【体に染み付いた行為は必ずどこかで出てしまう・・・そういう話
前回のあらすじ。
起き抜けに受験をするため、ロリ巨乳の案内にしたがって歩いて受験をしようとしたがISの反乱により、始まる前から大ピンチ。だがなんだかよく分からないうちに解決してしまった、そんなハプニングを乗り越えいま受験する。・・・進み遅くてごめん。
戦闘という受験内容を受ける俺は、アリーナの端に一人立っていた。
「真ん中に寄って下さい。」
「はい。」
そんなやり取りをしながら、俺は少し昔を思い出していた。
昔・・・それは前にいた”世界”つまり俺の今のような生ぬるい”世界”ではない。今では、血筋上の家族が国の法律に従って俺を保護しているが。元いた世界では全く違う、今の”世界”と似通った常識はあったが・・・家族が常識から逸脱していたのだ。
そんな中で俺は育った。だから、争いも絶えなかった外でも、中でも・・・。
それ故に俺は戦いが多くを占める、だが、今までは戦いが少なかった。だから久しぶりの戦いに俺は・・・撃ち震えていたんだ。
嬉しいのか・・・悲しいのか・・・それとも怖いのか、俺の中を探っても見つからなかったからよく分からないが確かに、感動していた。
だからと言って戦いたいかと問われれば、必ずいいえと答えるだろう。・・・何はともあれ平和が一番なのだ。
そんなことを思いながら鎧を動かす。
「少し、待ってくださいね。・・・織斑先生?来ましたよ?」
誰かを呼んでいるようだ。織斑・・・まさか、一夏の姉とか・・・ないよな?
そして数分たち・・・。
「遅れた、すまない。」
「・・・い、いえ。かまいません。」
・・・あぁ、体が勝手に動いちゃったよ、たぶん気弱な感じだな。そしたらそれに沿って・・・演じるだけだな
「・・・。はぁ・・・あのクソ兎が。」
それに、なんか来る途端に暴言を吐き始めたんですけど・・・。まあ、二人目か・・・みたいなこともあるんだろうな。
「あのっ・・・聞きたいことがあるんですけど・・・質問してもいいですか?」
わざとらしくない程度にたどたどしく質問する。
「かまわん。好きにしろ。」
「はい、ありがとうございます・・・それで質問なんですけど・・・どのくらいで終わるんですか?僕知りたくて・・・。」
ここまで反射的にやっている・・・。この癖直したいんだが・・・。
「私のISのシールドエネルギー・・・体力みたいなものを三割削ることだ。」
「そっ・・・そんなに・・・。」
今のは尻すぼみになって喋った。
はあ・・・殺しに掛かってるだろ・・・三割ってしかもその道のプロ・・・そこまでいくわけがないだろ・・・。まあ、やるだけやってみるか・・・。
「何か言いたいことはあるか?」
と、試験官が哀れむように何か言い始めた。・・・いや、遺言か!?。
「ゆ・・・遺言・・・ですか?」
と引きつった笑顔で強がるように俺は言った。
「遺言になるかも知れないからな・・・これが終わってIS学園に入れなければ・・・そうだな、人体実験や脳に電極が刺さったりするかもしれないぞ。」
「っ!?」
と、かなり意地の悪い顔で言った、俺はそれにおびえるように涙を浮かべながら息を呑んだ。
「・・・そろそろ時間だな。では始めるぞ。」
「ちょっ・・・。」
「何だ?」
かなりの威圧に屈したように声を下げる。
「いっ、いや・・・なんでもないです・・・。」
「・・・始めるぞ!。」
『はい、分かりました。それでは・・・受験を始めます。それでは位置についてください。あ、そこの線のことですよ。』
「はい。」
指示どうりの場所に立つそして更なる指示を待つ。試験官も同じところに立ち両の手をフリーにしている。
『・・・戦闘開始まで、5・・・4・・・。』
『3』
俺は身と歯を震わせる・・・。
『2』
まるで、相手が発しているプレッシャーと恐怖になすすべもなく、ただただ怖がるように。
『1』
そうやって・・・表層を偽り、偽りで全てを埋め尽くす。疑いのベールで俺を殺し、今の俺を僕にする。・・・ここからは、俺で無く僕の舞台だ、そして主役が出てこなくちゃ意味がないだろう?だから・・・生き延びてやる。
『始め!。』
デジャヴと言うのをご存知だろうか?そちらがなじみが無いと言うのであれば、既視感のほうがなじみが深いのではないだろうか・・・。まあ、長ったらしい前置きはスーパーマンの如く太陽にでもふっ飛ばしておき、結論を言おう。
始まったと同時に試験官が加速し俺の目と鼻の先にまで移動していた・・・と言うどこかで見た行動を使われ完全に虚を突かれた。
(クソッ・・・先手を取らせてくれないのか!。)
そこで、反射的に体を丸めた。・・・ようにする。すると、いつの間にやら出していた刀で腹の辺りを叩ききった。
機械の腕を挟んでガードしたが衝撃が尋常じゃなく俺自身の力も加わってだが後ろに五メートルほど吹っ飛び受身も取らず、ごろごろと転がって行く。
最終的にうつぶせになり刹那のうちに立ち上がる。
「っくっ・・・。」
息を無理やり飲み込んだかのような声を出し、怯えた様な顔にして相手の目を見る。
そして、勘にしたがい・・・背中を向けて無様に逃げる!!
「アァァァァァァァァァァァァァァァッ!!。」
・・・当然のごとく追われる。
だが、これには訳がある。そのわけとは・・・俺がここで培った技術、つまり篠ノ之流の戦い方に非常に似ている。・・・いやほぼそれだ。
戦い方、太刀筋、重心の位置、体重移動・・・これだけ要因があれば俺は推論で決められる。
そして、五年も一緒に模擬的な
ンなわけない
とセルフ突込みをしながら俺は逃げる。
「ちょこまかと!。」
「うわあぁぁッ!!」
右切り上げが来たので俺は斬撃の方向に沿って転がる。避けずに、その力を受け流すように転がりそこから小回りを効かせながら相手の右側に転がり、また逃げる。
「僕に何の恨みがあるんだよぉ!!?神様ァ!!」
半分涙を目に浮かべながら走る。そうしながらも考える、今出来る最善のことを・・・うんエネに助けを呼ぼう、餅は餅屋、ISはISだ。
『エネ!!。居るのか?』
とりあえず脳内で叫んでみる。すると予想外に同じように返事が返ってきた。
『うん・・・操縦難しいよね。何時助けが来るかと思っていたけど、やっぱ早めだったか。』
『こんなになる前に助けてくれよ・・・「つぁああっ!!」。』
もう一撃食らってしまった。
『えぇ?、苦しんで苦しんで、それでも四苦八苦して生き延びようとしているのを見るのが楽しいのに。』
至極残念そうに呟いた、全く持ってけしからん理由をもっていたな・・・。
『まるで道化だなおい!!。それで、教えて欲しい事があるんだが・・・。』
『何だね?』
『武器の使用方法と今現在使用できる武器を教えてくれ。それと俺のシールドエネルギーが五割になったら教えてくれ。』
今出来る一手を知らないと何にも出来ないからな。
『なるほど・・・そうだな「っ!?」、武器の使用は君が私に合図してくれ、それと使用できるのは刀と、アサルトライフルだ。五割だね了解した』
『了解。』
得た情報を元手に作戦を立てる・・・やはり、バカの一つ覚えしかないだろうな。
「ハッハッハッハッハッハッ・・・ヒィーヒィー。」
何時からだろうか、ロールプレイをしていたら、顔を歪ませながら壊れたように俺の目から涙が零れて・・・いや溢れていた。ここまで無意識的にやれる自分が怖いな・・・割とガチ目に。
それはともかく、俺はいつの間にか試験官と向かい合った状態で俺は立っていた、恐らく逃げ回っている間に自然にこうなったんだろう。
「・・・ここまで「ひっ!!??」・・・ここまで、持ちこたえたのは貴様が初めてだ。・・・逆にすごいぞ?。」
瞳孔を開かせ・・・思考を一切やめ・・・糸を切ったかのように座りこむ。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・くひゃっ。」
頭をぐしゃぐしゃとかき回しその痛みで自己を保とうとしているかのように振舞い・・・そして。
「くひゃヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!!!!!!!!!!!!!!!!!。」
そして笑った、楽しくも無いのに、万人が全て楽しくないと感じるその舞台に立っていても、自分だけは楽しいと感じていると・・・叫ぶように。
試験官はいきなりの
「ヒャッハァ!!」
右手を叩きつける。
「っく!?」
あぁ・・・成長期だし最近は過剰なくらいには体鍛えてるんだよなぁ。
まあ、そんなことはどうでもよく、そこから軌道をそれぞれ変えて右左右左・・・右と見せかけて左。といった具合に連撃を繋いで行く、それで先の
「なぁなぁなぁなぁ!!?・・・アンタいじめられたってことあるかい!?」
一際力を溜めて左を放つ。
「っくっ、ない!!。」
それを持っていた剣の刃で受け流しながら俺の手を弾く。
「だろうなぁ!!、あれってかなり屈辱的なんだぜェ!!?、っとぉ!!。」
掛け声と共に弾かれた反動を使い右を放つ、フェイントを混ぜながら後ろにバク宙しながら顎を蹴る。
「感じたことあるかァ?あの惨めな自分をォ・・・んまあ、それに逃げるためにやつは俺を作ったんだがなァ、食らえェ!!。」
右のハイキックそれをやはり剣で受け流す、その動作の途中でもう一つの足で刀をはさみそこを支点にして体を起こしながら捻りその力を解放、高速の肘打ちそれを片手で受け止められる。
「少し驚いたが・・・まだまだだn。」
「ん?何が?」『エネ!アサルト!!』
肘打ちをしていない片方の手にはアサルトライフル・・・肘打ちできるぐらいの至近距離で全弾を撃ち放った。首あたりにピンポイントで。
「油断大敵ってね?。」
といって、その体勢を解除し三メートルほど離れた。
・・・さぁて、これでどれくらい削れたかだな・・・これで、相手も本気を出すぞ。・・・少し、心が躍るな、こういうのラスボス戦みたいで。
「・・・覚悟はいいか?」
「ええ、出来てますよ。ああ、それと・・・武装の出し方を教えてください、山田さんは教えてくれなかったので。」
「・・・素人・・・なのか?」
「まあ、間違いなく戦闘においてはプロは名乗れませんね。」
名乗った途端に死にそうだな俺・・・。『色々、やらかしたからな』いや比喩じゃなくて。
「・・・どうやってアサルトライフルは出したんだ?・・・まあ、武装を頭の中でイメージするか、名前を呼べ、そうすれば出てくる。」
「なるほど・・・使える武装。」
と恐らく音声認識でも積んでいるだろうISに聞こえるように呟いた
『 近接専用ブレード
ほう、これは・・・え?
俺はやられた、その俺が最後に見たのは・・・。
してやったりといった顔で俺のことを見下ろしている試験官の凶悪な笑みだった
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
『あ、せーの。』
「餓鬼か!!!!。」
俺は全力で突っ込んでいた。