何事もなく放課後に。
・・・いや、何事しかないんだが・・・いちいち突っ込んでいるときりがないので割愛させていただく。
本来なら、アリーナを使わさせていただき、基礎練習・・・起動、歩き、予備
一夏の専用機は届いているが、俺のそれはまだ届いていない。・・・時間が掛かるらしい。
そして、聞いたところだと。一夏の専用機と俺こと相澤康一の専用機では意味合いが違うらしい。
一夏は男性脳で動くISのフラグメントマップ(これは、ISコア自立進化の足跡のことでDNA、遺伝子のようなものだ。)のデータ取りようの機体であるのと対極に、俺のは男性の体で使用することを前提に作られた専用機だ。
まあ、男性の
そんな作るのは。一夏は
対して俺は世界研究者クラブ。この字面を見ただけで心配になるこの組織、だが、侮るなかれこれは、別名ノアの箱舟と呼ばれている。
世界の終わりが近づこうともこの集団は終わらないといわれ、その由縁は呆れるほどの科学力・・・いや、科学に関係無い学者もいるため文化力といったほうがいいだろうか?その文化力を大量に所持しているのだ。
始まりは六年前。一人の天才科学者が、各地を転々としネットワークをつくりそれが波紋のように広がり、今では国も旨味があるためその団体を容認している。
実態は、天才学者の集まりだ。ただこれだけである。
なぜそれが大きな科学力を持ったのかといえば、システムにある。この世界研究者クラブは、ルールとして”世界の法に触れないこと”、これと”研究をする場合は二人ないし五人で研究すること”この二つだ。
この後者のシステムは、危険であると同時に大いなる恵みをもたらすことになる。
物理学の研究者と生物学の研究者は、研究者ではあるが分野が違い、その知識の差は大きく両者が両者ともカバーしきれない溝がある。その溝は誰も分からないパンドラの箱となる。
まあ、びっくり箱を意図的に作ってそれを解析したら何か生まれるんじゃね?とかやってたら実際出来たというわけだ。
この前、大手動画配信サイトに・・・スポーツカーにISコアを乗せてみた。とかあったもんなぁ。
(因みに、コメント・・・車の形をした何か。ext・・・)
それにISを例に挙げてみよう。
最近生まれたISというもの、既存の兵器を模した何かをぶっ放し挙句の果てにはビームすら出すしまつ・・・だが重ねて考えてもらいたい、既存の兵器に似たものが搭載できるのであれば、既存の兵器の世界的な研究者が、”ボクの考えた最強の兵器”を作りそれが重なり、一つの形になったものがあるとするならば。
それは変態たちが作った変態的な性能を持った変態的なISが出来上がるわけだ。
だが、力を与えるには反動が来る、拳銃でも、ミサイルでも、核爆弾でも必ず。その反動を一手に請け負うことになる器がなかったのだ、優秀な操縦者を潰したら悪い・・・だったら、男を使えばいいじゃない。
という訳で俺にその問題のISが来ることになる。
非常に不安だ。
「・・・・・・というわけなんですが・・・これ、大丈夫ですかね?・・・山田先生?」
「う、う~ん・・・確かに、世界研究者クラブは変なものを作り、かつ実用性に長けていますが。・・・なんともいえませんねぇ」
実はこのモノローグは山田先生への説明だったのだ!!
「始まりからそうですけど、ISコアって言う全機能の6%しか解明されていないって言うのによくここまで、実用に踏み切りましたね?」
「・・・仕方ないでしょう、国防にかかわり、ISを持たない国はほかの国に潰されますから。」
世知辛いな・・・天災と天才は紙一重ってことか。まあ、俺のISの出所はおんなじ様なものなんだけどな。
「んまあ、IS学園の一兵卒には関係無い話でしたねぇ。私は、無駄な考えことばかりしてしまっていけません・・・以後自粛します。」
考えると止まらなくなるからな。気をつけないと。
「いえ、考えるというのは人間にのみ許された行為・・・って、誰かが言っていた気がします、一生懸命考えて、それなりに答えを出せばいいと思いますよ。」
・・・本当にそう思っているのか?
「・・・考えられるのは人間だけじゃないかも知れませんよ・・・。」
「え?・・・・・・」
・・・言ってしまった。それからというもの沈黙が続き、それは俺の専用ISが搬入された場所に着くまで途切れなかった。
「ここです。」
「はい。」
そして入り黒いヴェールに包まれた塊がそこに居た。
「・・・これが・・・。」
「ええ・・・相澤君の専用機、カゲアカシです。」
といって、ヴェールを取るながら俺に向き直った。
・・・ドッキリの看板はどこだ?俺の目には何にも見えないんだが・・・狐にでも化かされたか?
「・・・あれ?。」
といって後ろを、というか黒ヴェールがかぶせてあった場所を、みた・・・。
「・・・ドッキリの看板は?・・・どこにあるんでしょう?」
「私に聞かないでくださいよ・・・。」
非常にげんなりとした声で俺は突っ込んだ。
・・・けどこれよく見ると空気と歪んだそれが境界を作って輪郭は見えるな。・・・よし、使いたくなかった切り札を使おう。・・・エネさーん!!!!!
『なんだい?』
『アレを、生身の俺にも見えるようにしてくれないか?』
『わかった、君の持っているスマホを機体に押し付けてくれ。姿は見えないかもしれないが実態はあることは確かだ。ぐいーっと行ってしまえぐいーっと。』
「オッサンの飲むような擬音語を使ってるんじゃねえ・・・んじゃ。』
とりあえず、視覚障害者のように手探りで機体を探し手先に感触が来たと同時にポケットからスマホを取り出し感触へと。
ぐいー
ぐいー
ぐいー
・・・ヤバイ、脳内オノマトペ楽しい。
そう思っていたら、スマホ画面に”なうろーでぃんぐ!”とか描かれたむかつく顔がぐるぐると回っているのが見え・・・画面が切り替わり机を挟み二人の少女が対面していた。
そして、一人の少女が口を開いた。
『お願いします!
『・・・やれんな。・・・ましてや、貴様のような優男にはな。』
「なにこの茶番劇。」
『すみません!まことに申し上げにくいのですが、私は女です!!』
『時を待て・・・。私から君に言えることはそれだけだ、ここから出て行きなさい。』
「そこ突っ込まないの?」
『まだ話は終わっ『いいから出ていきなさい!!。この話は家族で娘を加えた上で再度行う。だからでていきなさい・・・力づくで追い出してもいいんだぞ?』・・・。』
私は踵を返し、感情のままに走り去った・・・走り去ってしまった・・・。
「・・・なんですか?これ?」
山田先生がスマホ画面を覗き込みながら聞いてきた
「いや、俺だって知りませんよ・・・。」
そして、時は流れ私は彼女の父と対面してから一年・・・。
『同姓婚法が可決されました!可決に一役買ったのは』
そこで、私は自分の耳を疑った。まさか、そんなといった否定的な言葉が頭の中で渦巻き、希望が混じる・・・闇の中の光のように希望がとてもいとおしくなり私は・・・走った。
奇しくも一年前と同じだ、感情のままに走り、弱さゆえに逃げた。
唯一、違うのは、逃げるか迎えるかの違いだろう。
そして、走りに走り走った先に着いたのは、彼女の家。
不躾ながら、ノックもせずに一年前の机がある場所に行った。そして・・・いた。
『娘をやろう。』
『お、義父さん!!』
俺は無言でスマホを叩きつけ、粉砕させていた。
踏みつけて踏みつけて粉砕させた。
「うっ、うっ・・・良い話ですねぇ・・・。」
「山田先生?・・・ここ号泣するところですか?」
「感動的じゃないですか・・・。」
「ハンカチどうぞ。」
「ありがとうございます・・・。」
・・・テンプレは無しか・・・。
泣き止むまでかなり時間がかかり、泣き終わったあとに。
その姿を現した。
それは、灰色のデザイン性が全く見受けられず無骨な印象を受けるISだった。
腕や脚といった各部に、ゴセイ○ャーのゴセ○ヘッダーのような取り付け部があり背中に大きなホオズキのような塊を背負っている。肩辺りの装甲に一枚葉がある。・・・やはり。
「はぁーこれが相沢君の専用機ですか・・・なんか男の子って感じですね。」
「そうですか・・・。」
特に感想はない。ぶっちゃけどうでもいい、むしろ死にたい。
「では、乗ってください。ファーストシフトは、実戦でやったほうが簡単ですので」
「そうですねぇ・・・とりあえず乗っといたほうがいいかもしれないので乗っときます。」
『次回』・・・俺出撃!!
『そういえば、あの茶番劇はなんなんだ?』
『面白くなかったかい?』
『なんともいえません。』