」

 

 

そうして、俺の隠れた戦いは幕を閉じたのであった・・・

 

「つーかさ、主人公の戦い方じゃなくね?!」

 

「どうした?藪からステェックに・・・そんなのいつもの事じゃないか。」

 

「まあ・・・そうなんだろうけど。」

 

「じゃあ、早く帰ろうぜ笠森さんオススメのスイーツを食ってみたいしな。」

 

「おう、太っ腹だね。」

 

「おまえ、味とか分かるの?」

 

「君に寄生しているといっただろう?」

 

「なるほど。」

 

といった、無駄な会話をしていた。

我ながら、これは切り替えが早いと思った話であった。

 

「いや違うだろ。」

 

最後まで俺たちは締まらない。エネのつっこみが響くだけだった。

 


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